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診断と治療社 | 雑誌詳細:診断と治療

診断と治療

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2024年 Vol.112 No.10 2024-10-03

総合的な診療能力を高める 診断推論戦略Up To Date

定価:2,970円(本体価格2,700円+税)

冊 

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掲載論文

ねらい  鋪野紀好

総論Ⅰ 臨床推論と卓越した診断
 臨床推論とは  清田雅智
 卓越した診断―Diagnostic Excellence―  高田史門,徳田安春

総論Ⅱ 診断推論戦略―Fundamental
 二重過程理論 直観と分析を駆使する  鈴木富雄
 Semantic Qualifier 適切な統制語を設定する  鋪野紀好

総論Ⅲ 適切な情報収集―History & Physical Examination
 診断のための病歴聴取の方法  山本 祐
 診断に寄与する身体診察の方法  川島篤志

各論Ⅰ 診断推論戦略―Classical Strategy
 解剖学的アプローチ―Anatomical approach―  平田理紗,德島圭宜,多胡雅毅
 病態生理学的アプローチ―VINDICATE鑑別診断法―  梶 有貴
 診断の不確実性  安藤崇之
 帰納的渉猟と誘発されるルーチン―Inductive foraging and triggered routines―  原田 拓

各論Ⅱ 診断推論戦略―Modern Strategy
 Pivot and Cluster Strategy―軸となる鑑別疾患とその周辺疾患―  松尾裕一郎
 DECLARE A Comprehensive, Multifaceted Cognitive Forcing Strategy  志水太郎
 水平/鉛直トレース―Horizontal and vertical tracing―  田島篤生,宮上泰樹
 患者受療行動に基づく診断―Behavior-based medical diagnosis―  鋪野紀好
 ICTを活用した診断戦略  佐々木陽典

連載
ジェネラリストのための咽頭のみかた
 高熱,咽頭痛,全身倦怠感!  藤原崇志
弁護士が答えます! 法律相談クリニック
 問題行動のある医師は解雇できますか?  鵜澤亜紀子

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ねらい

 近年,わが国では地域における医療体制の見直しや医師の地域偏在および診療科偏在を解消する重要性が再認識されるとともに,高度医療の浸透や地域構造の変化を踏まえた新時代に適応可能な医療人材の養成といった課題が顕在化している.そのなかで,これらの課題を解決するために「総合的な診療能力を有する医師」の育成が求められている.内閣府からの「経済財政運営と改革の基本方針2024」にも明記されているほか,卒前の医学教育の教育指針となる「医学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版)」(文部科学省)でも「総合的に患者・生活者をみる姿勢」が新たな資質・能力として追加された.上記の背景のなか,「総合的な診療能力」を醸成することが,医学生や若手医師に限らず,実地医家にとっても「リカレント教育」としてその能力を再度磨き上げる必要性が高まっていることがわかる.
 「総合的な診療能力」といっても,様々な診療能力が含まれているが,本特集ではそのなかでもすべての医師にとって基盤となる診断推論にフォーカスした企画としている.「診断」がつくことは適切な「治療」への第一歩であるが,一般外来,救急外来,病棟などでの診療において診断に確信がもてない,あるいは診断が想起できないと感じることは医師であれば少なからず経験することであろう.診断の不確実性に直面することは,患者のアウトカムを妨げる可能性だけでなく,医師は専門職として大きな心理的負担にもなる.
 それでは医師の基盤ともいえる診断推論の思考プロセスはどのようにして修得するのがよいであろうか.診断推論の思考プロセスは一部の卓越した臨床医が有する「アート」や「名人芸」と揶揄されることがある.しかしながら,診断推論には医師が本質的な能力として活用できる「戦略」があり,診断推論戦略は診療所や病院,地方や都市などの診療設定にかかわらず,医師にとって有用な技法である.本特集では診断推論戦略に精通したエキスパートが,診断推論戦略についてクラシカルな方略から近年新たに提唱されている方略まで,診断推論戦略をUp To Dateすることを目的としている.また,各論ではそれぞれの診断推論戦略に加え,その戦略について症例を通じてどのように活用するかについても解説する.本特集が,これから診断推論戦略を学ぶ初学者や,さらに診断推論能力を向上させたい熟練医まで,実地医家が「総合的な診療能力」を涵養するための一助になることを願う.

千葉大学大学院医学研究院地域医療教育学/千葉大学医学部附属病院総合診療科
鋪野紀好

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2024年 Vol.112
No.11 特集/外来で見逃さない危険な疾患,相談すべき症例最新号
No.10 特集/総合的な診療能力を高める 診断推論戦略Up To Date
No.9 特集/ここが知りたいアルコール性肝疾患
No.8 特集/健康長寿社会に向けた疾患予防と治療戦略
No.7 特集/スキルアップ心不全治療-診断からフォローまで
No.6 特集/大きく変貌したリハビリテーション医療
No.5 特集/日常診療で診るCKD 乗り遅れないための最新情報
No.4 特集/Choosing Wisely 内科医の賢明な選択とは
No.増刊号 特集/よくわかる!精神疾患対応 これ1冊
No.3 特集/感染症を鑑別したあとは? 非感染性腸炎を見極める!
No.2 特集/ココが変わった 肥満症診療の最前線
No.1 特集/フレッシャーズからベテランまで いま知りたい心房細動治療
2023年 Vol.111
No.12 特集/NASH/NAFLDアップデート:患者数急増時代の実践ガイド
No.11 特集/頭痛診療の新たなステージ
No.10 特集/心筋炎・心膜炎,感染性心内膜炎を診る,治す
No.9 特集/動脈硬化性疾患・脂質異常症Update
No.8 特集/原因不明で経過する発熱,不明熱患者のみかた
No.7 特集/食道癌・胃癌・大腸癌,最近の診療を知る
No.6 特集/知っておきたい関節痛のみかた・考えかた
No.5 特集/甲状腺疾患アップデート:明日から役立つ最新知見
No.4 特集/虚血性心疾患:日常診療から専門医による治療まで
No.増刊号 特集/ポストコロナ時代の感染症診療
No.3 特集/日常診療における内分泌疾患
No.2 特集/外来通院患者に行う検査
No.1 特集/知っておきたい肝胆道疾患診療の最近の話題
2022年 Vol.110
No.12 特集/日常診療でみる二次性心筋症・全身疾患関連の心障害
No.11 特集/今おさえておきたい呼吸器診療
No.10 特集/心血管病の治療薬・予防薬の進歩
No.9 特集/歯周病が及ぼす全身疾患への影響
No.8 特集/患者指導,医師のこの一言が患者を変える
No.7 特集/消化管疾患と感染の最前線
No.6 特集/下部尿路機能障害(排尿障害)へのアプローチ
No.5 特集/認知症を取り巻く現状:バイオマーカー,根本治療薬ってなに?
No.4 特集/知っておきたい血栓予防療法のエッセンス
No.増刊号 特集/明日の診療に役立つ 消化器内視鏡これ1冊
No.3 特集/かかりつけ医からみた糖尿病診療
No.2 特集/続・診断困難な痛みに向き合うケーススタディ
No.1 特集/慢性便秘症診療の最前線
2021年 Vol.109
No.12 特集/一般内科医に役立つ抗リウマチ薬の最新知識
No.11 特集/新型コロナウイルス感染症 理解と対策の現状
No.10 特集/血管炎の診断と治療:エッセンスと今後の展望
No.9 特集/オンライン診療・医療AI最前線
No.8 特集/健康食品・サプリメントを知る
No.7 特集/増えている大人の消化管アレルギー
No.6 特集/大きく進歩した造血器腫瘍の診断と治療
No.5 特集/脳卒中:内科医が知っておくべき最新診療
No.4 特集/一般内科医が知っておきたい最新の心筋症診療
No.増刊号 特集/診断と治療の手技−診察室これ1冊−
No.3 特集/輸液療法の基礎と実践
No.2 特集/最新の花粉症診療
No.1 特集/内科外来で見る急性腹症診療:見落とさないコツ