睡眠やその障害に関して,日常診療で患者から問われる質問,研修医や非専門医がもつ疑問に,各分野の専門家が科学的エビデンスと自らの経験をふまえて具体的かつ丁寧に答えるエキスパート・オピニオン集.最新の知見を盛り込み,エビデンスが十分でない問題に対しても,エキスパートがどのように対応しているかを掲載.睡眠の専門家が通読しても日常診療に有用となること間違いなし!
関連書籍
ページの先頭へ戻る
目次
■■■■■■■■■■Chapter 1 睡眠の基礎■■■■■■■■■■
Q 1 眠りはなぜ必要か?
Q 2 動物と人の睡眠の違いは?
Q 3 睡眠物質とは? 覚醒物質とは?
Q 4 睡眠覚醒調節機構とは?
Q 5 時計遺伝子とは? 中枢時計と末梢時計の役割は?
Q 6 子どもの夜更かし・朝寝坊の悪影響は?
Q 7 子どもにとって早寝・早起きの効能は?
Q 8 子どもの夜泣きの原因と対策は?
Q 9 成人はどれくらい眠ればよい?
Q 10 高齢者の睡眠時間は少なくてよい? 高齢者になると昼寝が多くなる理由は?
Q 11 夕方に眠気がなくなる時間帯がある.そのメカニズムは?
Q 12 睡眠中に寝汗がひどいのはどんなとき?
Q 13 睡眠中に体動が多い人と少ない人の違いは?
Q 14 寝言の多い人と少ない人の違いは?
Q 15 照明やテレビをつけたまま寝ると浅い睡眠になる?
Q 16 ラジオなど音楽を聴きながら寝ると浅い睡眠になる?
Q 17 夢はよい夢より悪い夢が多い? 悪夢を減らす方法はある?
Q 18 寝ることで記憶は固定される? 睡眠学習は可能?
Q 19 レム睡眠とノンレム睡眠の役割は?
Q 20 朝,あらかじめ決めた時刻に起きるコツは?
■■■■■■■■■■Chapter 2 睡眠と検査■■■■■■■■■■
Q 21 質問紙による睡眠関連QOL評価にはどのようなものがある? その特徴と問題点は?
Q 22 PSGのプレパレーションと実施法は? アテンド(常時監視)は必要か?
Q 23 中枢性無呼吸,閉塞性無呼吸,混合性無呼吸の鑑別法は?
Q 24 PSGスコアリングと報告書の記載法は?
Q 25 CPAPのオートタイトレーションとマニュアルタイトレーションの違いは?
Q 26 経皮CO2モニタの意義と限界は?
Q 27 小児のPSG判定において気をつけることは?
Q 28 高齢者のPSG判定において気をつけることは?
Q 29 PSG記録のアーチファクトとは?
Q 30 アクチグラフやライフコーダの特徴と使用法は?
Q 31 簡易(携帯型)呼吸モニタによる無呼吸検査の適応と限界は?
Q 32 マット型シート型睡眠モニタ検査とは?
Q 33 眠気の検査とは? 自覚的な眠気はあてにならない?
Q 34 睡眠潜時反復測定検査(MSLT)の施行法は?
Q 35 覚醒維持検査(MWT)はどのような場合に行われる?
Q 36 睡眠時周期性四肢運動の計測法と判定法は?
Q 37 むずむず脚症候群の下肢不動化(示唆)検査(SIT)とは?
Q 38 レム睡眠行動障害の検査としてなぜ嗅覚検査を行うのか? 検査結果の見方は?
Q 39 レム睡眠行動障害に123I-MIBG心筋シンチグラフィを行うのはなぜ? 検査結果の見方は?
Q 40 鼻腔通気度検査とは?
Q 41 食道内圧測定の意義とは?
Q 42 睡眠障害で行うホルモン検査とは?
Q 43 睡眠障害に関連する遺伝子とは?
Q 44 睡眠脳波でてんかん性異常波が増える? その理由は?
Q 45 ルーチン脳波検査でみられるSOREMPの意義は?
Q 46 PSG記録時に生じたてんかん発作への対処法は?
Q 47 PSG記録時に生じる可能性のある心血管イベントとその対策は?
Q 48 周期性交代パタン(CAP)とは?
Q 49 睡眠脳波波形にα波が侵入する? α-δ睡眠,K-α複合波,レム期のα群発とは?
Q 50 睡眠医療認定検査技師の資格と役割とは?
■■■■■■■■■■Chapter 3 不眠症■■■■■■■■■■
Q 51 質問紙による不眠症評価にはどのようなものがある?
Q 52 不眠症とは? 睡眠不足との違いは?
Q 53 眠りが浅いと訴える人へのアドバイスは?
Q 54 中途覚醒が多いという人へのアドバイスは?
Q 55 朝早く目が覚めると訴える人へのアドバイスは?
Q 56 薬剤が原因となる不眠症がある?
Q 57 精神生理性不眠症とは?
Q 58 逆説性不眠症とは?
Q 59 認知行動療法とは?
Q 60 刺激制御療法とは?
Q 61 睡眠制限療法とは?
Q 62 月経周期・妊娠・出産に関連する睡眠障害とその対処法は?
Q 63 中高年女性に不眠症が多い? 更年期に不眠症が起こりやすい?
Q 64 質のよい睡眠を得るための寝具・枕や照明などの室内環境の工夫は?
Q 65 質のよい睡眠を得るための入浴や室温などの体温管理の工夫は?
Q 66 ニコチン,カフェイン,酒と睡眠との関係は?
Q 67 眠りの質をよくする食事とは?
Q 68 不眠に効果のあるサプリメントはある?
Q 69 不眠症に効果のある漢方薬はある?
Q 70 睡眠不足は免疫機能を低下させる?
Q 71 不眠症に対する運動の効果は?
■■■■■■■■■■Chapter 4 睡眠薬■■■■■■■■■■
Q 72 睡眠薬は怖いという人へのアドバイスは? 睡眠薬を最初に処方するときに注意することは?
Q 73 薬局で買える睡眠改善薬とは? その功罪は?
Q 74 睡眠薬はだんだん効かなくなるかと問う患者へのアドバイスは? 常用量依存とは?
Q 75 睡眠薬よりも抗不安薬の方が安全?
Q 76 患者が睡眠薬を過量服用してしまったら?
Q 77 睡眠導入薬と睡眠薬とは違う?
Q 78 ベンゾジアゼピン系と非ベンゾジアゼピン系睡眠薬はどのような違いがある?
Q 79 ブロチゾラムの錠剤と口腔内崩壊錠の使い分け方は?
Q 80 ゾピクロンとエスゾピクロンの使い分け方は?
Q 81 メラトニンアゴニスト(ラメルテオン)の特徴は? どのような患者に用いる?
Q 82 抗オレキシン系睡眠薬の使い方は?
Q 83 睡眠薬のやめ方は?
Q 84 睡眠薬の離脱症状とは? 反跳性不眠とは?
Q 85 高齢者への睡眠薬投与の注意点は?
Q 86 抗うつ薬が睡眠に与える影響は?
Q 87 抗精神病薬が睡眠に与える影響は?
Q 88 「麻薬及び向精神薬取締法」と睡眠薬との関連は?
■■■■■■■■■■Chapter 5 過眠症■■■■■■■■■■
Q 89 質問紙による過眠症評価とその問題点は?
Q 90 過眠症とは?
Q 91 ナルコレプシーの原因は?
Q 92 幻覚妄想を伴うナルコレプシーはある?
Q 93 金縛りを頻繁に繰り返す人(反復孤発性睡眠麻痺)へのアドバイスは?
Q 94 特発性過眠症の診断方法と治療法は?
Q 95 反復性過眠症は男性に多い? その治療法は?
Q 96 メチルフェニデートが使える医師には制限がある? その使い方と注意点は?
Q 97 ペモリンの使い方と注意点は?
Q 98 モダフィニルの使い方と注意点は?
■■■■■■■■■■Chapter 6 睡眠とリズム■■■■■■■■■■
Q 99 睡眠覚醒の概日リズムの発現機構
Q 100 睡眠相前進障害の原因と対処法は?
Q 101 睡眠相後退障害の原因と対処法は?
Q 102 自由継続型(非同調型)リズム障害の原因と治療は?
Q 103 不規則睡眠覚醒型リズム障害の原因と治療は?
Q 104 内的脱同調とは?
Q 105 朝型や夜型の体質は変えられる?
Q 106 高照度光療法の標準的な施行法は?
Q 107 概日リズム睡眠障害へのメラトニンの使い方は?
Q 108 概日リズム睡眠障害にビタミン剤は有効?
Q 109 朝日を浴びるとよく眠れる? 夕日を浴びると寝付く時間が遅れる?
Q 110 時差にうまく適応する方法は?
Q 111 効果的な夜勤シフト(二交代制,三交代制)とは?
Q 112 夜勤明けの日中にうまく睡眠をとる方法は?
Q 113 睡眠日誌のつけ方は?
■■■■■■■■■■Chapter 7 睡眠時随伴症■■■■■■■■■■
Q 114 睡眠時随伴症(パラソムニア)とは?
Q 115 成人にみられるノンレムパラソムニアの特徴と対処法
Q 116 抗ウイルス薬タミフルⓇは夜間の異常行動を起こす?
Q 117 高齢者の寝ぼけの原因と対処法は?
Q 118 睡眠中の寝ぼけが事故や犯罪に結びつくことがある?
Q 119 レム睡眠行動障害の原因と対策は?
Q 120 覚醒障害の3病態(錯乱性覚醒,睡眠時遊行症,睡眠時驚愕症)は区別できる? 対処法が異なる?
Q 121 子どもの睡眠時遺尿症(夜尿症)への対処法は?
Q 122 睡眠関連摂食障害と夜間摂食症候群の違いは? その対処法は?
Q 123 頭内爆発音症候群とは? その対処法は?
Q 124 睡眠関連唸り(カタスレニア)とは? その対処法は?
Q 125 夜間てんかん発作とパラソムニアの鑑別のコツは?
■■■■■■■■■■Chapter 8 睡眠関連運動障害■■■■■■■■■■
Q 126 睡眠関連運動障害とは?
Q 127 むずむず脚症候群の診断と治療方針は?
Q 128 むずむず脚症候群と周期性四肢運動の関連は?
Q 129 子どもにむずむず脚症候群はある? その対処法は?
Q 130 妊娠とむずむず脚症候群との関連は?
Q 131 鉄欠乏性貧血があるとなぜむずむず脚症候群になる?
Q 132 腎透析を受けている人にはなぜむずむず脚症候群が多い?
Q 133 むずむず脚症候群治療によるオーグメンテーションとは? その対策は?
Q 134 覚醒時にみられる周期性四肢運動とは?
Q 135 こむらがえりを頻繁に繰り返す人へのアドバイスは?
Q 136 睡眠関連異常嚥下,睡眠関連窒息,睡眠関連喉頭けいれんとは?
Q 137 睡眠関連律動性運動障害とは?
Q 138 睡眠時ひきつけ(睡眠時ぴくつき)とは?
Q 139 乳児期(新生児期)の睡眠時ミオクローヌスとは?
Q 140 歯ぎしりとは? どう対処する?
■■■■■■■■■■Chapter 9 睡眠関連呼吸障害■■■■■■■■■■
Q 141 睡眠関連呼吸障害とは?
Q 142 CPAPのアドヒアランスを向上させるには?
Q 143 CPAP使用状況モニタの無呼吸低呼吸指数はあてにならない?
Q 144 OSASは女性に少ない? その理由は?
Q 145 CPAPの圧が適切でないとどうなるか?
Q 146 自動CPAPと固定CPAPはどのように使い分ける?
Q 147 CPAPとBilevel PAPの使い分けは?
Q 148 SASでASVを使うのはどのようなとき?
Q 149 CPAPを離脱するにはどうしたらよい?
Q 150 CPAP治療後に残存する眠気の対処法は?
Q 151 乳幼児に睡眠時無呼吸はある?
Q 152 小児の睡眠時呼吸障害の原因と治療方針は成人と違う?
Q 153 いびき症とは? その対処法は?
Q 154 高齢者のSASは積極的に治療しない?
Q 155 睡眠時低換気症候群とは? その対処法は?
Q 156 睡眠呼吸障害と胃食道逆流症との関連は?
Q 157 SASはメタボリックシンドロームになりやすい?
Q 158 SASは高血圧や心筋梗塞になりやすい?
Q 159 心不全でチェーン‐ストークス呼吸が生じるメカニズムは? チェーン‐ストークス呼吸は心不全の予後不良の徴候?
Q 160 心疾患を伴う睡眠時無呼吸には在宅酸素療法を行う?
Q 161 鼻閉のある人にCPAPを使うときの注意点は?
Q 162 耳鼻科関連のsleep surgeryとは? どのような例に適応がある?
Q 163 OSASに対する口腔内装置の適応は?
Q 164 OSASになりやすい顔や顎の形は? その計測法は?
Q 165 OSASに対する歯科関連sleep surgeryの適応は?
Q 166 保険診療に基づいたOSAS治療の問題点は?
Q 167 睡眠関連頭痛と片頭痛の鑑別と対処法は?
Q 168 脳卒中とSASは関連する?
Q 169 神経筋疾患に伴う睡眠時無呼吸(睡眠関連呼吸障害)とは?
■■■■■■■■■■Chapter 10 精神疾患と睡眠■■■■■■■■■■
Q 170 うつ病の睡眠障害の治療方針は?
Q 171 季節性感情障害は日本にもある? その治療方針は?
Q 172 うつ病に対する覚醒療法(断眠療法)の適応と注意点は?
Q 173 睡眠中のパニック発作とは? その対処法は?
Q 174 双極性障害(躁うつ病)の睡眠障害の治療方針は?
Q 175 認知症はなぜ昼夜逆転する?
Q 176 外傷後ストレス障害(PTSD)の睡眠障害の治療方針は?
Q 177 不眠症は自殺に結びつく?
Q 178 統合失調症の睡眠障害の治療方針は?
Q 179 むずむず脚症候群と抗精神病薬によるアカシジアとの違いは?
■■■■■■■■■■Chapter 11 身体疾患と睡眠■■■■■■■■■■
Q 180 夜間高血圧とは? 血圧の時間生物学的治療とは?
Q 181 夜間不整脈,睡眠時心停止,夜間突然死とは?
Q 182 睡眠関連てんかんとは? 純粋睡眠てんかんとは?
Q 183 断眠後は覚醒時脳波でてんかん性異常波が増える? てんかん発作が増える?
Q 184 パーキンソン病患者に起こる日中の過度の眠気,突発性睡眠とは?
Q 185 痒み・痛みによる不眠とその対処法は?
Q 186 高齢者の夜間頻尿への対処法は?
Q 187 せん妄と睡眠の違いは?
Q 188 がん患者の睡眠障害の特徴とその対策は?
Q 189 睡眠不足あるいは不規則な睡眠はがんと関係する?
■■■■■■■■■■Chapter 12 社会と睡眠■■■■■■■■■■
Q 190 睡眠障害は増えている?
Q 191 睡眠障害の経済的損失額の算出方法は?
Q 192 サマータイムとは? 海外の状況は? シエスタとは?
Q 193 日中の眠気と交通事故の実態は?
Q 194 重度の眠気で運転免許が制限される場合とは?
Q 195 運転労働者の疲労・仮眠対策の実態は?
Q 196 処方薬により交通事故を起こした事例は? 医師の責任は?
Q 197 睡眠障害による産業事故の実態は?
Q 198 睡眠クリニックの現状と課題は?
Q 199 日本睡眠学会が認定する専門医と専門医療機関の基準は?
Q 200 “睡眠の日”とは? その目的は?
***********************************************************
Mini Lecture
・子どもの睡眠不足症候群,生活リズムの乱れによる影響の実際
・コリック
・マスキング効果
・悪夢障害
・一夜漬けは可能か?
・低呼吸の判定
・上行性病態進行仮説
・15歳男性の症例
・夜勤者のアンカースリープとは?
・小児における夜間発作性エピソードの鑑別
***********************************************************
One Point Advice
・メラトニンの分泌を促すための夜間の照明について
・ブルーライトについて
・逆説睡眠とオルソ睡眠
・薬物代謝酵素シトクロムP450(CYP)3A4
・偽睡眠とは?
・むずむず脚症候群の非薬物療法とは?
・口腔内装置治療を避けて通ることはできない?
・そもそも上下顎骨の形態的異常は予防できないのか?
・睡眠時頭痛とは?
・腎デナベーション
***********************************************************
ページの先頭へ戻る
序文
現代は5人に1人が睡眠に関する悩みを抱えているといわれ,睡眠不足や眠気による運転事故・災害事故も大きな社会問題となっている.長時間労働や交代性勤務は常態化し,テレビの深夜放送やインターネットが普及するなど,慢性的に睡眠を犠牲にする社会といえる.特に日本人は外国人と比べて睡眠時間が短く,学校では学生が授業中に居眠りをし,電車内ではサラリーマンが眠り込んでいる風景は日本の風物詩ともなっている.このような睡眠習慣への反省のためか,最近は睡眠やその障害に対する関心が高くなってきた.新聞・雑誌・テレビなどでは睡眠を特集した記事や番組が繰り返し報道・放映され,一般向けに書かれた睡眠関連の書籍が大量に出版されている.睡眠に関する情報はインターネット上にもあふれ,診療現場においても不眠や睡眠薬に対して過剰な不安を訴える人が増えつつあるように思われる.
本書は日常診療で睡眠に関連して問われることの多いクリニカルクエスチョン,あるいは研修医や非専門医が睡眠障害に関してもつことの多いクエスチョンを200題とりあげた.そして,それぞれの領域の専門家が,科学的エビデンスと自らの経験をふまえて具体的かつ丁寧に答えるエキスパート・オピニオン集である.各種睡眠障害についての診療ガイドラインは多く公表され,多くの例に適用される標準的方法が勧告されている.一方,エキスパート・オピニオンは最新の知見を盛り込むことができ,例外的な症例にも適用できる方法を提案しており,診療ガイドラインとエキスパート・オピニオンは相補的な関係にあるといえる.
エキスパート・オピニオンは科学的エビデンスが十分とはいえなくとも,潜在的なリスクが想定される問題もとりあげることができる.たとえば,最近話題となっているブルーライト問題がある.LED照明やスマートフォン画面の青色成分はエネルギーが大きいことから,夜間に曝露すると網膜障害だけでなく,メラトニン分泌抑制や慨日リズム障害を介してさまざまな健康障害をきたすというものである.このような現象は個体差が大きいため,健康への影響を一般論として論じることは困難である.本書では複数の箇所でこの問題が取り上げられ,エビデンスが十分でない問題に対してエキスパートがどのようなスタンスで対応しているかについても示唆を与えてくれている.
本書は睡眠医療を担う若手の医師やコメディカルを対象に企画された.睡眠学は睡眠科学,睡眠医歯薬学,睡眠検査学,睡眠社会学などの広い領域をカバーするが,本書の執筆者はそれぞれの分野の第一線で活躍されているエキスパートである.解説文には目からうろこの貴重な提言が散見され,睡眠の専門家が通読しても日常診療に有用な記述を随所に発見できると思われる.本書が睡眠や睡眠障害に取り組んでいる多くの人々に役立つことを願ってやまない.
2013年12月
東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科
生命機能情報解析学分野 教授
松浦雅人