本書は,指定難病制度の概要や歴史,2018年4月現在の指定難病全331疾患のポイントを記載した.各都道府県の関連窓口,関連する研究班,保険収載された遺伝子検査などの情報も掲載し,「ペディア」の名の通り,必要事項を網羅した使い勝手のよい「辞典」となった.難病診療に携わるすべての関係者の皆様のふだんの診療や業務に役立てていただきたい.定評ある日本医師会生涯教育シリーズの書籍化.
関連書籍
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目次
カラー口絵―指定難病ピックアップ
パーキンソン病における姿勢異常 波田野 琢・服部信孝
重症筋無力症による眼瞼下垂 吉川弘明
神経線維腫症 錦織千佳子
全身性強皮症の足趾皮膚潰瘍・壊疽 尹 浩信
全身性エリテマトーデスでみられた急性皮膚型ループス(蝶形紅斑) 蜷川慶太・渥美達也
IgG4関連疾患の疾患概念 岡崎和一
特発性間質性肺炎 高橋和久・加藤元康
序 横倉義武
監修・編集のことば 水澤英洋
監修・編集・執筆者紹介
I わが国の難病対策
歴史―スモン対策事業,難治性疾患克服研究事業から難病法まで 葛原茂樹
指定難病制度(1)―新難病法の制定,公布 田中彰子
指定難病制度(2)―難病と指定難病の要件,認定手順 田中彰子
指定難病制度(3)―医療費助成 田中彰子
指定難病制度(4)―診療体制 谷口顕信
指定難病制度(5)―患者支援体制 岩木三保・吉良潤一
指定難病制度(6)―研究事業①:厚生労働省難治性疾患政策研究事業 谷口顕信
指定難病制度(7)―研究事業②:AMED難治性疾患実用化研究事業 木村 円
指定難病制度による成果と課題 林 瑞季
II 指定難病制度の活用
難病情報の収集と活用 宮坂信之
難病に関する問い合わせ窓口
III 個別の指定難病
A 神経・筋系
1 パーキンソン病 [指定難病6] 波田野 琢・服部信孝
2 脊髄小脳変性症(多系統萎縮症を除く) [指定難病18] 水澤英洋
3 重症筋無力症 [指定難病11] 吉川弘明
4 多発性硬化症/視神経脊髄炎 [指定難病13] 新野正明
5 もやもや病 [指定難病22] 寳金清博・伊東雅基
6 多系統萎縮症 [指定難病17] 佐々木秀直・工藤興亮
7 筋萎縮性側索硬化症(ALS) [指定難病2] 渡辺保裕
8 進行性核上性麻痺 [指定難病5] 中島健二・古和久典
9 慢性炎症性脱髄性多発神経炎/多巣性運動ニューロパチー [指定難病14] 小池春樹・祖父江 元
10 大脳皮質基底核変性症 [指定難病7] 下畑享良
11 筋ジストロフィー [指定難病113] 松村 剛
12 球脊髄性筋萎縮症 [指定難病1] 橋詰 淳・祖父江 元
13 ハンチントン病 [指定難病8] 大原寛明・髙橋良輔
14 脊髄性筋萎縮症 [指定難病3] 齋藤加代子
15 HTLV-1関連脊髄症 [指定難病26] 山野嘉久
16 前頭側頭葉変性症 [指定難病127] 和田健二
17 プリオン病 [指定難病23] 浜口 毅・山田正仁
18 シャルコー・マリー・トゥース病 [指定難病10] 中川正法
19 結節性硬化症 [指定難病158] 岡 明
20 脊髄空洞症 [指定難病117] 佐々木秀直・工藤與亮
21 封入体筋炎 [指定難病15] 鈴木直輝・青木正志
22 遠位型ミオパチー [指定難病30] 髙橋俊明
23 先天性ミオパチー [指定難病111] 小牧宏文
24 クロウ・深瀬症候群 [指定難病16] 桑原 聡
25 レノックス・ガストー症候群 [指定難病144] 青天目 信
26 脳表ヘモジデリン沈着症 [指定難病122] 水澤英洋
27 原発性側索硬化症 [指定難病4] 森田光哉
28 亜急性硬化性全脳炎(SSPE) [指定難病24] 細矢光亮
29 スタージ・ウェーバー症候群 [指定難病157] 菅野秀宣
30 ウエスト症候群 [指定難病145] 伊藤 進
31 特発性基底核石灰化症 [指定難病27] 保住 功
32 色素性乾皮症 [指定難病159] 錦織千佳子
33 アイザックス症候群 [指定難病119] 渡邊 修
34 ビッカースタッフ脳幹脳炎 [指定難病128] 楠 進
35 遺伝性ジストニア [指定難病120] 長谷川一子
36 痙攣重積型(二相性)急性脳症 [指定難病129] 水口 雅
37 皮質下梗塞と白質脳症を伴う常染色体優性脳動脈症(CADASIL) [指定難病124] 上村昌寛・小野寺 理
38 レット症候群 [指定難病156] 三牧正和
39 限局性皮質異形成 [指定難病137] 川合謙介
40 アトピー性脊髄炎 [指定難病116] 藤井敬之・吉良潤一
41 海馬硬化を伴う内側側頭葉てんかん [指定難病141] 臼井直敬
42 神経有棘赤血球症 [指定難病9] 中村雅之・佐野 輝
43 遺伝性周期性四肢麻痺 [指定難病115] 久保田智哉・髙橋正紀
44 神経軸索スフェロイド形成を伴う遺伝性びまん性白質脳症 [指定難病125] 今野卓哉・小野寺 理
45 進行性多巣性白質脳症(PML) [指定難病25] 三浦義治
46 脊髄髄膜瘤 [指定難病118] 野中雄一郎
47 神経細胞移動異常症 [指定難病138] 加藤光広
48 ドラベ症候群 [指定難病140] 今井克美
49 アンジェルマン症候群 [指定難病201] 大橋博文
50 先天性無痛無汗症 [指定難病130] 阿部裕一・久保田雅也
51 アレキサンダー病 [指定難病131] 小坂 仁・吉田誠克
52 ラスムッセン脳炎 [指定難病151] 高橋幸利・福岡正隆
53 先天性大脳白質形成不全症 [指定難病139] 武内俊樹・高橋孝雄
54 非ジストロフィー性ミオトニー症候群 [指定難病114] 久保田智哉・髙橋正紀
55 メビウス症候群 [指定難病133] 小崎健次郎
56 難治頻回部分発作重積型急性脳炎 [指定難病153] 岡 明
57 ウルリッヒ病 [指定難病29] 小笠原真志・西野一三
58 徐派睡眠期持続性棘徐波を示すてんかん性脳症 [指定難病154] 池田浩子
59 ベスレムミオパチー [指定難病31] 小笠原真志・西野一三
60 自己貪食空胞性ミオパチー [指定難病32] 杉江和馬
61 片側巨脳症 [指定難病136] 齋藤貴志
62 ミオクロニー脱力発作を伴うてんかん [指定難病143] 伊藤 進
63 環状20番染色体症候群 [指定難病150] 池田 仁
64 大田原症候群 [指定難病146] 小林勝弘
65 先天性筋無力症候群 [指定難病12] 大野欽司
66 遊走性焦点発作を伴う乳児てんかん [指定難病148] 齋藤貴志
67 マリネスコ・シェーグレン症候群 [指定難病112] 林 由起子
68 アイカルディ症候群 [指定難病135] 加藤光広
69 片側痙攣・片麻痺・てんかん症候群 [指定難病149] 浜野晋一郎
70 PCDH19関連症候群 [指定難病152] 日暮憲道・廣瀬伸一
71 ランドウ・クレフナー症候群 [指定難病155] 浜野晋一郎
72 ミオクロニー欠神てんかん [指定難病142] 池田浩子
73 早期ミオクロニー脳症 [指定難病147] 齋藤貴志
74 禿頭と変形性脊椎症を伴う常染色体劣性白質脳症 [指定難病123] 水澤英洋
75 先天性核上性球麻痺 [指定難病132] 加藤光広
76 シュワルツ・ヤンペル症候群 [指定難病33] 平澤恵理
77 ペリー症候群 [指定難病126] 坪井義夫
78 ジュベール症候群関連疾患 [指定難病177] 伊藤雅之
79 神経フェリチン症 [指定難病121] 髙田真利子・戸田達史
80 カナバン病 [指定難病307] 池田昭夫
81 進行性白質脳症 [指定難病308] 山本俊至
82 進行性ミオクローヌスてんかん [指定難病309] 池田昭夫
83 先天性グリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)欠損症 [指定難病320] 村上良子
B 皮膚・結合組織系
1 全身性強皮症 [指定難病51] 尹 浩信
2 混合性結合組織病 [指定難病52] *「免疫系」で解説
3 天疱瘡 [指定難病35] 山上 淳・天谷雅行
4-1 神経線維腫症I型 [指定難病34] 錦織千佳子
4-2 神経線維腫症II型 [指定難病34] 斎藤 清
5 膿疱性乾癬(汎発型) [指定難病37] 杉浦一充
6 類天疱瘡(後天性表皮水疱症を含む) [指定難病162] 青山裕美
7 マルファン症候群 [指定難病167] 増谷 聡
8 表皮水疱症 [指定難病36] 秋山真志
9 スティーヴンス・ジョンソン症候群 [指定難病38] 森田栄伸
10 特発性後天性全身性無汗症 [指定難病163] 横関博雄
11 エーラス・ダンロス症候群 [指定難病168] 森崎裕子
12 中毒性表皮壊死症 [指定難病39] 渡邉裕子・相原道子
13 先天性魚鱗癬 [指定難病160] 秋山真志
14 弾性線維性仮性黄色腫 [指定難病166] 岩永 聰・小池雄太
15 家族性良性慢性天疱瘡 [指定難病161] 橋本 隆
16 オクシピタル・ホーン症候群 [指定難病170] 中村公俊
C 免疫系
1 全身性エリテマトーデス(SLE) [指定難病49] 蜷川慶太・渥美達也
2 皮膚筋炎/多発性筋炎 [指定難病50] 藤本 学
3 ベーチェット病 [指定難病56] 竹内正樹・水木信久
4 シェーグレン症候群 [指定難病53] 住田孝之
5 混合性結合組織病 [指定難病52] 川畑仁人
6 顕微鏡的多発血管炎 [指定難病43] 藤元昭一
7 高安動脈炎 [指定難病40] 前嶋康浩
8 悪性関節リウマチ [指定難病46] 田中良哉
9 バージャー病 [指定難病47] 渡部芳子
10 好酸球性副鼻腔炎 [指定難病306] *「聴覚・耳鼻科系」で解説
11 結節性多発動脈炎 [指定難病42] 佐田憲映
12 多発血管炎性肉芽腫症 [指定難病44] 土橋浩章
13 成人スチル病 [指定難病54] 三村俊英
14 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症 [指定難病45] 天野宏一
15 IgG4関連疾患 [指定難病300] 岡崎和一
16 自己免疫性後天性凝固因子欠乏症 [指定難病288] 一瀬白帝
17 再発性多発軟骨炎 [指定難病55] 鈴木 登
18 巨細胞動脈炎 [指定難病41] 杉原毅彦
19 原発性抗リン脂質抗体症候群 [指定難病48] 蜷川慶太・渥美達也
20 若年性特発性関節炎 [指定難病107] 冨板美奈子
21 家族性地中海熱 [指定難病266] 谷内江昭広
22 クリオピリン関連周期熱症候群 [指定難病106] 高田英俊
23 TNF受容体関連周期性症候群 [指定難病108] 井田弘明・山崎聡士
24 化膿性無菌性関節炎・壊疽性膿皮症・アクネ症候群 [指定難病269] 井田弘明・古賀琢眞
25 ブラウ症候群 [指定難病110] 神戸直智
26 中條・西村症候群 [指定難病268] 金澤伸雄
27 高IgD症候群 [指定難病267] 酒井秀政
28 遺伝性自己炎症疾患 [指定難病325] 西小森隆太
D 血液系
1 特発性血小板減少性紫斑病 [指定難病63] 村田 満
2 再生不良性貧血 [指定難病60] 中尾眞二
3 原発性免疫不全症候群 [指定難病65] 野々山恵章
4 自己免疫性溶血性貧血 [指定難病61] 亀崎豊実
5 発作性夜間ヘモグロビン尿症 [指定難病62] 西村純一
6 後天性赤芽球癆 [指定難病283] 宮﨑泰司
7 血栓性血小板減少性紫斑病(TTP) [指定難病64] 松本雅則
8 ファンコニ貧血 [指定難病285] 矢部普正
9 ダイアモンド・ブラックファン貧血 [指定難病284] 真部 淳
10 先天性赤血球形成異常性貧血(CDA) [指定難病282] 真部 淳
11 遺伝性鉄芽球性貧血 [指定難病286] 張替秀郎
12 特発性血栓症(遺伝性血栓性素因によるものに限る) [指定難病327] 森下英理子
13 特発性多中心性キャッスルマン病 [指定難病331] 吉崎和幸
E 呼吸器系
1 サルコイドーシス [指定難病84] 四十坊典晴
2 特発性間質性肺炎 [指定難病85] 本間 栄
3 肺動脈性肺高血圧症 [指定難病86] 田邉信宏
4 慢性血栓塞栓性肺高血圧症 [指定難病88] 坂尾誠一郎
5 リンパ脈管筋腫症 [指定難病89] 瀬山邦明
6 肺胞蛋白症(自己免疫性又は先天性) [指定難病229] 井上義一
7 肺胞低換気症候群 [指定難病230] 塩田智美
8 リンパ管腫症/ゴーハム病 [指定難病277] 秋田定伯
9 肺静脈閉塞症/肺毛細血管腫症 [指定難病87] 巽 浩一郎
10 閉塞性細気管支炎 [指定難病228] 長谷川好規
11 巨大リンパ管奇形(頸部顔面病変) [指定難病278] 秋田定伯
12 α1-アンチトリプシン欠乏症 [指定難病231] 瀬山邦明
13 先天性横隔膜ヘルニア [指定難病294] 臼井規朗
14 先天性気管狭窄症/先天性声門下狭窄症 [指定難病330] 増本幸二
F 循環器系
1 特発性拡張型心筋症 [指定難病57] 筒井裕之
2 肥大型心筋症 [指定難病58] 渡辺昌文
3 ファロー四徴症 [指定難病215] 山岸敬幸
4 クリッペル・トレノネー・ウェーバー症候群 [指定難病281] 三村秀文・佐々木 了
5 単心室症 [指定難病210] 杉山 央
6 完全大血管転位症 [指定難病209] 安河内 聰
7 両大血管右室起始症 [指定難病216] 白石 公
8 修正大血管転位症 [指定難病208] 佐川浩一
9 三尖弁閉鎖症 [指定難病212] 村上洋介
10 巨大動静脈奇形(頸部顔面又は四肢病変) [指定難病280] 秋田定伯
11 拘束型心筋症 [指定難病59] 櫃本竜郎・北風政史
12 心室中隔欠損を伴わない肺動脈閉鎖症 [指定難病213] 田中靖彦
13 エプスタイン病 [指定難病217] 脇 研自
14 心室中隔欠損を伴う肺動脈閉鎖症 [指定難病214] 髙梨 学・先崎秀明
15 巨大静脈奇形(頸部口腔咽頭びまん性病変) [指定難病279] 佐々木 了
16 総動脈幹遺残症 [指定難病207] 黒嵜健一
17 左心低形成症候群 [指定難病211] 大月審一・馬場健児
18 先天性三尖弁狭窄症 [指定難病311] 小柳喬幸・住友直方
19 先天性僧帽弁狭窄症 [指定難病312] 上田秀明
20 先天性肺静脈狭窄症 [指定難病313] 小垣滋豊
21 左肺動脈右肺動脈起始症 [指定難病314] 大橋直樹
G 消化器系
1 潰瘍性大腸炎 [指定難病97] 鈴木康夫
2 クローン病 [指定難病96] 吉松裕介・金井隆典
3 原発性胆汁性胆管炎 [指定難病93] 田中 篤
4 自己免疫性肝炎 [指定難病95] 大平弘正
5 原発性硬化性胆管炎 [指定難病94] 田妻 進
6 好酸球性消化管疾患 [指定難病98] 野村伊知郎
7 バッド・キアリ症候群 [指定難病91] 赤星朋比古・橋爪 誠
8 特発性門脈圧亢進症 [指定難病92] 赤星朋比古・橋爪 誠
9 胆道閉鎖症 [指定難病296] 佐々木英之・仁尾正記
10 慢性特発性偽性腸閉塞症 [指定難病99] 田口智章
11 クロンカイト・カナダ症候群 [指定難病289] 上小鶴孝二・中村志郎
12 非特異性多発性小腸潰瘍症 [指定難病290] 久松理一
13 総排泄腔遺残 [指定難病293] 窪田正幸
14 遺伝性膵炎 [指定難病298] 佐々木英之・仁尾正記
15 腸管神経節細胞僅少症 [指定難病101] 土岐 彰
16 総排泄腔外反症 [指定難病292] 堀川玲子
17 嚢胞性線維症 [指定難病299] 吉村邦彦
18 ヒルシュスプルング病(全結腸型又は小腸型) [指定難病291] 田尻達郎・青井重善
19 乳幼児肝巨大血管腫 [指定難病295] 上原秀一郎
20 巨大膀胱短小結腸腸管蠕動不全症 [指定難病100] 工藤孝広
H 腎・泌尿器系
1 多発性嚢胞腎 [指定難病67] 武藤 智
2 IgA腎症 [指定難病66] 鈴木祐介
3 一次性ネフローゼ症候群 [指定難病222] 猪阪善隆
4 間質性膀胱炎(ハンナ型) [指定難病226] 本間之夫
5 急速進行性糸球体腎炎 [指定難病220] 山縣邦弘
6 紫斑病性腎炎 [指定難病224] 横山 仁
7 一次性膜性増殖性糸球体腎炎 [指定難病223] 長田道夫
8 抗糸球体基底膜腎炎 [指定難病221] 杉山 斉
9 アルポート症候群 [指定難病218] 野津寛大・飯島一誠
10 非典型溶血性尿毒症症候群 [指定難病109] 香美祥二・永井 隆
11 先天性腎性尿崩症 [指定難病225] 神崎 晋・藤本正伸
12 ギャロウェイ・モワト症候群 [指定難病219] 塚口裕康・石倉健司
13 ネイルパテラ症候群(爪膝蓋骨症候群)/LMX1B関連腎症 [指定難病315] 張田 豊
I 代謝・内分泌系
1 下垂体前葉機能低下症 [指定難病78] 廣畑倫生・松野 彰
2 下垂体性成長ホルモン分泌亢進症 [指定難病77] 島津 章
3 下垂体性ADH分泌異常症 [指定難病72] 岩﨑泰正
4 下垂体性PRL分泌亢進症 [指定難病74] 髙橋 裕
5 全身性アミロイドーシス [指定難病28] 井上泰輝・安東由喜雄
6 ミトコンドリア病 [指定難病21] 後藤雄一
7 ライソゾーム病 [指定難病19] 衞藤義勝
8 クッシング病(下垂体性ACTH分泌亢進症) [指定難病75] 蔭山和則・大門 眞
9 先天性副腎皮質酵素欠損症 [指定難病81] 柳瀬敏彦
10 ウィルソン病 [指定難病171] 児玉浩子
11 副腎白質ジストロフィー [指定難病20] 松川敬志
12 家族性高コレステロール血症(ホモ接合体) [指定難病79] 山下静也
13 アジソン病 [指定難病83] 柳瀬敏彦
14 下垂体性TSH分泌亢進症 [指定難病73] 田原重志
15 フェニルケトン尿症 [指定難病240] 新宅治夫
16 下垂体性ゴナドトロピン分泌亢進症 [指定難病76] 堀川玲子
17 ビタミンD抵抗性くる病/骨軟化症 [指定難病238] 福本誠二
18 副甲状腺機能低下症 [指定難病235] 井上大輔
19 偽性副甲状腺機能低下症 [指定難病236] 井上大輔
20 肝型糖原病 [指定難病257] 馬渡誠一・井戸章雄
21 尿素サイクル異常症 [指定難病251] 城戸 淳・遠藤文夫
22 ポルフィリン症 [指定難病254] 堀江 裕
23 甲状腺ホルモン不応症 [指定難病80] 黒田 豪・佐々木茂和
24 脳腱黄色腫症 [指定難病263] 高曽根 健・関島良樹
25 先天性副腎低形成症 [指定難病82] 柳瀬敏彦
26 脂肪萎縮症 [指定難病265] 川名洋平・片桐秀樹
27 リジン尿性蛋白不耐症 [指定難病252] 野口篤子・高橋 勉
28 原発性高カイロミクロン血症 [指定難病262] 石橋 俊
29 メチルマロン酸血症 [指定難病246] 中村公俊
30 筋型糖原病 [指定難病256] 大矢 寧
31 プロピオン酸血症 [指定難病245] 但馬 剛
32 シトステロール血症 [指定難病260] 塚本和久
33 メープルシロップ尿症 [指定難病244] 松本志郎・中村公俊
34 グルコーストランスポーター1欠損症 [指定難病248] 青天目 信・酒井規夫
35 ビタミンD依存性くる病/骨軟化症 [指定難病239] 大薗惠一
36 ウォルフラム症候群 [指定難病233] 依藤 亨
37 グルタル酸血症2型 [指定難病250] 山田健治
38 複合カルボキシラーゼ欠損症 [指定難病255] 坂本 修
39 副腎皮質刺激ホルモン不応症 [指定難病237] 長谷川奉延
40 イソ吉草酸血症 [指定難病247] 畑 郁江
41 グルタル酸血症1型 [指定難病249] 長谷川有紀
42 レシチンコレステロールアシルトランスフェラーゼ欠損症 [指定難病259] 村野武義・武城英明
43 タンジール病 [指定難病261] 土橋一重
44 無βリポタンパク血症 [指定難病264] 知念安紹
45 高チロシン血症1型 [指定難病241] 坂本理恵子
46 高チロシン血症2型 [指定難病242] 坂本理恵子
47 高チロシン血症3型 [指定難病243] 坂本理恵子
48 メンケス病 [指定難病169] 児玉浩子
49 ペルオキシソーム病(副腎白質ジストロフィーを除く) [指定難病234] 下澤伸行
50 先天性葉酸吸収不全 [指定難病253] 呉 繁夫
51 ガラクトース-1-リン酸ウリジルトランスフェラーゼ欠損症 [指定難病258] 伊藤哲哉
52 カルニチン回路異常症 [指定難病316] 小林弘典
53 三頭酵素欠損症 [指定難病317] 李 知子
54 シトリン欠損症 [指定難病318] 田中藤樹
55 セピアプテリン還元酵素(SR)欠損症 [指定難病319] 新宅治夫
56 非ケトーシス型高グリシン血症 [指定難病321] 呉 繁夫
57 β-ケトチオラーゼ欠損症 [指定難病322] 笹井英雄・深尾敏幸
58 芳香族L-アミノ酸脱炭酸酵素欠損症 [指定難病323] 新宅治夫
59 メチルグルタコン酸尿症 [指定難病324] 市野井那津子
60 大理石骨病 [指定難病326] 谷山?彦・中舘尚也
J 視覚系
1 網膜色素変性症 [指定難病90] 三浦 玄・山本修一
2 黄斑ジストロフィー [指定難病301] 近藤峰生
3 レーベル遺伝性視神経症 [指定難病302] 村上 晶
4 中隔視神経形成異常症/ドモルシア症候群 [指定難病134] 東 範行
5 アッシャー症候群 [指定難病303] 三浦 玄・山本修一
6 眼皮膚白皮症 [指定難病164] 青山裕美
7 前眼部形成異常 [指定難病328] 東 範行
8 無虹彩症 [指定難病329] 東 範行
K 聴覚・耳鼻科系
1 好酸球性副鼻腔炎 [指定難病306] 藤枝重治
2 遅発性内リンパ水腫 [指定難病305] 武田憲昭
3 若年発症型両側性感音難聴 [指定難病304] 宇佐美真一
4 アッシャー症候群 [指定難病303] *「視覚系」で解説
5 鰓耳腎症候群 [指定難病190] 森貞直哉・飯島一誠
L 染色体・遺伝子関連
1 オスラー病 [指定難病227] 巽 浩一郎
2 プラダー・ウィリ症候群 [指定難病193] 有馬隆博・岡江寛明
3 ウェルナー症候群 [指定難病191] 横手幸太郎
4 22q11.2欠失症候群 [指定難病203] 小野 博
5 無脾症候群 [指定難病189] 林 泰佑
6 ウィリアムズ症候群 [指定難病179] 進藤考洋
7 ヌーナン症候群 [指定難病195] 青木洋子
8 アラジール症候群 [指定難病297] 田井中貴久
9 多脾症候群 [指定難病188] 平田陽一郎
10 モワット・ウィルソン症候群 [指定難病178] 水野誠司
11 カーニー複合 [指定難病232] 湊口信也
12 VATER症候群 [指定難病173] 小崎健次郎
13 チャージ症候群 [指定難病105] 川目 裕
14 肥厚性皮膚骨膜症 [指定難病165] 新関寛徳・吉田和恵
15 ルビンシュタイン・テイビ症候群 [指定難病102] 小崎里華
16 ATR-X症候群 [指定難病180] 和田敬仁
17 クルーゾン症候群 [指定難病181] 小林眞司
18 ソトス症候群 [指定難病194] 富田博秋
19 那須・ハコラ病 [指定難病174] 佐藤準一
20 CFC症候群 [指定難病103] 新堀哲也
21 1p36欠失症候群 [指定難病197] 山本俊至
22 脆弱X症候群 [指定難病206] 岡崎哲也・難波栄二
23 コステロ症候群 [指定難病104] 青木洋子
24 コフィン・シリス症候群 [指定難病185] 三宅紀子
25 歌舞伎症候群 [指定難病187] 大橋博文
26 エマヌエル症候群 [指定難病204] 倉橋浩樹・大江瑞恵
27 コフィン・ローリー症候群 [指定難病176] 小崎健次郎
28 コケイン症候群 [指定難病192] 橋本 隆
29 4p欠失症候群 [指定難病198] 清水健司
30 エプスタイン症候群 [指定難病287] 張田 豊
31 ファイファー症候群 [指定難病183] 小林眞司
32 アペール症候群 [指定難病182] 小林眞司
33 第14番染色体父親性ダイソミー症候群(鏡-緒方症候群) [指定難病200] 鏡 雅代
34 ウィーバー症候群 [指定難病175] 黒田友紀子
35 アントレー・ビクスラー症候群 [指定難病184] 小林眞司
36 ロスムンド・トムソン症候群 [指定難病186] 金子英雄
37 ヤング・シンプソン症候群 [指定難病196] 黒澤健司
38 5p欠失症候群 [指定難病199] 山本圭子
39 スミス・マギニス症候群 [指定難病202] 濵嶋直樹
40 脆弱X症候群関連疾患 [指定難病205] 岡崎哲也・難波栄二
41 先天異常症候群 [指定難病310] 小崎健次郎
M 骨・関節系
1 後縦靭帯骨化症(OPLL) [指定難病69] 大川 淳
2 特発性大腿骨頭壊死症 [指定難病71] 菅野伸彦
3 広範脊柱管狭窄症 [指定難病70] 山崎正志
4 黄色靭帯骨化症 [指定難病68] 小宮節郎
5 強直性脊椎炎 [指定難病271] 岩本直樹・川上 純
6 軟骨無形成症 [指定難病276] 鬼頭浩史
7 骨形成不全症 [指定難病274] 澤井英明
8 慢性再発性多発性骨髄炎 [指定難病270] 八角高裕・平家俊男
9 進行性骨化性線維異形成症(FOP) [指定難病272] 遠藤直人
10 肋骨異常を伴う先天性側弯症 [指定難病273] 川上紀明
11 タナトフォリック骨異形成症 [指定難病275] 芳賀信彦
12 低ホスファターゼ症 [指定難病172] 室月 淳
IV 関連制度
小児慢性特定疾病対策と小児成人期移行医療(トランジション) 五十嵐 隆
未診断疾患イニシアチブ(IRUD) 髙橋祐二・水澤英洋
V 附 録
保険診療可能な遺伝子検査リスト 伊達英俊
指定難病および研究班リスト 伊達英俊
小児慢性特定疾病の対象疾患一覧(平成30年度)
疾患索引
一般索引
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序文
2015年1月に「難病の患者に対する医療等に関する法律」(以下,難病法)が施行され,難病患者に対する医療費助成に消費税などの財源が充てられることとなり,安定的な医療費助成制度の運営が可能となった.これにより,わが国の難病対策は大きな転換期を迎えている.難病法では,医療費助成の対象疾患は指定難病と呼ばれる.指定難病には,2015年1月1日に110の疾患が指定され,同年7月からは306疾患,2017年4月には330疾患,2018年4月時点では331疾患となった.2016年度末時点の特定医療費(指定難病)受給者証所持者数はおよそ98万6,000人に上り,国民約130人に1人という割合である.
難病に関する研究事業には,厚生労働省の難治性疾患政策研究事業と,日本医療研究開発機構(AMED)の難治性疾患実用化研究事業の2つがある.難治性疾患政策研究事業では,疫学調査に基づく実態把握,客観的診断基準・重症度分類の確立,エビデンスに基づいた診療ガイドライン等の確立,診断基準・重症度分類・診療ガイドライン等の普及および改訂などが行われ,難病の医療水準の向上が図られている.一方,難治性疾患実用化研究事業はAMEDの「難病克服プロジェクト」として行われ,疾患特異的iPS細胞を樹立,分化誘導,解析する技術を有する拠点の整備や創薬支援ネットワークを用いた創薬開発研究などが目指されている.難病に関するこの2つの研究事業は,互いに連携することが期待されている.
そのほか,難病の普及・啓発活動を行う組織として,難病情報センターと難病相談支援センターなどがある.また,厚生労働省は,2017年4月に「難病の医療提供体制の構築に係る手引き」を都道府県に示して新たな難病医療提供体制の構築を行うとともに,都道府県内で対応困難な場合の受け皿として未診断疾患イニシアチブ(IRUD),各都道府県難病診療連携拠点病院などで構成される難病医療支援ネットワークの整備を進めている.
本書では,ここに述べた難病対策を取り巻く環境の変化と共に,指定難病全331疾患(2018年度)を取り上げ,日常診療で難病患者に遭遇した際に必要となる知識を掲載した.第一線で活躍される実地医家の先生方が最新の知識を吸収され,日々の臨床に役立てていただければ幸いである.
最後に,「指定難病」という広大なテーマの書籍化に多大なご尽力をいただいた,監修・編集の水澤英洋先生,五十嵐 隆先生,北川泰久先生,高橋和久先生,弓倉 整先生,そしてご執筆いただいた先生方に心より感謝申し上げる.
2019年6月
日本医師会会長
横倉義武
このたび,『日本医師会雑誌』特別号として『指定難病ペディア2019』が発刊された.難病あるいは指定難病の制度は日本が世界に誇る医療制度であり,原因や発症機序が不明である,治療法が確立していない,重症で長期療養を要する,患者数が少ないなど一定の基準を満たす疾病を指定難病と認定し,その研究を推進して患者への医療費助成を含めた診療を支援するものである.その歴史は古く,スモンの発生とその解明・克服に端を発し,1972(昭和47)年には4疾患であったものが徐々に増え,2009(平成21)年には56疾患,さらに2014(平成26)年の難病法の成立を受け,2015(平成27)年には指定難病として110疾患が認定され,2018(平成30)年には331疾患にまでなっている.研究体制も2015(平成27)年の日本医療研究開発機構(AMED)の発足を受け,難病の実用化研究はAMEDに移管され,厚生労働科学研究費からは政策研究としてすべての指定難病をカバーする96もの研究班が組織され活動している.
本書では,2018(平成30)年4月時点でのすべての指定難病331疾患について重要なポイントを分かりやすく記載していただいた.非常に多くの疾患があるため,頻度に応じて記述分量を3段階に分け,日常診療で遭遇する可能性の高いものについては必要にして十分な長さで記載していただき,非常に稀でほとんど遭遇しないものについては要点のみに留めるように工夫した.このような注文にご協力いただいた執筆者各位に深く感謝と敬意を表したい.また,この指定難病制度を診療現場で患者さんに最大限に役立ててもらうためには,制度自体をよく知っていただくことが必要であり,厚生労働省健康局難病対策課および長年にわたり難病診療を推進してこられた方々にもご執筆いただいた.関連して,難病情報センター,各都道府県の窓口,関連する研究班,保険収載された遺伝子検査などの情報も掲載し,お陰様で「ペディア」の名にふさわしく,必要事項を網羅した有用かつ使い勝手のよい「辞典」になったと思われる.難病診療に携わるすべての関係者の皆様の日常の診療や業務に役立てていただきたい.
欧米では難病という言葉はあまり使われず,希少疾患(rare disease)がそれに該当する.わが国でも難病というと何か特殊なこと,縁遠いことのように思われる方もおられるかもしれないが,実は,難病はまさに医の原点の1つである.誰か苦しそうな人が倒れていれば,誰しも駆け寄って手当をしたくなるし,誰か難しい病で苦しんでいれば,誰しも寄り添って手当をしたくなる.前者が救急医療であり,後者が難病医療である.皆様の難病医療の現場でこの『指定難病ペディア2019』を存分にご活用いただき,いろいろなご意見やお気づきの点などをお寄せいただければ幸甚である.それが,難病医療のさらなる発展につながると確信している.
2019年6月
監修・編集者を代表して
水澤英洋