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書籍詳細

小児アレルギーシリーズ

食物アレルギー診断と治療社 | 書籍詳細:食物アレルギー

国立成育医療センター研究所免疫アレルギー研究部長

斎藤 博久(さいとう ひろひさ) 監修

国立病院機構相模原病院臨床研究センターアレルギー性疾患研究部長

海老澤 元宏(えびさわ もとひろ) 編集

初版 B5判 並製 232頁 2007年01月24日発行

ISBN9784787814869

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定価:本体5,700円+税
  

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アレルギーを専門としない内科医・小児科医,研修医必携 の小児アレルギーシリーズ第2弾.“食物アレルギー”診療 で知っておくべき全てを豊富な症例とともにオールカラーで 具体的,実践的に網羅.食物アレルギーに苦しむたくさんの 患者さんを救うための,明確な指針を示す待望の書.栄養士 をはじめ“食物アレルギー”にかかわるコメディカルの方々 や食物アレルギー児の保護者の方々にぜひ読んでいただきた い充実の1冊である.

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目次

小児アレルギーシリーズ 食物アレルギー

contents

総説
食物アレルギーをどうとらえるか……………………海老澤元宏

解説
1 食物アレルギーを理解する
 1. 食物アレルギーの疫学と原因食物………………今井孝成
 2. 食物アレルギーの発症と予後 …………………池松かおり
 3. 食物アレルゲンとその特徴………………………富川盛光
 4. 食物アレルギーのメカニズム…………………田知本 寛

2 診察・診断
 1. 問診・食物日記……………………………………宿谷明紀
 2. 食物抗原特異的IgE抗体との上手な付き合い方…小俣貴嗣
  1)検査項目の選び方
  2)検査結果の読み方
 3. 皮膚テストをどのように役立てるか……………緒方美佳
 4. ヒスタミン遊離試験は有用か…………………佐藤さくら
 5. 食物除去・負荷試験はどのように行うか……海老澤元宏

3 治療・予防
 1. 食物除去の指導
  1)確定診断時の対応……………………………海老澤元宏
  2)経過観察中の対応……………………………田知本 寛
 2. 食物アレルギーの薬物療法………………………今井孝成
 3. 食物アレルギーは予防できるか…………………緒方美佳

4 各アレルギーの特徴と対応
 1. 卵アレルギー……………………………………田知本 寛
 2. 牛乳アレルギー……………………………………今井孝成
 3. 小麦アレルギー……………………………………小俣貴嗣
 4. 大豆アレルギー……………………………………鈴木 誠
 5. ソバアレルギー……………………………………今井孝成
 6. ピーナッツ・ナッツ類アレルギー……………田知本 寛
 7. 魚アレルギー……………………………………海老澤元宏
 8. 甲殻類・軟体類・貝類アレルギー………………富川盛光
 9. 肉アレルギー……………………………………栗田富美子
 10. イモアレルギー…………………………………緒方美佳
 11. 果物アレルギー…………………………………杉井京子

5 日常生活の指導とケア
 1. アナフィラキシーへの予防と対応………………富川盛光
 2. アレルギー物質を含む食品表示…………………今井孝成
 3. 給食への対応と指示書の書き方…………………今井孝成
 4. 栄養指導・代替食の指導…………池田有希子・南谷典子

アドバイス
 食物アレルギー児をもつ母親のストレスと心理…海老澤元宏
 投与禁止薬物 ― 食物アレルギー児に使ってはいけない薬物
  ………………………………………………………杉崎千鶴子
 食物アレルギー児の予防接種………………………田知本 寛

トピックス
 アレルギーマーチ ― 食物アレルギー児の喘息発症
  …………………………………………………………井口正道
 経口インタールィは有効か ― 意義と役割……………井口正道
 経口抗アレルギー薬による喘息発症予防……………井口正道
 重症例 ― 多抗原陽性例への対応……………………井口正道
 遷延する食物アレルギーの見分け方…………………今井孝成
 食物依存性運動誘発アナフィラキシーの実態……海老澤元宏
 エピペンィの適応……………………………………佐藤さくら
 将来の食物アレルギー治療の可能性………………海老澤元宏

注意すべき症例…………………………………………海老澤元宏
 多抗原陽性乳児例 ― 低蛋白血症を呈した重症例
 アトピー性皮膚炎のコントロールが不十分で食物除去が過剰に
  指導されていた例
 IgE抗体の結果にて食物除去の指導がなされた例
   ― 心因が関与する例
 ウイルス性の胃腸炎により耐性化しつつある食物アレルギーが
  再燃した例
 不安神経症的な母親の例
 原因検索がなされなかった重症乳児アトピー性皮膚炎児

付録
 市販のベビーフード一覧………………池田有希子・南谷典子
 アレルギー対応食品一覧………………池田有希子・南谷典子
 鶏卵・牛乳・小麦・大豆除去の場合の献立例
  …………………………………………岡田由美子・南谷典子
 主要外皮用剤一覧
 植物および動物由来の食物アレルゲン一覧

 索引
【ミニコラム】
 耐性の獲得
 エピトープ(抗原決定基;epitope)
 食物アレルギーと思い込む前に!!
 アミノ酸乳
 ラテックスアレルギー
 環境整備
 ウェットラップセラピー

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序文

監修の序

 アレルギー疾患やアレルギー体質の保有率は増加を続け,
今や全国民の約30%が何らかのアレルギー疾患に罹患してい
るといわれている.とくに小児から青年にかけての罹患率の
増加は著しく,20歳代のアレルギー体質の保有率,すなわち
特異的IgE抗体陽性率は70~80%に達し,小学生の気管支喘息
の罹患率も10%を越えている.このような現状において,アレ
ルギーを専門としない小児科医や内科医がこれらの患者を診
察する機会が増えている.
 また,欧米での事情と異なり,わが国ではアトピー性皮膚
炎患者は皮膚科医,花粉症患者は耳鼻咽喉科医が診療を担当
するなど診療科別の診療が行われている.様々なアレルギー
症状を有する同一患者が複数の診療科を受診することも多い.
しかし,近年,アレルギー性鼻炎と気管支喘息が高頻度に合
併することや,アレルギー性鼻炎患者がウイルスに感染した
ときに喘息を発症することなどが多く報告されている.実際
にアレルギー疾患患者を診療する際には,小児科医や内科医
であってもアレルギー性鼻炎やアトピー性皮膚炎に関する知
識をもつことは大変重要なことであると認識されつつある.
種々のアレルギー疾患治療ガイドラインは本来,非専門医が
アレルギー診療を行う参考として策定されたものである.し
かし,改訂を重ねる度に,臨床研究における種々の成果やエ
ビデンスがほとんど箇条書きに近い状態で記載されるように
なり,非専門医が一読して理解できる内容ではなくなりつつ
ある.
 そこで,専門領域の異なる医師やコメディカルが日常診療
において様々な病型の小児アレルギー疾患患者を診察する際
に,ベッドサイドで要点が理解できる参考書的な本の作成を
めざして,[小児アレルギーシリーズ]を企画した.本シリ
ーズでは,「喘息」(編集:東京慈恵会医科大学小児科講師
 勝沼俊雄),「食物アレルギー」(編集:国立病院機構相
模原病院臨床研究センターアレルギー性疾患研究部長 海老
澤元宏),「アトピー性皮膚炎」(編集:国立成育医療セン
ター第一診療部アレルギー科医長 大矢幸弘),の三大小児
アレルギー疾患とともに,近年,小児期でも増加している
「花粉症と周辺アレルギー疾患」(編集:国立成育医療セン
ター研究所免疫アレルギー研究部長 斎藤博久)の四つの巻
に分けてテーマを組んだ.執筆者としては各分野における第
一人者の専門家を選定し,非専門医のみならず研修医,看護
師や薬剤師などコメディカルの方々でも理解していただける
よう高度な内容でも噛み砕いた表現を心がけた記載を依頼し
た.外来,クリニックで,小児期の様々なアレルギー疾患患
者の診療を行うときに是非,役立ていただきたい.
 
2006年10月

国立成育医療センター研究所免疫アレルギー研究部
斎藤博久


食物アレルギー

編集の序

 わが国における食物アレルギーの疫学も明らかになってき
ており,患者数は国民の約2%程度と推定されている.乳児
では約10人に1人の食物アレルギー患者がいるようである.
したがって食物アレルギーの正しい知識をもつことは一般臨
床医として必須のことになってきている.とくに食物アレル
ギーの頻度の高い年齢層を診察する小児科医や,食物アレル
ギーに関連する症状として頻度の高い皮膚症状を扱う皮膚科
医にとっては的確な対応が求められている.しかし,現実は
乳児期のa痒の強い慢性の湿疹が乳児湿疹として取り扱われ
原因の検索がなされずに患者・保護者ともに生活の質の悪化
により疲れ果てているケース,逆に食物に対するIgE抗体の
結果だけで指導が行われているために生活の質が悪化してい
るケースなど問題は山積している.食物アレルギーの場合に
は保育園・幼稚園・学校での対応も問題となり,コメディカ
ルの方々にも正しい知識をもっていただく必要がある.しか
し食物アレルギーに対する認識の足りない方や逆に必要以上
に恐れてしまう方なども多く,正しい知識が普及していると
は言えないようである.

 そのような現状を踏まえて,厚生労働科学研究班から小児
から成人までの食物アレルギーの診療の基本原則を簡潔でわ
かりやすく示した「食物アレルギーの診療の手引き2005」を
2005年10月に公開した.その素案を作ったのは国立病院機構
相模原病院の小児アレルギーグループのスタッフであり,今
回,[小児アレルギーシリーズ]の1分冊として「食物アレ
ルギー」を企画することになったのをうけて,われわれの施
設で行っている食物アレルギーに対する診療の実際や症例を
紹介しながら食物アレルギーの解説書を作ろうと考えた.食
物アレルギーは喘息などと異なり施設ごとに若干の考え方の
違いもまだ見られるので,国立病院機構相模原病院小児アレ
ルギーグループのOBを含めたスタッフだけですべてカバーさ
せていただいた.
 基本コンセプトとしては一般臨床医の日常診療にすぐに役
立つよう各論においては症例を挙げて実践的でわかりやすく,
診療に必要なことはすべてこの1冊を読めばわかるという本に
したいと考えて企画した.
 食物アレルギーの診療のエッセンスを凝縮した「食物アレ
ルギーの診療の手引き2005」の解説書のような位置づけとし
て,第一線で食物アレルギー患者の診療にあたる先生方,あ
るいはコメディカルの方にお役に立てば幸いである.

2007年1月

国立病院機構相模原病院臨床研究センターアレルギー性疾患研究部
海老澤元宏