株式会社 診断と治療社

小児科診療 最新号

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雑誌「小児科診療」2022年 Vol.85 No.12 医療情報の利活用 現在と未来

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掲載論文

序 文  /北東 功

Ⅰ.医療情報の現状と問題
医療情報の利活用の現状と問題  /藤井 進・他
医療データに関する倫理的・法的問題について  /吉澤 尚・他
オンライン医療の現状と今後の展望  /稲生優海・他

Ⅱ.医療情報の共有,利活用
NICUの遠隔診療支援システム  /岩永甲午郎
予防接種  /福神雄介
乳幼児健診情報の電子化と利活用  /中野孝介・他
救急医療における医療情報の課題と解決策  /園生智弘
災害時  /和田雅樹
面会kioskシステムによるNICUでの面会者(保護者)情報の
取得と活用  /川本 豊

Ⅲ.医療データベース
新生児臨床研究ネットワーク(NRNJ)について  /中西秀彦
DPC情報を利用した疾患分析の現状と課題  /荒木俊介・他
小児医療における情報収集システムの整備  /加藤省吾・他
薬剤臨床研究  /中村秀文

Ⅳ.診療支援システム
診療支援システムの全体構想  /森川和彦・他
診療支援システムの実際の運用(小児科)  /森田英明・他
診療支援システムの実際の運用(新生児)  /三輪雅之

小児科診療/第85巻(2022年)総目次

ねらい

医療情報の利活用 現在と未来
北東 功  /聖マリアンナ医科大学新生児科

 電子カルテシステムが登場してすでに長い年月が経とうとしています.紙カルテから移行した際には,これでデータベースの作成や論文執筆にあたって情報収集がかなり便利になるだろうと思った記憶があります.しかし,現状では全くそうなっていません.おそらくすべての医師が電子カルテシステムはこれでよいのだろうかと考えているのではないでしょうか.電子化されたことで病診連携やデータベース連携が簡単にできるようになることを期待していたにもかかわらず,現状は単に紙のカルテが電子化されたものとなっているに過ぎません.この問題は電子カルテを作成した企業にだけあるのではなく,構想の段階から医師が深く関与してこなかったことにあると考えています.そこで,今回は趣向を変えて,小児科医として知っておくべき医療情報の収集法とその利活用についての特集を組むことにしました.
 まず“医療情報の現状と問題”の章では,現在のわが国と世界の電子カルテを取り巻く状況や医療情報の利活用に関する法的,倫理的な問題について論じていただいています.また,新型コロナ感染症の流行で大きくすすんだといわれるオンライン診療における情報取得法やその利活用について論じていただいています.続く“医療情報の共有,利活用”の章では,小児医療で必須となる,新生児診療,予防接種,乳幼児健診,救急,災害,保護者情報について,それぞれの分野でどのように情報収集がなされ,さらにそれが利活用されているかを説明していただいています.さらに,“医療データベース”の章で,新生児医療,DPC情報,薬物副作用情報,薬剤開発について,実際にデータベースを用いた種々の情報連携についてその成果や問題点について述べていただいています.最後の“診療支援システム”の章では,医師の暗黙知を集約し診療に役立てるためのシステムである,診療支援システムについて,その全体構想と実際の運用について述べていただいています.
 今回は疾患のことではない特集であり,読者のなかには縁遠い話と考えられる方々もいらっしゃるかとは思います.しかし医療情報を扱い,その情報を活用して別の患者に役立てるためには,どの専門分野であっても知っておくべき基礎的なことと私は考えます.本特集はそれをふまえた必須の知識が満載されていると考えています.
 執筆は,医師であることは問わず,遠隔診療,データベース,医療に関する法律の領域に精通されている方々にお願いしました.医師である方々にとっては医学的な内容ではない毛色の違う執筆依頼であり,執筆に際して困らせてしまったかもしれません.しかし,結果として小児科医だけでなく医療に携わるすべての医師に読んでいただきたいような内容となったと自負しています.
 最後になりますが,この企画に原案段階から相談に乗っていただき,いくつかの原稿に関与して下さった,慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科の矢作尚久先生に感謝致します.
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