小児科診療
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2017年 Vol.80 No.7 2017-06-13
新・発達障害支援〜小児科医へのメッセージ

定価:本体2,700円+税
序 文 /広瀬宏之
Ⅰ.総 論
DSM-5における神経発達症について /鷲見 聡
これからの発達障害支援 /北山真次
特別支援教育における発達支援 /梅田真理
障害者差別解消法と合理的配慮について /笹森洋樹
発達障害への薬物療法 /杉山登志郎
Ⅱ.小児期における支援
多職種連携のコツ /金原洋治
家族支援の実際~ペアレント・プログラムを中心に /辻井正次
保護者支援の実際~親子関係をよりよくするには /井上祐紀
感覚統合アプローチを生かした支援 /岩永竜一郎
発達障害の感覚過敏とその支援 /熊﨑博一
オキシトシン治療のこれから /小坂浩隆
読み書き困難への支援~多層指導モデルMIMを中心に /海津亜希子
ICTと発達障害 /中邑賢龍
Ⅲ.成人期に向けた支援
発達障害支援のトランジション~大学における修学支援を中心に /西村優紀美
発達障害の就労支援 /千田若菜
発達障害をもつ母親の支援 /宮尾益知
大人の発達障害(発達症) /今村 明・他
原 著
自閉スペクトラム症合併てんかん症例におけるラモトリギンまたはレベチラセタムの忍容性の検討 /石川暢恒・他
症例報告
石灰化を伴う小児(14歳)4型結腸がんの1例 /田中千弘・他
広瀬宏之 /横須賀市療育相談センター
本誌3年ぶりの発達障害の特集,今回は「支援」にスポットをあてました.発達障害支援は,医療・教育・福祉・先端技術など多角的アプローチ,つまり,「総力戦」です.ここでは本文より珠玉のフレーズを抜粋し,素晴らしさの一端を味わっていただきたいと思います.
「子どもの約10人に1人が神経発達症にあてはまり,もはや小児科領域のcommon diseaseである」
(DSM-5における神経発達症について 鷲見 聡先生)
「支援は子どもの未来を想定し,ちょっとした対応の工夫をしていくこと」
(これからの発達障害支援 北山真次先生)
「特別支援教育では,子ども1人1人をよく見て把握し,学校という組織で取り組んでいく」
(特別支援教育における発達支援 梅田真理先生)
「支援を途切れなく続けるには,縦横のつながり,長期的な視点,情報の引き継ぎが大切である」
(障害者差別解消法と合理的配慮について 笹森洋樹先生)
「発達障害の薬物療法では,少量処方で対応が可能である」(発達障害への薬物療法 杉山登志郎先生)
「連携なくして支援なし」(多職種連携のコツ 金原洋治先生)
「人は自己受容すら難しいのに,子どもの障害受容を想定した家族支援は機能しにくい」
(家族支援の実際~ペアレント・プログラムを中心に 辻井正次先生)
「子どもの発達と親子間の相互作用は,まるで鶏と卵のような関係である」
(保護者支援の実際~親子関係をよりよくするには 井上祐紀先生)
「感覚刺激を報酬として,コミュニケーション能力を伸ばす」
(感覚統合アプローチを生かした支援 岩永竜一郎先生)
「ASDに取って最も本質的な感覚の問題は,感覚刺激に対する低反応である」
(発達障害の感覚過敏とその支援 熊﨑博一先生)
「オキシトシン効果の個人差の追求は,テーラーメイド医療につながる可能性がある」
(オキシトシン治療のこれから 小坂浩隆先生)
「MIMでは,子どもがつまずく前に,あるいは,つまずきが重篤化する前に指導・支援を行う」
(読み書き困難への支援~多層指導モデルMIMを中心に 海津亜希子先生)
「ICTは発達障害のある人の困難さを同じように補助・代替できるものである」(ICTと発達障害 中邑賢龍先生)
「支援の必要性や支援内容に関する根拠は,学生本人の語りから得られる」
(発達障害支援のトランジション~大学における修学支援を中心に 西村優紀美先生)
「小児科で把握された情報を就労支援に活かせればより効果的な支援が可能になる」
(発達障害の就労支援 千田若菜先生)
「家族機能が改善することにより児の機能が改善することが期待される」
(発達障害をもつ母親の支援 宮尾益知先生)
「問題点だけではなく発達症のプラスの面についても説明を行っていく」
(大人の発達障害≪発達症≫ 今村 明先生)
ご執筆いただいた先生方に心より感謝申し上げます.続きは必ず本文をご覧ください.