産科と婦人科
精選された情報満載読者各位にとって欠かすことができない情報をタイムリーに提供. 「生殖おもしろ話」・「外界事情」・「青い血のカルテ」・「産婦人科診療 私のコツ」など連載も充実.
抜群の読みやすさオール2色刷り.一目でキーポイントがわかるレイアウト.
充実したラインナップ日常診療の場で即役立つ「増刊号」を年各1冊発行.日進月歩で激変する医学界のキーワードを読み解き,読者各位の壮大な負託に応えるべく「産科と婦人科」は微力を注ぎます.
2018年 Vol.85 No.増刊号 2018-04-03
産婦人科関連 専門医・認定医ガイド

定価:本体7,500円+税
「産科と婦人科」編集委員会
大須賀 穣 髙松 潔 田中 守 渡部 洋
総 論
◆ 現在の専門医制度と産婦人科 / 増﨑英明
私の体験記(産婦人科専門医) / 井上恵莉
第1章 4分野共通
1. 母体保護法指定医師 / 高瀬幸子
2. 日本医師会認定産業医 / 松本吉郎
3. 臨床遺伝専門医 / 三宅秀彦・他
4. 超音波専門医 / 市塚清健
5. 漢方専門医 / 柴原直利
6. 日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医 / 楠木 泉・他
私の体験記 / 小泉美奈子
7. 日本内視鏡外科学会技術認定(産科婦人科領域) / 森 俊幸・他
8. 日本アロマセラピー学会基礎認定 / 谷垣礼子
第2章 周産期
1. 周産期専門医(新生児) / 楠田 聡
2. 周産期専門医(母体・胎児) / 大浦訓章
私の体験記 / 福武麻里絵
3. 胎児心エコー認証医 / 稲村 昇
4. NCPR(新生児蘇生法)コースインストラクター / 細野茂春
5. 日本母体救命システム普及協議会
ベーシックコース・インストラクター(J‒CIMELSインストラクター) / 長谷川潤一・他
6. Adovanced Life Support in Obstetrics(ALSO®)プロバイダー / 新井隆成
第3章 腫 瘍
1. 婦人科腫瘍専門医 / 田中良道・他
私の体験記 / 嶋田貴子
2. がん薬物療法専門医 / 田村研治
3. 細胞診専門医 / 玉手雅人・他
私の体験記 / 玉手雅人
4. 緩和医療専門医 / 橋口さおり
5. 乳腺専門医 / 井本 滋
6. がん治療認定医 / 西山正彦
第4章 生殖内分泌
1. 生殖医療専門医 / 廣田 泰
私の体験記 / 大石 元
2. 内分泌代謝科(産婦人科)専門医 / 苛原 稔
3. 生殖補助医療胚培養士 / 寺田幸弘
第5章 女性医学
1. 女性ヘルスケア専門医 / 牧田和也
私の体験記 / 江川美保
2. メノポーズカウンセラー / 河端恵美子
3. 女性心身医学会認定医 / 寺内公一
4. 日本抗加齢医学専門医 / 米井嘉一
5. 乳房疾患認定医 / 鎌田正晴・他
6. 日本性感染症学会認定医 / 石地尚興
7. 骨粗鬆症学会認定医 / 稲葉雅章
8. 日本旅行医学会認定医 / 篠塚 規
9. 女性のヘルスケアアドバイザー / 種部恭子・他
10. 健康スポーツ医 / 釜萢 敏
付 録
◆ 専門医・認定医等の一覧
注:本号での「標榜の可否」欄の記載は,厚生労働省による「医療に関する広告が可能となった医師等の専門性に関する資格名等について」(http://www.mhlw.go.jp/topics/2007/06/tp0627-1.html)に基づいた.
近年の医療の高度化により,医師には高度な専門性が求められるようになっています.また,医療や医師に対する社会的な関心も高まり,医療過誤に対する不安からも,より信頼できる医師や担当医師の専門分野を知りたいという患者や家族の声が高まってきています.さらに,医師サイドにおいても,到達目標の明確化と系統的な研修システムはその領域における基本的な知識や技術の完全なる習得とレベルの向上に有用であることに異論はないところです.これらを背景として,各専門領域において,国民に標準的で適切な診断・治療を提供できる医師である専門医の育成と認定を通して良質な医療の安定化を担保することを目的として,専門医制度が運用されています.日本で最初に専門医制度を始めたのは日本麻酔科学会であり,1962年に日本麻酔指導医制度を発足させています.その後,多くの学会が専門医制度あるいは認定医制度を開始し,日本産科婦人科学会では1987年4月に産婦人科専門医制度が発足しています.
ところが,各学会が独自で制度設計をして専門医を認定してきたため,2002年頃から専門医制度が乱立し,質が維持されていないという批判もあり,標準化しようという動きが出てきました.これがいわゆる「新専門医制度」です.しかし,この制度に対しては種々の意見もあり,揺れているのは周知のとおりです.
一方,このような流れとは別に,母体保護法指定医師のように業務に必須の資格もあります.また,それぞれが興味を持つ分野における自分のレベルの評価を目的として(もちろん達成感も含めて),資格を取得しようとする考えもあります.実際,専門医や認定医制度を持っていない学会のほうが少ないぐらいに感じられますから,何かしら目的に一致する専門医・認定医を探すことができると思います.
しかし,実際に取得するとなると,新専門医制度にしてもその概要を知ることすら容易ではなく,他の専門医・認定医の取得条件について調べることも思ったより大変です.ましてや比較することも難しいのが実態です.
そこで本増刊号では,産婦人科に関連したおもな専門医や認定医について,認定を行っている各学会などにお願いして,目的や活動状況,専門医や認定医の特徴と取得の条件などを回答いただき,それらを一覧としてまとめてみました.改めて自分が有する資格の特徴や更新の条件を確認していただくとともに,各専門医・認定医の比較から新たな資格へチャレンジするきっかけになること,さらにはそれが日本の産婦人科医療のレベルアップにつながることを期待しています.
(「産科と婦人科」編集委員会)