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書籍詳細

会話で学ぼう!
薬剤師のための患者応対技術の実践法診断と治療社 | 書籍詳細:薬剤師のための患者応対技術の実践法

服薬ケア研究所

岡村 祐聡(おかむら まさとし) 著

初版 B5判 並製 152頁 2007年10月02日発行

ISBN9784787816016

定価:本体2,800円+税
  

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患者さんとのやり取りをブラッシュアップしたい薬剤師必読. 5つの症例を厳選し,その具体的な会話に即して患者応対のステップと コミュニケーション技法を丁寧に解説.どうやって“プロブレム”を抽 出するのかまで深く理解できる優れた実用書.この1冊で,あなたも患者 応対の達人に!

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目次

第1部 服薬ケアの基礎を学んで理解を深めよう!

〔ワンポイント〕
 ・Patient Oriented
 ・マネジメントサイクル
 
 服薬ケアの実践    
  ・気付きポイント
 
 患者応対成功のために
  ・雰囲気のよい薬局とは

 服薬ケアの考え方

 服薬ケアとは何か

 その他

 服薬ケアステップを身に付けるために


第2部 会話で学ぼう! 患者応対技術の実践法

 症例1
  ・手持ちのデータを吟味する

 1気付きポイント

  〔NG やってはいけない!〕
   ・いきなりお薬の説明を始める
   ・患者さんの顔も見ずに,一方的にしゃべりまくる

 2「質問のジャブ」患者さんとの会話の切り出し方
   ・患者さんとの会話 その1 
 
    1まずは挨拶から 自己紹介の大切さ

    2「気付き・掘り下げ」プロブレムを探す

    3このやり取りで明らかになったこと

    4実際の掘り下げのやり方

 「今日はどうしましたか?」から会話を始める
   ・患者さんとの会話 その2

    1掘り下げるときに注意すること
    ・思い付きで指導する
    ・患者さんが心を閉じてしまうような話題に深入りしてしまう

    服薬ケアの本質を理解するための重要なポイント

    2このやり取りで明らかになったこと
    ・患者さんとの会話 その3

     1掘り下げた結果どうなるのか

     2このやり取りで明らかになったこと
   
     3ヒントになりそうな薬識が出てきました!

 〔覚えておこう!〕
  ・得られた情報に矛盾や食い違いがあったらさらに掘り下げる
  ・患者さんとの会話 その4
 
   1繰り返しの効果
   
   2プロブレムを絞り込む

   3このやり取りで明らかになったこと

   4得られた情報をアセスメントする

   5最も大切な確認のステップ

  「情報の追加と確認」
   ・はずした服薬指導はやめよう!
   ・患者さんとの会話 その5

  1「プロブレムの確定」から「ケアの実施」へ
   ・薬識ケア

  2このやり取りで明らかになったこと
  
  3ケアのプランニング
   ・患者さんとの会話 その6

   1「ケアの実施」
 
   2「効果の確認」
    ・薬歴記載例
    ・ケアの結果を記録する?
 症例2
  ・正しい情報を引き出すくふう 
   1まずは気付きリストから
  
   2どのように考えるのか
 
   3記録としての意味
   ・患者さんとの会話 その1

    1服薬行動を理解するカギ

    2徹底して「褒める・認める」

    3質問における配慮

    4このやり取りで明らかになったこと

   ・患者さんとの会話 その2

    1掘り下げによる明確化
 
    2サブプロブレムとそのプラン

    3このやり取りで明らかになったこと
 
    4今どのステップにいるのか

   ・薬局薬剤師のプロブレム
 
   ・患者さんとの会話

   1話の進め方
   ・話したくないこと,隠していることの「開示」

   2このやり取りで明らかになったこと

   3アセスメントの変化 ステップの移行
   ・自分の関心のままに会話を引っ張っていってしまう
   ・患者さんとの会話 その4

   1「ケアの実施」

   2薬識の変化
   ・薬歴記載例

 症例3
  ・薬歴や問診のデータを活用するための考え方

   1過去のデータをそのまま鵜呑みにしてはいけない?
   
   2気付きリスト
   ・患者さんとの会話 その1

   1「気付き・掘り下げ」のステップ

   2このやり取りで明らかになったこと
   ・患者さんとの会話 その2

   1推測する力の重要性
 
   2相手に心の準備を促す手法

   3「プロブレムの推定(絞り込み)」から
    「情報の追加と確認」へ
  
   4頭のなかでSOAPを考える

   5このやり取りで明らかになったこと
   ・患者さんとの会話 その3
 
   1メリハリをつけたスキルの用い方  

   2「プロブレムの確定」へ
  
   3このやり取りで明らかになったこと
   ・患者さんとの会話 その4

   1「ケアの実施」の流れ

   2「効果の確認」
   ・薬歴記載例
   ・頭の中をPOSにするグループワーク

 症例4
  ・プロブレムの広さを考える

   1プロブレムの広さ

   2気付きリスト
   ・患者さんとの会話 その1

   1学んだことが実践でうまく活かせない理由

   2このやり取りでの反省点

 薬識
  ・3分と30秒の法則
  ・“患者さんは薬剤師の説明など望んではいない”と
    開き直ること
  ・「開いた質問=よい質問」というわけではない
  ・患者さんとの会話 その2

   1会話を成立させるために

   2新たな気付きポイントの出現

   3このやり取りで明らかになったこと
   ・日常生活のなかにヒントがある
   ・患者さんとの会話 その3

   1ここでの会話の流れ

   2このやり取りで明らかになったこと
   ・患者応対技術をみがくにはSP(模擬患者)研修が必須
   ・患者さんとの会話 その4

   1ここでの会話の流れ
   ・情報提供と服薬ガイダンス

   2実際にはプロブレムが複雑に入り組んでいることが多い
   ・患者さんとの会話 その5

   1患者応対の流れ
   ・服薬コンサルテーションと服薬カウンセリング

   2これで今日のケアは終わってよいのか
   ・患者さんとの会話 その6

   1ここでの会話の流れ
   ・プロブレムのとり方  薬歴記載例

   1どのようにプロブレムをとるのが最適なのか
 
   薬歴記載例

 症例5
  ・問合せを含む場合の考え方
  ・患者さんとの会話 その1

   1初来局の場合のケアプランニング

   2この症例で学ぶべきところ
・患者さんとの会話 その2
   1お薬手帳についてのプロブレム

   2新たな気付きポイントが!
   ・お薬手帳の内容

   1お薬手帳による情報
   ・患者さんとの会話 その3

   1問合せが発生した場合どのように考えるのか

   2服薬ケアステップの考え方135
   ・責任逃れのためだけに問合せをすること
   ・医師との会話問合せ
   ・患者さんとの会話 その4

   1POSは時間の流れに左右されない
   ・薬歴記載例
  
   服薬ケアステップの基本的な流れ

iii索引

II患者応対技術

 服_薬ケアコミュニケーションと服薬ケアステップ

 服薬ケアコミュニケーションとは何か

 コミュニケーションが成り立つために

III服薬ケアコミュニケーションの基礎技法

 質問

 繰り返し

 要約

 強調

 確認

 沈黙

IV服薬ケアステップ

 服薬ケアステップとはどのようなものか

 各ステップでやること

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序文

はじめに

 服薬ケアについて全国各地で講演会や研修会を行うようになり,たく
さんの薬剤師の皆さまとお会いするなかで,どうしても足りないなと強
く感じてきたのが,薬剤師のための患者応対の方法論・技術論でした.
そこで服薬ケア研究会(本文p.32参照)の発足当初から,仲間たちとの
共同研究や,自分自身の研究を通して,「服薬ケアコミュニケーション」
というコミュニケーション技法と,「服薬ケアステップ」という患者応
対の進め方を方法論としてまとめ,学会発表や論文執筆を行ってきました.
そして今回,それらを統合させたものとしてぜひ用意したいと強く願って
いたテキストが,ようやく完成にこぎつけました.長年の苦心の末,本書
を現場でがんばっておられる薬剤師の皆さまにお届けできることを,大変
うれしく思います.
  今回本書で取り上げたような,実際の患者さんとのやり取りを細かく
分析して考えていくやり方は,数年前に開発し,その後も進化を遂げてき
た,「頭の中をPOSにするグループワーク」
(本文p.98「ワンポイント」参照)のなかにありました.実際にこのワー
クに参加していただくとよくわかるのですが,一つひとつの会話,質問の
組み立て,言葉の選び方,患者さんからいただいた答えをどのようにアセ
スメントするのか,などすべてを非常に細かく分析・吟味し,最適な応対
を探していきます.そして「服薬ケアステップ」に則って,アセスメント
を育てていく過程を段階ごとに整理し,次にどうすればよいのか,
best patient careを探していきます.その考え方を,できるだけ多くの
方が方法論として学べるように少しずつまとめ,そして発展してきたもの
が本書のメインテーマである「患者応対技術」なのです. 本書の最大の
特徴は,なんといっても5つの症例を取り上げ,症例ごとに患者さんとの会
話をすべて収録して,その患者応対の進め方,考え方,そして
「服薬ケアステップ」のたどり方を逐一説明した,きわめて実践に即した
テキストであるという点でしょう.特に,思うように会話が組み立てられ
なかった状態から回復していく例や,医師への問合せがあった場合のプロ
ブレムのとり方,また複数のプロブレムが混在し,どのようにプロブレム
をとればいいのか悩んでしまうような例などを取り上げました.これらは
すべて,多くの薬剤師の皆さまからの質問,実践での悩み,相談などで寄
せられるケースばかりです.例として取り上げたプロブレムも,日常的に
多く接するプロブレムとなるように配慮してあります.しかし服薬ケアの
考え方,特に薬識を中心として患者さんをとらえ,服薬行動をケアしてい
く「薬識ケア」について学んだことがない方には,多少難しく感じる部分
もあるかと思います.そこで服薬ケアに触れることが初めての方でも理解
が深まるように,服薬ケアの基礎的な考え方や方法論を一通り解説した,
第1部を合わせて用意しました.

 本書のもう一つの特徴は,服薬ケアにおける患者応対の概念の再構築を
行ったことです.従来「服薬ケアコミュニケーション」と「服薬ケアステ
ップ」はそれぞれ患者応対の技術的向上のために必要な技法であり,あわ
せて学びましょうという位置付けがなされていました.しかし実際に患者
応対を成功裡に進めていくためには,気付く力をはじめ,思考力,判断力,
知識力,質問力など,様々な力が必要であるため,今回それらすべてをト
ータルにとらえ,「患者応対技術」という概念のもとに再構築をはかりま
した.  今後の新たな研究成果も,「患者応対技術」として統合しなが
ら,理論的にも,方法論的にも発展させていくことができると考えており
ますので,読者の皆さまもぜひ,実践された症例報告などを,成功例に限
らず失敗例も含めて,服薬ケア研究会に持ち寄っていただければと思いま
す.現場で実践する薬剤師の皆さまと共同して,今後も「患者応対技術」
の研究をさらに進めてまいりたいと願っています. 本書を手にとってく
ださった薬剤師の皆さまが,服薬ケアのエッセンスがたっぷりと詰まった
本書により,患者応対技術の向上をはかっていただければ,これに勝る喜
びはありません.そしてその先に,たくさんの患者さんの笑顔があること
を,心より願っています.

2007年9月服薬ケア研究所所長岡村祐聡