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「イラスト」めまいの検査 改訂第3版診断と治療社 | 書籍詳細:「イラスト」めまいの検査 改訂第3版

一般社団法人 日本めまい平衡医学会 編集

改訂第3版 B5判 並製 198頁 2018年06月20日発行

ISBN9784787823250

定価:本体4,800円+税
  

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超高齢社会の一途をたどる現在,めまい診療の重要性がより一層高まっている.本書では,平衡機能検査,疾患,解剖・生理,そして近年注目されているVEMPやvHITといった新たな検査方法まで,エキスパートがわかりやすく解説.豊富なイラストとコンパクトにまとまった紙面が,忙しい診療の中でも読みやすい.耳鼻咽喉科医はもちろん,看護師や臨床検査技師も必携のめまいの検査決定版!

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目次

改訂第3版発刊にあたり/武田憲昭
改訂第3版編集にあたり/伊藤彰紀
執筆者一覧

I  めまい検査の順序/鈴木 衞

II ルーチン平衡機能検査(一次検査)
A 体平衡機能検査(前庭-脊髄反射)
1  直立検査/吉田友英
2  偏倚検査/山本昌彦
3  歩行検査/伊藤八次
B 眼球運動検査(前庭-眼反射)
1  自発眼振・注視眼振・異常眼球運動の検査/岡田智幸
2  頭位眼振検査・頭位変換眼振検査/佐藤 豪
3  赤外線フレンツェルによる観察と記録/中村 正
4  頭振り眼振検査/牛尾宗貴

III 精密平衡機能検査(二次検査)
A 体平衡機能検査(前庭-脊髄反射)
1  定量的歩行検査/石川和夫
2  重心動揺検査/岩﨑真一
B 眼球運動検査(前庭-眼反射)
1  電気眼振図(ENG)検査の原理・構造・準備/伊藤彰紀
2  ENGの記録/竹森節子
3  コンピュータによる定量解析/渡辺行雄
4  ビデオ眼振検査(VOG)の原理・記録法/野村泰之
5  VOGの実例/池田卓生
6  自発眼振検査・注視眼振検査/橋本 誠
7  追跡眼球運動検査/稲垣太郎
8  急速眼球運動検査/堤 剛
9  視運動性眼振検査・視運動性後眼振検査/伏木宏彰

IV 迷路刺激検査
1  温度刺激検査/武田憲昭
2  エアーカロリックテスト/武田憲昭
3  visual suppression test/飯田政弘
4  回転刺激検査/船曳和雄
5  OVAR(off-vertical axis rotation)検査/肥塚 泉
6  眼球反対回旋検査/野村泰之
7  圧刺激検査(瘻孔症状の検査)/角田篤信
8  前庭誘発筋電位(cVEMP, oVEMP)/將積日出夫
9-1 head impulse test(HIT, vHIT)/瀧 正勝
9-2 head impulse test(vHIT)/新藤 晋
10 自覚的視性垂直位(SVV)/小川恭生

V  めまい診断に必要な聴覚検査
1  聴覚のしくみ―構造と生理―/加我君孝
2  純音聴力検査/柿木章伸
3  耳音響放射(OAE),蝸電図(ECoG)/神崎 晶
4  聴性脳幹反応(ABR)検査/瀬尾 徹

VI 解剖・生理
A 末梢前庭系
1  内耳の機能と形態/山岨達也
2  前庭器の微細構造/工田昌也
3  第8脳神経/内藤 泰
B 中枢神経系
1  脳幹・小脳/横田淳一
2  脊髄/杉内友理子


VII めまい・平衡障害をきたす疾患の概観
A 末梢前庭系疾患
1  メニエール病/堀井 新
2  良性発作性頭位めまい症/今井貴夫
3  内耳炎/長沼英明
4  前庭神経炎/山下裕司
5  外リンパ瘻/池園哲郎
6  第8脳神経障害/土井勝美
7  上半規管裂隙症候群/鈴木光也
8  内耳奇形,前庭水管拡大症/野口佳裕
B 中枢神経系疾患,その他
1  脳幹障害/城倉 健
2  小脳障害/城倉 健
3  聴神経腫瘍/土井勝美
4  前庭性片頭痛(片頭痛関連めまい)/室伏利久
5  起立性低血圧症/青木光広
6  脳脊髄液減少症/國弘幸伸
7  心因性めまい/五島史行

VIIIめまいと自律神経の検査/山中敏彰

IX めまいと心理検査/中山明峰

X  めまいと前庭代償/北原 糺

XI めまいと遺伝子/宇佐美真一

XII 平衡機能検査に際しての説明と注意/工 穣

付録
1  参考文献,参考図書
2  平衡機能検査法基準化のための資料―2006年平衡機能検査法診断基準化委員会答申書,及び英文項目―
3  平衡機能検査基準化のための資料 5 音刺激検査 2015年改定
4  平衡機能検査の基準化のための資料 III 迷路刺激検査 1 温度刺激検査 2016年改定
略語一覧
索引

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序文

改訂第3版 発刊にあたり

 「イラスト」めまいの検査は,めまいの検査,すなわちめまいの診断のために平衡機能検査を行う医師,看護師,臨床検査技師を対象に,検査法の目的・原理,機器と準備,検査手順,結果の解釈,検査におけるコツとピットフォールなどを解説した本です.イラストを多用し,できるだけ理解しやすく,実際的に解説していることが特徴です.さらに,めまいの診断に必要な神経耳科学の解剖や生理の知識に加えて,めまい・平衡障害をきたす疾患の診断や治療についても詳しく解説されています.
 
 本書は1995年に初版が発行され,改訂第2版は2009年に発行されています.今回の第3版は全面的に改訂され,新しく生まれ変わった「イラスト」めまいの検査になっています.平衡機能検査機器の発展は著しく,ENGに代わりVOGが用いられるようになってきました.また,VEMPやvHITなどの新しい平衡機能検査法が開発され,臨床で用いられるようになっています.また,前庭性片頭痛などの新しい疾患概念も提唱されています.改訂第3版ではこのような最新の情報も解説されています.
 
 日本めまい平衡医学会は,2017年に60周年を迎えました.本学会はこれまで平衡機能検査法の基準化に努力しており,1986年に「平衡機能検査法基準化のための資料」を学会誌であるEquilibrium Research誌に発表し,1990年と2006年に改定してきました.さらに2015年には音刺激検査(VEMP),2016年には温度刺激検査を全面的に改定しました.これらの資料は巻末の付録としていますので,より正確な知識を得るために活用していただきたいと思います.
 
 団塊の世代が後期高齢者に到達する2025年には,わが国の人口の4人に1人が後期高齢者となる超高齢社会になります.めまい・平衡障害は高齢者に高頻度で認められ,骨折や転倒のリスクを増大させます.骨折や転倒による長期臥床は歩行機能だけでなく認知機能も低下させ,高齢者が要介護となる主な原因の1つです.高齢者のめまい・平衡障害の正確な診断に基づく予防や対策が,今後ますます求められるようになると予想されます.本書改訂第3版を活用し,医師,看護師,臨床検査技師の協力体制のもとに質の高い平衡機能検査を実施し,日常診療に役立てていただければ幸いです.
 
 最後に,改訂にあたりご協力いただきました執筆者の会員の先生方に厚く御礼申し上げます.同時に,改訂作業を行っていただいた「イラスト」めまいの検査改訂委員会と診断と治療社の関係各位にも深く感謝申し上げます.

2018年4月
一般社団法人日本めまい平衡医学会
理事長 武田憲昭


改訂第3版 編集にあたり

 『「イラスト」めまいの検査』(以下,本書)の初版は1995年に日本平衡神経科学会から発刊された.それ以前から学会編として出版されていた『平衡機能検査の実際』のテキストは主に看護師・臨床検査技師向けの内容であった.それに臨床的な内容を加え,若手の医師にも役立つめまい診断のテキストとして使えるようにつくられたのが本書の初版である.次にその改訂第2版は,日本めまい平衡医学会から2009年に出版された.早いものでそれから9年が経過しようとしている.2016年の学会総会(大阪)での理事会において第3版の改訂案が上程され,その後に鈴木衞前理事長のご指示により改訂委員会が組織された.発足以降,改訂委員会は1年以上にわたり編集作業を進めてきたが,武田憲昭現理事長をはじめ,学会役員の先生方にもチャプター編集で多大なご支援を頂戴した.
 
 本書の改訂内容の概観を述べると,検査では体平衡機能検査として「定量的歩行検査」を,一方,眼球運動検査として「ビデオ眼振検査(VOG)の原理・記録法」について詳細を記載した.このVOGは今後ENGに代わるものと考えられている.また現在注目されているVEMPやvHITについても記載し,とくにvHITに関しては現在主に使用されている2機種の違いも記載していただいた.次にめまい平衡障害をきたす疾患としては,最近話題となっている「前庭性片頭痛(片頭痛関連めまい)」,「脳脊髄液減少症」などを加え,さらに「起立性低血圧症」,「心因性めまい」,「上半規管裂隙症候群」,「内耳奇形,前庭水管拡大症」などについても今回追記した.また,めまいを深く理解するために重要と考えられる「めまいと自律神経の検査」,「めまいと心理検査」,「めまいと前庭代償」,「めまいと遺伝子」も掲載することとした.一方,看護師や臨床検査技師が平衡機能検査を行う際に大切な「平衡機能検査に際しての説明と注意」も加えた.付録は改訂第2版と同様に「平衡機能検査法基準化のための資料―2006年平衡機能検査法診断基準化委員会答申書,及び英文項目―」を掲載するとともに,「平衡機能検査基準化のための資料 5 音刺激検査 2015年改定」と「平衡機能検査の基準化のための資料 III 迷路刺激検査 1 温度刺激検査 2016年改定」の新たな学会基準案も掲載した.
 
 このように改訂第3版では,めまいの臨床を幅広く理解できるように,平衡機能検査や各種めまい疾患の記載を充実させたことと,めまい・平衡障害の背景にある神経生理学的なメカニズムの理解を深めることにも役立つよう工夫したつもりである.各項目についてはそれぞれご専門の先生方に執筆していただいた.現在の日本めまい平衡医学会の総力編であり,めまい・平衡障害の臨床に関するテキストとして自信をもっておすすめしたい.また,医師以外のコメディカルには少々難解な部分もあるかと思うが,平衡機能検査に携わる看護師,臨床検査技師にも役立つように配慮したつもりである.
 
 最後に,本書を分担執筆していただいた日本めまい平衡医学会の会員の先生方に心より御礼申し上げるとともに,お忙しい中原稿を何度も推敲していただいた改訂委員会の先生方にも深謝致します.また,改訂作業で終始お世話になった「診断と治療社」の関係各位に感謝致します.

2018年4月
「イラスト」めまいの検査改訂委員会
委員長  伊藤彰紀
担当理事 將積日出夫 山岨達也
担当委員 柿木章伸 佐藤 豪 中村 正 野村泰之