診断と治療
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わが国の内科総合誌のパイオニアで,数ある総合誌のなかでも抜群の安定性と評価を誇る. 新進気鋭の編集委員を迎え,最新情報を盛り込み読みごたえ満点. 連載「視診で見抜く!皮膚疾患の診かた」「注目の新薬」など. 増刊号も毎回シャープな切り口と実際的な内容が大好評. 2色刷のビジュアルな誌面. |
2024年 Vol.112 No.1 2024-01-10
フレッシャーズからベテランまで いま知りたい心房細動治療
定価:2,970円(本体価格2,700円+税)
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ねらい 阿古潤哉
心房細動とは
心房細動の疾患概念と疫学 中原志朗
病診連携
プライマリ・ケア医が心房細動をみたら何をすべきか 小田倉弘典
専門医紹介のタイミング 大西克実
抗凝固療法にまつわる諸問題
抗凝固療法の適応と注意点 田中宣暁
非心臓手術周術期の抗凝固管理 黒田俊介,林 英守
カテーテルアブレーション時の抗凝固療法 松永泰治
超高齢者における抗凝固療法 廣田尚美,鈴木信也
他疾患合併例における抗凝固療法 深谷英平
抗凝固療法中の出血への対応 萩原かな子,岩﨑雄樹
リズムコントロール
抗不整脈薬による除細動の適応と注意点 篠原徹二
電気的除細動の適応と注意点 野村丈紘,山下賢之介
アブレーションの適応と注意点 徳田道史
ペースメーカの適応と注意点 岸原 淳
レートコントロール
レートコントロールの実際 林 達哉
新しい診断法・治療
植込み型ループレコーダー 川治徹真
ウェアラブルデバイス 妹尾恵太郎
WATCHMAN™,外科的左心耳切除 福永真人
連載
視診で見抜く! 皮膚疾患の診かた
ステロイド外用薬の適応でないのはどれか? 梅林芳弘
注目の新薬
イジュド®(トレメリムマブ),イミフィンジ®(デュルバルマブ)併用療法 藤原裕大,黒田英克
弁護士が答えます! 法律相談クリニック
若手医師に指導する際,パワハラを疑われないためには? 笹山桂一
急速な高齢化社会を迎えている日本において,加齢に伴って有病率の増加する心房細動は日常診療で数多く遭遇する疾患である.心房細動は心機能を低下させるのみならず塞栓症のリスクを高める.このため,その治療には脈のリズムや数をどのようにコントロールするかという問題と,塞栓症の治療をどのように組み立てていくかという問題に対処する必要がある.脈のリズムコントロールにおいては肺静脈のアブレーションが非常に多く行われるようになってきており,抗不整脈薬のみの時代とは大きくその様相を変えてきている.また,直接経口抗凝固薬(DOAC)の登場から10年たち,臨床現場での使用方法もかなりこなれたものになってきている.さらに左心耳閉鎖術の登場で,抗凝固療法を行いにくい患者に対しての治療を提供できるようになってきている.心房細動に対する診断と治療は日々進歩しているといえる.
さて,本特集では,一般医家でも非常に多く遭遇するこの疾患に対し,まずはどのような対処が必要で,どのような患者を専門家に回せばよいのかなどの疑問点に関して答えを出せるような章立てから始めることとした.プライマリ・ケアの医師がまず何を行うべきなのか,どのような患者を専門医に紹介すべきなのかを最初にまとめていただいた.次に,特に抗凝固療法にまつわる様々な問題点,合併症に対する注意事項などに関して一般医家のみならず,専門病院の勤務医あるいは循環器内科医以外にも知っておいていただきたい内容に関して簡潔にまとめていただいた.さらに最近のリズムコントロールの方法とその注意点に関して,電気的除細動,薬物による除細動あるいはアブレーションについてもまとめて記載した.最後には新たな診断法として,植込み型ループレコーダーなどのデバイスによる診断に関しても記載していただいた.
本特集は現時点における心房細動治療の最新の知識がまとめられている.まずは患者のゲートキーパーとなる一般医家から,紹介される側となる医療機関の医師にとっても参考になる情報をコンパクトにまとめた.また,図や写真も多く含まれており,医師以外の方にとっても非常に内容の濃い読み物になっている.本特集が心房細動治療にかかわるすべての方にとってお役に立つものと確信している.
北里大学医学部循環器内科学
阿古潤哉