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書籍詳細

難治性てんかんの外科治療プラクティカル・ガイドブック診断と治療社 | 書籍詳細:難治性てんかんの外科治療プラクティカル・ガイドブック

国立精神・神経センター武蔵病院手術部長

大槻 泰介(おおつき たいすけ) 編集

前国立病院機構静岡てんかん・神経医療センター診療部長

三原 忠紘(みはら ただひろ) 編集

国立病院機構西新潟中央病院副院長

亀山 茂樹(かめやま しげき) 編集

国立病院機構長崎医療センター脳神経外科部長

馬場 啓至(ばば ひろし) 編集

初版 B5判 並製 266頁 2007年01月30日発行

ISBN9784787815583

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定価:本体7,000円+税
  

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「手術で治るてんかん」について術前評価,臨床像,診断 ・治療,手術から予後,リハビリテーションまですべてを豊 富なカラー写真とともにくまなく網羅.てんかんの外科治療 をはじめたい,さらに詳しく知りたい脳外科医はもちろん, 小児神経科,神経内科,精神科医などてんかん診療にかかわ る医師,および医療関係者必読の書.

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目次

contents

第1章 てんかんとは何か
1.てんかん発作の症候学……………………………大槻泰介
2.てんかん焦点の病理………………………………柿田明美

第2章 てんかんの診断と薬物治療
1.成人てんかんの診断と薬物治療…………………井上有史
2.小児てんかんの診断と薬物治療…………………須貝研司

第3章 てんかんの手術適応
1.成人てんかんの手術適応…………………………亀山茂樹
2.小児てんかんの手術適応…………………………馬場啓至

第4章 手術で治療可能なてんかん――臨床像と診断・治療
1.内側側頭葉てんかん
1) 海馬硬化を伴う内側側頭葉てんかん
      ……………………………………馬場好一・三原忠紘
2) 病変を伴う内側側頭葉てんかん
      ……………………………………仲間秀幸・大槻泰介
2.大脳皮質てんかん
1) 限局性皮質異形成……………………………亀山茂樹
2) 腫瘍性病変……………………………………松田一己
3) 海綿状血管腫…………………………………森岡隆人
4) 瘢痕脳回………………………………………大槻泰介
3.小児の難治性てんかん
1) infantile spasms・West 症候群
      ……………………………………小野智憲・馬場啓至
2) Lennox -Gastaut 症候群………小野智憲・馬場啓至
3) 片側巨脳症……………………………………須貝研司
4) Sturge-Weber 症候群……………貴島晴彦・加藤天美
5) Rasmussen 症候群……………………………小国弘量
6) 視床下部過誤腫………………………………亀山茂樹

第5章 てんかんの術前評価
1.てんかん外科の基本戦略…………………………三原忠紘
2.てんかん外科適応症例の脳波……木下真幸子・池田昭夫
3.てんかん外科適応症例の脳磁図……大石 誠・亀山茂樹
4.てんかん外科適応症例の神経画像………………松田一己
5.発作時ビデオ脳波モニタリング……松本理器・池田昭夫
6.小児・乳幼児てんかんのビデオ脳波モニタリング
    ……………………………………………………浅野英司
7.慢性頭蓋内脳波記録…………………馬場好一・三原忠紘
8.皮質刺激による脳機能マッピング………………星田 徹
9.MRIによる脳機能マッピング……………………川合謙介
10.神経心理検査……………………………………鈴木匡子
11.小児の発達評価…………………………………加我牧子

第6章 てんかんの手術――手技と治療予後
1.側頭葉てんかんの手術
1) 選択的扁桃体海馬切除術……………………三原忠紘
2) 側頭葉内側病変の切除手術…………………大槻泰介
2.大脳皮質てんかんの手術
1) 皮質切除術……………………………………亀山茂樹
2) 軟膜下皮質多切術(MST)……………………清水弘之
3) 前頭葉てんかんの手術………………………三原忠紘
4) 頭頂・後頭葉てんかんの手術………………大槻泰介
3.小児てんかんの手術
1) 小児てんかんの切除手術………戸田啓介・馬場啓至
2) 脳梁離断術……………………………………馬場啓至
3) 半球離断術・多葉離断術……………………大槻泰介

第7章 てんかん外科の心理・社会的予後
1.小児脳の可塑性と術後の発達……………………松坂哲應
2.てんかん外科と高次脳機能障害……増田 浩・亀山茂樹
3.てんかん外科と情動・精神症状…………………松浦雅人
4.術後のリハビリテーション………………………井上有史

■ 資料
1.てんかんの国際分類………………………………井上有史
2.わが国におけるてんかん外科の現状……………渡辺英寿
3.新しいてんかん外科治療の可能性………………大槻泰介
4.てんかん医療の支援制度………………………久保田英幹

索引

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序文

序文

 わが国では,毎年約6万人のてんかん患者が新たに発生し,
うち20%が薬物で発作の抑制が困難な難治性てんかんとされ,
毎年少なくとも3.3%(約2,000人)のてんかん患者が外科治
療を必要とすると推定されている.一方てんかん外科手術は
全国でいまだ年間500例前後と,本来必要とされる手術数の数
分の1に満たず,わが国では多くの本来外科治療で治癒可能な
難治てんかん患者が,いまだ適切な医療を受けられずに様々
な発達,教育,就業,および社会生活上の困難に遭遇している
ことが推測される.
 私どもはてんかん医療に従事する者として,てんかんの外科
治療に関する情報を社会に向けより広く発信することが現在与
えられた責務と考える次第である.
 本書は,第29回日本てんかん外科学会(2006年1月19~20日,
さいたま市,会長:大槻泰介)の際行われた「てんかん外科教
育セミナー」の講師が中心となり,てんかんの外科治療に関す
る,正確,簡明,かつ実際的なガイドブックをめざして編纂さ
れたものである.読者対象としては,小児神経科,神経内科,
精神科,脳神経外科などてんかん診療に関与する医師,および
医療関係者を想定し,正確で客観的な視点から,わかりやすく
かつ実際の診療に役立つように紹介することを意図している.
 今回,紙面の都合上,執筆依頼の人選を限らざるを得なかっ
たことに忸怩たる思いがあるが,本書を通しわが国のてんかん
外科の現状の一端が,少しでも明らかにされるなら幸甚である.
 難治性てんかんでは,長期にわたり繰り返されるてんかん発
作がゆえに,発達脳においては様々な機能障害が生じ,これに
教育・学習の機会が奪われることによる心理社会的障害が積み
重なる.さらに,成人においては就業の機会が失われることに
よる社会経済学的損失も計りしれない.したがって,てんかん
の診断と治療においては,「手術で治るてんかん」の早期発見
と早期治療こそが,私どもに課せられた重要な課題と考える.
 本書を通し,てんかん外科治療の適応とその実効性に関する
情報が広く社会に知れ渡り,少しでも早く難治性てんかんの患
者に適切な医療が行き渡ることを願うものである.

2007年1月

大槻泰介
三原忠紘
亀山茂樹
馬場啓至