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書籍詳細

日本小児科学会予防接種・感染症対策委員会編
子どもの予防接種診断と治療社 | 書籍詳細:子どもの予防接種

日本小児科学会予防接種・感染症対策委員会 編集

初版 A4判 並製 208頁 2020年04月27日発行

ISBN9784787824004

定価:5,720円(本体価格5,200円+税)

  

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日本小児科学会予防接種・感染症対策委員会編による,予防接種のバイブルがついに完成!アメリカCDCのPink Bookをモデルに,予防接種を実施するうえで理解しておくべき基本の知識を網羅.日本の予防接種の実情に即した,まさに「日本版Pink Book」といえる1冊です.本書の要点をまとめたスライド付きで,教育資材としても活用いただけます.予防接種に携わるすべての医師必携の書!

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目次

発刊によせて
はじめに
執筆者一覧
スライドのダウンロード方法・使用方法
略語一覧

第Ⅰ部 総 論
1 予防接種の意義と免疫……岡田賢司
2 予防接種の一般的推奨……齋藤昭彦
3 配慮が必要な小児の予防接種……中野貴司
4 ワクチンの安全性……勝田友博
5 ワクチンの管理方法……藤岡雅司
6 日本小児科学会からの提言……岡田賢司

第Ⅱ部 各 論
1 インフルエンザ菌b型……石和田稔彦
2 肺炎球菌……菅 秀
3 B型肝炎……大城 誠
4 ロタウイルス……津川 毅
5 ジフテリア……清水直樹/中野貴司/岡田賢司
6 破傷風……吉良龍太郎
7 百日咳……岡田賢司
8 ポリオ……中野貴司
9 結 核……石羽澤映美/東 寛
10 麻 疹……多屋馨子
11 風 疹……多屋馨子
12 ムンプス(おたふくかぜ/流行性耳下腺炎)……細矢光亮
13 水 痘……吉川哲史
14 日本脳炎……宮﨑千明
15 ヒトパピローマウイルス……森内浩幸
16 インフルエンザ……楠原浩一
17 A型肝炎……宮入 烈
18 髄膜炎菌……神谷 元
19 黄 熱……中野貴司
20 狂犬病……中野貴司

付 録
1 これまでの日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュール
2 日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュール
3 日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュール 標準的接種期間・日本小児科学会の考え方・注意事項
4 予防接種チェック表・インフルエンザ予防接種チェック表
5 予防接種後副反応疑い報告書
6 日本小児科学会推奨の予防接種キャッチアップスケジュール
7 定期接種対象外の年齢小児(15歳未満)へのワクチン接種
8 任意接種ワクチンの小児(15歳未満)への接種
9 日本小児科学会の考え方・提言・見解;HP掲載情報
10 2004年以降に提出した日本小児科学会からの要望書(予防接種推進専門協議会の要望書も含む)
11 各測定法における風疹HI抗体価「1:8以下」「1:16以下」に相当する抗体価

索 引

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序文

■発刊によせて

 ワクチンがすべての医薬品のなかで最も多くの病気を防ぎ,命を救ってきたことは疑いようがない.私たち小児科医にとって,少しでも多くの子どもたちに必要とされるワクチンをすべて接種してあげることは,最も重要な使命の1つである.
 ワクチン後進国であった日本が,近年になって接種できるワクチンの種類だけは増えてきたものの,大切なワクチンが任意接種のままであったり,日本独自の接種ルールが存在したり,根拠もなくワクチンの副反応を恐れたりする風潮が続いたりしており,実質的にはまだまだ遅れが目立つ.その一因として,ワクチンの有効性や安全性を一般の方々にわかりやすく伝えるツール,そして接種医に具体的・実務的にワクチンのことやワクチン接種のノウハウを解説するツールが不足していることがあげられる.日本小児科学会が,前者に対応するために作成したのが「知っておきたいわくちん情報」であり,後者に対応するために作成したのが本書である.
 アメリカではCenter for Disease Control and Prevention(CDC)が発行しているEpidemiology and Prevention of Vaccine-Preventable Diseases(別名Pink Book)の日本版ということになる.Pinkとは元々「撫子(ナデシコ)」の意味だそうで,大切な愛おしい子どもたちを救うためのワクチンを解説する本書の別名として実に相応しいものだと思う.接種医が安心して自信をもってワクチンを接種していくための一助となれば幸いである.

2020年3月

日本小児科学会予防接種・感染症対策委員会 担当理事
森内浩幸
楠原浩一
東  寛


■はじめに

 この度,「子どもの予防接種」を日本小児科学会予防接種・感染症対策委員会のメンバーで作成できたことを大変光栄に思う.
 本書は,アメリカCDCが発行するEpidemiology and Prevention of Vaccine-Preventable Diseases(通称Pink Book)を参考にして作成された.ご存じの通り,Pink Bookは,アメリカで予防接種の実践のバイブル的な本であり,予防接種を実施する際の基本的な情報を網羅しており,接種者のよりどころとして,広く使われている.しかしながら,国内では,予防接種に関する多くの書籍が存在するものの,予防接種実践のバイブル,よりどころとなる書籍は存在しない.
 2017年から,日本小児科学会は,アメリカ小児科学会と共同で,Immunization Education Programの活動を開始した.その活動のなかで,保護者に向けた啓発ツールとして「知っておきたいわくちん情報」の作成をまず行った.その次に,日本小児科学会から接種者に対する教育活動として,日本小児科学会が発行する予防接種に関する教科書を発行する企画を立て,日本小児科学会の予防接種・感染症対策委員会で審議し,本書を作成することとした.その作成には,本委員会のメンバーの多大なる尽力をいただいた.
 本書の目的は,日本において予防接種を実施するうえで,接種者に対して,正しい基本的情報を提供することである.本書に記載の内容は,国内の予防接種の実践のスタンダードであることを意識した記載となっている.また,予防接種の制度に関しては,法律上の言葉が多く,わかりにくい表現が多い傾向にあるが,これをできるだけ平易な言葉で記載することを心がけた.さらには,アメリカのPink Bookにあるように,本書の要旨をまとめたスライドを作成した.接種者のみなさまが各地域で予防接種関連の教育の材料として使用していただければ幸いである.
 最後に,短期間にもかかわらず,編集の労をとってくださった診断と治療社の瀬崎杏奈さん,坂上昭子さん,土橋幸代さん,日本小児科学会事務局で作成のための作業を行ってくださった宮城美保さん,高相百里さんに心から感謝申し上げたい.

 本書が,日本の子どもたちの予防接種の実践に役立ち,そのバイブルとなることを祈って.

2020年3月

「日本小児科学会予防接種・感染症対策委員会編 子どもの予防接種」編集委員
齋藤昭彦
中野貴司
岡田賢司