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甲状腺専門医ガイドブック 改訂第2版診断と治療社 | 書籍詳細:甲状腺専門医ガイドブック 改訂第2版

日本甲状腺学会 編集

改訂第2版 B5判 無線 388頁 2018年12月07日発行

ISBN9784787823885

定価:7,150円(本体価格6,500円+税)
  

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甲状腺専門医試験のテキストとしてだけでなく,日々の診療でも活用できるよう,甲状腺診療の専門医として必須の知識を,主要な甲状腺疾患だけでなく,倫理,安全管理,リスクマネージメントまで包括的に解説.項目ごとに「一般目標・到達目標」が一目でわかる構成はそのままに,初版発行から2年を経て,甲状腺臨床をアップデートするべく薬剤や検査,治療等に関して最新情報に内容を更新したほか,あらたに「甲状腺ホルモンと骨代謝」「福島県県民健康管理調査の甲状腺調査結果」を追加した.

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目次

カラー口絵
序文
序文(初版)
『甲状腺専門医ガイドブック 改訂第2版』の活用について
編集委員会・執筆者一覧
各項目研修目標一覧
略語一覧

Ⅰ 甲状腺の基礎
1.解剖,組織学
2.甲状腺ホルモンの合成
3.甲状腺ホルモンの分泌調節
4.甲状腺ホルモンの代謝
5.甲状腺ホルモンの作用
6.甲状腺と自己免疫
7.甲状腺と放射線
8.甲状腺とヨウ素代謝

Ⅱ 甲状腺の臨床
《総論》
1.疫学
2.甲状腺疾患の診かた:病歴の聴取と理学的所見 (身体所見・甲状腺所見の取り方)
3.甲状腺疾患の分類と重症度
4.甲状腺疾患の診断
 ①甲状腺機能検査
 ②甲状腺ホルモン輸送蛋白
 ③甲状腺自己抗体,サイログロブリン
 ④画像診断
 1)超音波
 2)甲状腺腫瘍と紛らわしい超音波所見
 3)CT,MRI
 4)シンチグラフィ
 5)FDG-PET/CT
 ⑤組織診・細胞診
 ⑥遺伝子診断
5.甲状腺疾患の治療
 ①薬物療法(甲状腺クリーゼと粘液水腫性昏睡は除く)
 ②放射線治療
 ③手術療法
 ④インターベンション(PEIT,ラジオ波など)

《各論》
1.甲状腺中毒症と甲状腺機能亢進症
 ①Basedow病
 ②破壊性甲状腺中毒症
 ③亜急性甲状腺炎
 ④無痛性甲状腺炎
 ⑤機能性甲状腺結節
 ⑥その他の甲状腺中毒症 
2.甲状腺機能低下症
 ①原発性甲状腺機能低下症
 ②中枢性甲状腺機能低下症
 ③その他の甲状腺機能低下症
3.甲状腺炎
 ①慢性甲状腺炎(橋本病)
 ②急性化膿性甲状腺炎
 ③亜急性甲状腺炎
 ④無痛性甲状腺炎
4.甲状腺腫瘍および腫瘍性病変
 ①良性腫瘍(濾胞性腫瘍)
 ②甲状腺悪性腫瘍
 ③腺腫様甲状腺腫
 ④甲状腺悪性リンパ腫
5.小児甲状腺疾患
 ①先天性甲状腺疾患
 ②後天性甲状腺疾患
 ③小児甲状腺腫瘍(嚢胞,結節を含む)
6.甲状腺疾患と妊娠
7.出産後の甲状腺機能異常
8.薬剤性甲状腺機能異常
9.甲状腺眼症(Basedow病眼症)
10.加齢と甲状腺疾患
11.甲状腺疾患と心臓
12.甲状腺疾患と糖・脂質代謝
13.甲状腺疾患の救急医療
 ①甲状腺クリーゼ
 ②粘液水腫性昏睡
14.甲状腺ホルモンと骨代謝
15.潜在性甲状腺機能異常症とそのリスク
16.多発性内分泌腫瘍症2型
17.自己免疫性内分泌腺症候群
18.甲状腺ホルモン受容体異常症
19.甲状腺疾患の遺伝医療
20.非甲状腺疾患(non-thyroidal illness:NTI),低T3症候群

Ⅲ 臨床研究に関する倫理
1.臨床研究に関する倫理

Ⅳ 安全管理・リスクマネージメント
1.安全管理

Ⅴ トピックス
1.IgG4関連甲状腺疾患
2.甲状腺癌の分子標的治療
3.福島県 県民健康調査における甲状腺検査後の小児・若年者甲状腺癌について

索引

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序文

序 文

 この甲状腺専門医ガイドブックは,日本甲状腺学会の専門医資格の基本となる知識を集大成し,専門医制度委員長の伊藤光泰先生を編集委員長として多くの先生方のご協力を得て2016年の8月に第一版を発刊することができました.これまでに約3,000部が発行され大変好評を得ております.このガイドブックは専門医受験の際のテキストとなるばかりでなく,専門医をお持ちの先生方にとっても日常臨床の「バイブル」となっていることと存じます.
 今回の改訂は初版からまだ2年しか経っておりませんが,甲状腺臨床をアップデートするべく薬剤や検査,治療等に関して最新情報に内容を更新するというものです.さらに新たに「14:甲状腺ホルモンと骨代謝」「トピックス3:福島県 県民健康管理調査における甲状腺検査後の小児・若年者甲状腺癌について」の章を追加し内容をより充実致しました.
 新たな専門医制度が2018年の4月から開始され,19基本領域に内科や外科などがあり,2階部分のサブスペシャリティとして「内分泌学会」があります.「内分泌学会」の専門医には「内分泌代謝専門医」がありますが,内分泌代謝疾患全般の専門医であり,「内科」「小児科」「産婦人科」「脳神経外科」「泌尿器科」に分かれています.甲状腺学会は内分泌学会の分科会として活動していますが,1,000万人とも言われる甲状腺疾患にはより専門的な診療が可能な「甲状腺専門医」が必要とされています.
 例えば,レボチロキシンNa(チラーヂンSRなど)は世界でも最も処方数の多い薬剤のひとつですが,患者様からは,「甲状腺専門医でない先生が処方している」という不安の声が実際に聞こえてくるくらいです.
 このガイドブックを1人でも多くの先生方が手にとって,甲状腺疾患に興味を持っていただき,甲状腺専門医を取得していただければ幸甚です.

2018年10月
日本甲状腺学会 理事長
山田正信


序 文(初版)

 日本甲状腺学会専門医認定制度は,甲状腺学の進歩に即する優れた甲状腺診療の専門医の認定とその継続的な教育をはかり,疾病の克服に貢献するために2004年に開始された.その創設には,当時の学会理事長であった森 昌朋先生と,今回の甲状腺専門医ガイドブックの編集委員長である伊藤光泰先生を中心とした専門医制度委員会の多大なご尽力があった.当初154名が専門医として認定されたが,2015年7月現在,専門医581人,認定施設200を数えるに至り順調に発展を遂げている.
 専門医認定規程として,以下の資格条件を全て満たすものとすることが定められている.
(1)本学会の会員歴が5年以上であり,かつ甲状腺臨床に関する十分な業績のある,日本国医師免許証を有する者.
(2)専門医認定の申請時に,甲状腺を専門とする医師として学会に登録する者.
(3)甲状腺に関する充分な症例の診療を行っている者.
(4)本学会認定の生涯教育・専門医教育を過去5年間に4回以上受講している者(この内,1回はバーチャル甲状腺カレッジ修了証での代用可).
(5)審査料と受験料を本学会に払い込みの者.
 さらに,専門医として認定されるには本学会が施行する専門医試験に合格することが必要であり,毎年秋に専門医試験を行ってきた.専門医試験の運営は,専門医制度委員会と試験検討委員会によって作成および運営されているが,専門医試験を受けるためのガイドブックの必要性が指摘されていた.このような状況下で,専門医制度委員会によって甲状腺専門医ガイドブックの企画が起案されて今回の書籍発刊となった.
 同ガイドブック作成に関する具体的な内容は,現専門医制度委員長である伊藤光泰先生を中心とする専門医制度委員会と試験検討委員会によって立案されている.執筆に当たっては甲状腺学会員の総力を挙げて行われ,編集委員や学会評議員の査読も経ている.何事においても基本が重要であるが,本書では基礎知識を重視し必須レベルに到達できるように考慮されている.また,倫理的事項,安全管理・リスクマネージメントが含まれており,専門医制度に対応した包括的な構成になっている.さらに,トピックスの項も設けられて最新の内容を提供することが意図されており,今後定期的に改訂を重ねて行くことになると考えられる.
 2015年卒業の医学生を対象とした新専門医制度が開始されるが,それを見据えた対応が甲状腺専門医制度にも必要と考えられる.甲状腺専門医を目指す医師にとって,本書が文字通り有用なガイドになることを願っている.また,すでに専門医資格を有する医師にとっても専門医更新や日常診療における知識のアップデートに必ずや役立つと考えられる.ひいては,甲状腺専門医制度の拡充・発展がもたらされ,甲状腺疾患臨床への貢献につながることを祈念している.

2016年7月
日本甲状腺学会 理事長
赤水尚史


『甲状腺専門医ガイドブック 改訂第2版』の活用について

 甲状腺疾患は頻度の高い機能異常症や甲状腺腫など日常臨床でよくみられる疾患から稀な疾患まで多彩であり,その臨床現場では幅広い知識が求められます.また食事に含まれる必須の微量元素であるヨウ素や放射線被ばくの影響など一般の人が抱く様々な疑問にも専門医は適切に答える必要があります.健診・人間ドックでの超音波検査やPET/CTの検査の広がりは無自覚の甲状腺の形態異常を以前より頻繁に検出することになり,その結果専門外来への紹介が増加しています.日本甲状腺学会の専門医認定制度は2004年から開始され当初の154名から2018年9月現在661名まで増加し,当初の目的であった各都道府県に甲状腺臨床に携わる専門医がいることで地域の医療ニーズに応える状態をほぼ達成するにいたっています.専門医として認定されるには日本甲状腺学会が主宰する専門医試験に合格する必要があり,またその資格の更新には甲状腺学会開催時に行われる生涯教育・専門医教育セミナーを受講する必要があります.これらに加えバーチャルカレッジも利用し甲状腺専門医の研修,受験ならびに更新に役立ててきました.しかしながら,これまでの経験症例やこれらのセミナーで得られる知識では甲状腺専門医に求められる基準の達成には十分ではないと考えます.専門医教育および生涯教育が今まで以上に充実して行われるように2016年に甲状腺専門医ガイドブックを発刊し,制度の充実および研修目標の設定を行いました.今回の第2版では初版の内容を見直し,その後の甲状腺学の進歩にもあわせてさらなる充実を図りました.また用語の統一をはかることで用語集としての役割を果たせるよう目指しました.専門医の取得を目指す方もすでに専門医をお持ちの方も,来春刊行予定で準備中の専門医問題集と合わせて専門医の知識の向上と生涯学習の一助として役立てていただきたいと編集委員一同で願っています.

2018年10月
日本甲状腺学会専門医制度委員長
伊藤光泰