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2019年 Vol.107 No.8 2019-08-06

高齢者心不全に挑む

定価:2,860円(本体価格2,600円+税)

冊 

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掲載論文

ねらい 今井 靖

◆超高齢化時代の心不全診療を俯瞰する
Overview:超高齢時代における心不全 筒井裕之
加齢に伴う心臓の生理・病理的変化:高齢者心不全の発症基盤 渡辺昌文
左室駆出率の保たれた心不全をいかに診療するか 野間貴久,他
心不全診療における心エコーの活用:minimal requirementと可能性 石津智子
心不全診療における心臓MRIの有用性 髙藤雅史,他

◆心不全をきたす原因疾患の診断・治療
虚血性心疾患 山田 晶,他
心臓弁膜症:心不全患者におけるカテーテルによる弁膜症治療の有用性について 中島祥文
心不全に関連する不整脈-特に心房細動の管理とその治療について 横山靖浩,他
心筋障害:心アミロイドーシスと心サルコイドーシス 猪又孝元
心不全診療における血圧管理 星出 聡

◆心不全診療における新しい話題と課題
心不全診療における新しい薬剤の可能性 中尾恭久,他
心不全診療におけるバイオマーカー 桑原宏一郎
心不全に対する植込み型デバイス治療(ICD,CRT) 西井伸洋
治療抵抗性心不全:集学的管理と緩和医療 波多野 将

連 載
◎症例を俯瞰する総合診療医の眼
全身倦怠感,発熱と意識レベル低下を認めた54歳男性 懸樋英一
◎注目の新薬
ビソノRテープ(ビソプロロール経皮吸収剤) 池田隆徳

原 著
2型糖尿病治療における医師の意識調査
 -糖尿病・代謝内分泌内科と,その他の診療科の医師における治療選択の相違- 山田 悟,他


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ねらい

 日本は未曽有の高齢化社会を迎え,それに比例して心不全患者は著増し,まさに“心不全パンデミック”の状況にあります.心不全は心筋障害により心臓のポンプ機能が低下し,末梢主要臓器の需要に見合うだけの血液量を絶対的あるいは相対的に拍出できず,またうっ血をきたす病態であり,種々の心臓・血管病の進行像と考えることができます.また左室駆出率が低下した心不全のみならず,左室駆出率が保たれていながら心不全をきたすHFpEFが増えており,特にHFpEFに対する治療法の確立が求められています.
 加齢により交感神経系の活性化および交感・副交感神経系の調節障害,レニン—アンジオテンシン系の恒常的活性化など,神経(自律神経)・体液性変化がその病態生理に深く関与し,心筋細胞の肥大化・アポトーシス,心筋線維芽細胞の増生,刺激伝導系を構成する細胞数の減少および周辺の線維化による刺激伝導系障害など,加齢に伴う多彩な病態が心不全,不整脈をもたらすこととなります.
 診断においては,BNP,NT—proBNPあるいはトロポニンに代表されるバイオマーカーが日常臨床で頻用され,エコー,心臓CT,MRIをは
じめ種々のイメージング技術の進歩により心不全に対する多彩な病態評価が可能となりました.
 心不全の原因疾患として虚血性心疾患はもちろんのこと,弁膜症については高齢者に多い大動脈弁狭窄症についてTAVIが普及し,今では僧帽弁についても条件によりカテーテル治療が行われるようになりました.不整脈では植込み型電子デバイスによる治療のほか,心房細動についても心不全例においてカテーテルアブレーションが予後を改善する可能性を示すエビデンスも登場し,高齢者にも考慮される治療選択肢となっています.心不全に対する新たな薬剤として利尿薬としてのバゾプレシン拮抗薬,選択的ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(保険適応は高血圧のみ),SGLT2阻害薬(糖尿病患者)が選択肢となり,ネプリライシン,イバブラジンなどが近々上市されます.頻度は低いですが二次性心筋障害としてアミロイドーシスは積極的な治療に結び付けられる症例もあるため,本疾患を想起し早期診断が望まれます.
 ただし薬物療法においては高齢者では代謝,排泄能が低下し,さらにポリファーマシーで多数の薬剤を服用している背景があるため,相互作用・副作用の出現に十分留意して使用することが望まれます.標準的な治療に反応しない重症・治療抵抗性心不全においては,若年例では左室補助装置植込み・心臓移植がオプションとなりえますが,高齢者では適応外となるため,末期心不全となった場合のマネージメントは議論がつくされるべきかと思います.
 最後になりますが,心不全診療はチーム医療であり医師のみならず看護師,栄養士,検査技師・臨床工学技士,ソーシャルワーカーなど,病院,かかりつけ医,地域の様々な医療資源に関わる方々の力の結集,そして心不全患者さん自身・ご家族を含めた患者さんの傍におられる方々を含めた包括的な管理により実現するものです.高齢者心不全の診療において本特集をご活用いただければ幸甚に存じます.


自治医科大学内科学講座循環器内科学部門/薬理学講座臨床薬理学部門
今井 靖

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