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書籍詳細

在宅・訪問リハビリテーション
リスク管理実践テキスト改訂第2版診断と治療社 | 書籍詳細:リスク管理実践テキスト改訂第2版
ホスピタリティに基づく医療サービス

健康大学健康科学部理学療法学科

石黒 友康(いしぐろ ともやす) 監修

有限会社 訪問看護リハビリテーションネットワーク

大森 豊(おおもり ゆたか) 監修

改訂第2版 B5判 並製 198頁 2012年11月30日発行

ISBN9784787819925

定価:3,300円(本体価格3,000円+税)

治療中心に効率的に仕組まれた医療施設を離れ,文字通り孤軍奮闘を余儀なくされる在宅リハビリテーションの世界において,利用者・家族との心の通った関係性を築きつつ,いかにリスクを回避して医療専門職者としての職務を全うするかを具体的に示す.高齢化社会の進展とともにますます重要性を増す当分野におけるパイオニア的書籍の堂々改訂版.理学療法士はもちろん,看護師,管理栄養士など,介護医療に携わるすべての人々の必読書である.

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目次

PART I 総 論
1 在宅・訪問リハビリテーションにおけるリスク管理の目的(牧田光代)
 A. 訪問リハの法的背景
 B. 医療と生活の場におけるリハビリテーション
 C. 在宅・訪問リハビリテーションにおけるリスク
 D. リスク管理の歴史
 E. 安全管理マニュアルの作成と職員教育
 F. まとめ
2 在宅・訪問リハビリテーションにおけるリスク管理の必要性(平野康之)
 A. 医療事故・訴訟の動向と現場の課題
 B. リスクマネジメント
 C. 在宅・訪問リハビリテーションにおけるリスク管理
 D. リスク管理の準備
3 在宅・訪問リハビリテーションにおける事故の実際(平野康之)
 A. 在宅・訪問リハビリテーションにおける事故の現状
 B. 医療事故に関わる法的責任
 C. 医療事故における訴訟の傾向と対策
 D. 在宅・訪問リハビリテーションにおける具体的なリスク管理対策
4 他職種との連携におけるリスク管理(大森 豊)
 A. 在宅・訪問リハビリテーションの現場での連携
 B. 書類などにおける連携上のリスク
 C. ルールの確立
 D. 各職種との付き合い方のポイント
5 ホスピタリティ・接遇・人間関係(八木麻衣子)
 A. 在宅・訪問リハビリテーションにおけるホスピタリティ概念の重要性 B. 顧客満足と在宅・訪問リハビリテーション
 C. 症例提示

PART II 各 論
6 フィジカルアセスメント(大森祐三子)
 A. 訪問時のフィジカルアセスメントの実際(準備から記録まで)
 B. 基礎知識
 C. フィジカルアセスメントからわかる症状
 D. モニタリング機器
 E. 医療処置への注意点
 F. 感染予防
7 与薬に関する注意事項(長津雅則)
 A. 服用時点
 B. 剤 形
 C. 薬の効果持続時間
 D. コンプライアンスを保つ工夫
 E. コンプライアンスを向上させること
8 摂食・嚥下障害と脱水および低栄養─在宅高齢者に対する食の危機の発見(佐藤悦子)
 A. 摂食・嚥下障害
 B. 脱水および低栄養の危険:高齢者が食べられない時の対応
9 転倒の評価(森尾祐志)
 A. 転倒歴
 B. 起立性低血圧
 C. 視力障害
 D. 歩行能力
 E. バランス能力
10 住環境・住宅設備(野中 聡)
 A. 住環境整備の概念
 B. 住環境整備におけるリスクと要因
 C. 支援プロセスに沿ったリスク管理
 D. 整備のポイント

PART III 疾患特異的な観察
11 心疾患(安藤 誠・大森 豊)
 A. 心疾患患者のリスク管理とモニタリング
 B. 症例紹介
12 呼吸器疾患(北川知佳)
 A. 急性増悪とは
 B. 問 診
 C. 息切れの評価
 D. 息切れと低酸素血症
 E. 喀痰の評価
 F. 視診・触診
 G. 聴 診
 H. その他の観察
13 糖尿病(石黒友康)
 A. 在宅・訪問リハビリテーションにおけるトラブル
 B. 血糖自己測定
 C. 血糖コントロールの指標
14 整形外科疾患(新井健司・大森 豊)
 A. 整形外科疾患に対して訪問リハビリテーションを行う前に
 B. 悪性新生物の骨転移による病的骨折に対するリスク管理
 C. 外傷による骨折のリスク管理
 D. 整形外科疾患におけるリスク管理の症例提示
15 脳血管疾患(齋藤崇志)
 A. 脳血管障害患者の医学的リスクと転倒リスク管理の必要性
 B. 脳血管障害患者の医学的リスク
 C. 脳血管障害患者の医学的リスク管理とモニタリング
 D. 医学的リスクの関連要因
 E. 在宅CVA患者の医学的リスク管理の実際
 F. 脳血管障害患者の転倒リスク管理
16 神経難病(小林量作)
 A. 神経難病の在宅・訪問リハビリテーション
 B. 神経難病に共通したリスク管理
 C. 各疾患別リスク管理

PART IV 付 録
訪問リハビリテーション実施の訪問看護ステーションにおける
アクシデント・インシデント報告集計(平野康之)
 A. 調査方法
 B. 結 果
 C. 考 察
索 引

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序文

改訂版への序

初版発行から3年を経て,このたび改訂版を上梓することができた。
初版で提示した基本的な視点に基づく編集方針を認めていただけたものと感謝している。当改訂版でも前版と同様,PART I総論,PART II各論,PART III疾患特異的な観察,PART IV付録(アクシデント・インシデント報告集計)の構成に変更はないが,執筆者諸氏の努力によって綿密にアップデートがはかられ,内容はさらに充実できたものと自負している。特に,疾患特異的な観察では,より実際に即した記載とするため日々現場で奮闘している執筆者に参加してもらい,章によっては全面的な書き直しを行った。読者諸賢にその臨場感が伝わることを祈っている。
改訂版の副題は「ホスピタリティに基づく医療サービス」とした。単に医療技術を提供するのではでなく,利用者・ご家族とのよりよい関係性を築くべく,「相手を思いやる心」を大切にしつつ,医療専門職としての実践を期待するものである。

2012年11月

監修者