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小児科診療 最新号

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雑誌「小児科診療」2022年 Vol.85 No.5 研修医・専攻医・指導医のための小児科研修指南

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掲載論文

序文  /石毛美夏 

Ⅰ.研修プログラム
医師臨床研修~ガイドライン2020における小児科研修~  /高村昭輝 
小児科専門医研修~小児科医の到達目標と研修手帳~  /西屋克己 
臨床現場における研修評価  /関口進一郎 
研修における指導医およびメンターの役割  /利根川尚也

Ⅱ.研修医・専攻医研修のポイント
外来診療(一般外来・救急外来)
 ~研修医・専攻医に必要とされる小児科外来診療での知識・技術・注意点と,指導医としての指導のポイント~  /遠藤 周 
新生児マススクリーニング
 ~制度・対象疾患・初期対応について~  /松井美樹・他 
予防接種  /西村光司 
乳幼児健診  /桃木恵美子 
学校健康診断  /弓倉 整 
成長障害のみかた  /庄司保子 
発達障害(不登校を含む)  /井上 建・他 
児童虐待  /森内優子・他 
医療保険・公費負担制度および社会的支援  /儘田光和

Ⅲ.研修医・専攻医の研究
症例報告をする  /細野茂春 
臨床研究を行う  /長野伸彦・他 

症例報告
川崎病症状が断続し冠動脈病変をきたしたくすぶり型川崎病の4か月女児例  /西田圭吾・他 

ねらい

研修医・専攻医・指導医のための小児科研修指南

石毛美夏  /日本大学医学部小児科学系小児科学分野

 2004年から必修化された医師臨床研修制度では,小児科は必修研修としてすべての研修医を対象に1~3か月間の研修が実施されることとなり,小児科としての専門研修(専攻医)はその後の3年間に行われることとなった.2010年の制度見直しにより,小児科の臨床研修は選択必修となっていたが,2020年改訂の医師臨床研修指導ガイドラインでは「総合的な小児科診療を行うため,病棟研修を含めて最低4週間,できれば8週間の研修期間が望ましい」とされ,10年ぶりに必修科目となった.今回の改訂では,小児科必修研修の再開だけでなく,経験すべき症候に小児科特有の問題の「成長・発達の障害」が加えられ,さらに小児科を含む一般外来の研修が開始され,分野別必修研修の導入により予防接種や乳幼児健診などの予防医療および児童虐待についての研修も必修となった.24週以上の研修を行う内科に比べ小児科での研修期間はわずか4~8週しかなく,短い研修期間で非常に幅広い研修を,研修医全員に行わなければならなくなったといえるだろう.
 臨床研修修了後の小児科専門医の研修においては,日本小児科学会により「小児科医の到達目標―小児科専門医の教育目標―」が定められており,数年おきに改訂されている.2010年の改訂では小児科専門医の医師像がアウトカムとして示され,最新の2020年改訂(第7版)では,到達目標のレベルがマイルストーン評価のレベルと統一され,修得すべき内容も大幅に更新された.2019年からは360度評価やMini-CEX(診察能力評価)といった現場での研修評価法や,マイルストーンによる1年ごとの到達度の判定も必須となり,小児科研修手帳を用いたきめ細やかな研修が求められている.
 このように,研修プログラムは大きく変化しているが,実際の小児科の臨床現場における具体的な対応やポイントがまとめられている教科書はほとんどなく,また,研修プログラムにおける医学教育の用語や方法は小児科医にとっては難解に感じられるものが多い.
 本特集は,第Ⅰ章で最新の研修プログラムや研修目標,具体的な研修評価方法,さらには指導医の役割について,小児科に焦点をあてて概説した.第Ⅱ章では,外来診療や健診・予防接種をはじめ,成長障害や発達障害,児童虐待など,具体的な場面における研修や指導のポイントについて解説した.第Ⅲ章では,学識・研究者という立場で,視野を広げ小児科研修をより深めるための学会報告や論文作成の方法についてまとめている.
 卒後教育の変革が続くなか,よき小児科医/医師の育成のための研修のさらなる充実を目指して,研修医・専攻医には日々の研修のポイントを教え,指導医には指導方法の指南となる一冊となることを願っている.
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