性周期のしくみがイラストでよくわかる! 一見煩雑で敬遠されがちな女性内分泌学の基礎と臨床.視床下部-下垂体-卵巣-子宮系のホルモン連鎖が関与する女性性周期の特徴から排卵障害の検査法・治療法までを,イラストや写真,フローチャートを豊富に用いて解説しています.日常臨床の手引きとして,また国家試験・専門医試験に役立つ1冊.
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目次
Ⅰ.総論
1.成人女性の月経周期のしくみ
1)月経周期
2)月経周期にかかわるホルモン
・memo 1:患者と良好なコミュニケーションをとるために
3)月経周期のメカニズム
①視床下部-下垂体-卵巣-子宮系
②フィードバック
③卵胞発育
④卵胞におけるホルモン産生
⑤排卵
⑥黄体形成と維持
⑦子宮内膜の変化
・memo 2:関連疾患の検査と合併症の予防
a.骨量の測定
b.子宮体癌のスクリーニング
c.乳癌のスクリーニング
2.内分泌機能の評価法
1)基礎体温
①基礎体温とは
②体温計
③評価
2)ホルモン検査
①月経周期におけるホルモン値の変化
②各排卵障害における新しい基準
・memo 3:AMH(抗ミュラー管ホルモン)
3)ホルモン負荷試験
4)経腟超音波検査の基本操作
①経腟超音波検査の走査手順
②子宮の大きさの評価
③子宮内膜の周期的変化とエコーパターン
5)経腟超音波による月経周期の観察
①子宮内膜像の観察
②卵巣
3.基本的な薬剤の種類と投与法
1)排卵障害に使用する薬剤
①ドーパミン作動薬
②クロミフェン
2)ホルモン製剤
①エストロゲン製剤
②プロゲスチン製剤
③EP剤
3)ホルモン補充療法
①カウフマン療法
②ピンカス療法
③ホルムストローム療法
Ⅱ.排卵障害の診断と治療
1.排卵障害の定義
1)正常な月経とは
2.無月経の分類
1)第1度無月経と第2度無月経
3.排卵障害の分類
1)排卵障害の概念
2)排卵障害の診断
①排卵障害の患者の診察手順
②超音波検査で分類した排卵障害
③ホルモン検査で分類した排卵障害
・memo 4:子宮はエストロゲンの鏡?
3)排卵障害の治療
4.各疾患の診断と治療
1)高プロラクチン血症
①疾患概念
②治療
2)中枢性排卵障害
①疾患概念
②病態
③治療
A.排卵誘発
B.ホルモン補充療法
3)多胞性卵巣症候群
①疾患概念
②病態
③治療
A.排卵誘発
4)早発卵巣機能不全
①疾患概念
②病態
③治療
イラスト・表 一覧
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序文
2006年に初版が発行された本書は,女性内分泌のしくみをわかりやすくビジュアルに解説したガイドブックとして産婦人科の若手医師だけでなく学生や研修医,他科の医師をはじめ一般の方々からもご好評をいただいております.
初版から7年が経ち,疾患に対する検査法や治療法,ガイドライン,薬剤等が一部変更になった部分もあり,この度改訂第2版を出版することとなりました.
本書の特長は,一見煩雑で敬遠されがちな女性内分泌学の基礎と臨床を豊富な図表と簡潔な説明文で表した,携帯型のビジュアルなハンドブックであることです.改訂第2版もこの特長はいかしたままで,新旧交代した項目を中心に改訂いたしました.視床下部―下垂体―卵巣-子宮系のホルモン連鎖が関与する女性性周期の特徴から排卵障害の検査法・治療法までを,フローチャートやイラスト,写真を豊富に用いて解説してあるため,専門知識がほとんどない方でもわかりやすい内容となっています.本書を日頃から持ち歩いて余白部分にメモを書き込んでいただければさらにオリジナリティのある1冊となることでしょう.排卵障害についての日常臨床の手引き書や国家試験・産婦人科専門医試験前の知識の確認として,お役立ていただければ幸甚です.
2013年5月
順天堂大学医学部産婦人科学講座准教授
北出 真理
『わかりやすい女性内分泌』初版 序
女性内分泌は女性の生理の基本であり,これを理解することは産婦人科のみならず,女性におけるすべての疾患を把握するために必要不可欠である.
女性内分泌は一見複雑でなじみにくく,産婦人科医にとってさえ敬遠されがちな領域である.しかし,視床下部-下垂体-卵巣-子宮にわたる一連のホルモンの連鎖は,整然としており,GnRH,LH,FSH,エストラジオール,プロゲステロンの5つのホルモンの基本を理解すれば,その異常と治療法を理解することは難しいことではない.
本書では,内分泌をわかりやすく解説するために,可能な限り難解な理論を排除し,もっとも理解しやすい理論のみで,ビジュアルな図表を中心に,内分泌の基本と排卵障害の病態と治療を解説した.
本書が女性内分泌を理解し,排卵障害の診断と治療のための一助になれば幸いである.
武内 裕之