小児科診療
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2023年 Vol.86 No.春増刊号 2023-04-05
小児の治療指針
定価:13,750円(本体価格12,500円+税)
序 文 /「小児科診療」編集主幹・編集委員一同
1 よくみられる症状・症候への対症療法
発 熱 /八木沼瑞紀・他
かぜ症候群 /大河原一郎
咳 嗽 /吉原重美
頭 痛 /山中 岳・他
腹 痛 /永田万純・他
嘔 吐 /岩間 達
下 痢 /萩原真一郎
便 秘 /八木龍介・他
蕁麻疹 /高増哲也
夜尿・尿失禁 /大友義之
2 救急場面における初期対応
ショック /中川 聡
意識障害・失神 /浜野晋一郎
けいれん重積状態(てんかん重積状態) /菊池健二郎
呼吸困難 /本村知華子
吐血・下血 /佐渡智光・他
乏尿・無尿 /山村智彦
内分泌緊急症 /濱島 崇
先天代謝異常症が疑われるとき /杉山洋平・他
脱 水 /平野瑶子
誤飲・中毒 /福政宏司
熱 傷 /木村 翔
熱中症 /岡田 広
悪性高熱症 /村上てるみ
溺 水 /坂本昌彦
外傷(頭部,胸腹部,四肢) /黒田達夫
3 感染症
総 論
抗菌薬の適正使用 /尾内一信
菌血症,敗血症 /五十嵐 成
細菌性髄膜炎 /石和田稔彦
皮膚・軟部組織感染症 /樋口 徹・他
呼吸器感染症 /星野 直
感染性心内膜炎 /江畑亮太・他
感染性胃腸炎・食中毒 /西亦繁雄
尿路感染症 /田中絵里子
骨・関節感染症 /坂本優子
結核・非結核性抗酸菌症 /宮川知士
深在性真菌症 /大石智洋
リケッチア感染症(つつが虫病,日本紅斑熱) /岸本寿男
輸入感染症 /菅沼明彦
新生児の細菌感染症 /齋藤昭彦
新生児ウイルス感染症(TORCHを含む) /西村 力
各 論
黄色ブドウ球菌感染症 /遠山雄大
A群溶血性レンサ球菌感染症 /関 満
肺炎球菌感染症 /岡田賢司
インフルエンザ菌感染症 /黒崎知道
百日咳 /岡田賢司
マイコプラズマ感染症 /黒崎知道
レジオネラ症 /吉田菜穂子・他
クラミジア感染症 /新妻隆広・他
サルモネラ感染症,カンピロバクター感染症 /笠井悠里葉
下痢原性大腸菌感染症 /澤 文博・他
エルシニア感染症 /武田修明
B群溶血性レンサ球菌感染症 /山岸由佳
リステリア感染症 /河合泰宏
梅 毒 /村林督夫
ネコひっかき病(バルトネラ感染症) /沼﨑 啓
麻疹・風疹 /寺田喜平
ムンプス /落合 仁
インフルエンザ /田村大輔
RSウイルス感染症,ヒトメタニューモウイルス感染症,ヒトボカウイルス感染症 /橋本浩一
ヒトパレコウイルス感染症 /相澤悠太
単純ヘルペスウイルス感染症 /山崎 勉
水痘,帯状疱疹 /前田明彦
サイトメガロウイルス感染症 /森内浩幸
EBウイルス感染症 /佐藤哲也
HHV-6感染症,HHV-7感染症 /河村吉紀
パルボウイルスB19感染症 /要藤裕孝
HIV感染症 /大宜見 力
新型コロナウイルス感染症(COVID-19) /忽那賢志
4 免疫・アレルギー
原発性免疫不全症―複合免疫不全症,抗体産生不全症,免疫不全を伴う特徴的な症候群,
補体欠損症 /山下 基
食細胞異常症 /野間康輔・他
気管支喘息の長期管理 /藤澤隆夫
気管支喘息発作(急性増悪) /勝沼俊雄
乳幼児のくり返す喘鳴(乳幼児喘息) /加藤泰輔・他
アトピー性皮膚炎 /川口明日香・他
アナフィラキシー /杉浦至郎
食物アレルギー /今井孝成
アレルギー性結膜疾患およびアレルギー性鼻炎 /山本 健・他
薬物アレルギー /藤田真弓
花粉-食物アレルギー症候群 /二村恭子・他
5 リウマチ・膠原病
若年性特発性関節炎 /清水正樹
全身性エリテマトーデス /岩田直美
混合性結合組織病 /小林一郎
若年性皮膚筋炎,多発性筋炎 /岸 崇之
Sjogren症候群 /冨板美奈子
反応性関節炎,感染症関連関節炎 /赤峰敬治
川崎病 /濱田洋通
血管炎症候群 /伊藤秀一
自己炎症性疾患 /西小森隆太・他
若年性線維筋痛症 /井上祐三朗
6 循環器
心房中隔欠損 /上田秀明
心室中隔欠損 /小林 匠・他
動脈管開存 /星野健司
房室中隔欠損 /佐川浩一
Fallot四徴症 /三浦 大
両大血管右室起始 /東 浩二・他
完全大血管転位症 /小野 博
総肺静脈還流異常症(部分肺静脈還流異常症) /瀧聞浄宏
純型肺動脈閉鎖 /黒嵜健一
三尖弁閉鎖症 /島田衣里子・他
僧帽弁閉鎖不全 /白石 公
大動脈弁狭窄 /富田 英
肺動脈弁狭窄 /小林俊樹
大動脈縮窄,大動脈弓離断 /池田和幸
左心低形成症候群 /石井陽一郎・他
心房内臓錯位症候群 /山岸敬幸・他
心筋症 /廣野恵一
急性心筋炎 /本田隆文
不整脈 /住友直方
川崎病の心血管障害 /深澤隆治
特発性肺動脈性肺高血圧症 /髙月晋一
起立性調節障害 /菊池 豊
7 呼吸器
特発性間質性肺疾患 /玉井直敬
気管支拡張症 /松本 翼・他
急性呼吸窮迫症候群 /西間大祐・他
肺ヘモジデローシス /吉田之範
胸膜炎,膿胸 /星野 直
気胸,縦隔気腫 /西島栄治
先天性喘鳴 /松山茉衣
気道異物 /今井丈英
嚢胞性肺疾患 /下髙原昭廣
睡眠時無呼吸 /杉山 剛
鼻副鼻腔炎 /工藤典代
8 血液・腫瘍
貧 血 /日髙もえ・他
免疫性血小板減少症 /森 麻希子
再生不良性貧血 /濱 麻人
血友病 /小倉妙美
播種性血管内凝固症候群 /石原 卓
血球貪食性リンパ組織球症 /坂本謙一
急性リンパ性白血病 /岡本康裕
急性骨髄性白血病 /辻本信一
慢性骨髄性白血病 /嶋田博之
骨髄異形成症候群 /長谷川大輔
造血細胞移植 /坂口大俊
悪性リンパ腫 /深野玲司
神経芽腫 /家原知子
横紋筋肉腫 /荒川 歩
骨肉腫,Ewing肉腫 /細野亜古
腎腫瘍 /越永従道
肝芽腫 /渡邉健一郎
脳腫瘍 /福岡講平
胚細胞腫瘍 /藤村純也
小児がん患児に対する緩和医療 /余谷暢之
遺伝性腫瘍 /服部浩佳
9 代 謝
新生児マススクリーニング /但馬 剛
アミノ酸代謝異常症(フェニルケトン尿症,メープルシロップ尿症など) /伊藤哲哉
尿素サイクル異常症(CPS1欠損症,OTC欠損症など) /服部裕介・他
シトリン欠損症(NICCD,CTLN2) /市野井那津子
有機酸代謝異常症(メチルマロン酸血症,プロピオン酸血症など) /李 知子
脂肪酸代謝異常症 /小林弘典・他
肝型糖原病・筋型糖原病(Pompe病を除く) /福田冬季子
ガラクトース血症 /和田陽一
Gaucher病 /櫻井 謙
Fabry病 /小林正久
ムコ多糖症 /小須賀基通
Krabbe病,異染性白質ジストロフィー /酒井規夫
Pompe病(糖原病Ⅱ型) /角皆季樹・他
Niemann-Pick病C型 /成田 綾
ペルオキシソーム病(副腎白質ジストロフィー,ペルオキシソーム形成異常症) /下澤伸行
銅代謝異常症(Wilson病,Menkes病) /清水教一
リポタンパク代謝異常症(脂質異常症:家族性高コレステロール血症など) /原 光彦
10 内分泌
成長ホルモン分泌不全性低身長症 /磯島 豪
複合型下垂体ホルモン分泌不全症(尿崩症を含む) /伊達木澄人
中枢性思春期早発症(ゴナドトロピン依存性思春期早発症) /中村明枝
甲状腺機能低下症 /宮田市郎
甲状腺機能亢進症 /伊藤順庸
先天性副腎皮質過形成症 /宇都宮朱里
副腎不全,医原性Cushing症候群 /天野直子
副甲状腺機能低下症(偽性副甲状腺機能低下症を含む) /高谷里依子
Ca,P代謝異常,くる病 /蜂屋瑠見
性腺機能低下症 /菅野潤子
性分化疾患 /川井正信
1型糖尿病 /鈴木潤一
2型糖尿病/遺伝性糖尿病 /鈴木 滋
低血糖 /高澤 啓
骨系統疾患 /大幡泰久
Turner症候群 /滝島 茂
11 消化器
胃食道逆流症 /深堀 優・他
食道アカラシア /小池勇樹
肥厚性幽門狭窄症 /近藤健夫・他
胃・十二指腸潰瘍,Helicobacter pylori感染症 /幾瀨 圭
吸収不全症候群,難治性下痢症 /津村直弥・他
FPIES,好酸球性消化管疾患 /山田佳之
急性虫垂炎 /内田恵一
腸重積症 /古田繁行
潰瘍性大腸炎,Crohn病 /清水泰岳
過敏性腸症候群,反復性腹痛症 /細井賢二
Hirschsprung病 /下島直樹・他
肛門周囲膿瘍,痔瘻 /井上幹大
新生児胆汁うっ滞 /虫明聡太郎
体質性黄疸 /丸尾良浩
肝内胆管減少症,進行性家族性肝内胆汁うっ滞症 /田川 学
B型肝炎,C型肝炎 /乾 あやの・他
急性肝不全(劇症肝不全) /市本景子・他
自己免疫性肝炎・原発性硬化性胆管炎 /梅津守一郎・他
非アルコール性脂肪肝/非アルコール性脂肪肝炎 /徳原大介
急性膵炎,慢性膵炎 /鈴木光幸・他
12 腎・尿路
急性腎不全(急性腎障害) /菅原典子
慢性腎臓病,慢性腎不全 /濱田 陸・他
腎実質性高血圧,腎血管性高血圧 /梶保祐子
急性腎炎症候群 /長岡由修・他
紫斑病性腎炎 /寺野千香子
溶血性尿毒症症候群 /西山 慶
急速進行性糸球体腎炎 /後藤美和・他
膜性増殖性糸球体腎炎 /原田涼子・他
膜性腎症 /滝澤慶一
IgA腎症 /島 友子
ループス腎炎 /小椋雅夫
間質性腎炎 /安藤太郎・他
ネフローゼ症候群 /藤永周一郎
Alport症候群 /堀之内智子・他
嚢胞性腎疾患 /中村実沙子・他
腎・尿路の形成異常 /倉岡将平
尿細管疾患 /長澤 武
13 神経・筋
てんかん /伊藤 進
熱性けいれん /夏目 淳
急性脳炎・脳症 /髙梨潤一
急性散在性脳脊髄炎,多発性硬化症 /吉良龍太郎
水頭症,Dandy-Walker症候群 /五味 玲
二分脊椎,Chiari奇形 /松井 潔
脳血管障害,もやもや病 /竹本 理
亜急性硬化性全脳炎 /細矢光亮
結節性硬化症 /岡西 徹
急性小脳失調症,opsoclonus myoclonus症候群 /藤井克則
glucose transporter type 1欠損症 /藤井達哉
Guillain-Barré症候群,慢性炎症性脱髄性多発根ニューロパチー /藤井克則
脊髄性筋萎縮症 /粟野宏之
重症筋無力症 /佐藤孝俊
筋ジストロフィー /小牧宏文
先天性ミオパチー /服部文子
ミトコンドリア病 /海老原知博・他
筋強直性ジストロフィー,筋強直症候群 /本橋裕子
脳性麻痺,重症心身障害 /斎藤義朗
神経線維腫症,Sturge-Weber症候群 /松尾宗明
14 精 神
自閉スペクトラム症 /広瀬宏之
注意欠如・多動症 /山下裕史朗
知的発達症 /平澤恭子
限局性学習症 /稲垣真澄・他
強迫症 /小平かやの
うつ状態 /鈴木翔子・他
チック症,吃音 /金生由紀子
不登校状態 /加藤郁子
食行動障害および摂食障害 /道端伸明・他
睡眠障害 /福水道郎
変換症/転換性障害,過換気症候群 /桜井優子
15 新生児
新生児の一般的ケアとルーチン /草川 萌・他
新生児蘇生 /細野茂春
新生児低酸素性虚血性脳症 /佐藤義朗
胎児水腫 /高山 達
呼吸窮迫症候群 /鳥谷由貴子・他
新生児一過性多呼吸 /藤本健志・他
空気漏出症候群 /芳賀光洋・他
胎便吸引症候群 /菅野啓一
新生児遷延性肺高血圧症 /成田 淳
無呼吸発作 /北東 功
慢性肺疾患 /畑山一貴・他
未熟児動脈管開存症 /豊島勝昭
早産児晩期循環不全 /中西秀彦
分娩外傷 /山口美穂子・他
新生児頭蓋内出血 /田邉行敏
新生児発作 /早川昌弘
新生児黄疸 /鮫島智大・他
新生児出血性疾患 /西久保敏也
早産児の貧血 /落合正行
新生児の低血糖 /河井昌彦
早産児くる病 /新宅治夫
体液・電解質異常 /楡井 淳
新生児の皮膚疾患 /川上理子
新生児の眼科・耳鼻科疾患 /三輪雅之
合併症母体から出生した児の管理 /内山 温
先天異常・染色体異常の遺伝カウンセリング /古庄知己
16 医療連携・社会
虐待を疑うとき /木下あゆみ
学校,幼稚園,保育所との連携―アレルギー疾患患児の場合 /森田久美子
保健所や都道府県に届出が必要な感染症,感染症患者の登園登校の禁止と許可
(コロナウイルスへの対応を含めて) /松原啓太
注意すべき薬剤間相互作用 /木実谷貴久
混ぜてはいけない注射薬の組合せ /三輪雅之
医薬品副作用被害救済制度,生物由来製品感染等被害救済制度,予防接種健康被害救済制度 /木実谷貴久
公費負担医療制度と社会福祉制度 /丸山昌子
在宅医療 /熊田知浩
医療文書の書きかた /荒木絵里子
英文医療文書の書きかた-紹介状,診断書,予防接種証明書など /木下眞里
索 引
「小児科診療」定番の「小児の治療指針」は,多くの小児科医に受け入れられ,ともに歩みながら,前回の81巻(2018年版)から5年ぶりの改訂となりました.その間,コロナ禍を経験しましたが,小児科の領域においては,目立った診断や治療の遅れは指摘されず,今や立ち直りつつあります.その理由は,当分野の診療の基本がしっかりした定礎の上に立っているからでありましょう.この揺るぎない診療の基本は,誰の目から見ても「わかりやすい」ものであるべきです.本誌の基本コンセプトは「わかりやすさ」であり,10版目となる改訂では,小児診療に携わる医師が実地臨床現場で重症度を考え,患者に適切な治療が実践できるように,かつup to dateな情報も入手できるよう,項目・構成の大幅な見直しをしております.また,専門以外の領域においても,読者が最新レベルの知識をもって診療にあたれるよう,わかりやすく解説されています.
構成は,①ひと目で内容を理解できる簡潔な要旨,②治療の前に診断を確定する助けとなる「診断のポイント」,③重症度に応じた適切な対応がとれるような「重症度評価」,④マニュアルの鵜呑みではなく病態理解に基づく治療をしていただくための「基本病態」の説明,⑤必要に応じて国内ガイドライン,国内・海外での保険適用の有無にも言及した「治療の実際」,⑥複数の標準治療がある場合にエキスパートの流儀を参考にしていただくための「私の治療方針」,⑦標準的治療を行うための「最新ガイドライン/エビデンス」⑧理解を深めるため興味深い最新情報を示す「近年のトピックス」,⑨非専門医が陥りがちな「ピットフォールと対策」といった,一貫した項目に沿って記載されています.
執筆者の先生方には,ご執筆の際,ご自分の研修医時代に戻っていただいて,自ら「こんな本が欲しかった」と感じられるような内容をイメージしてご執筆いただきました.お忙しい中,ご執筆いただいた先生方に深謝申し上げます.
最後に,本増刊号が外来や病棟に常置され,研修医の先生の初めての「座右の書」にしていただけるような本になることを願っています.加えて,執筆の先生流のオリジナリティを盛り込むことにより,中堅やベテランの先生におかれましても,専門外の領域の「ミニマル・エッセンシャルな知識のアップデート」につながればと思っております.
「小児科診療」編集主幹・編集委員一同