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開業医のための高血圧診療疑問・難問解決策65診断と治療社 | 書籍詳細:開業医のための高血圧診療疑問・難問解決策65

近畿大学医学部高血圧・老年内科

有馬 秀二(ありま しゅうじ) 監修

近畿大学医学部高血圧・老年内科

甲斐 達也(かい たつや) 編集

谷山 佳弘(たにやま よしひろ) 編集

初版 B5判 並製 168頁 2008年07月25日発行

ISBN9784787816122

定価:本体4,200円+税
  

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高血圧診療において開業医が抱えやすい65の疑問に対し,専門医がズバリ回答.開業医で可能な高血圧診療のポイントとコツをコンパクトにまとめた.「降圧薬の服用は一生やめられないのか」といった患者からの質問の回答例も提示.お一人でお悩みの先生必携の一冊!

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目次

◇ 目  次 ◇

◆序文
…………………………………………有馬秀二 
◆筆者一覧

 A 高血圧の病態                           
1 開業医が知っておくべき日本人高血圧の疫学的特徴は?
…………………………………………有馬秀二 
2 生活習慣による高血圧発症の機序は?
…………………………………………甲斐達也 
3 ストレスによる高血圧発症の機序と治療への活かし方は?
…………………………………………谷山佳弘 
4 肥満による高血圧発症の機序と治療への活かし方は? 
(インスリン抵抗性・メタボリックシンドロームを含めて)
…………………………………………谷山佳弘 
5 食塩感受性高血圧をどのように位置づける? 治療への活かし方は?
…………………………………………宇津 貴

 B 高血圧による臓器障害――早期発見と対策               
6 脳血管障害を早期発見するために見逃してはいけない徴候と最初に行うべき対応は?
  専門医に送るタイミングと戻ってきたときの注意点は?
…………………………………………長谷川隆典 
7 虚血性心疾患を早期発見するために見逃してはいけない徴候と最初に行うべき対応は? 
専門医に送るタイミングと戻ってきたときの注意点は?
…………………………………………近藤孝生 
8 心不全を早期発見するために見逃してはいけない徴候と最初に行うべき対応は?
専門医に送るタイミングと戻ってきたときの注意点は?
…………………………………………宮﨑俊夫
9 腎機能障害を早期発見するために見逃してはいけない徴候と最初に行うべき対応は?
専門医に送るタイミングと戻ってきたときの注意点は?
…………………………………………主代 昇 
10 閉塞性動脈硬化症を早期発見するために見逃してはいけない徴候と最初に行うべき対応は? 専門医に送るタイミングと戻ってきたときの注意点は?
…………………………………………森井秀樹 
11 開業医が留意すべきその他の高血圧合併症への対策とポイントは?
…………………………………………竹中俊彦 

12 白衣高血圧、仮面高血圧の診断と対策は?
…………………………………………髙見武志 
13 夜間高血圧、早朝高血圧の診断と対策は?
…………………………………………髙見武志 
14 難治性高血圧、悪性高血圧、高血圧緊急症の診断と対策は?
…………………………………………中納一衛 
15 血圧変動の大きな高血圧の診断と対策は?
…………………………………………田中康史 
16 どのような高血圧患者で二次性高血圧症を疑う必要があるのか? 疑った場合にまず何をするべきなのか?
…………………………………………中坊麻利  

 C 高血圧の診察                             
17 病歴で必要なものは?
…………………………………………京極士郎 
18 身体所見で必要なものは?
…………………………………………京極士郎 
19 血管雑音はどこで、どうやって聴取する?
…………………………………………愛田良樹 
20 血圧測定① 外来血圧を正確に測定するために注意すべきことは?
…………………………………………北山耕司 
21 血圧測定② 家庭血圧測定を診療に役立てるために注意すべきことは?
…………………………………………北山耕司 
  
 D 高血圧の検査                           
22 一般検査① 尿検査で何が分かる? どこまで調べる?
(スポット尿による尿蛋白定量と食塩摂取量評価)
…………………………………………菊地真理 
23 一般検査② 血液検査で何がわかる? どこまで調べる?
…………………………………………鴨井公司 
24 一般検査③ 胸部X線検査で注意すべき点と見逃しを避けるコツは?
…………………………………………赤松幹一郎 
25 一般検査④ 心電図で注意すべき点と見逃しを避けるコツは?
…………………………………………唐﨑専也 
26 特殊検査は開業医でどこまで可能か? その注意点は?
…………………………………………坂口好秀 
27 超音波検査やPWVを開業医はどこまで活用するべきか?
…………………………………………土生裕史 

 E 高血圧の治療                           
28 初診時にどのような治療計画を立てる? 降圧薬を開始する適切なタイミングは?
…………………………………………内藤方克 
29 生活習慣の修正による降圧治療の実際は?
…………………………………………甲斐達也 
30 食事指導と運動療法のコツ――持続させるための工夫と注意点は?
…………………………………………八木知佳 
31 降圧薬選択の基本(ABCDルールを含めて)と応用は?
…………………………………………有馬秀二 
32 主要な降圧薬① 利尿薬(適応と禁忌を含めて)
薬物動態を把握した上手な使用法と陥りやすいピットフォールは?
降圧が不十分な場合にはどのような病態を考え,どう対処するべきか?
…………………………………………太田昌宏 
33 主要な降圧薬② カルシウム拮抗薬(適応と禁忌を含めて)
薬物動態を把握した上手な使用法と陥りやすいピットフォールは?
降圧が不十分な場合にはどのような病態を考え,どう対処するべきか?
…………………………………………塩谷雅彦 
34 主要な降圧薬③ α遮断薬(適応と禁忌を含めて)
薬物動態を把握した上手な使用法と陥りやすいピットフォールは?
降圧が不十分な場合にはどのような病態を考え,どう対処するべきか?
…………………………………………山岸俊夫 
35 主要な降圧薬④ β遮断薬(適応と禁忌を含めて)
薬物動態を把握した上手な使用法と陥りやすいピットフォールは?
降圧が不十分な場合にはどのような病態を考え,どう対処するべきか?
…………………………………………金政 健 
36 主要な降圧薬⑤ ACE阻害薬(適応と禁忌を含めて)
薬物動態を把握した上手な使用法と陥りやすいピットフォールは?
降圧が不十分な場合にはどのような病態を考え,どう対処するべきか?
…………………………………………木野博文 
37 主要な降圧薬⑥ ARB(適応と禁忌を含めて)
薬物動態を把握した上手な使用法と陥りやすいピットフォールは?
降圧が不十分な場合にはどのような病態を考え、どう対処するべきか?
…………………………………………安成憲一 
38 主要降圧薬で注意すべき副作用は?
…………………………………………森井秀樹 
39 その他の降圧薬 
どのような場合に使用を考慮するか?使用する際に注意すべきことは?
…………………………………………内藤方克 
40 中断症候群が生じたときの適切な対処法は?
…………………………………………黒岡京浩 
41 通院コンプライアンスの低い患者への対処法は?
…………………………………………竹中俊彦 
42 個々の症例で降圧目標をどこに置く?
…………………………………………中納一衛 
43 脳血管障害を合併する高血圧患者で注意することは? いつ専門医に紹介する?
…………………………………………長谷川隆典 
44 虚血性心疾患を合併する高血圧患者で注意することは? いつ専門医に紹介する?
…………………………………………近藤孝生 
45 心不全を合併する高血圧患者で注意することは? いつ専門医に紹介する?
…………………………………………山本健太郎 
46 慢性腎臓病を合併する高血圧患者で注意することは? いつ専門医に紹介する?
eGFRの読み方は?
…………………………………………喜田裕也,宗 正敏 
47 糖尿病を合併する高血圧患者で注意することは? いつ専門医に紹介する?
…………………………………………矢部珠美 
48 妊娠希望女性または妊婦の高血圧治療で注意することは?
…………………………………………有馬秀二 
49 高齢者・超高齢者の高血圧治療で注意することは? 年齢は治療にどのような影響を与える?
…………………………………………湯 久浩 
50 若年者・小児の高血圧治療で注意することは? 生育歴・家族歴をどう評価する?
…………………………………………杉本圭相,竹村 司 
51 専門医に紹介する際の注意点――何をどのように伝える? やっておくのが望ましいこと,やってはいけないことは?
…………………………………………田中康史 

 F すでに発表された国内大規模研究                              
52 ①CASE-Jの結果は日常診療にどう役立つ?
…………………………………………近藤宏和 
53 ②JIKEI-HEARTの結果は日常診療にどう役立つ?
…………………………………………黒岡京浩 
54 ③JATOSの結果は日常診療にどう役立つ?
…………………………………………川端 仁 

 G トピックス                             
55 ACE阻害薬による誤嚥性肺炎の予防はどうする?
…………………………………………神田暁郎 
56 beyond BP lowering effectの概念は開業医にとってどのような意味をもつ?
…………………………………………宮髙 昌 
57 アルドステロンのエスケープ現象の概念は開業医にとってどのような意味をもつ?
…………………………………………中坊麻利 
58 ARBと利尿薬の合剤の意義は?
…………………………………………山本 匡 
59 慢性腎臓病と心腎連関についての開業医レベルで必要な対応とは?
…………………………………………大谷晴久 
60 レニン-アンジオテンシン系抑制薬による発作性心房細動予防効果の意義は?
…………………………………………高井博之 

 H 患者さんからの質問に答える                    
61 「血圧って何ですか? 高血圧ってどんな病気ですか?」にどう答える? 
…………………………………………甲斐達也 
62 「降圧薬は一度飲み始めると一生やめられないのですか?」にどう答える?
…………………………………………谷山佳弘 
63 「仕事が忙しいのですが、どのくらいの期間に一度の診察が必要ですか?」にどう答えればコンプライアンスが保てるのか? 
…………………………………………有馬秀二 
64 「どうしても薬を飲み忘れてしまうのですが,どうすれば忘れないですか?」にどう答えればコンプライアンスが保てるのか?
…………………………………………甲斐達也 
65 「降圧薬を服用するとグレープフルーツは食べられないのですか?」にどう答える?
…………………………………………谷山佳弘 

◆付録 降圧薬の基礎知識――薬物動態からみた特性と使い方のコツ
…………………………………………甲斐達也 
◆索引

Column
① 起立性低血圧を合併した高血圧の治療は
② 薬剤誘発性高血圧
③ 食塩1gは調味料でどのくらいの量
④ 高血圧症のトクホ
⑤ ARBの降圧効果はどれも同じか?
⑥ 随時尿の尿中ナトリウムからの食塩摂取量推定
⑦ 高血圧の漢方薬治療
⑧ 高尿酸血症を合併した高血圧の治療は
⑨ Scheie分類とKeith-Wagener分類

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序文

高血圧は日常診療のなかで最も多く遭遇する疾患の一つであり、すべての臨床医が診断・治療に関する基本的知識をもつべきといっても過言ではない。そこで、日常診療における高血圧治療の客観性と質の向上を目的として、日本高血圧学会では2000年と2004年に高血圧治療ガイドラインを発表している(なお,2008年末あるいは2009年初頭には,新ガイドラインが刊行される予定であるが,もとより,本書は開業医の先生方の日常診療における疑問・難問に即応することを目的とした書籍であるので,新ガイドラインが出版されようとも,本書に求められている基本的ニーズへの供給は揺るぐわけではなく,末永くご利用いただければ幸いである)。これらのガイドラインはエビデンスに基づいたわが国のスタンダードな治療指針であり、すでに診療の場に広く浸透しているが、個々の患者の治療目標や治療手段の最終判断は直接の担当医が行うべきであることはいうまでもない。すなわち、臨床の場においては同じ高血圧患者であっても個々の患者や状況により画一的でなく、一人ひとりに応じたきめ細やかな診療が必要となる。そこで、実地医家が高血圧の外来診療において判断に困る場面・疑問に感じる場面でどのように考え、どのように対処すべきかを助言する目的で、2006年に本書と同じく診断と治療社から『高血圧を外来で診る』を上梓させていただいた。この書では外来において通常行うべき診療内容に加えて、「てこずる」症例に対する「効果的対処法」・外来でしてはならないこと・専門医への紹介のタイミングなどを高血圧の専門家ができる限り平易かつ詳細に記述している。実用的で有用な書であると高く評価される事が多かった一方で、(ほぼすべての著者がわが国を代表する高血圧診療の第一人者であったためか、)実地医家が日常臨床で参考にするには「敷居が高い」とのコメントもいただいた。
そこで、今回は実地医家、特に開業医が「高血圧診療」をする際に生じる疑問を解決するのに役立つ書として本書を企画した。本書の一番の特徴は、多くの項目を開業医師や一般病院勤務の医師が執筆していることであり、具体的に「実地医家で可能な高血圧診療」が紹介されている。大学病院や中核病院に勤務する医師と異なり、開業医や一人医長として勤務されている先生方の場合には日常診療で簡単に相談できる相手がおらず、疑問を抱えたり悩まれることも多いと思われる。そこで、開業医で可能な高血圧診療の要点を的確かつコンパクトにまとめながら、開業医が抱えやすい問題点・疑問点を洗い出し、それに対する解決策を簡潔に提示していただいた。さらに、日常診療における「ちょっとしたコツ」も積極的に記載しているので参考にしていただきたい。

なお、本書は成書ではなく実地医家のための高血圧診療に特化している。専門医レベルの知識・技術を要する内容は割愛しているため、本書に記載されていない内容に関しては成書でご確認いただくか、治療においては高血圧専門家(日本高血圧学会特別正会員;FJSH)への紹介を考慮していただきたい。
最後に、極めて多忙の中を本企画にご賛同いただき、執筆をご承引賜りました先生方に深謝いたします。本書が読者の方々の日常臨床の一助となりますことを祈念いたします。

2008年6月
近畿大学医学部高血圧・老年内科 有馬秀二