小児科診療
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2023年 Vol.86 No.秋増刊号 2023-09-28
アレルギー疾患 最新治療と生活からの視点
定価:4,620円(本体価格4,200円+税)
序 文 高増哲也
Ⅰ アレルギー総論
「アレルギー総合ガイドライン2022」 足立雄一
「アナフィラキシーガイドライン2022」 坂口裕紀・他
「アレルギー総合診療のための分子標的治療の手引き」 滝沢琢己
「アレルゲン免疫療法の手引き」 永田 真
「皮膚テストの手引き」 二村恭子
薬物アレルギー 水川良子
Ⅱ 気管支喘息
気管支喘息の最新ガイドラインと最新治療 望月博之
気管支喘息の発症因子と予防法 宮本 学
気管支喘息と受動喫煙 池田政憲
気管支喘息の生活指導 中村浩章・他
気管支喘息の吸入指導 三浦哲也
Ⅲ アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎の最新ガイドラインと最新治療 川口明日香・他
アトピー性皮膚炎の発症予防―皮膚介入と腸管介入から考察する 齋藤麻耶子・他
アトピー性皮膚炎の生活指導 田中ふみ・他
アトピー性皮膚炎のスキンケア指導 東出郁子
アトピー性皮膚炎の成人移行支援 松原知代・他
Ⅳ 食物アレルギーとその周辺
食物アレルギーの最新ガイドラインと最新治療 北村勝誠・他
食物アレルギーの予防法 福家辰樹
消化管免疫から考える食物の摂取方法 大塚宜一
好酸球関連の消化管疾患とアレルギー 山田佳之
乳児の摂食嚥下機能からみた離乳食 綾野理加
食物アレルギーの生活指導 長谷川実穂
食物アレルギーの栄養食事指導 楳村春江
Ⅴ アレルギー性鼻炎・アレルギー性結膜疾患
アレルギー性鼻炎の最新ガイドラインと最新治療 大久保公裕
アレルギー性結膜疾患の最新ガイドラインと最新治療 庄司 純
アレルギー性鼻炎の予防法 朝子幹也・他
花粉症の生活指導 岡部公樹・他
花粉症の薬物療法における服薬指導 上荷裕広
花粉症の舌下免疫療法 湯田厚司
Ⅵ 生活指導に必要となる視点
アレルギー疾患の生活指導に必要となる視点 高増哲也
アレルギー疾患をQOLの視点でとらえる 大矢幸弘
患者指導に利用できるツール 堀向健太
アレルギー疾患診療における多職種連携 亀田 誠
アレルギー児サマーキャンプにおける学校教員の役割 木内正典
患者が暮らしやすい社会に向けた活動と役割,基本法 園部まり子・他
索 引
高増哲也 神奈川県立こども医療センターアレルギー科
アレルギー疾患は気管支喘息,アトピー性皮膚炎,食物アレルギー,花粉症など,いずれもありふれた疾患です.また,アレルギー疾患の病態に対する理解や治療についての医学的進歩にはめざましいものがあり,最新の医療を享受することができれば,多くの患者にとって生命の危機がないばかりか,日常生活上大きな困難におちいることのない状態を期待できるところにまでたどり着いているといえます.一方で,現実にはアレルギー疾患患者はいまだに多くの困難な状況に苦しんでいるのです.この医学的進歩と現状のギャップを埋めるためには,新たな発想を取り入れた医療の仕組みが必要とされています.そのために,患者の生活全般からの視点が中心になることが不可欠といえます.
本増刊号ではまず,アレルギー総論として近年めざましく整備されてきている各種のガイドライン,手引きについて,解説していただきました.疾患ごとのガイドラインだけではなく,総合ガイドライン,アナフィラキシー,分子標的治療,免疫療法,皮膚テスト,薬物アレルギーと,広範囲にわたってガイドラインや手引きが整備されてきていることがわかると思います.ぜひこれを機に,実際のガイドラインや手引きをひもといていただければと思います.
続いて,アレルギー疾患1つ1つについて,最新のガイドラインと最新の治療を解説いただき,それぞれの疾患の予防法,生活指導,薬物療法における指導について述べていただきました.ここでは代表的なアレルギー疾患として,気管支喘息,アトピー性皮膚炎,食物アレルギーとその周辺,アレルギー性鼻炎・アレルギー性結膜疾患を取り上げています.さらに,従来の医療の範疇である治療にとどまらず,予防や生活指導,摂食嚥下機能からみた離乳食についても解説していただきました.
それらをふまえて,生活指導に必要となる視点を概観したうえで,QOLの視点,アレルギーポータルなど患者指導に利用できるツールの入手方法,多職種連携,学校教員の参画,患者団体など,社会の仕組みがどのように変化しつつあるかについての情報提供を行っていただきました.
実際の診療にあたっている医師にとって,すぐに使える情報を多岐にわたって提供しています.ぜひご活用いただければ幸いです.