チャイルドヘルス
21世紀の子どもの保健と育児を支援する雑誌
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2016年 Vol.19 No.3 2016-02-26
Happy保育園ライフを目指して-体調管理(耳・のど・目

定価:本体1,400円+税
Myオピニオン 人権文化を拓く 子どもに対する暴力の根絶に向けて…田沢茂之
【特 集】Happy保育園ライフをめざして~体調管理(耳,のど,目,口など)のポイント~
(企画,とびらの言葉…太田文夫)
1 また熱が出ちゃった!~入園後にくり返す体調不良,名づけて“保育園症候群”~…新谷尚久
2 小児ワクチン接種は子どもの健康向上,母親の就業増加につながるのか
~経済学的視点からの考察~…柿原浩明,馬 欣欣
3 耳が痛い! くり返す中耳炎…丸山裕美子
4 はな垂れっ子対策! 鼻・副鼻腔炎,アレルギー性鼻炎…増田佐和子
5 イビキがうるさい,あ,息も止まる。その原因は?…吉浜圭祐,守本倫子
6 えっ,なんて言っているの?幼児期に気づきたいことばと発音の問題…益田 慎
7 目つきが変? 乳幼児健診・3歳児視力検診の重要性…仁科幸子
8 知っておきたい色覚異常…中村かおる
9 集団の心理を利用した口腔ケア~保育園だからこそできること~…外木徳子
【連 載】
◆エコチル調査~現在と未来の子どもたちのために~ 第3回
国立環境研究所とエコチル調査とのかかわり①…新田裕史
宮城ユニットセンターの活動…仲井邦彦,櫻井香澄,水野聖士,有馬隆博
福島ユニットセンターの活動…橋本浩一
◆おもちゃで広がる病児の遊び環境 第11回
ホスピタル・トイ・キャラバン in OKINAWAの報告…金城紀子
◆子どもの貧困 第13回
保健室から見える子どもの貧困…宇治さくら
◆くま先生の小さなお話し会 第15回
3.11を忘れないで!…松田幸久
◆育児Q&A
震災以降,子どもにはできるだけ放射性物質による汚染の影響の少ないものをと思っていますが食材選びに悩んでいます。 回答者…原田正平
◆海外文献の紹介
親の抗生物質に対する誤解…榊原洋一
特集のタイトルを“Happy保育園ライフをめざして~体調管理(耳,のど,目,口など)のポイント~”とつけました。集団生活に入ると,体調を崩す子が多く,親も看病で欠勤せざるを得ないことが増えます。子どもの体調管理は,親だけでなく医療者にとっても悩みの種です。そんな親子が,少しでもHappyに過ごせるためのアドバイスを提供できればとの願いを込めて送る特集です。今号を読んだ育児支援者が,その内容を保護者と共有し,子どもが安心安全な生活を過ごせる日が増えればと考えました。
特集1では,体調管理ができず欠席をくり返す状況になってしまった子どもの状況を“保育園症候群”と名づけています。決して面白がってのネーミングではありません。むしろ的確な表現と思います。入園後の状況分析と健康管理ノウハウを書いてもらいました。特集2には,欠席を減らすためには予防接種が有効だという研究結果が出ています。特集3以降は,具体的な疾患を取り上げました。耳鼻科の先生に中耳炎,鼻・副鼻腔炎,その予防策としての鼻のかみ方の指導法(奇しくもお2人の先生が取り上げてくださいました)。続けて,イビキ,構語障碍への対応も。眼科の先生には視力の発達,色覚異常について執筆していただきました。いずれも集団生活のなかでも気づける疾患です。これらは早期に診断して対応をしておくことが,将来にわたって有用です。小児歯科には,園でもできる口腔ケアや,外傷予防にも提言をもらいました。
どの項目をみても明日から役立つ内容です。今号は,育児支援者だけでなく,保護者自身が手元に置いておいても役立つ保存版としての価値もありそうです。
(おおた小児科/太田文夫)