HOME > 書籍詳細

書籍詳細

Q&A400 こどもの呼吸のコモンなギモンに答える本診断と治療社 | 書籍詳細:Q&A400 こどもの呼吸のコモンなギモンに答える本

聖マリアンナ医科大学小児科学講座 小児集中治療 教授

川口 敦(かわぐち あつし) 編集代表

長野県立こども病院新生児科 部長

小田 新(おだ あらた) 編集

岡山大学大学院医歯薬学総合研究科麻酔・蘇生学教室 助教

金澤 伴幸(かなざわ ともゆき) 編集

医療法人明雅会こだま小児科 理事長

児玉 和彦(こだま かずひこ) 編集

聖マリアンナ医科大学小児科学教室 助教

庄野 健太(しょうの けんた) 編集

医療法人輝優会かがやきクリニック 院長

南條 浩輝(なんじょう ひろき) 編集

東海国立大学機構岐阜大学医学教育開発研究センター 併任講師

野村 理(のむら おさむ) 編集

東京都立小児総合医療センター総合診療科 医長

松島 崇浩(まつしま たかひろ) 編集

初版 A5判 並製 356頁 2024年11月29日発行

ISBN9784787825896

定価:6,050円(本体価格5,500円+税)
  

立ち読み機能は、ただ今準備中です  


電子版はこちらからご購入いただけます.
※価格は書店により異なる場合がございます.

https://store.isho.jp/search/detail/productId/2406693350
(外部サイトに移動します)
https://www.m2plus.com/content/15643
(外部サイトに移動します)

日常的に遭遇するこどもの呼吸器疾患,臨床現場でよく行う呼吸診察や評価の技術,検査や画像所見の読み方から,外来や在宅での呼吸評価や管理,集中治療を要する現場での高度医療まで,こどもの「呼吸」に関して日常診療の中で抱きがちな疑問に答えるために作られました.日々の臨床で直面する「ちょっとしたギモン」や「かゆいところ」に焦点を当てて,現場で本当に役立つ知識や知恵を詰め込んだ,これまでになかった1冊になりました!

関連書籍

ページの先頭へ戻る

目次

推薦の序
序文
編集者一覧
執筆者一覧
本書で使用する略語一覧
本書を読む前に


Chapter1 こどもの呼吸器疾患を深堀り!

1.呼吸器感染症
 (1) 細気管支炎,RSウイルス感染症
Q001 細気管支とは?
Q002 「RSウイルス感染症」では細気管支炎というが,他の感染症ではいわないのか?
Q003 細気管支炎は2歳を超えると診断名から消えるのか?
Q004 RSウイルスは細気管支に限局的に炎症を引き起こすのか?また,それはなぜか?
Q005 RSウイルス感染症ではなぜ鼻汁が出やすいのか?
Q006 RSウイルス感染症ではなぜ無呼吸が生じるのか?また,無呼吸をきたしやすい児の特徴は?
Q007 RSウイルス細気管支炎に有効な吸入療法とそのエビデンスは?
Q008 RSウイルス細気管支炎に有効な薬物療法(吸入以外)とそのエビデンスは?
Q009 RSウイルスに感染すると,将来,気管支喘息になりやすいのか?
Q010 パリビズマブ(シナジスⓇ)の作用機序は?
Q011 パリビズマブ(シナジスⓇ)の適応コホートが選ばれた背景は?
Q012 パリビズマブ(シナジスⓇ)が使用されるようになって,どのような社会医学的効果があったか?
Q013 RSウイルスの理想的なワクチンは?また,その作製が困難な理由は?
 (2) 気管支炎,肺炎(百日咳・COVID-19・結核)
Q014 気管支炎と細気管支炎の鑑別は可能か?
Q015 気管支炎と肺炎は身体所見による鑑別が可能か?
Q016 非定型肺炎と定型肺炎の違いは?
Q017 「結核(性)肺炎」という疾患概念はまだ存在するのか?
Q018 マイコプラズマ肺炎に対するステロイド全身投与は有効か?
Q019 小児のCOVID-19の呼吸器症状に有効な治療は?
Q020 小児のCOVID-19の呼吸重症化リスク因子は存在するのか?
Q021 百日咳ではなぜ咳が止まらなくなるのか?
Q022 百日咳ではなぜ無呼吸をきたすのか?
 (3) 小児急性呼吸窮迫症候群(PARDS)
Q023 小児急性呼吸窮迫症候群(PARDS)において,SpO2低下はどの程度まで許容してよいのか?
Q024 小児急性呼吸窮迫症候群(PARDS)において,高炭酸ガス血症はどの程度まで許容してよいのか?
Q025 小児急性呼吸窮迫症候群(PARDS)において,有効な薬物療法は存在するのか?
Q026 小児急性呼吸窮迫症候群(PARDS)において,高頻度振動換気法(HFOV)は考慮すべきか?
Q027 「肺保護療法」とは何を指すか?
Q028 心不全で,痰がピンク色泡沫状になるのはなぜか?
Q029 小児で肺サーファクタントが有用となる疾患・病態はあるのか?
Q030 肺サーファクタントを気管内に投与した場合,どのくらい作用が持続するのか?
Q031 肺サーファクタントの気管内投与の副作用はあるのか?
 (4) クループ症候群
Q032 クループ症候群の重症度評価はどのように行うべきか?
Q033 急性喉頭蓋炎はどのように診断すべきか?初期対応はどのように行うのか?
Q034 急性喉頭蓋炎はつねに菌血症を伴うのか?
Q035 インフルエンザ菌はなぜ喉頭蓋を特異的に攻撃するのか?
Q036 クループ症候群の際にアドレナリン吸入を頻回に行う意義はあるか?また,なぜ効くのか?
Q037 クループ症候群の治療において,ステロイドの投与経路が薬物血中濃度に影響を与えるか?また,臨床効果に違いはあるのか?
Q038 クループ症候群の治療において,外来で内服ステロイドを使うべきなのはどのような場合か?
 (5) 膿 胸
Q039 膿胸の診断定義はあるのか?
Q040 膿胸で,ウロキナーゼを胸腔内投与するタイミングは?
Q041 膿胸で,直視下/ビデオ下隔壁除去の実施タイミングは?

2.気管支喘息
Q042 気管支喘息は病歴と身体診察のみで診断可能か?
Q043 気管支喘息の診断に有用な問診項目はあるか?
Q044 気管支喘息の診断に血液検査は必要か?
Q045 気管支喘息発作の管理・治療に血液検査は必要か?
Q046 気管支喘息発作の重症度評価に適切な指標はあるか?
Q047 気管支喘息の臨床症状とSpO2は相関するのか?
Q048 「喘息様気管支炎」とは存在するのか?
Q049 “reactive airway disease”は気管支喘息と異なるのか?
Q050 気管支喘息発作時に,ピークフローを使用した診断は有用か?
Q051 気管支喘息発作時に呼気一酸化窒素を評価することは,予後改善につながるのか?
Q052 気管支喘息の長期管理において,呼気一酸化窒素測定は有益か?
Q053 気管支喘息長期管理において,呼吸機能検査はどの程度の頻度で評価すべきか?
Q054 気管支喘息発作時に吸入療法を行う場合,吸入方法による吸入効率の違いはあるのか?
Q055 気管支喘息発作時の吸入療法の提供方法(メッシュ,ジェットなど)は何がよいのか?
Q056 β2刺激薬はなぜ気管支喘息に効くのか?
Q057 気管支喘息発作時の気管支拡張薬(β2刺激薬)の投与量と投与間隔のエビデンスは?
Q058 気管支喘息発作時の気管支拡張薬(β2刺激薬)の種類による効果の違いはあるか?
Q059 気管支拡張薬(β2刺激薬)は必ず生理食塩液で希釈し使用する必要があるのか?
Q060 気管支拡張薬(β2刺激薬)は生理食塩液以外で希釈しても問題はないのか?
Q061 気管支喘息発作時に気管支拡張薬の持続吸入が適応となる場面はあるのか?
Q062 気管支喘息発作時の持続吸入には何の薬剤を用いるか?
Q063 気管支喘息発作に対して,抗アレルギー薬は効果があるのか?
Q064 気管支喘息に対するテオフィリンの作用機序は何か?
Q065 気管支喘息治療において,テオフィリンは効果があるのか?
Q066 気管支喘息治療におけるテオフィリン使用の有害事象は?
Q067 気管支喘息発作において,抗コリン薬はファーストラインで使用すべきか?
Q068 気管支喘息発作において,ヘリウム・酸素混合ガス(ヘリオックス)吸入は考慮すべきか?
Q069 気管支喘息大発作において,マグネシウム静注療法はルーチンで実施すべきか?
Q070 気管支喘息大発作に使用するステロイドはなんでもよいのか?
Q071 気管支喘息発作の治療にステロイド全身投与を行う場合,投与経路によって臨床効果に違いはあるのか?
Q072 気管支喘息治療において,外来でステロイドの内服を考慮すべきなのはどのような場合か?
Q073 気管支喘息患者に対して,腹臥位で管理を行うメリットはあるか?
Q074 気管支喘息治療において,長期管理薬の服薬アドヒアランスを高めるためのよい方法はあるか?
Q075 重症な気管支喘息発作に対して,気管挿管は行ってもよいのか?
Q076 気管支喘息患者の術後疼痛コントロールに麻薬を使用してよいのか?
Q077 気管支拡張薬(β2刺激薬)の投与経路(吸入,内服,貼付)によって臨床効果に違いはあるのか?
Q078 電子タバコは小児の気管支喘息発作と関連するのか?
Q079 分煙は気管支喘息の発作予防に有用か?

3.そのほかの呼吸器疾患,呼吸器症状とその対応
Q080 自然気胸は,どのような場合に保存的観察でよいのか?
Q081 「自然気胸」の名前の由来は?
Q082 自然気胸は乳幼児では起こらないのか?
Q083 自然気胸に対し,高濃度酸素療法は有効なのか?
Q084 気胸の持続ドレナージにおいて,吸引圧の選択はどのように行うべきか?
Q085 縦隔気腫はどのような場合に治療を要するか?
Q086 気道異物を完全に否定する方法はあるのか?
Q087 中枢性無呼吸とは,どのような場合に問題になるのか?また,どのような疾患があるか?
Q088 中枢性無呼吸はどのように診断するのか?
Q089 閉塞性無呼吸のハイリスク疾患にはどのようなものがあるのか?
Q090 声門下狭窄の程度と症状は比例するのか?
Q091 気管軟化症の重症度を客観的に評価する方法はあるのか?
Q092 気管軟化症の診断のための気管支鏡検査は鎮静下で行うべきか,それとも非鎮静下のほうがよいのか?
Q093 気管軟化症に外科的介入は可能か?
Q094 喉頭軟化症に外科的介入は可能か?
Q095 喉頭軟化症は非侵襲的陽圧換気(NPPV)で乗り切ることができるのか?
Q096 喉頭軟化症,気管軟化症は自然に治る疾患なのか?
Q097 漏斗胸は呼吸へ影響を及ぼしうるか?
Q098 漏斗胸で外科的介入が必要となるのは,どのような場合か?
Q099 側彎の程度は呼吸機能障害の程度と比例するのか?
Q100 側彎の胸部X線写真はどのように読むべきか?
Q101 気管出血と鑑別が必要となる疾患は?
Q102 気管出血を保存的にみてもよい状況はあるのか?
Q103 気管出血に対して血管塞栓術が適応になる疾患や病態は?

 
Chapter2 正しい呼吸の診断・評価を確認しよう! 

1.身体所見から考える
 (1) 呼吸数を正しく捉える
Q104 呼吸数の測定はどのように行うべきか?
Q105 呼吸数の測定時間はどのくらいが適切か?
Q106 小児の呼吸数の正常値はどのようなデータをもとに構築されているのか?
Q107 小児科外来診療で,ルーチンに呼吸数を測定する必要はあるか?
Q108 運動をしたときの呼吸数はどの程度まで許容できるのか?
Q109 「不規則な呼吸」の定義はあるのか?
Q110 多呼吸はどういうときに,どのような機序からみられるのか?
Q111 観察のみでよい頻呼吸はあるのか?
Q112 新生児と小児で多呼吸の定義に違いがあるのか?
Q113 無呼吸が起きるメカニズムは?
 (2) 見 て
Q114 呼吸窮迫のときにみられる鼻翼呼吸は小児特有のものか?
Q115 小児でみられる鼻翼呼吸は重症度評価に有用か?
Q116 鼻翼呼吸はどういうときに,どのような機序からみられるのか?
Q117 陥没呼吸のみられる部位によって重症度の分類は可能か?
Q118 努力呼吸増強はどのようにして判断するのか?
Q119 陥没呼吸のメカニズムは?
Q120 陥没呼吸の形には何が影響を与えるのか?
Q121 陥没呼吸に左右差は出るのか?出たら何を考えるべきか?
Q122 呼吸筋が疲労すると,陥没呼吸が改善したようにみえるのは本当か?
Q123 シーソー呼吸の起こるメカニズムは?また,小児に特有のものなのか?
Q124 乳幼児の生理的な腹式呼吸とシーソー呼吸はどのように区別するか?
Q125 “head bobbing”はなぜ起きるか?
Q126 胸部の外見は呼吸に影響を及ぼすか?
Q127 ばち指はなぜ起きるか?
Q128 ばち指はどのような疾患でみられるのか?
Q129 小児では,なぜ呼吸補助筋の観察が重要なのか?
Q130 “tracheal tugging”をみたときに考えるべきことは?
Q131 チアノーゼは客観的に評価できるのか?
Q132 “respiratory alternans”とは何か?
 (3) 聞いて叩く
Q133 呼吸音は胸部のどの位置で聴取すべきか?
Q134 新生児・乳児の呼吸音の特徴にはどのようなものがあるか?
Q135 新生児・乳児の聴診で,呼吸音がよく聴こえないときの解決方法は?
Q136 指示理解が難しい乳幼児に聴診するときに,深呼吸してもらうよい方法はあるか?
Q137 人工呼吸器などを装着している新生児において,呼吸音の違いは本当に区別できるのか?
Q138 高頻度振動換気法(HFOV)使用中は聴診に意味はないのか?
Q139 呼吸音の音調の「高い」「低い」の定義は何か?また,その区別に意味があるか?
Q140 腹臥位の新生児では,どのように呼吸音を聴診するのか?仰臥位にする必要があるのか?
Q141 「正常肺胞呼吸音」とは,医学的に表現すると?
Q142 「副雑音」とその種類,またそれぞれの病態は?
Q143 呼吸音の聴診には膜型,ベル型で大きな違いがあるのか?
Q144 乳児の吸気性喘鳴をみたときに考えるべき疾患,病態は?
Q145 乳児の吸気性喘鳴をみたときの診断アプローチは?
Q146 吸気性喘鳴は上気道狭窄以外では生じないのか?
Q147 嗄声はどのようなときに気道緊急として扱うべきか?
Q148 呻吟はどのようなときに,どのような機序でみられるのか?
Q149 気管支喘息と細気管支炎は聴診で区別できるものなのか?
Q150 「呼気延長」の定義はあるのか?
Q151 「喉元で鳴るゴロゴロ音」は“crackles”としてよいか?
Q152 副雑音が上気道由来か,下気道由来かをどのように判別するか?
Q153 “rattling”とは何を意味するのか?
Q154 気道感染の診断・分類は聴診で可能か?
Q155 吸啜中,啼泣中に呼吸の評価を行うことは可能か?
Q156 「エア入りが悪い」あるいは「エア入りが良好」とよくいわれるが,客観的な基準はあるのか? 
Q157 「奇脈」とはどのようなことを意味するのか?
Q158 打診は呼吸器内病変の診断にどの程度,役立つか?
Q159 呼吸器病変の鑑別に,胸部の打診は必要か?
Q160 学校健診の際の聴診には意味があるのか?

2.検査値から考える
Q161 SpO2は,指先ではなく腕などで測定してもよいのか?
Q162 SpO2がよく拾えている状況を客観的に表現できるか?
Q163 SpO2モニターのプローブを装着する際の留意点は?
Q164 酸素投与でSpO2が速やかに上がらない場合,どのようなことを考えるか?
Q165 慢性期の呼吸器疾患患者では,低SpO2はどの程度まで許容できるのか?
Q166 肺炎や呼吸障害(PARDS以外)では,SpO2のターゲットをどの程度にすべきか?
Q167 小児患者では,SpO2測定において(成人患者と比して)特別注意すべきことはあるのか?
Q168 急性期肺疾患において,SpO2を入退院の指標にできるのか?
Q169 静脈血液ガス分析は,動脈血液ガス分析の代用としてよいのか?
Q170 呼吸不全評価には動脈血液ガス,静脈血液ガス,末梢血液ガスのいずれでもよいのか?
Q171 非人工呼吸患者において,呼気終末二酸化炭素分圧(PETCO2)観察は信頼できるものなのか?
Q172 呼気終末二酸化炭素分圧(PETCO2)モニタリングは,経鼻あるいは鼻口マスクのどちらがよいのか?
Q173 肺胞気・動脈血酸素分圧較差(A-aDO2)は何を意味するのか?
Q174 新生児期のヘモグロビンF(HbF)の影響はいつまで考えておくべきか?
Q175 健常小児の1回換気量はどの程度か?

3.画像所見から考える
Q176 頸部単純X線写真が必須となる疾患にはどのようなものがあるのか?
Q177 頸部単純X線写真で起こりやすいアーチファクトの原因は?
Q178 胸部単純X線写真はポータブル撮影でもよいのか?
Q179 胸部単純X線写真の適正撮影条件はあるのか?
Q180 胸部単純X線写真での過膨張所見とは?
Q181 気道感染の診断・分類は胸部単純X線写真で可能か?
Q182 肺炎の治癒後に胸部単純X線写真をフォローアップする必要はあるか?
Q183 急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を疑うときには胸部CTは必須か?
Q184 正常肺で観察できるエコー所見は?
Q185 小児と成人で,肺エコー所見に違いはあるのか?
Q186 気胸の際に観察できるエコー所見は?
Q187 エコーで肺炎や気胸の診断は可能か?
Q188 肺エコーでの“Bライン”の本数は,肺水腫の程度と関係するのか?
Q189 小児の肺炎診断に肺エコーは有効か?
Q190 小児の肺炎でみられる肺エコーの特徴は何か?

 
Chapter3 エキスパートが教える呼吸器用薬,感冒薬の使い方
 
Q191 鎮咳薬(デキストロメトルファン,チペピジンヒベンズ酸塩)の作用機序は?
Q192 鎮咳薬の臨床的効果のエビデンスは?
Q193 鎮咳薬の使用に際して,有害事象を考慮する必要はあるか?
Q194 去痰薬の種類と作用機序は?
Q195 去痰薬の臨床的効果のエビデンスは?
Q196 去痰薬の有害事象は考慮する必要があるか?去痰薬が乳児の呼吸状態を悪化させることはあるか?
Q197 気管支拡張薬(ツロブテロールやサルブタモールなど)の,感冒の咳嗽に対する臨床的効果のエビデンスは?
Q198 気管支拡張薬(ツロブテロールやサルブタモールなど)の,感冒の咳嗽に対する説明しうる作用機序は?
Q199 気管支拡張薬(ツロブテロールやサルブタモールなど)は,感冒の咳嗽に対して有害事象を起こしうるか?
Q200 β2刺激薬を吸入すると,どの程度カリウムが下がるのか?
Q201 気管支炎にβ2刺激薬吸入は効くのか?咳嗽に対して効果はあるのか?
Q202 感冒の咳嗽にステロイド内服は有用か?
Q203 肺炎,気管支炎にステロイドは有用か?
Q204 年齢に応じて適した吸入薬剤はあるのか?
Q205 小児において,3%食塩水吸入が適応となる病態はあるのか?

 
Chapter4 それが知りたかった!呼吸療法のアレコレ
 
1.人工呼吸管理
 (1) 挿管のテクニック
Q206 挿管時のアトロピンはルーチンで使用する必要があるのか?
Q207 挿管時に筋弛緩薬は必要か?
Q208 小児において,迅速導入気管挿管はつねに実施すべきか?
Q209 喉頭/気道浮腫が原因で再挿管する場合,内科的に効果のある事後対応方策はあるのか? 
Q210 喉頭/気道浮腫で再挿管した場合,どの程度待ってから再評価すべきか?
Q211 麻酔導入時・維持中の適切な酸素濃度は?
Q212 気道確保困難(DAM)患者の麻酔導入時に,筋弛緩薬の投与は行うべきか?
Q213 気道確保困難(DAM)患者の麻酔導入および鎮静に適した薬剤投与法は?
Q214 「気道確保困難(DAM)」に定義はあるのか?
Q215 気管挿管時,筋弛緩薬を使用してはいけない病態はあるのか?
Q216 ビデオ喉頭鏡はすべての小児患者で使用可能か?
Q217 新生児や乳児では,直型ブレードの喉頭鏡を使用しないといけないというのは本当か?
Q218 気管支ファイバー(スコープガイド下)挿管の適応は?
Q219 小児において,ラリンジアルマスクガイドで挿管ができるか?
Q220 ラリンジアルマスクが優先して使用される場面はあるのか?
Q221 上気道炎があると,挿管時の喉頭けいれんのリスクが高まるのか?
Q222 挿管時に簡易呼気終末二酸化炭素分圧(簡易PETCO2)測定は必要か?
Q223 気管チューブの位置は頸部の前屈・後屈で変わるのか?
Q224 気管チューブに付いている深さの指標は,意識しておく必要があるのか?
Q225 気管チューブの位置確認のための胸部単純X線における,撮影条件の確認ポイントは?
Q226 気管チューブのカフ圧に適正値はあるのか?また,その測定頻度はどの程度がよいのか?
Q227 首の向きで気管チューブの深さは変化するのか?
Q228 カフ付き気管チューブが絶対に使用できない状況や病態はあるのか?
Q229 気管チューブの固定でよい方法はあるのか?
Q230 経鼻挿管はルーチンで使用すべきか?
Q231 経鼻挿管は経口挿管に比べて人工呼吸器関連肺炎(VAP)の発生頻度を減らすのか?
Q232 経鼻挿管の際に,鼻腔内を洗浄してから挿入する必要があるのか?
Q233 経鼻挿管で考慮すべき合併症は?
Q234 経鼻挿管は経口挿管に比べて鎮静薬の必要量を少なくすることが可能か?また,その理由は?
Q235 挿管の判定に,なぜ呼気終末二酸化炭素分圧(PETCO2)を使う必要があるのか?
 (2) 挿管中の管理
Q236 人工呼吸器下での最適な1回換気量は?また,その評価方法は?
Q237 人工呼吸器下での最適な吸気時間は?また,その評価方法は?
Q238 人工呼吸器下での最適な呼吸数は?また,その評価方法は?
Q239 人工呼吸器下での最適な呼気終末陽圧(PEEP)は?また,その評価方法は?
Q240 吸気呼気比(I/E ratio)と呼吸数にはどのような関係があるか?
Q241 非挿管時の吸気呼気比(I/E ratio)は「何対何」が正常か?
Q242 “post hyperventilation apnea”とは何か?
Q243 陽圧人工呼吸管理における設定で,肺血流を抑制することはできるのか?
Q244 無気肺に対して,呼気終末陽圧(PEEP)を上げることは正しい行動か?
Q245 呼気終末陽圧(PEEP)を上げると血圧は下がるのか?
Q246 呼吸不全に対して,厳密な水分管理(ドライ管理)は効果があるのか?
Q247 新生児と小児で高頻度振動換気法(HFOV)の位置づけが異なる背景は?
Q248 小児や成人では,新生児ほど高頻度振動換気法(HFOV)が用いられないのはなぜか?
Q249 適切な圧サポート(PS)はどのように選択すべきか?
Q250 圧トリガーとフロートリガーはどちらがよいのか?
Q251 肺損傷に関して,量は悪さをするのか?
Q252 人工呼吸中に筋弛緩薬が必要な症例は?
Q253 高頻度振動換気法(HFOV)中は,気管チューブはどのように固定すべきか?
Q254 小児の腹臥位手術中(筋弛緩下)の肺コンプライアンス,換気効率はどのように変化するか?
Q255 新生児・乳児の呼吸器手術において,分離肺換気を行う必要があるか?
Q256 新生児・乳児で確実に分離肺換気を行う方法はあるか?
Q257 麻酔維持中の適切な動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2)は?
Q258 麻酔中の肺保護換気に意味はあるか?
Q259 いわゆる「ディープサクション」とは何を意味するのか?
Q260 加温・加湿の定義はあるのか?
Q261 加温・加湿はどの程度,エネルギー消費に関与しているのか?
Q262 人工鼻が加温加湿器よりも優れていることはあるのか?
Q263 気道浄化目的の生食洗浄(生理食塩液の気管内注入と吸引)は有用か?
Q264 気管吸引に関し,適切な圧,頻度,方法はあるのか?
Q265 気管吸引の回数は多いほうがよいのか,それとも最低限行うのがよいのか?
Q266 気管吸引後は陽圧加圧が必要か?
Q267 気管吸引は誰でも実施してよいのか?
Q268 気管チューブ周囲からのエアリークはどの程度あればよいという指標はあるのか?
Q269 術中に気管支拡張薬を吸入する方法は?
Q270 新生児・乳児の気管挿管中,鎮静は必要なのか?
Q271 人工呼吸患者において口腔ケアは必要か?
Q272 カフ付き気管チューブ管理で人工呼吸器関連肺炎(VAP)は減るのか?
Q273 口吸引を行う際,嘔吐を誘発しない方法はあるのか?
Q274 人工呼吸中および抜管前の気胸や胸水で酸素化が維持できていても,胸腔ドレナージは必要か?
Q275 挿管中,鎮静の正しい評価は本当にできるのか?
 (3) 抜管のテクニック
Q276 侵襲的人工呼吸のウィーニングにおいて,優先すべきは圧か回数か?
Q277 抜管後の気道浮腫は,どの程度の時間観察すれば安全と判断されるのか?
Q278 抜管前のリークテストは意味があるのか?
Q279 抜管前のステロイドは必要か?
Q280 抜管可否の予測はできるのか?
Q281 小児で自発呼吸トライアル(SBT)は行うべきか?
Q282 術後や抜管後にルーチンで酸素投与は必要か?

2.非侵襲的呼吸管理
 (1) マスク,経鼻カニューレの使い方
Q283 経鼻カニューレで酸素投与をする場合,年齢・体重に応じて吸入酸素濃度(FIO2)を変えるべきか?
Q284 ベンチュリーマスク(インスピロン)が必要とされる状況にはどのようなものがあるか?
Q285 ベッドサイドには,バッグバルブマスクとジャクソンリースのどちらを置いておくべきか?
Q286 バッグバルブマスクとジャクソンリースの適切なサイズは?
Q287 マスク,リザーバー付きマスクで酸素投与量が不十分であった場合の問題点は?
Q288 マスク装着を嫌がる小児に酸素を投与するよい方法はあるのか?
Q289 適切な“sniffing position”とは?
Q290 小児には,カフで膨らませるタイプのマスクと,そうでないマスクのどちらがよいのか?
Q291 マスクサイズの選択で注意しておくべき点にはどのようなことがあるか?
Q292 加温のないベンチュリーマスク(インスピロン)での加湿は有益なのか?
 (2)酸素療法
Q293 加温・加湿の十分でない酸素投与は,どの程度まで許容されるのか?
Q294 酸素はどのように毒性を生じるのか?また,その原因は濃度なのか,時間なのか?
Q295 経鼻カニューレからの酸素投与において,加温・加湿が必要な理由は?
Q296 通常量の経鼻カニューレ療法で呼気終末陽圧(PEEP)はかかるのか?
Q297 非侵襲的陽圧換気(NPPV)が経鼻ハイフロー療法(HFNC)より有利な点は?
Q298 呼吸不全に対しV-V ECMO導入を考えるべきタイミングの基準はあるか?
Q299 一酸化窒素吸入は,経鼻ハイフロー療法(HFNC)や非侵襲的換気療法(NIV)で行ってもよいのか?
Q300 陽・陰圧体外式人工呼吸器(RTXⓇ)の出番はまだあるのか?
 (3) 経鼻ハイフロー療法(HFNC)
Q301 経鼻ハイフロー療法(HFNC)のプロングの適正サイズとは?
Q302 経鼻ハイフロー療法(HFNC)の禁忌はあるのか?
Q303 新生児の経鼻ハイフロー療法(HFNC)の流量はどのように決めるべきか?
Q304 経鼻ハイフロー療法(HFNC)中の呼吸音の評価基準はあるのか?
Q305 経鼻ハイフロー療法(HFNC)では,吸入するガスは最大何Lまで増やしてよいのか?また,増やすことにメリットはあるのか?
Q306 経鼻ハイフロー療法(HFNC)におけるCO2ウォッシュアウト効果とは?
Q307 経鼻ハイフロー療法(HFNC)の呼気終末陽圧(PEEP)効果は本当にあるのか?
Q308 経鼻ハイフロー療法(HFNC)の際に経腸栄養は可能か?
Q309 経鼻ハイフロー療法(HFNC)では,口が開くと効果はどう変わるのか?
Q310 経鼻ハイフロー療法(HFNC)では,咽頭ステント効果はあるのか?
Q311 無呼吸に対して経鼻ハイフロー療法(HFNC)は効果があるのか?
Q312 経鼻ハイフロー療法(HFNC)を一般病棟で使用しても,医療安全上,問題ないのか?
Q313 閉塞性呼吸障害患者では,非侵襲的換気療法(NIV)と経鼻ハイフロー療法(HFNC)のどちらを使用すべきか?
Q314 経鼻ハイフロー療法(HFNC)が手術室内で活躍する場面はあるのか?
Q315 新生児における経鼻ハイフロー療法(HFNC)からのウィーニングはどうすればよいのか?
Q316 抜管後,ルーチンで経鼻ハイフロー療法(HFNC)を使用することに意義があるか?
Q317 経鼻エアウェイの適切な位置を知る方法は?
Q318 経鼻酸素投与において,常温バッグ加湿は必要か?
Q319 経鼻ハイフロー療法(HFNC)は在宅呼吸療法として使用できるのか?

3.気管切開,在宅呼吸管理の深堀り
Q320 上気道疾患における気管切開の適応は?
Q321 神経筋疾患患者における気管切開の適応は?
Q322 急性呼吸疾患後を含む慢性呼吸不全における気管切開の適応は?
Q323 急性肺疾患において,気管切開を考慮すべきタイミングは?
Q324 急性疾患(呼吸器疾患を除く)において,気管切開を考慮すべきタイミングは?
Q325 重症慢性肺疾患の患者において,いつ気管切開を考慮すべきか?
Q326 気管切開カニューレに適切な長さは存在するのか?
Q327 気管切開カニューレに適切な太さは存在するのか?
Q328 気管切開カニューレの固定方法に決まったものはあるのか?
Q329 スピーチカニューレを考慮すべき状態にはどのようなものがあるか?
Q330 気管切開カニューレのサイズによって,圧サポート(PS)の調整を考慮すべきか?
Q331 気管切開カニューレの交換方法に決まりはあるのか?
Q332 気管切開孔からの吸引の際,吸引チューブは気管カニューレの長さを考慮するべきか?
Q333 気管切開をしている小児の気管内吸引回数を減らす方法はあるか?
Q334 気管切開孔にはYガーゼの使用を考慮すべきか?
Q335 気管切開患者における気管腕頭動脈瘻の発症メカニズムは?
Q336 気管腕頭動脈瘻のハイリスク患者はいるのか?
Q337 気管腕頭動脈瘻を予防する方法はあるのか?
Q338 自宅での,気管切開孔からの吸引チューブの操作方法・保管方法は?
Q339 自宅以外において,1人のスタッフが複数の小児の吸引を行う場合の,吸引チューブの操作方法・保管方法は?
Q340 気管切開をしている小児が自宅で無理なく生活できる吸引回数とは?
Q341 在宅人工呼吸器の回路内結露は問題か?また,結露しないようにするにはどうすればよいか?
Q342 在宅酸素の「同調器」とは?また,同調器の使用は小児患者に対してどのような効果があるのか?
Q343 在宅酸素療法(HOT)の注意事項,およびトラブルシューティングは?
Q344 病院で使用する据え置き型SpO2モニターは自宅にも設置可能か?
Q345 人工呼吸器を装着している患者は訪問看護ステーションを利用できるのか?
Q346 在宅酸素療法(HOT)はどの程度の酸素化不良まで対応できるのか?
Q347 在宅酸素療法(HOT)を中止する基準はあるか?
Q348 気管切開後の創部の安定にはどの程度の時間が必要か?
Q349 気管切開孔からの吸引の際に出血を認めた場合,どのように対応すべきか?
Q350 人工鼻の交換基準はあるのか?また,分泌物ですぐに人工鼻の交換が必要となる場合の対処法は?
Q351 人工鼻は,在宅人工呼吸管理患者では必ず使用しないといけないのか?
Q352 自宅で気管切開孔から出血を認めたときの対処方法は?
Q353 気管切開を考慮する際の多職種/他職種の果たす役割は?
Q354 “tracheostomy collaborative”とは?

4.beyond人工呼吸
Q355 V-V ECMOは,下は何歳まで可能か?
Q356 ECMO施行時の人工呼吸器の設定は?
Q357 V-V ECMOのカニューレサイトおよび脱血管・送血管の位置はどこが妥当か?
Q358 ECMO時の活性化凝固時間(ACT)目標値は?
Q359 ヘリウム・酸素混合ガス(ヘリオックス)吸入療法のデメリットは?
Q360 ヘリウム・酸素混合ガス(ヘリオックス)吸入は閉塞性気道疾患で使用を考慮すべきか?

5.理学療法&ポジショニング
Q361 肩枕の適切な位置は?
Q362 肩枕はルーチンで行う必要があるか?
Q363 新生児・乳幼児では頭位拳上(ヘッドアップ)により酸素化が改善することはあるか?
Q364 鼻がつまっている小児の鼻腔吸引は意味があるのか?
Q365 鼻腔吸引のチューブをスムースに,また小児が嫌がらないように挿入するコツは?
Q366 乳幼児にとって腹臥位は落ち着くものなのか?呼吸に関係するのか?
Q367 乳幼児において,呼吸をモニターしていれば腹臥位は実施可能か?
Q368 上体挙上は人工呼吸器関連肺炎(VAP)のリスクを下げるのか?
Q369 無気肺があるとき,酸素化改善のためには患側を上下どちらにすべきか?
Q370 無気肺解除のためには,患側を上にした体位をとるべきか?
Q371 経管栄養注入時の適切な体位は?
Q372 人工呼吸管理中の患者において,体位変換はどれくらいの頻度で行うべきか?
Q373 小児急性呼吸窮迫症候群(PARDS)において,腹臥位療法は行うべきか?
Q374 「標準的呼吸理学療法」とは?
Q375 「排痰補助装置」が効果的と考えらえる病態はあるのか?

 
Chapter5 そのほかのギモンに答えます! 

1.基礎疾患のある児の呼吸の知識
Q376 予防接種の予診で聴診する意義はあるのか?
Q377 重症心身障害児の呼吸状態を維持するために,考慮すべき長期管理方針とは?
Q378 喉頭気管分離術の絶対適応は存在するのか?
Q379 喉頭気管分離術の適応は?
Q380 低酸素脳症のある小児の呼吸の特徴は?
Q381 筋緊張が強く気道分泌物が多い小児への対応方法はあるのか?
Q382 「胃食道逆流(GER)が無呼吸を起こす」というのは本当か?
Q383 Down症候群患者の呼吸の特徴は?
Q384 「Down症候群は舌が大きい」というのは本当か?
Q385 18トリソミー患者の呼吸の特徴は?
Q386 重症心身障害児に対して,ラクツロースは気道分泌物を減らせるのか?
Q387 重症心身障害児の胃食道逆流(GER)に対して,噴門形成術は生涯にわたって有効なのか?
Q388 ムコ多糖症で下気道疾患をきたしやすい型は?また,そのメカニズムは?
Q389 小顎症は,外見上で気道確保困難(DAM)の重症度が評価できるのか?
2.そのほか知ってて得する呼吸トリビア
Q390 小児の呼吸中枢機能(呼吸ドライブ)は新生児や成人と異なるのか?
Q391 気道の狭いところは声門部か?それとも声門下か?
Q392 呼吸筋とは何を指すか?
Q393 小児でおもに使用される呼吸筋は成人と違うのか?小児のほうが呼吸筋疲労は起こりやすいのか?
Q394 「経肺圧」の定義は?
Q395 「酸素需要がある」ということに客観的定義は存在するのか?
Q396 病棟で使用する人工呼吸器と在宅人工呼吸器の違いは?
Q397 呼吸不全の身体所見として,心原性と呼吸原性ではどのような違いがあるか?
Q398 「酸素化障害」の定義は?
Q399 術前に上気道炎がある場合,手術延期が妥当か?
Q400 扁桃摘出術後の創部出血リスクは,どの程度の時間観察しておけばよいか?
Q401 呼吸不全の際の意識低下は何を意味するのか?
Q402 13価肺炎球菌ワクチンは小児の肺炎に対して予防効果があるか?
Q403 Hibワクチンは小児の喉頭蓋炎をどの程度予防しているか?
Q404 百日咳ワクチンの予防効果,および効果の持続期間は?
Q405 日本で小児肺移植は行われているのか?また,海外の状況は?
Q406 遠隔での呼吸評価は可能か?
Q407 振動メッシュ式ネブライザーとジェット式ネブライザーの違いは?
Q408 浅麻酔は喉頭けいれんのリスクといわれるが,どれくらい浅いと起こりやすいのか?
Q409 「クラマタイゼーション」とは何か?
Q410 小児において,肺塞栓のリスク因子は存在するのか?
Q411 胃内ガス,胃の過膨張は呼吸に影響を及ぼしうるのか?

索 引
あとがき

ページの先頭へ戻る

序文

人間はこの世に生まれると「産声」をあげ,命尽きるまで呼吸を続けます.生まれたばかりのこどもを見ていると,「しっかり呼吸しているかな?大丈夫かな?」と気にかけます.とくに脆弱で病気を抱えたこどもなら,なおさらです.つまり,こどもに携わる医療,看護,診療の現場にいれば,「呼吸」を意識しない日はありません.しかし,皆さんはこれまでどれくらい「呼吸」について本気で考えたことがあるでしょうか? 人工呼吸器の操作や呼吸器感染症については,多く学んできた方も多いかもしれません.しかし,私たちが無意識に呼吸をしているように,普段の診療のなかで,こどもの呼吸をどれだけ深く観察し,考えたことがあるでしょうか?
『Q&A400こどもの呼吸のコモンなギモンに答える本』は,こどもの「呼吸」に関して日常診療の中で抱きがちな疑問に答えるために作られました.こどもの呼吸に関する教科書や文献は多くありますが,日々の臨床で直面する「ちょっとしたギモン」や「かゆいところ」に焦点を当てたものは,意外と少ないのではないでしょうか.技術的なノウハウや知識を詰め込むことも大事ですが,それだけでは足りません.
本書では,医学生,初期・後期研修医,総合診療医,小児科専門医,小児集中治療医,麻酔科医など,幅広い読者を想定しました.日常的に遭遇するこどもの呼吸器疾患,臨床現場でよく行う呼吸診察や評価の技術,検査や画像所見の読み方も取り上げています.さらに,外来や在宅での呼吸評価や管理から,集中治療を要する現場での高度医療まで,こどもにかかわるすべての医療従事者に役立つ内容を詰め込みました.この本をどのように活用するかは,読者の皆さん次第です.疑問が生じたときに索引から関連するワードや領域を検索して読むのもよいですし,まとまった時間があるときには病態や治療に焦点を当て,周辺事項も含めてじっくり読むのもよいでしょう.学生や研修医の実習では,それぞれの設定で起こりうる疑問を本書で確認してから実習に臨むことができます.
本書は,こどもの呼吸に関する疑問をひとつひとつ丁寧に解き明かし,臨床現場で役立つ知識や実践的な技術をわかりやすく解説しています.根拠(いわゆるエビデンス)に基づいたアプローチを大切にし,信頼できるデータや査読論文に基づく情報を提供していますが,根拠が不十分な領域については,現場のトップランナーの臨床経験に基づいたアドバイスも交えています.こどもの呼吸に関して,いわゆる「教科書的」な内容にとどまらず,現場で本当に役立つ知識や知恵を詰め込んだ,これまでになかった1冊に仕上がったと自負しています.執筆に携わった皆さんの熱意や思いが,きっと読者の皆さんにも伝わることと思います.
本書が,研修医や医学生にとって小児の呼吸器疾患を広く深く学び,より深い理解と質の高いケアを提供するための手助けになることを願っています.こどもの呼吸に関する理解を深めることは,こどもたちの健康と生命を守るために欠かせない要素です.この本が現場で働く皆様の手に届き,こどもたちのよりよい医療に役立つ1冊となることを,心から願っています.

2024年9月
聖マリアンナ医科大学小児科学講座 小児集中治療分野 教授
川口 敦