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診断と治療社 内分泌シリーズ

内分泌機能検査実施マニュアル改訂第2版診断と治療社 | 書籍詳細:内分泌機能検査実施マニュアル改訂第2版

国立病院機構京都医療センター内分泌代謝高血圧研究部部長

成瀬 光栄(なるせ みつひで) 編集

東京医科歯科大学大学院分子内分泌内科学(内分泌・代謝内科)教授

平田 結喜緒(ひらた ゆきお) 編集

東京女子医科大学第二内科教授

肥塚 直美(ひづか なおみ) 編集

改訂第2版 B5判 並製 120頁 2011年01月11日発行

ISBN9784787818300

定価:本体2,800円+税
  

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最新の内分泌機能検査を取り上げ,内分泌の系統別,疾患別に機能検査の目的,準備,実施方法,判定基準,副作用と対処法などをコンパクトにまとめたマニュアル.今回の改訂では判定基準の表現方法を統一してより読みやすいものとし,項目も追加している.携帯に便利なポケットサイズの判定基準一覧表つき.

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目次

CONTENTS

推薦のことば /松倉 茂
『内分泌シリーズ:内分泌機能検査実施マニュアル』改訂第2版発刊にあたって /成瀬光栄
序文(初版) /平田結喜緒
執筆者一覧
試験名の表記について
略語一覧(頻出するホルモン名を中心に)
使用薬剤一覧


1 内分泌機能評価の基礎知識 /成瀬光栄他
2 ホルモンの測定方法 /小田桐恵美
3 一般的な検査の準備 /田辺晶代他
4 検査の危険性・注意点  /加藤真子他
5 検体の取り扱い注意点 /福田いずみ
6 判定の注意点:予想外の結果が得られたら何を考えるか /立木美香他
7 内分泌機能検査の判定基準一覧 /立木美香

第1章 主要症候からの機能検査
1 高血圧 /成瀬光栄他
2 低ナトリウム血症 /今城俊浩
3 低カリウム血症 /成瀬光栄他
4 高カルシウム血症 /三原正朋他
5 浮 腫 /杉山美帆他
6 多 尿 /山口実菜他
7 肥 満 /大和田里奈他
8 食欲不振 /大和田里奈他
9 体重減少 /大和田里奈他
10 低血糖 /福田いずみ
11 脱 毛 /石垣沙織他
12 無月経 /木耕一郎他

第2章 視床下部・下垂体疾患
A 先端巨大症
1 診断基準・アルゴリズム /肥塚直美
2 75g経口ブドウ糖負荷試験 /栗本真紀子
3 ブロモクリプチン試験 /栗本真紀子
4 オクトレオチド試験 /栗本真紀子
5 TRH試験 /栗本真紀子
6 LHRH試験 /栗本真紀子
7 CRH試験 /栗本真紀子
B プロラクチノーマ
1 診断基準・アルゴリズム /土井 賢他
2 TRH試験 /土井 賢他
3 ブロモクリプチン試験 /土井 賢他
C クッシング病(異所性ACTH症候群を含む)
1 診断基準・アルゴリズム /平田結喜緒
2 デキサメタゾン抑制試験 /谷 祐至他
3 CRH試験 /谷 祐至他
4 日内変動 /飯降直男他
5 DDAVP試験 /関澤直子他
D サブクリニカルクッシング病
1 診断基準・アルゴリズム /照井 健他
2 デキサメタゾン抑制試験 /照井 健他
E TSH産生腫瘍
1 診断基準・アルゴリズム /田上哲也
2 TRH試験 /田上哲也
F 下垂体前葉機能低下症
1 診断基準・アルゴリズム /福田いずみ
2 CRH試験 /田中 聡他
3 GHRP-2試験  /山門佑有他
4 アルギニン試験 /山門佑有他
5 インスリン低血糖試験 /山門佑有他
6 GHRH試験 /山門佑有他
7 LHRH試験 /田中 聡他
8 TRH試験 /田中 聡他
9 三者負荷試験 /田中 聡他
G 特発性低ゴナドトロピン性性腺機能低下症
連続LHRH刺激試験 /臼井 健
H 尿崩症(中枢性)
1 診断基準・アルゴリズム /有馬 寛他
2 水制限試験 /石川三衛
3 高張食塩水負荷試験およびDDAVP試験 /有馬 寛他

第3章 甲状腺疾患
A 甲状腺ホルモン不応症
1 診断基準・アルゴリズム /田上哲也
2 T3試験 /田上哲也
3 TRH試験 /吉原 愛他
B 甲状腺髄様癌
カルシウム刺激試験 /今井常夫

第4章 副甲状腺および関連疾患
偽性副甲状腺機能低下症
Ellsworth-Howard試験 /岡恭子他

第5章 副腎および関連疾患
A クッシング症候群
1 診断基準・アルゴリズム /田辺晶代他
2 デキサメタゾン抑制試験 /立木美香他
3 CRH試験 /立木美香他
4 日内変動 /津曲 綾他
B サブクリニカルクッシング症候群
1 診断基準・アルゴリズム /明比祐子他
2 デキサメタゾン抑制試験 /方波見卓行他
C AIMAH
1 診断基準・アルゴリズム /沖  隆
2 食事負荷試験 /沖  隆
3 LHRH試験 /鈴木佐和子他
4 バゾプレシン試験 /鈴木佐和子他
D 原発性アルドステロン症
1 診断基準・アルゴリズム /成瀬光栄他
2 カプトプリル試験 /成瀬光栄他
3 生理食塩水負荷試験 /橋克敏他
4 フロセミド立位試験 /難波多挙他
5 経口食塩負荷試験 /柴田洋孝
6 フルドロコルチゾン食塩負荷試験 /柴田洋孝
7 選択的副腎静脈サンプリング(ACTH負荷) /田辺晶代他
E 褐色細胞腫
クロニジン試験  /小金井理江子他
F 原発性副腎皮質機能低下症
1 迅速ACTH試験 /浅井志高他
2 連続ACTH試験 /浅井志高他
G 先天性副腎過形成
迅速ACTH試験 /臼井 健
H 腎血管性高血圧
カプトプリル試験 /立木美香他
I 特発性浮腫
水負荷試験 /浦野綾子他
J Bartter症候群,Gitelman症候群
サイアザイド負荷試験,フロセミド負荷試験 /小菅琴子他

第6章 性腺疾患
A 多胞性卵巣症候群
GnRH(LHRH)試験 /髙木耕一郎
B 性腺機能低下症(女性)
1 クロミフェン試験 /岩下光利
2 GnRH(LHRH)試験 /岩下光利
3 hMG負荷試験 岩下光利
4 プロゲステロン負荷試験 /岩原由樹他
5 エストロゲン・プロゲステロン負荷試験 /岩原由樹他
C 性腺機能低下症(男性)
hCG負荷試験 /岡田 弘

第7章 消化管ホルモン産生腫瘍
A インスリノーマ
1 絶食試験 /泉山 肇他
2 選択的動脈内カルシウム注入試験 /泉山 肇他
B ガストリノーマ
選択的動脈内カルシウム注入試験 /泉山 肇他

索 引
Commentary
・Dynamic Endocrine Testing /William F. Young Jr., MD, MSc
・負荷試験の名称について /平田結喜緒
とじこみ付録
内分泌機能検査の判定基準一覧 /立木美香

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序文

『内分泌シリーズ:内分泌機能検査実施マニュアル』
改訂第2版発刊にあたって

 内分泌疾患は多様な臓器の多様な疾患を包含するが,個々の疾患はたとえば糖尿病などの代謝疾患と比較して頻度が少ないことから,臨床医学の現場においてその重要性が必ずしも十分に認識されているとはいえない.しかし,内分泌疾患の診断の遅延は生命にかかわる深刻な影響を及ぼすことがあり,また血圧,糖・脂質,骨代謝などの慢性的な異常を介する標的臓器障害を招来することもある.それゆえ,適切な早期診断と治療のためには,十分な症例の経験と疾患に対する知識が必須である.しかしながら,内分泌疾患に関する系統的な書籍は従来と比較して激減しているのが現状である.このような背景から実地臨床の視点に立って企画・刊行されているのが診断と治療社の「内分泌シリーズ」である.編者らはこれまで,『内分泌代謝専門医ガイドブック』『原発性アルドステロン症診療マニュアル』『褐色細胞腫診療マニュアル』『わかりやすい原発性アルドステロン症診療マニュアル』『クッシング症候群診療マニュアル』『甲状腺疾患診療マニュアル』『内分泌性高血圧診療マニュアル』の企画・編集を行ってきており,この『内分泌機能検査実施マニュアル』もその企画の一つである.
 内分泌疾患の診断は単にホルモンの基礎値の測定のみでは不十分で,各種の内分泌機能検査が必要である.しかし,内分泌臓器,ホルモンごとに様々な検査があり,また疾患ごとに実施すべき検査の種類も多種多様である.さらに,従来は一般的であったが現在はほとんど実施されない検査や,診断基準の整備とともに最近になって実施が推奨されるようになった検査もあり,医学の進歩,時代の流れとともに検査も変遷している.また,同じ検査でも施設ごとに長年の伝統があり,実施方法が異なることも少なからず経験される.内分泌疾患の診療水準の向上と標準化のためには,検査の実施方法や結果の判定方法を可能な限り統一していくことが望ましい.『内分泌機能検査実施マニュアル』は内分泌機能検査に関する実践的なマニュアルで,内分泌系の系統別,疾患別に機能検査の目的,準備,実施方法,結果の評価,副作用と対処法,解説をコンパクトにまとめた書籍である.
 2009年12月に発刊後,短期間に大変多数の活用いただくことができ,内分泌シリーズのなかでも最も短期間で改訂されることとなった.
 今回の改訂は全体的なフォーマットの統一,特に,検査結果の判定基準の記載・表現方法の統一を主眼とした.改訂版が今後さらに内分泌機能検査実施に役立つことを願っている.誌面を借りて,改訂に際してご無理をお願いした執筆者の先生方に改めて深く御礼申し上げる次第である.

2010年11月
国立病院機構京都医療センター
内分泌代謝高血圧研究部 部長
成瀬光栄

序文(初版)

 内分泌疾患はホルモン異常によってもたらされる病気である.しかしホルモンといっても私たちの体には実に多くのホルモンがあり,いずれもその産生部位や作用が異なるため,その異常は実に多種多彩な臨床症状や検査異常を呈する.このような内分泌疾患でのホルモン異常による特有な症状や徴候を見逃さない経験と能力を備えている医師が本来の内分泌専門医といえる.一方,近年の医学の進歩によって2つの革新的な技術の導入が臨床内分泌学に大きなインパクトを与えた.1つはイムノアッセイによるホルモン測定であり,もう1つはエコー,CT,MRI,シンチグラフィといった各種画像検査による内分泌病変の局在診断である.
 従来の内分泌学では生体内,特に血中で微量にしか存在しないホルモンを測定することが困難なため,種々の負荷試験を行うことによってホルモン分泌変化による生体の反応(たとえば尿量,血圧,電解質など)を評価して判定していた.いってみれば個体内でのバイオアッセイともいえ,肉体的にも患者自身に大きな負担をかけることになり,また医療者側も煩雑で時間のかかる検体の採取や測定に忙殺されていた.しかも,これらの検査の精度や再現性も低いものが多く,過去には他の診療科の医師から内分泌検査は複雑で難しく,判定があいまいとの印象をもたれていたようである.
 1970年代のBersonとYalowにより開発されたRIAの登場は内分泌学の研究と臨床の発展に大きく貢献し,さらに最近はnon RIAが普及してホルモン測定の感度,特異性は格段に向上した.加えて測定法が自動化されて迅速にホルモンデータの結果が臨床の現場に返り,診断の精度が向上した.このため古典的な内分泌負荷試験の多くはもはや用いられなくなっている.しかし測定法が多様化したために異なる測定系での測定値の変動があり,これは各測定系で異なる標準品や抗体を用いるためと考えられ,判定には注意を要する.最近の診療のガイドラインでは診断基準にホルモンの測定値のカットオフ値が示されることが多く,今後の標準品の統一化や測定系間の互換性が重要な課題である.
 それではホルモンの基礎値だけで内分泌疾患が診断できるかというと答えは否である.なぜなら生体内のホルモン分泌は生理的に種々の因子による制御下にあり,なかでもネガティブフィードバック機構は最も重要な調節因子である.内分泌疾患でのホルモン分泌制御の異常はこれらの調節機構を利用した負荷試験によって正確にホルモンの自律性の有無や分泌予備能の評価,また障害部位の判定などが可能となる.また最近ではホルモン異常があっても,臨床症状を伴わないsubclinical(silent)の内分泌疾患が存在することが注目されている.このような内分泌疾患のなかから新たな疾患概念を確立するためにも,内分泌検査によりその病態生理を正確に把握しておく必要がある.
 このような観点から本書では最新の有用な内分泌機能検査を取り上げ,まずホルモンの基礎知識とその検査の測定と判定に関する注意点をまとめ,次いで各臓器別,各疾患別に診断基準・アルゴリズムから始まり,各検査の目的,準備,方法,結果の判定,副作用と対処といった順序でわかりやすく解説している.また診療現場の医師からの内分泌検査にかかわるポイントやピットホールなどもCommentaryとして本文中に取り入れてあり参考になる.本書は理論と実践の両面から診療の第一線で活躍しておられる研修医,一般医家,内分泌代謝科専門医の方たちに役立つ検査実施マニュアルといえる.

東京医科歯科大学     
内分泌・糖尿病・代謝内科 教授
平田結喜緒