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書籍詳細

10日間で極意をつかむ 選ばれるかかりつけ薬剤師になる
患者応対技術と服薬ケアコミュニケーション診断と治療社 | 書籍詳細:患者応対技術と服薬ケアコミュニケーション

服薬ケア研究所所長

岡村祐聡(おかむら まさとし) 著

初版 B5判 並製 136頁 2018年04月13日発行

ISBN9784787823441

定価:本体2,800円+税
  

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患者さんと良好な関係を築くためにも欠かせないコミュニケーションスキル。本書は、患者さんの心を理解し、信頼を得るための極意を実践方法からスキルアップまで10日間で学びつくせるようにわかりやすいイラストとともに構成。より理解が深まるコラムや会話例も多数紹介。かかりつけ薬剤師としてコミュニケーションを活かした「よりよい服薬指導」を行っていくためのPOSについても詳しく解説。かかりつけ薬剤師、必携の1冊。

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目次

目 次


はじめに      
著者紹介
    

1日目 服薬ケアコミュニケーションへようこそ!
1日目-1
1 服薬ケアコミュニケーションの特徴
 ①服薬ケアの理論を背景とする
 ②必要なことだけに絞り込んである
 ③医療においては応用範囲が広い
 ④患者応対技術と服薬ケアコミュニケーション
1日目-2
2 真の意味で患者さんのために
 ①感情への着目
 ②確認の大切さ
3 目的を明確にしよう
 ①何のためにコミュニケーションをとるのか
 ②薬剤師の医療の目的は何か
 ③服薬指導の目的を明確に理解しているか
1日目-3
4 薬物治療の専門家として結果に責任を持つ
 ①説明して終わりではない
 ②アウトカムに責任を持て
 ③きちんとした技術を学び身につけよ
1日目-4
5 自分のいないところで影響を与える
 ①日常生活の中での服薬行動
 ②自分のいないところで行動変容をもたらす関与が必要
 ③自らの心をコントロールせよ
 ④プロとして求められること

2日目 コミュニケーションが成立する前提条件
2日目-1
1 受けとる側がすべて
 ①患者さんがどう受けとろうとそれはあなたの責任である
2 相手の心を開くことができるかどうか
 ①心の扉を開く
 ②患者さんの心を動かす
 ③自分の心を動かす
2日目-2
3 専門用語は使わない
4 コミュニケーションギャップの存在
 ①同じ言葉でも人によって受けとる意味は違う
 ②たとえば血圧
 ③非言語をよく見て確認しよう!
2日目-3
5 人はひらがなで話を聞いている
6 専門家の側が歩み寄る
7 先に相手のニーズを満たす
2日目-4
8 確認の大切さ
 ①推測する力はとても大切
 ②必ず確認しよう!
 ③薬歴に書いてあることでも確認を忘れずに
 ④患者さんのお話は必ず正確とは限らないことを忘れない
 ⑤薬識はゆらぐもの

3日目 医療者―患者関係とは
3日目-1
1 医療における医療者―患者関係
 ①パターナリズム
 ②医療目的の変化
 ③情報強者と情報弱者
 ④お任せ医療
 ⑤医師と患者さんのはざまで
3日目-2
2 本来のあるべき関係とは?
 ①医療者―患者関係のあるべき姿
 ②薬剤師―患者関係はどのような姿を目指すべきか
 ③患者さんはどのように捉えているのか
 ④「患者さんに寄り添う」とはどういうことか
3日目-3
3 かかりつけ薬剤師として
 ①かかりつけ薬剤師は,もともと目指すべきものとされていたはず
 ②調剤報酬の意味
 ③かかりつけ薬剤師の理想像を目指そう

4日目 良好なコミュニケーションのための心得と基礎知識
4日目-1
1 相手を理解しようと努力しよう
 ①感情への着目
 ②相手を理解しようと常に努力せよ
 ③薬剤師が自分の気持ちを患者さんにわかってもらう必要はない
 ④相手の意見に同意できなくても「理解すること」はできる
4日目-2
2 相手を好きになる
 ①まずこちらから相手を好きになろう
 ②相手のよいところを見つける
 ③目で見てわかるところを褒めよう!
 ④自分で選ぶことができないことは褒めない
 ⑤心から褒める
4日目-3
3 多様性を認める
 ①自分の常識と相手の常識は違う
 ②多様性を認められるようになるためには
~理解しようと努力する~
 ③理解できれば気持ちは変わる
 ④わがままの言い訳にするな
4日目-4
4 ブロッキング
 ①ブロッキングとは何か
 ②ブロッキングを起こさないために
 ③誰かに指摘されないとわからないこともある
 ④気付いたらはずす。すぐに確認する
4日目-5
5 ブロッキングの類型
 ①リハーサル型のブロッキング
 ②見た目や先入観で相手を「こんな人だ」と決めつけてしまう
 ③自分の興味や関心で話題を引っ張っていく
 ④過去にあった自分の体験に引き写してしまう
4日目-6
6 非言語の訴えを強く意識せよ!
 ①言語と非言語によるコミュニケーション
 ②非言語コミュニケーションの重要性
 ③自分の非言語も相手に伝わっていることを忘れるな
7 非言語の訴えをどうやって受けとるのか
 ①与える愛の念いで相手に関心を寄せる
 ②相手の視線の強さを見る

5日目 コミュニケーション実践技法<質問>
5日目-1
1 質問
 ①質問の目的
 ②やってはいけない質問
5日目-2
2 質問を成功させる秘訣 
 ①情報を得るための質問での成功の秘訣
 ②相手に影響を与えるための質問での成功の秘訣
5日目-3
3 質問の使い分け
 ①閉じた質問
 ②開いた質問
 ③どうやって使い分けるか
 ④開いた質問がよいというわけではない

6日目 コミュニケーション実践技法<効果的な会話のために>
6日目-1
1 繰り返し
 ①繰り返しのやり方
 ②成功するコツ
 ③繰り返しによる効果
6日目-2
2 要約
 ①どこで要約するとよいのか
 ②要約による効果
 ③要約の注意点
6日目-3
3 強調
 ①強調ポイント
 ②身体メッセージ
 ③内部メッセージ
6日目-4
4 確認
 ①ストレートに質問する
 ②自分が受けとった内容を相手に返し,その反応を見る
 ③リズムを聞き分ける

7日目 コミュニケーション実践技法<感情へのアプローチ>
7日目-1
1 気持ちを聞く
 ①本当のプロブレムを探るために
 ②どんなときに気持ちを聞くのか
 ③気持ちを聞いてうまくいった例
7日目-2
2 気持ちを聞いたあとの流れ
 ①気持ちを聞いたあとどうするのか
 ②患者さんが踏み込んでほしくない話題の場合は話題を変える
 ③気持ちの掘り下げ
7日目-3
3 褒める・認める
 ①具体的な行動に結びつけるための「褒める・認める」
 ②相手の存在を認め,尊重する
 ③「褒める」という具体的行動を意識する
 ④目に見えるところを「褒める」のと違うのか
7日目-4
4 その他
 ①会話のスタート地点を揃える
 ②宣言
 ③沈黙

8日目 POS的思考回路をつくろう!<よりよい服薬指導に向けて>
8日目-1
1 よい服薬指導とは何か
 ①患者さんの人生によい影響を与える
 ②プロブレムは患者さんの人生の中にある
8日目-2
2 プロブレムを立てよう
 ①今日指導すべきテーマを明確にする
 ②プロブレムを絞ろう!
8日目-3
3 よい服薬指導をするために
 ①服薬指導を組み立てよう

9日目 POS的思考回路をつくろう!<頭の中をPOSにする>
9日目-1
1 頭の中をPOSにする
2 POSの考え方
 ①POSとは何か
 ②SOAP分析
9日目-2
3 「頭の中をPOSにする」ために
 ①アセスメントを育てる
 ②クラスタリング
 ③薬剤師におけるPOMRの本質
9日目-3
4 プロブレムとプロブレムリスト
 ①プロブレム
 ②プロブレムリスト~チーム医療の架け橋として~
 ③POSとは薬歴を書くときになって考えることではない

10日目 POS的思考回路をつくろう!<服薬ケアステップ>
10日目-1
1 服薬ケアステップ
①服薬ケアステップとは何か
 ②それぞれのステップで何をするのか
10日目-2
2 服薬ケアステップ実践における重要なポイント
①自分が今どのステップにいるのか常に意識せよ
 ②それぞれのステップの特徴
 ③ステップの進め方の実際

ワーク POS的思考回路を身につけるための訓練
1 気付きリスト
2 SOAP遊び
3 歯抜け薬歴
4 クラスタリングシートによるクラスタリング練習
5 KJ法によるクラスタリング練習
6 PからはじまるSOAP
7 ロールプレイによるメモの取り方練習
8 「頭の中をPOSにする」グループワーク
9 SP研修

Q&A 実務に応用するにあたって

参考文献
index

column
服薬ケアと服薬指導
薬識
文化としての医薬分業
言語と非言語が食い違ってしまう場合
共感と共鳴
やってはいけない「限定質問」
開示
技術におぼれてはならない
先に進んでよいかどうか本人の了承を得る
解釈モデルを聞こう
服薬指導いろいろ
薬剤師の初期計画としての初回服薬指導
ウラを取るということ(O情報の大切さ)
情報提供と服薬ガイダンス
服薬コンサルテーションと服薬カウンセリング


会話例
ブロッキング
外堀を埋める
うなずき効果を用いた行動変容へのアプローチ
リズムを聞き分ける
フィッティング
感情の明確化

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序文

はじめに

ここに服薬ケアコミュニケーションについての新しい書籍をお届けできることを,大変うれしく思います。薬剤師の生涯教育を仕事としている筆者が,長い間教えてきた「服薬ケアコミュニケーション」を新たな観点でまとめ直した本書は,きっと多くの皆さまのお役に立てることと信じております。

 現在,医療者向けのコミュニケーション関連のテキストは,たくさんあります。そしてコミュニケーションの勉強をされている方は大変多いと思うのですが,長年勉強していながら,思うように実力が伸びないとの悩みをよく聞くように思います。その悩みに対する答えを提示したいというのが,本書を編むにあたっての大きな動機の一つでした。具体的なノウハウはとても大事ではありますが,やはりノウハウだけで,良好なコミュニケーションがとれるわけではないのです。そこでこれまでも繰り返し述べてきたことではあるのですが,本書においては全編にわたって,「感情への着目」や「服薬ケアの基本姿勢」を強調して述べてみました。何度も何度も繰り返し述べられているところこそ大事なところなのだとご理解いただければ幸いです。
 さらに,「かかりつけ薬剤師」について述べておきたいということも,本書を執筆する大きな動機の一つでした。服薬ケアでは,20年近く前から目指すべき姿として「かかりつけ薬剤師」を提唱してきました。そしてそのために必要な力とは何か,どのような勉強をすればよいのか,などについて,ずっと探究し続けてきました。私は,「かかりつけ薬剤師」として多くの患者さんから信頼を得るためには,服薬ケアコミュニケーションを中心とする,服薬ケアの患者応対技術を身につけることが,最善の選択と考えます。そこで,これまで蓄積してきた膨大な服薬ケア理論の中から,「選ばれるかかりつけ薬剤師」となるために必要な考え方とノウハウを厳選して編まれたテキストが,本書なのです。ですから,コミュニケーションを謳っていながらも,心構えや基本姿勢から,服薬指導を組み立てる思考方法まで網羅した構成になっています。つまり,本書にて服薬ケアの考え方を学び,服薬指導を組み立てる思考方法を学び,服薬ケアコミュニケーションの極意をつかむことで,誰もが「かかりつけ薬剤師」として患者さんから選ばれる薬剤師としての実力を備えることができるようになるのです。ぜひ本書にて服薬ケアの神髄を手にしていただきたいと思います。

 本書は,10のテーマに分け「10日間で学ぶ」という体裁をとってあります。また随所にイラストを挿入することで,理解の助けにしていただくよう心がけました。そして,本文以外に,語句の説明や考え方の解説,さらに具体例の提示のために,コラムや会話例を多数挿入してあります。まずは本文を一通り通読していただければ,理解すべきことやその概要をつかむことができるはずです。さらに理解を深めるためには,コラムなども参照しながらじっくりと精読し,服薬ケアの極意を味わっていただければと思います。
 医療というのは,人間関係の中で行われるものです。したがってコミュニケーションを抜きに語ることはできないのは当然のことなのですが,コミュニケーションだけに留まらず,人間と人間がどのように向き合うのかという,根本的なところまで掘り下げてはじめて,良質な医療が成り立つのだと,筆者は信じています。薬剤師のみならず,そんな思いを共有できるすべての医療者,介護関係者の皆さまに,心を込めて本書を贈りたいと思います。

 本書は,服薬ケア研究所のスタッフや,服薬ケア研究会,岡村ゼミなど,服薬ケアを学ぶ多くの仲間たちの協力なしには完成にこぎつけませんでした。そして何より,多忙のためなかなか予定通り事が運ばない筆者を,絶妙なタイミングで導いてくださり,構成,イラストなどの的確なアドバイスと,その完成までのすべての過程において労を取ってくださった,柿澤美帆氏をはじめとする編集部の皆さまに,深く感謝する次第です。

 最後に,プロブレムの中心をしっかりと見極めて,服薬指導の組み立てが自由自在にできるようになるためには,「SOAP遊び」の訓練が絶対に必要です。その訓練方法や具体的なコツなどについては,本書では詳しく述べられておりません。「SOAP遊び」については,「SOAPパーフェクト・トレーニング」および「SOAPパーフェクト・トレーニングPart2」の2冊がすでに上梓されておりますので,ぜひこちらも合わせて学んでいただければ幸いです。

2018年3月

岡村祐聡