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書籍詳細

ムコ多糖症(MPS)I型診療ガイドライン2020診断と治療社 | 書籍詳細:ムコ多糖症(MPS)I型診療ガイドライン2020

日本先天代謝異常学会 編集

初版 B5判 並製ソフトカバー 2色刷 56頁 2021年01月22日発行

ISBN9784787824868

定価:本体2,800円+税
  

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厚労省研究班と日本先天代謝異常学会の協働によるエビデンスに基づくガイドライン.MPS I型の根治的治療法として,現在,酵素補充療法と造血幹細胞移植の2つが存在する.本ガイドラインは,MPS I型に対する両治療法に関するクリニカルクエスチョンを設定し,MPS I型の診療情報を専門医だけでなく,より多くの一般臨床医や医療従事者に広く共有できるように企画された.

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目次

序文
診療ガイドラインの刊行にあたって
診療ガイドラインの編集にあたって
診療ガイドラインの作成方法に関して
作成組織
使用上の注意
対象となる患者
利益相反

第1章 ムコ多糖症(MPS)I型診療ガイドライン2020
 疾患概要に関するバックグラウンドクエスチョン(BQ)
BQ 1 ムコ多糖症I型の病因は?
BQ 2 ムコ多糖症I型の発生頻度は?
BQ 3 ムコ多糖症I型の遺伝形式は?
BQ 4 ムコ多糖症I型の症状は?
BQ 5 ムコ多糖症I型の診断は?
BQ 6 ムコ多糖症I型の治療法は?
 治療に関するクリニカルクエスチョン(CQ)
CQ 1 酵素補充療法と造血幹細胞移植の治療法の選択基準は?
CQ 2 酵素補充療法は生命予後を改善するか?
CQ 3 酵素補充療法は身体症状(歩行,呼吸機能,骨・関節症状,心機能・弁膜症等)を改善するか?
CQ 4 酵素補充療法は成長を改善するか?
CQ 5 酵素補充療法は中枢神経症状を改善するか?
CQ 6 造血幹細胞移植は生命予後を改善するか?
CQ 7 造血幹細胞移植は身体所見(歩行,呼吸機能,骨・関節症状,心機能・弁膜症等)を改善するか?
CQ 8 造血幹細胞移植は成長を改善するか?
CQ 9 造血幹細胞移植は中枢神経症状を改善するか?

第2章 システマティックレビュー(SR)ダイジェスト
資料CQ 1   SRレポート・文献検索
資料CQ 2   定性SR・SRレポート・文献検索
資料CQ 3   定性SR・SRレポート・文献検索
資料CQ 4   定性SR・SRレポート・文献検索
資料CQ 5   定性SR・SRレポート・文献検索
資料CQ 6   定性SR・SRレポート・文献検索
資料CQ 7,8  SRレポート・文献検索
資料CQ 9   定性SR・SRレポート・文献検索

索引

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序文

序文

 日本先天代謝異常学会編『ムコ多糖症(MPS)I型診療ガイドライン2020』をお届けいたします.本ガイドラインは,厚生労働省難治性疾患政策研究事業「ライソゾーム病(ファブリー病含む)に関する調査研究」班(研究代表者:衞藤義勝)が2019年に作成し,その後,日本先天代謝異常学会による審査,パブリックコメントの募集,修正,承認を経て出版に至りました.
 ムコ多糖症I型は,ライソゾーム酵素であるα-L-イズロニダーゼ(IDUA)の先天的な欠損により様々な全身症状を呈する常染色体劣性遺伝性疾患です.従来は重症型で知的障害を伴うハーラー症候群(MPS IH型),軽症型で知的障害を伴わないシャイエ症候群(MPS IS型),その中間型のハーラー・シャイエ症候群(MPS IH/S型)に分類されてきましたが,現在は重症型(ハーラー症候群)と軽症型に分類されています.特に,ハーラー症候群では,若年期に造血幹細胞移植を行うことにより,知的障害の予防が可能とされています.造血幹細胞移植により知的障害の予防が可能であることが明らかな,数少ないライソゾーム病の一つです.
 本ガイドラインでは,このようなムコ多糖症I型の様々な特徴を理解し,正しい診断と適切な治療法の選択ができるように配慮されています.多くの医療従事者が,本ガイドラインを活用することによって,ムコ多糖症I型患者とそのご家族の生活の質が向上することが期待されます.
 最後になりましたが,本ガイドラインの作成に多大なるご尽力をいただいた厚生労働省難治性疾患政策研究事業「ライソゾーム病(ファブリー病含む)に関する調査研究」班の研究代表者である衞藤義勝先生,同研究班のムコ多糖症I型診療ガイドライン作成委員長の小須賀基通先生ならびに執筆に携わられた同研究班の分担研究者,研究協力者の先生方に深謝いたします.また,日本先天代謝異常学会の診断基準・診療ガイドライン委員長の村山 圭先生,同副委員長の中村公俊先生,小林正久先生,野口篤子先生に感謝申し上げます.

 2020年11月吉日

日本先天代謝異常学会
理事長 奥山虎之
(国立成育医療研究センター)


診療ガイドラインの刊行にあたって

 ムコ多糖症(mucopolysaccharidosis: MPS)I型は,α-L-イズロニダーゼ(IDUA)の先天的欠損もしくは活性低下により,細胞内に未分解のデルマタン硫酸(DS)とヘパラン硫酸(HS)が過剰に蓄積し,複数の臓器が障害される先天代謝異常症です.
 厚生労働省難治性疾患等政策研究事業ライソゾーム病(ファブリー病を含む)に関する調査研究班(研究代表者 衞藤義勝)[現 ライソゾーム病,ペルオキシソーム病(副腎白質ジストロフィ―を含む)における良質かつ適切な医療の実現に向けた体制の構築とその実装に関する研究班(研究代表者 奥山虎之)]では,ライソゾーム病31疾患,ALD,ペルオキシソーム病の診療ガイドライン作成事業の一貫として,平成29年度4月の班会議において小須賀基通先生(国立成育医療研究センター)をムコ多糖症I型診療ガイドライン作成委員会の委員長に指名し,本分野の専門家17名に作成委員,システマティックレビュー(SR)委員として加わっていただき,『Minds診療ガイドライン作成マニュアル2017』(以下,Minds)に示された手法に基づく,わが国初のムコ多糖症I型の診療ガイドラインである『ムコ多糖症I型診療ガイドライン2019』(非売品.当研究班ホームページにて公開中)を約2年半の歳月をかけて作成しました.同ガイドラインの刊行目的は,科学的根拠に基づき,系統的な手法により作成された推奨をもとに患者と医療者を支援し,臨床現場における意思決定の判断材料の1つとしてお役立ていただくことです.ムコ多糖症I型という疾患の性質上,Mindsの手法に完全に則って診療ガイドラインを作成することは,文献数,症例数の少なさから評価,選定がむずかしいところもありましたが,可能なかぎりMindsの精神に沿うように努めました.
 今回,同ガイドラインは日本先天代謝異常学会による学会審査を経て,装いも新たに『ムコ多糖症(MPS)I型診療ガイドライン2020』として書店に並ぶことになりました.『ムコ多糖症(MPS)I型診療ガイドライン2019』から大幅な内容の変更はありませんが,より多くの先生方に本疾患について知っていただく機会が増えたことを大変嬉しく思います.
 最後に,本ガイドラインの作成を主導していただいた当研究班ムコ多糖症I型診療ガイドライン作成委員会の小須賀基通委員長,Mindsの手法を絶えずご指導いただいた(公財)日本医療機能評価機構の森實敏夫先生,学会審査における過程でご尽力いただいた日本先天代謝異常学会の奥山虎之理事長,診断基準・診療ガイドライン委員会の村山 圭委員長,中村公俊副委員長,小林正久副委員長,野口篤子副委員長をはじめ,多くの皆様に感謝申し上げます.
 本ガイドラインが,難病診療に携わる難病指定医,さらには一般診療医の先生方,医療従事者の方々のお役に立つことを祈念いたします.

 2020年11月吉日
厚生労働省難治性疾患等政策研究事業
「ライソゾーム病(ファブリー病含む)に関する調査研究」
研究代表者 衞藤義勝
(東京慈恵会医科大学)


診療ガイドラインの編集にあたって

 ムコ多糖症(mucopolysaccharidosis: MPS)I型は,ライソゾーム酵素の1つであるα-L-イズロニダーゼ(IDUA)の先天的欠損もしくは活性低下により,細胞内に未分解のデルマタン硫酸(DS)とヘパラン硫酸(HS)が過剰に蓄積し,特異顔貌,精神運動発達遅滞,心弁膜症,関節拘縮,骨変形,肝脾腫など多彩な症状を呈する先天代謝異常症です.
 MPS I型の根治的治療として,現在,酵素補充療法と造血幹細胞移植の2つがあります.MPS I型の酵素製剤は,欧米では2003年に,わが国では2006年に承認され,酵素補充療法が実施されるようになってから,すでに10年以上が経過しています.また,MPS I型に対する造血幹細胞移植は,欧米では1980年代から行われており,有効な治療法の1つとして確立しています.そのため,早期診断・早期治療による予後改善のために新生児スクリーニングが国内外の一部で実施されるようになっています.
 厚生労働省難治性疾患等政策研究事業「ライソゾーム病(ファブリー病含む)に関する調査研究」の研究事業の一つとして,『ムコ多糖症I型診療ガイドライン2019』が作成されました.本ガイドラインは,酵素補充療法と造血幹細胞移植に関するクリニカルクエスチョンを設定し,科学的根拠に基づく医療(evidence-based medicine: EBM)に則ったMindsの手法に準拠して作成され,全国の大学医学部などに無償配布されています.今回,MPS I型の診療情報を専門医だけでなく,より多くの一般臨床医や医療従事者が広く共有できるように,日本先天代謝異常学会の審査を受けて,新たに『ムコ多糖症I型診療ガイドライン2020』が上梓されました.本ガイドラインが,医療現場における診断,治療の一助となり,MPS I型患者やご家族の方々のQOL向上につながることを願ってやみません.
 最後に,本ガイドラインの作成にご指導いただいた森實敏夫先生,作成にご尽力にいただいたガイドライン作成委員会の先生方,ならび学会承認にご尽力いただいた日本先天代謝異常学会理事長 奥山虎之先生,診断基準・診療ガイドライン委員長 村山圭先生,その他本ガイドライン作成に関わってくださったすべての皆様に深謝いたします.

 2020年11月吉日

厚生労働省難治性疾患等政策研究事業
「ライソゾーム病(ファブリー病含む)に関する調査研究班」
ムコ多糖症(MPS)I型診療ガイドライン作成委員会
委員長 小須賀基通
(国立成育医療研究センター)