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書籍詳細

診断と治療社 内分泌シリーズ

副甲状腺・骨代謝疾患診療マニュアル診断と治療社 | 書籍詳細:副甲状腺・骨代謝疾患診療マニュアル

先端医療振興財団・先端医療センター 病院長

平田 結喜緒(ひらた ゆきお) 監修

虎の門病院内分泌センター 部長

竹内 靖博(たけうち やすひろ) 編集

島根大学医学部内科学講座内科学第一 教授

杉本 利嗣(すぎもと としつぐ) 編集

国立病院機構京都医療センター臨床研究センター 副センター長

成瀬 光栄(なるせ みつひで) 編集

東京都保健医療公社豊島病院内分泌代謝内科 部長

堀内 敏行(ほりうち としゆき) 編集協力

慶應義塾大学医学部腎臓内分泌代謝内科 専任講師

柴田 洋孝(しばた ひろたか) 編集協力

埼玉医科大学整形外科 講師

田中 伸哉(たなか しんや) 編集協力

初版 B5判 並製 210頁 2013年04月20日発行

ISBN9784787818508

定価:本体5,000円+税
  

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副甲状腺・骨代謝疾患を,内分泌学と骨代謝学の双方の視点を融合させて解説した画期的なマニュアル.解剖,生理,生化学などの基礎的知識から,診断・治療法,多様な疾患の詳細を系統的にまとめており,内科医,整形外科医など骨代謝診療を担う医師にとって必携の一冊である.「診断と治療社 内分泌シリーズ」の11冊目.

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目次

推薦の言葉  /藤田拓男
「診断と治療社 内分泌シリーズ」について   /成瀬光栄
序 文  /竹内靖博
執筆者一覧
本書で使用する用語について

Ⅰ 基礎編
   1 骨代謝  /竹田 秀
   2 破骨細胞    /田中 栄
   3 骨芽細胞・骨細胞    /小守壽文
   4 副甲状腺の発生・解剖    /亀山香織
   5 PTH作用と合成分泌調節機構    /岡崎具樹
   6 ビタミンDの生化学・作用    /岡野登志夫
   7 カルシトニンと骨・ミネラル代謝    /小出雅則他
   8 PTHrPと骨・ミネラル代謝    /堀内敏行
   9 FGF23と骨・ミネラル代謝    /福本誠二

Ⅱ 臨床編
第1章 副甲状腺関連疾患
第1節 総論
   1 内科から    /近藤剛史他
   2 小児科から    /大幡泰久他
   3 内分泌外科から    /岡本高宏
   4 病理学から    /亀山香織
第2節 臨床知識
 A 症候・検査・診断
   1 生化学検査    /鈴木敦詞
   2 画像検査    /宮川めぐみ
   3 高カルシウム血症の鑑別診断    /千葉優子
   4 低カルシウム血症の鑑別診断    /渡部玲子他
   5 低リン血症の鑑別診断    /福本誠二
 B 原発性副甲状腺機能亢進症
   1 病態・診断    /山内美香他
   2 治療の適応と内科的治療    /竹内靖博
   3 手術治療    /岡本高宏
 C 副甲状腺癌
   診断・治療    /岡村律子他
 D 続発性副甲状腺機能亢進症
   1 病態・診断    /今西康雄他
   2 治 療    /角田隆俊他
 E 副甲状腺機能低下症
   1 病型分類    /大幡泰久他
   2 副甲状腺機能低下症および偽性副甲状腺機能低下症の診断    /難波範行
   3 治 療    /田島敏広
   4 偽性および偽性偽性副甲状腺機能低下症の病因    /皆川真規
   5 低マグネシウム血症    /堀 倫子
第2章 代謝性骨疾患
第1節 総論
   1 内科から    /竹内靖博
   2 小児科から    /原田大輔他
   3 整形外科から    /中村利孝
   4 婦人科から    /太田博明
第2節 臨床知識
 A 検査
   1 骨代謝マーカー ―骨粗鬆症診療における骨代謝マーカーの適正使用ガイドライン
(2012年版)の解説を中心に―    /三浦雅一
   2 骨代謝マーカー以外の生化学検査    /岡崎 亮
   3 胸腰椎単純X線検査    /森 諭史
   4 骨密度測定法    /伊東昌子
   5 腸骨生検    /山本智章
 B 骨粗鬆症
   1 疫 学    /萩野 浩
   2 病 態    /岡崎 亮
   3 診 断    /細井孝之
   4 続発性骨粗鬆症の診断    /竹内靖博
   5 FRAX®     /藤原佐枝子
   6 「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2011年版」の概要    /中村利孝
   7 骨粗鬆症治療薬①活性型ビタミンD3    /遠藤逸朗
   8 骨粗鬆症治療薬②ビスホスホネート    /岡田洋右
   9 骨粗鬆症治療薬③SERM    /太田博明
  10 骨粗鬆症治療薬④骨形成促進薬(テリパラチド)    /金沢一平他
  11 骨粗鬆症治療薬⑤その他の薬剤    /田井宣之他
  12 骨粗鬆症による脆弱性骨折に対する手術    /酒井昭典
  13 骨粗鬆症の栄養指導    /上西一弘
 C ステロイド性骨粗鬆症
   ステロイド性骨粗鬆症    /柴田洋孝
 D くる病,骨軟化症
   1 くる病の疫学・病態・診断    /大幡泰久他
   2 くる病の治療    /道上敏美
   3 骨軟化症の疫学・病態・診断    /福本誠二
   4 骨軟化症の治療    /井上大輔
   5 FGF23関連骨軟化症    /福本誠二
 E その他の代謝性骨疾患
   1 CKD-MBD    /角田隆俊他
   2 骨Paget病    /橋本 淳
   3 後縦靱帯骨化症    /成澤研一郎


Ⅲ Topics


   1 高カルシウム血症と高血圧の関連    /津曲 綾他
   2 難治性副甲状腺機能亢進症に対するシナカルセト治療    /竹内靖博
   3 副甲状腺機能亢進症と内皮機能障害    /平田結喜緒
   4 薬剤および放射線と副甲状腺機能異常    /木下祐加
   5 Ca大量摂取と心血管障害    /中山耕之介
   6 subclinical Cushing症候群と骨代謝異常    /津曲 綾他
   7 骨折リスクとしての生活習慣病    /山内美香他
   8 新しい骨粗鬆症治療薬    /田中 栄
   9 ビタミンD不足とビタミンD欠乏の臨床的意義    /岡崎 亮
   10 抗けいれん薬とビタミンD代謝障害    /村上正憲他
   11 α-Klothoと電解質代謝,骨代謝    /鍋島陽一

  索引    
Column
  ・骨細胞による骨芽細胞,破骨細胞調節    /小守壽文
  ・GPCR(G蛋白共役型受容体)    /岡崎具樹
  ・骨粗鬆症治療における整形外科医の役割と内科医への要望    /酒井昭典
  ・FRAX® の実例    /藤原佐枝子
  ・骨粗鬆症の薬物治療の概要    /岡田洋右

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序文

 内分泌学の領域は拡大を続けており,今日では,内分泌学が包含する分野は古典的な内分泌臓器から分泌されるホルモンとその障害にとどまらないことは周知の通りである.心臓・消化管・脂肪など様々な組織からホルモンが分泌されることが発見され,それらが生体の代謝を制御し恒常性の維持に関与することが明らかにされつつある.骨から分泌されるホルモンとして線維芽細胞増殖因子23(FGF23)が発見されたことで,骨もその領域の一つに加わった.
 また,骨代謝はミネラル代謝と不可分の関係にあり,骨・ミネラル代謝を制御する内分泌システムの解明の進展から,骨代謝をも視野に入れた内分泌学の構築が必要となっている.従来から,ミネラル代謝には副甲状腺ホルモンやビタミンDが重要な役割を果たすこと,性腺機能低下症は骨吸収を亢進させることにより骨代謝障害をもたらすことなどが知られていた.最近では,骨代謝にかかわる細胞生物学および分子生物学の進歩に基づいて,より直接に骨・ミネラル代謝を制御する局所因子が明らかにされ,そのホルモンによる制御についても多くの知見が得られつつある.
 内分泌学の成書では,骨・ミネラル領域に関しては副甲状腺ホルモンに関連した記述が中心となり,疾患としても副甲状腺関連領域がおもに取り上げられることになりがちであり,骨代謝疾患やそれに関連するミネラル代謝異常についての記載に物足りなさが残ることが多かった.一方で,骨代謝をテーマとした成書では,内分泌学的な視点が十分に盛り込まれているとはいえないものが多く,特に内科医の目でみた場合に,全身的なシステム制御機構からみた骨代謝についてもう一歩踏み込んだ理解を得たいという感想が残るものが多かった.
 このような不満を解消することを一つの目的として,内分泌代謝学を網羅的に学びたい医師のために,内分泌学の視点と骨代謝学の視点を融合させ,かつ臨床に即したガイドとなるようなマニュアルとして本書を企画した.本書では,臓器別に俯瞰するために便宜的に「副甲状腺」と「骨」の二分野に分けてあるが,両者を統合して理解できるように,相互の関係に配慮した内容としている.また,二つの領域にまたがる多くのトピックについて詳述する項を設け,この分野に関する統合的な理解が進むように配慮している.
 骨代謝領域では,骨粗鬆症の診療が世界的に大きな問題となっている.高齢社会が急速に進行するなかで,骨折の予防を中心とした高齢者医療はすべての医療従事者にとって喫緊の課題である.骨折予防という視点に立てば,これは内科医の役割であり,特に生活習慣病の診療に重要な役割を果たしている内分泌代謝を専門とする医師がその中心的な役割を担っていくことが求められている.本書は,骨粗鬆症の診療を担うべき内科医にとって実践的に役立つ書物となるよう配慮している.
 内分泌代謝領域の専門家でも骨・ミネラル代謝は不案内であり,自身の専門外と感じる方々も少なくないようであるが,本書を手に取っていただければ,この領域を自家薬籠中のものとしていただけることを確信している.また,これから内分泌学を学ぼうという皆様にとっては,本書が,骨・ミネラル代謝領域に対する苦手意識を払拭するお役に立つことを願ってやまない.

2013年3月
虎の門病院内分泌センター 部長
竹内靖博