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書籍詳細

カラーアトラス 臨床解剖学に基づいた
新版 産婦人科手術シリーズⅢ診断と治療社 | 書籍詳細:新版 産婦人科手術シリーズⅢ DVD

京都大学名誉教授

藤井 信吾 (ふじい しんご) 総監修/責任著者

公益財団法人 田附興風会 医学研究所 北野病院

関山 健太郎 (せきやま けんたろう) 共著者

東京慈恵会医科大学特命教授

落合 和徳(おちあい かずのり) 共著者

初版 B5判 並製 192頁 2016年11月15日発行

ISBN9784787821683

定価:本体18,000円+税 電子書籍はこちら
  

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産婦人科のさまざまな手術において,正確な解剖学的知識に裏打ちされた手術操作を体内構造を明らかにしたわかりやすいイラストを交えて解説することで好評を得た前シリーズ.新シリーズ最終巻となる第3巻は,「子宮筋腫核出術」や「腟式単純子宮全摘術」,「子宮脱・膀胱脱・直腸脱の手術」,「外陰部・骨盤底・鼠径部の解剖」,「付属器の手術」などについて記載.付録DVDでは,「子宮脱の手術」と「子宮筋腫核出術」の約2時間の手術動画を収録した.

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目次

はじめに   
著者略歴   

子宮筋腫核出術
1 子宮筋腫の治療に対する手術術式
2 術前検査
3 術前対策
4 開腹の方法
5 核出術の要点
6 核出術中の出血軽減法
7 手術の進め方
8 癒着防止剤の投与
9 閉腹

外陰部の解剖
1 女性外性器の構造
2 会陰の構造
3 肛門周囲の筋群
4 外陰部・骨盤底の脈管・神経支配

骨盤底の解剖
1 骨盤底の構造
2 腟の構造
3 骨盤内臓器の下垂

鼠径部の解剖
1 外陰部,鼠径部,恥骨周辺の脈管,神経系

腟式手術の臨床解剖
1 腟式の手術を解説するにあたって

腟式単純子宮全摘術
1 手術時の体位

子宮脱・膀胱脱・直腸脱の手術
1 腟式単純子宮全摘術
2 膀胱縫縮術
3 前腟壁形成術
4 後腟壁形成術

腟閉鎖術—ルフォー手術
1 腟閉鎖術の適応と問題点
2 手術手技

バルトリン腺囊腫 造袋術・摘出術
1 バルトリン腺囊腫造袋術(marsupialization)
2 バルトリン腺囊腫摘出術(cystectomy)

単純外陰摘出術(simple vulvectomy)
1 単純外陰摘出術の手術手順

付属器の手術 Ⅰ
1 付属器の解剖学
2 付属器切除術(salpingo-oophorectomy, adnexectomy)

付属器の手術 Ⅱ
1 卵管摘出術(salpingectomy)
2 卵巣摘出術(oophorectomy),卵巣楔状切除術(wedge resection of ovary)

付属器の手術 Ⅲ—1
1 囊胞摘出術(cystectomy,enucleation)

付属器の手術 Ⅲ—2
1 広間膜に発生した卵巣囊腫の摘出(removal of intraligamentous cyst)

円錐切除術/LEEP法
1 子宮頸部円錐切除術(conization of uterine cervix)
2  Sturmdorf縫合
3  LEEPコニゼーション

索引
付録DVDについて

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序文

 『臨床解剖学に基づいた 新版 産婦人科手術シリーズIII』は,婦人科手術の基本的手技の中で,シリーズI, IIで述べなかったものをまとめたものである.

 子宮筋腫核出術,外陰部・骨盤底・鼠径部の解剖,腟式手術,子宮脱・膀胱脱・直腸脱の手術,外陰の手術,付属器の手術,その他の手術手技を記載している.

 腟式手術は,外陰・腟側から見た骨盤内の解剖の理解が重要である.できるだけ詳細に腟側から見た膀胱,子宮頸部・体部,子宮を支える各靱帯と血管の走行を描写した手術書としたつもりである.また,いずれの項の手術も,基本的な手技と思われるものを記載したつもりである.手術は基本的な考え方をしっかり構築して,さまざまな応用問題をいかに安全に解答していくかが問われるのである.基本をしっかりと持って,各症例の状況に応じて手術のシミュレーションができれば,必ず応用編にも対応できるものであると考えている.

 婦人科手術の傾向は,低侵襲手術の方向に大きく舵取りがきられ,腹腔鏡下手術,ロボット支援腹腔鏡下手術の時代となっている.腹腔鏡下の手術は術野の拡大が可能で,組織,血管が極めてよく見える状態で手術ができる.これは大きな長所である.手術において見えている組織に手術操作を加えることに比べて,よく見えてない組織に盲目的に行う操作との間には,安全性に大きな差異がある.触診ができないことと,やや遠隔操作という欠点に慣れれば多くの術者には腹腔鏡下の手術は福音となる手術である.しかし,拡大して見える視野での操作を繰り返すと,徐々に視野の狭い範囲での手術操作に移行していることがある.全体像を把握しながら局所を的確に処理していくことが開腹手術と同様に腹腔鏡下手術でも常に求められるのである.

 シリーズI, II, IIIの記述は,開腹手術中における図版を用いての手術説明になっているが,かなり細かく血管や神経の分布を記載したつもりである.腹腔鏡下手術やロボット支援手術などにおいて,細かい手術操作を進める際にきっと役に立つ手術書になるものであると思っている.開腹手術のみならず腹腔鏡下手術でもこの手術シリーズの活用を期待している.

 また,シリーズIIIには,ビデオとして「子宮筋腫核出術のアプローチのいろいろ」と「子宮脱・膀胱脱・直腸脱の手術」を付録とした.できるだけ生の手術に近い形で録画しているので,非常にうまくできている面とそうでない面が含まれているビデオである.批判的に見ていただき,参考になるところは参考にしていただければ幸いである.

 人間であるからには完璧なことはできない.しかし,常に反省する心を持って手術に臨めば徐々に完璧に向かって向上するはずであると考えている.私は,まだまだ,その途上である.

平成28年11月      京都大学名誉教授
藤井信吾