診断と治療
最新の医学情報を最高の執筆陣でお届けする内科総合雑誌のパイオニア!
わが国の内科総合誌のパイオニアで,数ある総合誌のなかでも抜群の安定性と評価を誇る. 新進気鋭の編集委員を迎え,最新情報を盛り込み読みごたえ満点. 連載「視診で見抜く!皮膚疾患の診かた」「注目の新薬」など. 増刊号も毎回シャープな切り口と実際的な内容が大好評. 2色刷のビジュアルな誌面. |
2022年 Vol.110 No.3 2022-03-04
かかりつけ医からみた糖尿病診療
定価:2,860円(本体価格2,600円+税)
ねらい 小川純人
◆総論:糖尿病の基礎知識
糖尿病の疫学 後藤 温
糖尿病の診断と検査 脇 裕典
糖尿病診療における先進デバイスの活用 澤木秀明,他
◆各論:糖尿病の治療・予防対策
食事療法 関根里恵
運動療法 田村好史,他
糖尿病治療における薬剤選択の考え方 秋山 優,他
経口糖尿病薬による薬物療法 渡邉健太郎
糖尿病注射薬による薬物療法 大西由希子
◆各論:糖尿病診療における合併症の管理
糖尿病性腎臓病 脇野 修,他
糖尿病性神経障害 三浦絵美梨,他
糖尿病網膜症 野崎実穂
虚血性心疾患 石井秀樹
急性合併症 麻生好正
◆各論:並存疾患を有する糖尿病患者の診療
フレイル,サルコペニア 田村嘉章
糖尿病と認知症 梅垣宏行
骨粗鬆症 山本昌弘
消化器疾患 鍛治孝祐,他
癌 能登 洋
連 載
◎心電図は1枚の窓
胸痛を主訴に受診した63歳男性 中村健太郎,他
◎注目の新薬
ツイミーグ®錠(イメグリミン塩酸塩錠) 綿田裕孝,他
◎医療裁判の現場から
20年以上前に発症した慢性B型肝炎がセロコンバージョンを起こした後に再燃した場合に,特定B型肝炎給付金は時効の影響を受けるか? 笠間哲史
超高齢社会を迎えたわが国において,糖尿病有病率は増加しつつあるが,糖尿病の発症や進展には,加齢,肥満,運動不足,食事・生活習慣,家族歴などに加えて,高血圧や脂質異常症をはじめとした種々の危険因子が関与している.加えて,糖尿病や動脈硬化を基盤として脳血管障害,冠動脈疾患,腎障害,網膜症などの急性・慢性の合併症を伴いやすく,認知症,フレイル,サルコペニア,骨粗鬆症,肝疾患,癌などとの関連性も明らかになってきている.そのため,健康寿命延伸を目指すうえでも,これまで以上に糖尿病の予防・診断・治療の重要性を理解し,糖尿病の合併症や並存疾患に配慮した診療を行うことが一層重要となっている.加えて,これまでの糖尿病の診断や治療に関する研究の進展に伴って,糖尿病に関する病態の解明,デバイスの開発,エビデンスの蓄積が進むとともに,新しい検査法,治療法や治療薬も登場してきている.さらにまた,糖尿病の合併症・併存疾患に関する発症・進展予防についても様々な知見やエビデンスが蓄積しつつあり,実地診療の現場でこれらを活用,実践する必要性が高まっている.
本特集では「かかりつけ医からみた糖尿病診療」と題して,診療現場やお手元で活用いただけることを念頭に,「糖尿病の基礎知識」「糖尿病の治療・予防対策」「糖尿病診療における合併症の管理」という総論・各論から内容を構成した.そこでは糖尿病診療や研究に従事する幅広い方々を対象に,各分野の第一線でご活躍のエキスパートの先生方より,基本的な考え方から最新の知見・トピックス,さらには臨床への展開や将来展望に至るまで,わかりやすく解説いただいた.本特集を通じて,かかりつけ医や実地医家の先生方を含め,糖尿病診療やケアを担う医療従事者にとって実際的な知識やスキルを深める契機となり,ひいては糖尿病対策のさらなる推進や糖尿病に十分配慮した全身管理,疾患管理へとつながることを期待する.
東京大学大学院医学系研究科老年病学
小川純人