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CT診断入門診断と治療社 | 書籍詳細:CT診断入門
胸部・腹部・筋骨格系

荒木 力(あらき つとむ) 

原著3版 B5判 並製 424頁 2009年06月10日発行

ISBN9784787817129

定価:本体6,800円+税
  

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はじめてCTによる画像診断を学ぶ人が実践的な知識を身につけるための斬新なアイデア満載の書.患者診療方針に基づき,治療法が同じならあえて鑑別診断のための労力と費用は必要なしと説く.

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目次

CT診断入門

PART ONE 胸部
1 胸部CT序論:胸部CT撮像法
□ ヘリカルCT:CT機種  
□ 胸部ヘリカルCT:一般的な原則  
□ 胸部ヘリカルCT:検査法  
2 縦隔:序論および正常解剖
□ 縦隔正常解剖  
□ 正常心臓解剖  
□ 胸骨後腔  
3 縦隔:血管異常
□ 大動脈の異常  
□ 上大静脈および大きな静脈  
□ 肺動脈  
4 縦隔:リンパ節異常と腫瘤
□ リンパ節群  
□ リンパ節のCT像  
□ 縦隔リンパ節腫大の鑑別診断  
□ 縦隔腫瘤の診断  
□ 血管前腔の腫瘤  
□ 胸腺腫瘍  
□ 気管前腔の腫瘤  
□ 気管分岐下腔  
□ 大動脈肺動脈窓腫瘤  
□ 胸骨後縦隔  
□ 傍脊椎腫瘍  
□ びまん性縦隔異常  
□ 心臓と心膜  
□ 心臓傍腔腫瘤  
5 肺 門
□ 撮像方法  
□ 肺門部腫瘤,腫大リンパ節の診断  
□ 気管支の異常  
□ 肺門および気管支の異常所見の鑑別診断
    □   肺血管病変  
□ 腫瘤と無気肺  
6 肺疾患
□ 正常解剖  
□ 先天的病変  
□ 気管支の異常  
□ 気管支原性嚢胞  
□ 肺動静脈瘻  
□ 肺分画症  
□ 肺低形成症候群(シミター症候群)  
□ 肺静脈奇形と静脈瘤  
□ 単発性肺結節と局所肺病変  
□ 多発性の肺結節と肺転移  
□ 気管支拡張症と気管支異常  
□ 無気肺:型式と形態  
□ びまん性浸潤性肺疾患  
□ 肺気腫  
7 胸膜,胸壁,横隔膜
□ 技術的留意点  
□ 胸 膜  
□ 胸 壁  
□ 腋 窩  
□ 乳 腺  
□ 横隔膜
  
PART TWO腹部と骨盤部
8 腹部骨盤部CT序論
□ 方 法  
□ 消化管造影剤  
□ 経静脈性造影剤  
□ 腹部骨盤部CTの読影方法  
□ 体幹部CTでのアーチファクト  
□ CTにおける放射線線量  
9 腹膜腔,脈管,リンパ節,腹壁
□ 腹膜腔  
□ 血 管  
□ リンパ節  
□ 腹 壁  
10 腹部外傷
□ 撮影方法  
□ 外傷性損傷のCT所見  
11 肝
□ 解 剖  
□ 技術的留意点  
□ 肝の血行力学と灌流異常  
□ びまん性肝疾患  
□ 限局性肝腫瘤  
□ 嚢胞性肝腫瘤  
12 胆管・胆嚢
□ 胆 管  
□ 胆 嚢  
13 膵
□ CT撮像技術  
□ 膵の解剖  
□ 膵の脂肪浸潤  
□ 急性膵炎  
□ 慢性膵炎  
□ 膵腺癌  
□ 膵島腫瘍  
□ 膵悪性リンパ腫  
□ 膵転移  
□ 膵管内乳頭状粘液性腫瘍  
□ 嚢胞性病変  
14 脾
□ 解 剖  
□ 技術的留意点  
□ 破 格  
□ 局所病変 
15 腎・尿管
□ 腎  
□ 尿 管  
16 副 腎
□ 正常副腎  
□ 特異的所見を呈する副腎腫瘤  
□ 副腎機能亢進症を来す副腎病変  
□ 副腎腫瘤鑑別の問題点  
17 消化管
□ 基本事項  
□ 食 道  
□ 胃  
□ 小 腸  
□ 腸間膜  
□ 虫 垂  
□ 結腸・直腸  
18 骨 盤
□ 解 剖  
□ 技術的留意点  
□ 膀 胱  
□ 子 宮  
□ 卵 巣  
□ 前立腺  
□ 精 巣 
 
PART THREE筋骨格系
19 筋骨格系外傷のCT
□ 外 傷  
□ 脊 椎  
□ 骨盤/股関節  
□ 四 肢 
□ 筋  
□ まとめ  
20 外傷以外の筋骨格系のCT
□ 椎間板疾患  
□ 脊柱狭窄症  
□ 分離症および辷り症  
□ 仙腸関節  
□ 恥骨炎  
□ 骨癒合  
□ 腫瘍と感染  
□ 計 測  
21 偶発所見
□ 転移性疾患/多発性骨髄腫  
□ 血管腫  
□ Schmorl結節  
□ Tarlov嚢胞  
□ Paget病  
□ 線維性骨異形成  
□ まとめ  
索 引

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序文

原著まえがき 
 第3版に序文を書くことができるというのは三重の喜びである.まず,これは初版と第2版が成功だったということであり,その著者達がもう一度全体を見直す努力をいとわないということである.第二に,とにかく執筆を終了したということであり,最後に,そして最も重要なのが,新しい事実を書き加え,間違いを訂正し,最新版にすることができるということである. 
 第2版から約6年が過ぎ,その間にCTの技術には多くの革新と進歩,特に多列検出器型ヘリカルCTの開発と成熟があった.この第3版ではCTの最新技術を記載した.すなわち,胸部,腹部,筋骨系の診断において認められているヘリカルCTのプロトコール,ヘリカルCTの果たす役割,三次元CTおよびCT血管撮影についても記載した.これら以外の最近のCTに関する進歩についてもこの版には述べられているし,各章に新しいトピックスと図を付け加えた. 
 たとえば胸部においては,臨床適応が拡大されている高分解能CT,肺塞栓のCT診断,および大動脈疾患に関する記述を広げた.腹部外傷と腎結石診断についても同様である.筋骨格系は大幅に改訂され,外傷性疾患,非外傷性疾患と偶然に発見される骨病変の三章で構成されている 
 また同時に,単純化するよう努力し,本文をリストや表に凝縮した部分もある.読者が本書を楽しく読み,多くを身につけてくれることによって,このようなわれわれの努力が報われることになるだろう.
W. Richard Webb
William E. Brant
Nancy M. Major

日本語版への序文 
 「大腸癌は肝に転移することが多い」と記されていても,どのくらい多いのか,90%以上なのか,過半数なのか,あるいは一番多いけれど全体の20%程度なのか,もっと多い臓器があるのか,読者の受け取り方はさまざまである.本書の特徴の第一は,このような曖昧さを払拭してくれる点にある.「静脈結石は尿路結石(平均160HU)よりもCT値が低く,80~278HU程度である.311HU以上を示す石灰化結石が静脈結石である可能性は0.03%である」「(大腸癌の)遠隔転移は,肝(75%),肺(5~50%),副腎(14%),その他どの臓器にもみられる」「(大腸癌再発例の)多く(70~80%)は術後2年以内である」「(消化管)脂肪腫は大腸に最も多く(65%),次いで小腸(20~25%)にみられ,稀に胃(5%),食道,咽頭にもみられる」というように.... 
 第二の特徴は患者診療方針に基づいたCT診断であるという点である.たとえば;「膵の嚢胞性腫瘍はすべての膵嚢胞の10%,すべての膵腫瘍の1%にすぎない.正確な診断が重要な理由は:(a)粘液性嚢胞腺腫は潜在的悪性であり,外科的切除する価値がある.(b)漿液性嚢胞腺腫は両性であり経過観察できる.そして,(c)仮性嚢胞は膵炎から生じ,最もよく見られる病変であり,高頻度にドレナージを必要とする.CTは嚢胞性病変の検出に高い感度を示すが,吸引細胞診を同時に実施可能な超音波内視鏡などの診断法が確定診断に使用される」.治療法が同じなら,あえて鑑別する意義はないはずである. 
 第三はCT診断の基本的な教科書だからといって,徒にCTに肩入れしているということはない点が挙げられる.「CTの(子宮内膜癌の)正診率は55~88%,これに対してMRIの正診率は83~92%と報告されている.手術的病期診断が望ましい.画像による病期診断は進行癌もしくは手術病期分類が困難な患者に有用である」「悪性卵巣嚢胞性腫瘍と良性卵巣嚢胞性腫瘍の確実な鑑別はCTでは不可能である」「CTは前立腺の内部構造を見ることはできず,前立腺内腫瘍の描出能も低い.CTの前立腺癌の病期診断は感度だけでなく特異度も低く,臨床的に有用とはいえない」. というわけで,胸部・腹部・筋骨格系のCT診断の標準になりうる教科書だと考える次第である.
2009年5月
荒木 力