小児科診療
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「増刊号」・「特大号」を年各1冊発行.読者の厚い信頼に応える内容で日常診療に不可欠な情報満載.
連載「Photo Quiz」ではビジュアルに画像診断のポイントを解説.
2022年 Vol.85 No.春増刊号 2022-04-08
小児画像診断のコツ
定価:8,800円(本体価格8,000円+税)
序 文 /野坂俊介
Ⅰ 検査のコツ
1 保護者への説明のコツ
小児画像検査を適正に行うために /相田典子
2 検査を成功させるコツ
子どもたちの対処力と連携 /伊藤麻衣
3 単純X線撮影におけるコツ
胸 部 /河野達夫
腹 部 /小山雅司
骨格系 /齋藤祐貴
4 超音波検査におけるコツ
頸 部 /野坂俊介
胸 部 /野坂俊介
幽門部・上腸間膜動静脈 /野坂俊介
回盲部 /西川正則
肝胆膵脾 /渡邉(久住)浩美・他
腎尿路 /青木英和
生殖器 /藤井 茜・他
脊 髄 /堤 義之
関 節 /宮嵜 治
5 透視・造影検査におけるコツ
上部消化管造影・EDチューブ挿入 /野坂俊介
注腸造影 /西川正則
腸重積の高圧注腸整復 /田波 穣
排泄性膀胱尿道造影(VCUG) /宮坂実木子
6 CTにおけるコツ
小児科医のためのCT被ばく低減入門 /宮嵜 治
脳CT angiography /堤 義之
小児心血管CT /西井達矢
腹部造影CT /藤川あつ子
7 MRIにおけるコツ
頭部評価 /青木英和
肺・縦隔評価 /野澤久美子
肝胆道系,膵,脾に対する腹部MRI(MRCP, EOB-MRIを中心に) /宮坂実木子
骨軟部評価 /野崎太希
8 核医学検査におけるコツ
固形腫瘍 /西村元喜
腎尿路疾患 /内山眞幸
Ⅱ 読影のコツ (マネージメントのコツ含む)
1 中枢神経・脊髄におけるコツ
急性脳炎・脳症 /榎園美香子
頭部外傷 /青木英和
脳腫瘍 /安藤久美子・他
2 頭頸部におけるコツ
頸部腫瘤 /杉岡勇典
難 聴 /河野達夫
3 胸部(肺・縦隔)におけるコツ
肺 炎 /槇殿文香理
嚢胞性肺疾患 /野澤久美子
縦隔腫瘍 /藤川あつ子
4 心大血管におけるコツ
先天性心疾患 /常田慧徳・他
大動脈弓の先天異常 /槇殿文香理
肺動静脈の先天異常 /岡本礼子
5 肝胆膵脾におけるコツ
胆道閉鎖症 /赤坂好宣
先天性胆道拡張症 /市田和香子
6 消化管におけるコツ
肥厚性幽門狭窄症 /野坂俊介
腸回転異常症・中腸軸捻転 /小熊栄二
腸重積症 /小熊栄二
急性虫垂炎 /田波 穣
7 腎尿路におけるコツ
胎児期に診断された水腎症 /桑島成子
尿路感染症 /細川崇洋・他
下部尿路機能障害(排尿障害) /宮坂実木子
8 生殖器におけるコツ
付属器捻転を疑った場合 /細川崇洋・他
急性陰嚢症 /細川崇洋・他
性分化疾患 /宮坂実木子
9 骨軟部におけるコツ
骨 折 /齋藤祐貴
骨系統疾患 /田波 穣
関節炎・骨髄炎 /小山雅司
軟部腫瘤 /野崎太希
10 全身疾患におけるコツ
悪性腫瘍 /宮嵜 治
Langerhans細胞組織球症 /岡本礼子
血管炎 /巷岡祐子
難治性リンパ管疾患 /野坂俊介
索 引
野坂俊介 /国立成育医療研究センター放射線診療部
雑誌「小児科診療」の増刊号の企画担当(ゲストエディター)は,2005年以来2回目である.今回は,編集部より「小児画像診断のコツ」をテーマとし,「画像診断医が小児科医に伝授する」という趣旨とのことで,20年以上お世話になっている診断と治療社編集部からのオファーをお断りする選択肢などなく,序文執筆を迎えている.
日本の医療の現状に目を向けてみると,わが国におけるCTおよびMRIの台数は,人口100万人あたりでは,世界一で,二番目を大きく離している(OECD/経済開発協力機構データ).一方,画像診断を専門とする放射線科診断専門医は不足しており,CTおよびMRIに放射線科医が関与するのは全体の半数のみといわれている(日本放射線科専門医会・医会のデータ).放射線科診断専門医数の不足は,小児画像診断においてより顕著であることは,本誌の読者の皆さんも日頃から実感されていることと推察する.
小児画像診断で用いるモダリティは成人と同様であるが,小児では,放射線感受性が高い,体格が小さい,検査時に必ずしも協力が得られない,成長・発達の過程で正常所見が変化する,頻度の高い疾患・病態が成人とは異なる,といった特徴がある.画像診断を行う際は,これらの特徴を考慮しなければならない.
前述のごとく,小児画像診断を専門とする放射線科医が少ないため,小児科の先生方が自ら検査を行う,撮影のプロトコルを指示する,所見を解釈する,といった機会は少なくないと思われる.そのような場合の「コツ」をわかりやすく解説することを念頭においた.
最終的に,本企画はⅠ.検査のコツ,とⅡ.読影のコツ(マネージメントのコツ含む)の大きく二本立てとし,項目総数は59項目で,Ⅰ.検査のコツ28項目,Ⅱ.読影のコツ31項目となった.筆頭執筆者はチャイルド・ライフ・スペシャリストの1人以外は,すべて現場でご活躍の小児領域の放射線診断医で総数30人に担当いただくことができた.お忙しいなか,ご執筆いただいた先生方には深く感謝申し上げる.また,執筆者総数と項目総数の関係から,複数の項目をご執筆くださった先生方には重ねて感謝申し上げる.
偶然にも,医師としての人生で最も長く勤務している現在の所属施設が,2002年に開設して以来20年の節目を迎えた.そのようなタイミングに再び増刊号の企画担当をさせていただいたことは,光栄の至りと,自己満足している次第である.