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小児科診療

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2019年 Vol.82 No.3 2019-02-13

小児のインバウンド医療:国境を越えて移動する子ども

定価:本体2,800円+税

冊 

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掲載論文

序 文  /中村安秀

Ⅰ.外国人小児をめぐる保健医療と社会状況
外国人小児に対する保健医療  /中村安秀
地方自治体における外国人親子への健康支援サービス  /渡邉洋子
外国人小児に関する保健医療統計  /高橋謙造

Ⅱ.外国人小児医療の実際
基幹病院における外国人小児への対応  /七野浩之・他
診療所における外国人小児への対応  /諏訪美智子
社会的な困難を抱えた外国人小児と支援  /沢田貴志
医療通訳者がいる病院における外国人小児への対応  /ワキモト隆子・他
イスラム圏の小児に対する対応  /レシャード カレッド
ラテンアメリカ系の小児に対する対応  /中萩エルザ

Ⅲ.インバウンド医療のトピックス
新生児医療:増加する外国人親  /森田真知子・他
栄養:母国の文化を持ち込む  /水元 芳
予防接種:日本とのギャップの中で  /田中孝明
感染症:たやすく国境を越える  /谷口清州
ブラジル人学校での学校健診:制度のはざまの中で  /山崎嘉久
障害児:二重の負荷  /高田 哲
児童虐待:予防と児童福祉の課題  /北野尚美・他

原 著
ロタウイルス感染症脱水患児の血清浸透圧に関する前方視的検討  /松永健司・他

症例報告
筋痛による運動不耐とミオグロビン尿を認め,Becker型筋ジストロフィーの診断に至った13歳男子例
  /武知紹美・他
ステロイド過敏との鑑別を要したダニの経口摂取によるアナフィラキシーの1例  /森西洋一・他

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ねらい

中村安秀  /甲南女子大学看護リハビリテーション学部

  「インバウンド」は,わずか4年前の2015年の流行語大賞の候補であった.それほどに目新しい言葉である.インバウンド(inbound)の原義は「内向き」という意味の形容詞であり,国際社会では国境を越えて人々が移動する事象を捉えて,自国に入ってくるインバウンド,出ていくアウトバウンドを使い分けていた.日本では,外国人観光客だけをインバウンドと呼称することもあるが,原義的には在留外国人も訪日外国人もすべてインバウンドなのである.
  2017年末には外国人登録者数は約256万人となり,うち15歳未満の小児数は22万人,2017年の入国外国人数は2,742万人となり,15歳未満の小児数は約234万人であった.これだけ多くの外国人が日本国内に滞在していると,当然,受診する機会も激増している.また,外国人を親にもつ新生児の増加などもみられる.英語や中国語に限らず,ベトナム語やネパール語,インドネシア語といったマイナー言語を含めた言語コミュニケーションの課題,医療費の未払いだけでなく多様な海外傷害保険への対応,ハラル・フードといったイスラムへの対応も含めた多文化への感受性の醸成など,グローバルな医療ニーズに対応できる小児科診療体制が求められている.
  2015年9月の第70回国連総会において,「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)」が提唱され,貧困,栄養,保健医療,教育,ジェンダー,環境など多様な分野にまたがり,先進国と途上国の区別なく取り組むことが提唱された.どの国においても共通する課題として,「だれひとり取り残さない(no one left behind)ことを誓い,人々の尊厳は基本的なものであると認識し,最も遅れているところから最初に手を伸ばすべく努力する」ことが宣言された.先進国や途上国という区分を越えて,格差をなくす取り組みを同時代的に地球規模で行おうという画期的な発想である.「だれひとり取り残さない」という場合に,妊産婦,新生児,小児,高齢者をはじめ,難民,移民,少数民族,障がい者,性的少数者,貧困,災害被災者など,様々な脆弱な境遇の人々(vulnerable people)や少数派の人々(minority)があてはまる.日本で暮らす外国人小児の場合は,二重の意味で脆弱な少数派である.
  本特集では,外国人小児をめぐる社会情勢を概観し,分野別の対応,医療機関の規模や体制による対応,外国人の出身地による対応など,インバウンド医療の現場で奮闘されている先生方に執筆をお願いすることができた.いま,日本では外国人労働者の受け入れをめぐり,社会政治的な議論が沸騰している.そういう議論が勃発する前から,地道に外国人の子どもに1人1人寄り添ってきた先生方のリアリティのある素晴らしい論考が揃ったことを誇らしく思う.本特集が,外国人小児に対する医療のあり方に一石を投じることができれば,企画者としての望外の喜びである.

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2019年 Vol.82
No.10 特集/子どものこころ診療エッセンス最新号
No.9 特集/小児の食中毒
No.8 特集/子どものあたま、かお、くびの病気〜コンサルのタイミング
No.7 特集/小児循環器領域の生涯包括遺伝医療
No.6 特集/小児感染症のいまを読み解く
No.5 特集/研修医の「そこが知りたい!」小児アレルギーの疑問
No.増刊号 特集/小児の診療手技
No.4 特集/小児科医に知ってほしいミトコンドリア病UPDATE
No.3 特集/小児のインバウンド医療:国境を越えて移動する子ども
No.2 特集/症例からみた小児集中治療
No.1 特集/小児呼吸器疾患のファーストタッチから専門診療へ
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No.12 特集/難しくない 小児腎領域の難病診療
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No.10 特集/生活習慣病と子ども−DOHaDと健康のカギ
No.9 特集/小児感染症の専門医を目指そう!
No.8 特集/小児の中枢神経画像update
No.7 特集/おさえたい診療ガイドラインのツボ
No.6 特集/日常診療にひそむ小児リウマチ性疾患
No.5 特集/研修医必携!これだけは知ってほしい薬の使い方
No.増刊号 特集/小児の治療指針
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No.3 特集/退院から生後1か月までの保護者の不安に答える
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No.1 特集/ここまできた小児神経・筋疾患の診断・治療
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No.11 特集/小児科エコー活用術
No.10 特集/日常生活にひそむ小児血液,腫瘍性疾患
No.9 特集/症例から学ぶ感染症診療のコツ
No.8 特集/新しいガイドラインに基づいた最新の夜尿症診療
No.7 特集/新・発達障害支援〜小児科医へのメッセージ
No.6 特集/そうだったのか!今すぐ役立つ小児内分泌のコツ
No.5 特集/研修医が知っておくべき境界領域疾患
No.増刊号 特集/小児科ケースカンファレンス
No.4 特集/今ここでステロイドを再考する
No.3 特集/乳幼児期発症神経疾患のファーストタッチから専門診療
No.2 特集/抗菌薬療法UP-TO-DATE
No.1 特集/小児循環器のファーストタッチから専門診療へ
2016年 Vol.79
No.12 特集/先天異常症候群の新しい展開
No.11 特集/学校保健パーフェクトガイド−新しい小児科専門医
No.10 特集/日本発アレルギー研究最新情報
No.9 特集/ベテラン小児科医が伝授する入院管理・診療のコツ
No.8 特集/小児救急で求められる単純X線写真
No.7 特集/小児循環器治療の最前線−クスリとデバイス
No.6 特集/先天代謝異常症−エキスパートによる最新情報−
No.増刊号 特集/小児の症候群
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2012年 Vol.75
No.増刊号 特集/小児の診療手技100
2011年 Vol.74
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