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書籍詳細

外反母趾FAQ予防・治療の実践ガイド診断と治療社 | 書籍詳細:外反母趾FAQ予防・治療の実践ガイド
正しい靴の選び方,履き方

名古屋市立大学名誉教授/名古屋市総合リハビリテーションセンターセンター長

松井 宣夫(まつい のぶお) 監修

名古屋市立大学病院リハビリテーション部教授

和田 郁雄(わだ いくお) 監修

岡崎南病院整形外科部長

柴田 義守(しばた よしもり) 著

初版 B5判 並製 168頁 2011年08月31日発行

ISBN9784787818881

定価:本体4,200円+税
  

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外反母趾の予防と治療についてFAQ形式でわかりやすくまとめた1冊.臨床医,研修医,理学療法士,フットケア看護師などが,実際の外来診療で遭遇する患者の疑問や症状に即応できる.特に保存的治療に関して,長年足の外科専門医として活躍する著者の豊富な知識と経験が盛り込まれている.

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目次

巻頭資料   
監修者序文  
序 文 

A 外反母趾とは
 1.疾患概要
  Q1   外反母趾とはどのような病気ですか?
  Q2   なぜ母趾が曲がったり,骨が出っ張ってくるのですか?
  Q3   外反母趾はどのように診断するのでしょうか?
  Q4   足のトレース法による診断はどのように行うのですか?
  Q5   外反母趾は年齢によって出現率が異なりますか?
  Q6   自分自身で外反母趾の程度を評価できませんか?
  Q7   外反母趾とは具体的にどのような症状をいうのでしょうか?   
   症例1
  Q8   外反母趾の痛みはなぜいつまでも続くのですか?
  Q9   靴を履くと母趾より小趾のほうが痛くなることがありますが,どうしてですか?
  Q10   高度の変形があっても疼痛がないこともあり,軽度の変形であっても強い疼痛を訴える人もいますが,なぜですか?
  Q11   痛みや変形の他に,身体に及ぼす影響はありますか?

B 外反母趾の原因
 1.原因・疫学
  Q12   ヒトの足は外反母趾になりやすい素因がありますか?
  Q13   外反母趾になりやすい足趾のタイプはありますか?
   症例2
   症例3
  Q14   外反母趾変形は遺伝しますか?
  Q15   年をとると外反母趾変形は進みますか?
  Q16   外反母趾が女性により多くみられるのはなぜですか?
  Q17   靴が外反母趾の原因になることはありますか?靴はそれほど大きな影響を与えるのですか?
   症例4
  Q18   ハイヒールは外反母趾に悪いのですか?
   症例5
  Q19   素敵なハイヒールや先の細い靴を履きたいのですが?
  Q20   靴下は外反母趾に悪い影響がありますか?
  Q21   長年靴を履かずに裸足や足袋と鼻緒付き草履を履いてきましたが,外反母趾変形が次第に強くなってきました.なぜですか?
 2.検査・診断
  Q22   開張足と外反母趾との関係は?
   症例6
  Q23   母趾内反ストレス検査で何がわかりますか?
  Q24   外反母趾では種子骨撮影が行われますが,何がわかりますか?

C 外反母趾の予防
 1.靴選びのポイント
  Q25   「足に優しい靴」とはどのようなものですか?
   症例7
   症例8
  Q26   自分の足型に近い靴はどのようにして選ぶのですか?
  Q27   「足に優しい靴」は実際にどのようにして探しますか?
  Q28   靴を履くと足がとても痛くなります.足によくない靴とはどのような靴ですか?
   症例9
   症例10
  Q29   バニオンポケットとは何ですか?
  Q30   なるべくスニーカーにしなさいといわれますが,スニーカーは足によいのですか?
   症例11
  Q31   バスケットボールをしていますが,バスケットボール用のスニーカーが痛くて履けません.どうしたらよいですか?
   症例12
  Q32   足に優しいスニーカーとはどのようなスニーカーですか?
  Q33   なぜ「足に優しい靴」は紐靴なのですか?着脱が大変面倒です.
  Q34   スリッパは足によくないのですか?
  Q35   靴の着脱が面倒なときに踵を踏みつけて履いています.よいのでしょうか?
  Q36   外反母趾には幅広の靴がよいのですか?
  Q37   室内履きの選び方も大切とのことですが,どのような室内履きを履いたらよいですか?
  Q38   最近流行している,穴あきサンダルはよい履物でしょうか?
  Q39   地下足袋靴,鼻緒付き靴は外反母趾の発生予防によいのですか?
  Q40   鼻緒がある履物は外反母趾によいのですか?
   症例13
  Q41   シューフィッターとはどのような人をいうのですか?
 2.小児の外反母趾予防
  Q42   子どもの靴選びで注意することはありますか?
   症例14
  Q43   足のトラブルには幼児のときからの予防が大切なのですか?
  Q44   裸足保育,裸足教育は足によいことですか?
  Q45   鼻緒付き草履での保育が行われている所が多くあるそうですが,足によいことですか?
  Q46   学校の指定靴が痛くて履けないのですが,どうしたらよいですか?
 3.成人・高齢者の外反母趾予防
  Q47   ストッキングも外反母趾にはよくないのですか?
   症例15
   症例16
  Q48   「すぼみ足」とはどのような足ですか?何かトラブルの原因となりますか?
  Q49   外反母趾予防には靴下を履かないほうがよいのですか?
  Q50   高齢者の靴選びで注意することはありますか?
 4.予防運動
  Q51   外反母趾の運動療法とはどのようなことをするのですか?効果はありますか?
  Q52   Hohmann体操とはどのようなものですか?
  Q53   歩くことで外反母趾の予防ができますか?
D 外反母趾の治療
 1.治療的介入の必要性
  Q54   外反母趾を放置するとどうなりますか?
  Q55   外反母趾変形がひどくなったらどうなりますか?
   症例17   
  Q56   4歳の幼児ですが,明らかに外反母趾になっています.どのようにしたらよいでしょうか?
   症例18
   症例19
   症例20   
 2.治療用靴・装具
  Q57   外反母趾治療用の靴はありますか?
  Q58   外反母趾治療用の靴はどのように選ぶのでしょうか?また,どのように調整するのでしょうか?
   症例21
   症例22
   症例23
  Q59   靴を履いて立位でX線撮影をすると何がわかりますか?
  Q60   内振れの靴は外反母趾によいとのことですが,どのようなものですか?
  Q61   外反母趾用のインソールで外反母趾の治療効果はありますか?
   症例24
   症例25
  Q62   縦アーチ,横アーチのインソールをいつまで使うのですか?痛くなければ使用をやめてもよいのですか?
  Q63   治療靴,整形靴,整形外科靴などといわれている靴がありますが,どのような靴ですか?
  Q64   装具療法はどのようなものですか?効果はありますか?
  Q65   テーピングをしてもらっていますが,外反母趾がだんだん進んできました.テーピングの効果はどうなのですか?
  Q66   関節リウマチで外反母趾変形,他の趾や足の変形も強く,創もでき,痛くて歩けません.どのようにすればよいですか?
   症例26
  Q67   糖尿病性腎不全で透析を受けていますが,外反母趾や他の趾も血行が悪く心配です.どうするのがよいですか?
 3.その他の治療法
  Q68   薬物療法にはどのような効果がありますか?
  Q69   外反母趾になったらやはり手術療法になりますか?
  Q70   外反母趾にはどのような手術がありますか?
  Q71   手術をすれば痛みがとれ,ハイヒールや先の細い靴を履くことができますか?
  Q72   手術をすると何日ぐらい入院が必要ですか?通常の歩行や運動は何日ぐらいで可能ですか?
  Q73   手術的治療の満足度はどのようなものですか?
  Q74   治療はどこで受けるのがよいですか?
  Q75   何よりも早期発見・早期予防が大切ですね?

One Step!
・ 靴の正しい履き方
・ 外反母趾を多発させたナースシューズ
・ 靴紐の通し方
・ 戦前の主な履物
・ ヨーロッパにおける履物の変化
・ 纏足
・ 正しい靴の合わせ方
・ 扁平三角状変形とは

文 献
索 引
著者略歴

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序文

監修者序文

 昨今,足の症状を訴えて外来を受診する患者さんがたくさんおられます.これは,テレビや新聞などで足の疾患がよく取り上げられるようになってきたことが大きな要因ではないかと考えております.また,インターネットが普及し,いつでも,誰でも,足部の疾患に関する知識が得られるようになってきたことも影響しております.足の症状のなかでも外反母趾に伴う変形や痛みは最も多い症状であり,インターネットでも「外反母趾とは?」,「外反母趾の治療ができる病院」などといったキーワードで簡単に検索ができるようになってきました.
 そもそも外反母趾はわが国のライフスタイルが急激に欧米化した戦後から増加した疾患であり,靴の製造量と比例して患者数が増加したとの統計も報告されております.外反母趾の成因や病態に関する研究は従前から整形外科医が担ってきました.さらに,診療についても整形外科医が主体的に行っておりますが,靴の形状が本症発症の一因であることから,靴メーカーや販売店などが盛んに「足に優しい靴」を宣伝していることはご存じのことと思います.
 外反母趾に対する国民の意識の高まりと呼応するように,本症に関する情報が氾濫し,数多くの情報のなかには不適切なものが多くみられるのも実情です.このような憂慮すべき現状のなかで,外反母趾の治療ができる病院や診断および治療に関する正確な情報を発信する必要性から,日本整形外科学会発刊の『外反母趾診療ガイドライン』をはじめとして,足の外科を専門とする医師による著作がいくつか刊行されております.しかしながら,その多くは治療,特に手術治療に主眼がおかれ,予防体操や靴選択など保存治療に関する記載が少なく,日常外来診療に即応しているマニュアルとはいいがたいものでした.
 このたび,柴田義守博士が本書を著されました.本書はタイトルが示すように,外反母趾の概念や成因,診断方法,さらには靴選択の重要性とともに,変形予防や症状軽減を目的とした体操や装具など,多岐にわたる質問にイラストを多用してできるだけわかりやすく回答する形で構成されております.その内容は,長年にわたって足の外科専門医としてご活躍されている柴田先生の豊富な知識と経験の結晶であり,現地踏査の結果をも含めて,極めて適切な記述から成り立っております.また,自己診断のための足トレース法,変形予防や矯正を目的とした体操療法など,柴田先生独自のアイディアがたくさん盛り込まれております.まさに外来診療に即応した,時を得た外反母趾の専門書といえましょう.
 多くの先生方が本書を一読され,日常診療に際して患者さんの疑問や症状に適切に対応されることを願ってやみません.

 2011年8月

名古屋市立大学名誉教授
名古屋市総合リハビリテーションセンターセンター長
 松井宣夫

 名古屋市立大学病院リハビリテーション部教授
 和田郁雄



 歩くことは人間の基本動作であり,特に高齢者にとっては,いつまでも人として質のよい生活をするうえで欠かせない動作であります.歩かなければ立つことができなくなり,ついには寝たきりになってしまいます.寝たきりになれば,床ずれ,食欲不振,認知症,肺炎など最悪の事態になることもあります.また,下肢の静脈には逆流を防ぐ弁があり,歩行することにより下肢の筋肉が収縮したり弛緩したりして血液を心臓に送り返す働きがあり,全身の血行をよくすることから,歩く足は第二の心臓といわれています.
 このように,歩行は身体の機能を維持するうえで重要な役割を担っております.健康長寿を全うするためには,歩く機能がいつまでも保たれるよう,足のトラブルに対する予防が重要になります.
 本書では足の代表的なトラブルである外反母趾について述べました.外反母趾に関しては,これまで整形外科医の関心が薄く,一部の整形外科の足の外科専門医によって研究が進められてきました.しかし,研究対象の多くは百数種類以上あるといわれている外反母趾の手術療法であり,外反母趾の成因,保存的治療についての記載はさほど多くはありません.そのため,十分な保存的治療もなく,手術療法が行われてきた傾向があると思います.
 また,足のトラブルを主訴に外来を受診する患者さんに外反母趾について十分理解していただくには長時間の説明が必要で,後の患者さんを長時間待たせてしまいます.
 そこで,本書では一般の人にもわかりやすく,研修医,臨床医,理学療法士,フットケア看護師の方々がすぐ対応できるような実際的な保存的治療について具体的な方法を記述しました.本書をもとに患者さんに説明していただければ,外反母趾について容易に理解していただけると考えます.本書がそのために少しでもお役に立てば幸いです.
 なお,本書作成にあたってご指導をいただきました名古屋市立大学名誉教授 松井宣夫先生,名古屋市立大学病院リハビリテーション部教授 和田郁雄先生に感謝申し上げます.また,本書の編集に大変ご尽力をいただきました株式会社 診断と治療社 編集部長 堀江康弘様に感謝いたします.


 2011年8月
岡崎南病院整形外科部長
柴田義守