チャイルドヘルス
21世紀の子どもの保健と育児を支援する雑誌
|
2016年 Vol.19 No.9 2016-08-29
問診からアプローチする

定価:本体1,400円+税
Myオピニオン 詮索のすゝめ…廣瀨伸一
【特 集】問診からアプローチする
(企画,とびらの言葉…広瀬宏之)
1 熱が続いている…佐藤 研
2 咳や鼻水が長引いている…鈴木 洋
3 耳が痛い…松田秀樹
4 頭痛をくり返す…藤田光江
5 朝なかなか起きられない…増谷 聡
6 腹痛,下痢,便秘をくり返す…竹添豊志子,金森 豊
7 手足が痛い…四津有人
8 言葉が遅い…安藤亜希
9 落ち着きがない…小林潤一郎
10 不登校への問診…原田剛志
【連 載】
◆保育所・幼稚園で対応に困ったとき 第1回
集団感染の対応…椛沢幸苗
◆エコチル調査~現在と未来の子どもたちのために~ 第9回
詳細調査でわかること(精神神経発達検査①)…目澤秀俊,橋本圭司,小枝達也
福岡ユニットセンターの活動…千手絢子,菅 礼子,諸隈誠一,實藤雅文
◆ケニアの小児医療の現場から~私がケニアで療育事業を立ち上げた訳~ 第4回
ケニアの子どもたちの病気…公文和子
◆くま先生の小さなお話し会 第21回
野菜だ! 野菜だ! ワッショイ! ワッショイ!…松田幸久
◆育児Q&A
子どもに口内炎ができました。回答者…笠井 創
◆海外文献の紹介
つかまり立ちの時期が早い子どもは,幼児期の認知・適応能力が高い…榊原洋一
【研究・報告】
子どもの将来への思い―子どもの誕生後1年間の夫婦の語りより―…田中恵子
「ほとんどの病気は問診で診断がつくものです」
医学部の“診断学講義”で最初に聞いた言葉です。それから四半世紀が経過し,多くの病気が検査で診断できるようになりました。
「遺伝子診断には,正確な臨床診断が不可欠です」
先日の学会で,日本の遺伝子診断の第一人者が仰っていました。
古今東西を問わず,臨床診断の第一歩は問診です。丁寧な問診によって診断の道筋が明らかになります。話を聞くという行為は,対人支援の原点にもつながることでしょう。
本特集では,子どものいろいろな症状に対して,医師がどのような点に留意して問診を進めていき,診断に到達するかについて,原点に戻って記載していただきました。ある症状を見たときにどんな質問をするか,たとえば,その症状は,いつから始まって,どんなふうに経過し,どんな様子なのかを,外来での診療に即して解説していただきました。
企画者のねらいは,医師の診療の一部を読者の皆様に伝えること,つまり,診療の手の内を明かしていただくことでした。いずれも素晴らしい思考プロセスが示されています。
私事になりますが,本特集は6年間の編集委員で最後の企画立案となりました。チャイルドヘルスならではの医学の枠にとらわれない企画を,これからも楽しんでいきたいと思います。
(横須賀市療育相談センター/広瀬宏之)