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先天代謝異常症 Diagnosis at a Glance診断と治療社 | 書籍詳細:先天代謝異常症 Diagnosis at a Glance

日本先天代謝異常学会(にほんせんてんたいしゃいじょうがっかい) 編集

初版 B5判 並製 184頁 2011年07月25日発行

ISBN9784787818393

定価:本体5,500円+税
  

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先天代謝異常の疾患を58に絞り,具体的な症例を呈示しつつ,的確な診断へとつなげる“コツ”を丁寧に解説.本書のテーマは「at a glance」である.特徴的所見から,まずはどのような診断名を疑うべきか考えてみる.そして,実際の診断と比較してみるとよい.また,目次では①臨床症状,②検査結果,③画像診断と特徴的所見を3つに分け,それぞれキーポイントとなる用語から症例ページへとスムーズに移動できるようになっている.

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目次

1 ムコ多糖症①
 ■症例1 key point(角膜混濁,顔貌異常,心臓弁膜症,系統的骨疾患(dysostosis multiplex)) /小林博司
 ■症例2 key point(系統的骨疾患(dysostosis multiplex),顔貌異常,蒙古斑) /小須賀基道,他
2 ムコ多糖症②
 ■症例3 key point(多動,系統的骨疾患(dysostosis multiplex),脳萎縮,蒙古斑) /田中あけみ
 ■症例4 key point(系統的骨疾患(dysostosis multiplex),過可動関節,エナメル質薄く小さい歯)
/戸松俊治
 ■症例5 key point(顔貌異常,系統的骨疾患(dysostosis multiplex),関節拘縮,蒙古斑,角膜混濁)
/古城真秀子
3 ムコリピドーシス
 ■症例6 key point(蒙古斑,肝腫大,末梢リンパ球空泡化,関節拘縮,歯肉増生) /酒井規夫
 ■症例7 key point(関節拘縮,低身長,系統的骨疾患(dysostosis multiplex)) /酒井規夫
4 脂質蓄積症①
 ■症例8 key point(被角血管腫,低汗症,四肢疼痛,腹痛) /大橋十也
 ■症例9 key point(MRI白質ジストロフィー,退行,学習困難) /濱田悠介,他
5 脂質蓄積症②
 ■症例10 key point(肝脾腫,Gaucher細胞,退行,ACE, ACP高値) /井田博幸
 ■症例11 key point(Niemann-Pick細胞,カタプレキシー(情動脱力発作),肝脾腫) /野口篤子,他
6 脂質蓄積症③
 ■症例12 key point(顔貌異常,肝脾腫,チェリーレッドスポット) /高柳正樹
 ■症例13 key point(聴覚過敏,肝脾腫,チェリーレッドスポット) /酒井規夫
 ■症例14 key point(胎児水腫) /難波栄二,他
7 糖代謝異常症①
 ■症例15 key point(肝腫大,低血糖,高脂血症,高乳酸血症) /窪田 満
 ■症例16 key point(肝腫大,グルカゴン負荷試験) /小川真司
8 糖代謝異常症②
 ■症例17 key point(肝腫大,肝機能障害,筋緊張低下,肝硬変,心筋症) /水落建輝
 ■症例18 key point(筋緊張低下,心拡大,PR間隔の短縮) 福田冬季子
 ■症例19 key point(高ガラクトース血症,皮膚血管腫,総胆汁酸高値) /佐倉伸夫
9 脂質代謝異常症
 ■症例20 key point(黄色腫,アキレス腱肥厚,頸動脈内膜中膜肥厚) /知念安紹,他
 ■症例21 key point(黄色腫,網膜脂血症,乳糜血清,高トリグリセライド血症) /山本重則
10 プリン,プリミジン代謝異常症
 ■症例22 key point(赤いおむつ,高尿酸血症,尿酸結石) /梶田光春,他
 ■症例23 key point(尿酸結石,尿路結石,尿中車軸状結晶) /伊藤哲哉
11 トランスポーター異常症
 ■症例24 key point(SLE,高アンモニア血症,蛋白不耐,スイカ好き) /深尾敏幸,他
 ■症例25 key point(X線陰性結石,尿路結石) /坂本信一
 ■症例26 key point(骨くる病変化,Fanconi症候群,角膜混濁) /太田穂高
 ■症例27 key point(髄液糖濃度低下,F-FDP-PET,空腹時に増悪する歩行失調) /藤井達哉
12 金属代謝異常症
 ■症例28 key point(MRI 基底核病変,肝機能障害,SCANNING SPEECH,錐体外路症状) /清水教一
 ■症例29 key point(毛髪異常,高乳酸血症,脳萎縮,低銅血症) /児玉浩子,他
13 高乳酸血症・ミトコンドリア病
 ■症例30 key point(3-ヒドロキシ酪酸/アセト酢酸比高値,肝硬変,骨髄泡沫状マクロファージ)
/梶 俊策
 ■症例31 key point(筋緊張低下,高乳酸血症,乳酸/ピルビン酸比高値,新生児嘔吐) /村山 圭
14 有機酸代謝異常症①
 ■症例32 key point(高アンモニア血症,代謝性アシドーシス,Anion Gapの増多,低血糖)
/山田健治,他
 ■症例33 key point(代謝性アシドーシス,ケトーシス,急性脳症) /重松陽介,他
 ■症例34 key point(高アンモニア血症,代謝性アシドーシス,重症皮膚炎,高乳酸血症) /鈴木洋一
15 有機酸代謝異常症②
 ■症例35 key point(汗臭いにおい,高アンモニア血症,代謝性アシドーシス,ケトーシス) /深尾敏幸
 ■症例36 key point(シルビウス溝拡大,錐体外路症状,MRI 線条体異常,大脳皮質萎縮)
/虫本雄一,他
 ■症例37 key point(痙攣重積,低血糖,高アンモニア血症) 渡邊順子
16 アミノ酸代謝異常症
 ■症例38 key point(新生児マススクリーニング,高フェニールアラニン血症) /岡野善行
 ■症例39 key point(代謝性アシドーシス,新生児マススクリーニング,特異な尿の臭い) /石毛美夏
 ■症例40 key point(黄疸,血中シトルリン高値,γGTP高値,フェリチン高値) /菊池敦生,他
17 尿素サイクル異常症
 ■症例41 key point(高アンモニア血症,尿中オロット酸高値,血中シトルリン低値,BUN低値)
/竹島泰弘
 ■症例42 key point(高アンモニア血症,血中シトルリン高値,BUN低値) /中村公俊,他
 ■症例43 key point(毛髪異常,高アンモニア血症,血中アルギニノコハク酸高値,BUN低値)
/芳野 信,他
 ■症例44 key point(高アンモニア血症,血中シトルリン低値,BUN低値) /細川真一
18 脂肪酸代謝異常症①
 ■症例45 key point(高フリーカルニチン血症,低ケトン性低血糖,FFA/ケトン体比高値)
/川内恵美,他
 ■症例46 key point(ライ様症候群,低ケトン性ジカルボン酸尿症,タンデムマス法アシルカルニチン
プロフィール分析,低ケトン性低血糖) /深尾敏幸,他
19 脂肪酸代謝異常症②
 ■症例47 key point(ALTE,高アンモニア血症,タンデムマス法アシルカルニチンプロフィール分析,
高CK血症,ライ様症候群) /但馬 剛,他
 ■症例48 key point(高CK血症,横紋筋融解症,低ケトン性ジカルボン酸尿症,タンデムマス法
アシルカルニチンプロフィール分析) /高柳正樹
 ■症例49 key point(低ケトン性低血糖,高アンモニア血症,汗臭いにおい,嚢胞腎) /小林弘典
20 ペルオキシゾーム病
 ■症例50 key point(顔貌異常,肝腫大,筋緊張低下,側脳室拡大) /下澤伸行
 ■症例51 key point(MRI白質脱随,語音弁別能低下,極長鎖脂肪酸高値) /鈴木康之,他
 ■症例52 key point(顔貌異常,四肢短縮,関節内異常石灰化) /下澤伸行
21 その他
 ■症例53 key point(筋緊張低下,臀部脂肪沈着,乳頭陥没) /和田芳直
 ■症例54 key point(MRS(NAA異常),MRI皮質下U線維,頭囲拡大) /星野英紀
 ■症例55 key point(MRS(クレアチン異常),血中クレアチニン低下,尿中クレアチン/
クレアチニン比高値) /露崎 悠
22 ビタミン
 ■症例56 key point(鈴木その子式ダイエット,鉄欠乏性貧血,大腿骨下端子骨融解像) /高柳正樹
 ■症例57 key point(重症皮膚炎,脱毛,アレルギー用ミルク,代謝性アシドーシス) /高柳正樹
 ■症例58 key point(O脚,骨幹端部拡大・不整) /依藤 亨

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序文

序 文
 日本先天代謝異常学会では2年前に出版した「先天代謝異常症症例集」に引き続いて,今回「先天代謝異常症 Diagnosis at a glance」を編集いたしました.

 医学においては症例を経験し学び知識を蓄積し,先人あるいは同時代人との情報の交換をとおして,その時々の最善の診療を身につける必要があります.これはすべての臨床分野にとって医師が自らを教育するときの原則です.しかし先天性代謝異常症の分野では症例を経験する機会は少なく,長い経験を通してもなかなか十分に症例から直接学ぶことが達成できるものではありません.この状況は世界共通のことです.米国における代表的な小児病院,あるいは欧州の小児病院においても多くの症例を経験することはなかなか難しいことです.そこで日本先天代謝異常学会では6年前から「日本先天代謝異常学会セミナー」を開設し,毎年300名以上の参加者とともに勉強会を催しています.欧州においてはSSIEM(Society for the Study of Inborn Errors of Metabolism;欧州先天代謝異常学会),米国においてはSIMD(The Society for Inherited Metabolic Diseases;米国の先天代謝異常学会)が最近トレーニングコース開設しています.このようなコースやセミナーにおいては基本的な診療に必要な知識と共に症例検討会が開催されています.症例について学ぶ機会を持つことの意義は大変大きいということが理解されています.

 臨床医学の実践は,患者,医師,医療施設,入手可能な治療方法,病院間の連携などすべてが地域の特性に依存しています.その意味で,我が国において臨床医学を学ぼうとする場合,我が国の症例ついて学ぶことが大変重要だと思います.今回の症例の多くは最近経験された実践例です.現時点での最新の医療現場の状況をそこからくみ取っていただきたいと思います.同時に我が国の医療体制の中での希少難病の診療の課題も浮かび上がっています.さまざまな意味で今の記録としても意義深いものがあります.

 今回の症例集も多くの学会員の皆様には貴重な症例のご提供をいただきました.診断と治療社の編集の皆様方そして日本先天代謝異常学会セミナー実行委員長の深尾先生,前委員長の高柳先生には特に感謝申し上げます.

 さて私たちが実践する診療や患者さんへの説明内容は,常に過去から得られたものです.臨床医学は日々進歩しています.数年あるいは数日で必ず古くなる内容しか患者には伝えることができません.にもかかわらず現代の臨床医学は多くの人々の信頼を得ています.先天代謝異常の分野でも同様で,私たちは常に不完全な医療しか提供できていません.そのなかでとくに今回の出版に際し,画像を含めて自らのあるいはご家族の情報を提供することに同意していただいた患者さん,ご家族の皆様,ご遺族の皆様に心から感謝いたします.私の限られた経験の中でも多くの患者さんが目の前で亡くなられました.いまも私たちが行っている医療は発展途上にあります.そのことを理解し,そのうえで同時代の医師が接した患者さんたちの情報を共有し学びたいと思います.


2011年7月 日本先天代謝異常学会
理事長  遠藤文夫