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旅を通して感じる子どもの成長と「生きる力」…明

【特 集】
DCD（発達性協調運動障害）とは？～「不器用」な子どもの理解と支援～
（企画の言葉…中井昭夫）
1 DCD（発達性協調運動障害）の正しい理解に向けて…中井昭夫
2 DCDと学習との関係…東恩納拓也
3 DCDの情緒・学業への影響と支援…片桐正敏
4 DCDの就学前（保育所・幼稚園・こども園）の気づきと支援…斉藤まなぶ
5 DCDのアセスメントと診断…中井昭夫
6 脳科学からみたDCDのある子どもの困難さの理解と支援…信迫悟志
7 家庭・学校・療育現場におけるDCDへの介入アプローチ…塩津裕康
8 体育・スポーツの指導者に伝えたいDCDのある子どもの支援…松原 豊
9 DCD支援のための教育と医療のリエゾン（連携）…中井昭夫，若林秀昭，春田大志
10 DCDを生きて，育てて，支援をするなかで思うこと…笹森理絵

【連 載】
◆奮闘するパパ，揺れるパパ～子育ての現代と神話の荒波にもまれる父親～ 第5回 
子育てひろばには行くものの……話しかけてほしくないパパたち…渡邊大地
◆～子どもの今と将来を支える～社会保障制度と関連するしくみ 第7回
雇用保険…渡部 伸
◆子どもに漢方薬を使ってみよう 第17回
嘔吐・下痢に使える漢方薬…中島俊彦
◆子どものための本屋さん 第16回
擬人化あれやこれや①…茅野由紀
◆教えて！ あなたの好きなこと
◆育児Q&A
話し方がたどたどしい…石﨑優子
◆海外文献の紹介
COVID-19の子どものメンタルヘルスへの影響…榊原洋一

特集のねらい

 「ぶきっちょ」「運動音痴」などといわれ，悩んでいる子どもやその保護者は少なくありません．「協調」は脳の機能のひとつであり，その発達の極端な問題がDCD（発達性協調運動障害）に該当します．DCDは1980年代には世界的に定義され，その頻度も約5～8％と，決して新しくも珍しくもない神経発達障害です．しかし，日本では，子育て・保育・教育の現場はもとより，医療・療育，福祉・行政においても，いまだにその認知度は非常に低く，怠け・やる気の問題，努力・練習不足などと誤解され，嘲笑やいじめ，精神論・根性論による叱責や不合理な反復練習など不適切な対応につながってしまっています．DCDは子どもの社会性の発達，算数をはじめとする学習や情緒，自尊感情にも深く関係し，さらに，将来の精神障害や生活習慣病，心血管障害につながることがわかっていることから，早期の気づきと適切な支援が必要です．
 本特集ではDSM-5-TR（2022）やICD-11（2018），国際推奨（2019）など最新の情報や近年の研究成果を含めたDCDの正しい理解とエビデンスに基づくこれからの支援に寄与することを目的としました．特集のタイトルも，従来よくみられた「発達性協調運動障害（DCD）」ではなく，「DCD（発達性協調運動障害）」としました．かつてASDやAD／HD，SLDがそうであったように，今後，日本でもDCDという用語が少しでも普及し，その障害特性が理解され，適切な見立てや診断，薬物療法や療育などの介入，保育・教育，子育て支援や合理的配慮につながる新たな第一歩になれば幸いです．

（武庫川女子大学教育研究所／大学院臨床教育学研究科／子ども発達科学研究センター 中井昭夫）

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