診断と治療
最新の医学情報を最高の執筆陣でお届けする内科総合雑誌のパイオニア!
わが国の内科総合誌のパイオニアで,数ある総合誌のなかでも抜群の安定性と評価を誇る. 新進気鋭の編集委員を迎え,最新情報を盛り込み読みごたえ満点. 連載「視診で見抜く!皮膚疾患の診かた」「注目の新薬」など. 増刊号も毎回シャープな切り口と実際的な内容が大好評. 2色刷のビジュアルな誌面. |
2024年 Vol.112 No.6 2024-06-05
大きく変貌したリハビリテーション医療
定価:2,970円(本体価格2,700円+税)
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ねらい 上月正博
総論
リハビリテーションの大変貌 内科でも活かせるTIPS 上月正博
各論:領域別のリハビリテーション医療
脳血管障害急性期のリハビリテーション医療 角田 亘
脳血管障害回復期のリハビリテーション医療 補永 薫,藤原俊之
高次脳機能障害のリハビリテーション医療 羽田拓也,安保雅博
認知症のリハビリテーション医療 粟田主一
てんかんリハビリテーション 藤川真由,小川舞美,中里信和
摂食嚥下障害のリハビリテーション医療 國枝顕二郎,藤島一郎
心臓リハビリテーション―心筋梗塞・心不全など― 福本義弘
呼吸リハビリテーション―慢性閉塞性肺疾患・間質性肺炎など― 海老原 覚,小畑景祐
腎臓リハビリテーション 伊藤 修
肝臓リハビリテーション 上村博輝,寺井崇二
重度肥満症に対する減量・代謝改善手術と運動療法の役割 内藤 剛
悪性腫瘍のリハビリテーション医療 櫛田 幸,村岡香織,辻 哲也
腰痛・膝痛のリハビリテーション医療 津田英一
フットケアとリハビリテーション医療 石岡邦啓,小林修三
転倒・介護予防のリハビリテーション医療 萩野 浩
最新情報
ロボットのリハビリテーション医療への導入 粕川雄司,宮腰尚久
ICTのリハビリテーション医療への導入―遠隔心臓リハビリテーションを中心に― 谷口達典
デジタルセラピューティクス(DTx)のリハビリテーション医療への導入 三浦平寛
COVID-19後遺症患者へのリハビリテーション医療 佐々木信幸
座談会
高尿酸血症と合併症~CVD残余リスクとして薬剤介入を考える~ 提供:株式会社富士薬品
連載
新連載 ジェネラリストのための咽頭のみかた
口内炎が治りません! 小藤 望
注目の新薬
パルモディアⓇ XR錠(ペマフィブラート) 山下静也
弁護士が答えます! 法律相談クリニック
スタッフによる資料の持ち出しや紛失が判明したときは? 太田善大
臨床例
メポリズマブが長期間安全に使用し得た,超高齢者難治性好酸球性喘息の1例 渡邉恵介,ゴルベヴ美菜子,川田 博,岡田秀雄,金子 猛
わが国は世界一の超高齢社会に突入し,重複障害を有する患者が激増している.内科診療で感じることは,対象患者の複数の臓器機能の低下と脳神経疾患や運動器疾患などの合併,フレイル・サルコペニアなどからもたらされる運動機能・生活機能の低下である.
運動機能・生活機能の低下は,認知機能の低下,摂食・嚥下機能の低下による誤嚥性肺炎などを伴い,生命予後を短縮する.患者の生活の質を低下させ,家族の介護負担を増やす.
超高齢・重複障害に対する医療の切り札として注目されているのがリハビリテーション医療である.リハビリテーション(以下,リハビリ)の語源は「再び適した状態にすること」という意味である.広辞苑にも「治療段階を終えた疾病や外傷の後遺症をもつ人に対して,医学的・心理学的な指導や機能訓練を施し,機能回復・社会復帰をはかることである」と載っている.
しかし,リハビリはこの10年で大きな進歩を遂げ,その概念が変化し,対象疾患が拡大してきた.かつては,医療は「寿命の延長(Adding Years to Life)」が,リハビリは「生活・運動機能の改善や生活の質の改善(Adding Life to Years)」が主目的と考えられたが,その概念が変化した.すなわち,リハビリは,心不全などの予防・再発予防などを通じて“Adding Life to Years”のみならず,「生活・運動機能の改善や生活の質の改善に加えて寿命の延長(“Adding Life to Years and Years to Life”)」というパラダイムシフトが起きて,「理想の医療」となってきた.
対象疾患の変化に関して,従来は安静が治療であった心不全,慢性腎臓病,肝疾患などにも積極的なリハビリ(運動療法)が推奨され,リハビリ医療の対象者が激増した.さらに,ロボット,ICT,デジタルセラピューティクス(DTx)など最新技術の導入も行われており,最近のリハビリ医療の変貌ぶりには目を見張るものがある.
本特集では,超高齢・重複障害に対する医療の切り札として,内科でも活かせるリハビリ医療をエキスパートの先生に解説いただいた.この特集が,一般医家の先生のみならず,リハビリ医療の専門の医師も含めた多くの読者に役立つことができるものと確信している.
山形県立保健医療大学/東北大学
上月正博