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新子どもの事故防止マニュアル改訂第4版診断と治療社 | 書籍詳細:新子どもの事故防止マニュアル改訂第4版

前 国立保健医療科学院生涯保健部長

田中 哲郎(たなか てつろう) 著

改訂第4版 B5判 並製  2007年10月05日発行

ISBN9784787816047

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定価:本体5,800円+税
  

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今回の改訂では,新たに「事故防止指導プログラムの効果的活用法」を第8章として追加し,小児救急のガイドラインを中心に,全章にわたり事故の疫学データを一新した.

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目次

目次

新版改訂第4版序文
新版序文
初版序文


第1章 子どもの事故対策の必要性
 1 事故対策の必要性
  A 事故による死亡数
  B 少子社会
  C 防止可能
  D 費用対効果
  E 国際比較
  F 事故発生率の推移
  G 諸外国における事故対策
 2 事故の定義
 3 事故の分類


第2章 子どもの事故の疫学
 1 死亡統計
  A 死亡数および死因順位
0歳/1~4歳/5~9歳/10~14歳/各歳ごとの死亡数と死因順位および割合/1~14歳までのおもな疾患別死亡数/交通事故/不慮の溺死/不慮の窒息
  B 年次推移
年齢階級別の推移/事故種類別にみた年齢別の年次推移
  C 地域差
総数/0歳/1~4歳/5~9歳/10~14歳
  D 損失生存可能年数(YPLL)
平成13年のYPLL/YPLL率/男女別のYPLL/YPLL率の年次推移
  E 国際比較
  国別の事故死亡率/年齢階級別の事故死亡率
 2 死亡に至らない事故
  A 患者調査
推計患者数/受療率/年間入院患者数/年間受診回数/死亡者1名当たりの入院,外来患者数/受療率の年次推移
  B 乳幼児事故の全国調査
年齢,性別/発生時刻および曜日/来院方法/受傷時の診療科/傷害名/傷害部位/傷害の程度/処置見込み/後遺症の有無/事故内容/事故発生場所/事故発生時の保護者の状況/調査結果よりみたわが国の事故の現状
  C 保育園での事故
年齢およびクラス別の発生件数/月別発生件数/曜日別発生件数/時刻別発生件数/事故発生場所/事故のおもな原因/原因行動/おもな原因物質/傷害名/傷害部位/受診科/傷害の程度
  D アンケート調査による事故発生頻度
年齢別の事故発生頻度/事故の種類別発生頻度/障害を受けた部位/事件を起こした原因/事故発生時の行動/事故発生の原因物質/事故の発生場所/事故に対する処置/防止の可能性についての保護者の考え/わが国におけるその他の事故調査
  E 健診機会を利用した事故調査
乳児の医療機関受診事故頻度/幼児の医療機関受診事故頻度
  F 厚生労働省健康被害モニター


第3章 子どもの事故対策の現状と経済的損失
 1 わが国の子どもの事故対策の現状
  A 1歳6か月児の家庭における事故対策
窒息対策/誤飲対策/溺水対策/転落・転倒対策/熱傷対策/はさむ・切傷対策/交通事故対策/基本的事項
  B 3歳児の家庭における事故対策
窒息対策/溺水対策/転倒・転落対策/はさむ・切傷事故対策/交通事故対策/熱傷対策/誤飲対策/基本的事項
  C 家庭での事故対策の総合的実施率
  D 子どもの周辺の環境整備
安全な家を確保するための基本的な事項/居間・食卓/浴室・洗面所/トイレ/寝室・子ども部屋/階段・廊下/ベランダ・窓/玄関/まとめ
  E 市町村の事故の取り組み
 2 事故サーベイランス
  A 事故サーベイランスの必要性
  B わが国のサーベイランス実施の問題点
  C わが国において実施可能なサーベイランス
一次調査/二次調査/今後のわが国のモニタリングについて
 3 事故による経済的損失
  A 事故による経済的損失
  B 医療費の支出
  C 県別の事故による人的な被害および経済的損失
  D 県別にみた事故による死亡率,ランキングと超過死亡数
総数/0歳/1~4歳/5~9歳/10~14歳/事故による超過死亡数の試算


第4章 事故防止対策
 1 事故防止の歴史と理論
 2 年齢別にみた事故の特徴と原因
  A 0歳
人口動態統計/傷害名/部位/事故の程度/事故内容/発生場所/保護者の状況
  B 1歳
人口動態統計/傷害名/部位/事故の程度/事故内容/発生場所/保護者の状況
  C 2歳
人口動態統計/傷害名/部位/事故の程度/事故内容/発生場所/保護者の状況
  D 3歳
人口動態統計/傷害名/部位/事故の程度/事故内容/発生場所/保護者の状況
  E 4歳
人口動態統計/傷害名/部位/事故の程度/事故内容/発生場所/保護者の状況
  F 5歳
人口動態統計/傷害名/部位/事故の程度/事故内容/発生場所/保護者の状況
 3 年齢別事故の具体的な注意点
  A 誕生から5か月まで
転落/切傷・打撲/窒息/熱傷/日射病/交通事故/
  B 6~11か月
転落/誤飲/熱傷/溺水/交通事故/切傷・打撲/はさむ事故/火災
  C 1~2歳
転落/窒息/溺水/熱傷/交通事故/誤飲/切傷
  D 3~5歳
転落/熱傷/溺水/交通事故
 4 発生場所別事故と防止対策
  A 台所
台所の事故例/防止対策
  B 浴室
溺水の例/防止対策/熱傷の例/防止対策/転落の例/防止対策
  C 階段
転落の例/防止対策
  D ベランダ,窓
転落の例/防止対策
  E 玄関
打撲・骨折・切創の例/防止対策
  F 洗面所,トイレ
誤飲の例/溺水の例/熱傷の例/防止対策
  G 居間
防止対策
 5 事故の種類と防止対策
ベビーベッド/交通事故/浴室での溺水/誤飲/ストーブ/階段/窓/バルコニー/ドア/ガラス戸・ガラス窓/ベビーカー/ハイチェア/おもちゃ/自転車/ポット
 6 安全グッズによる事故防止
コンセントカバー/コーナーガード/ビデオデッキカバー/ドアクッション/衝突緩衝ラバー/両開き用ドアロック/コードロール/ガスコンロスイッチカバー/階段からの転落防止柵/薬ビンの難開性キャップ/引き出し・引き戸ロック/ストーブガード/引き出し・ドアロック


第5章 事故防止対策の実践
 1 事故防止方法
  A 事故防止の方法論
  B 子どもへの安全教育
  C 安全教育の開始時期とその実際
 2 健診の機会を利用した事故防止指導
  A 健診の機会を利用したプログラムとは
  B プログラムの内容
  C 実施方法
  D 健康会場での実施の際の手順
チェックリスト完全対応パンフレットによる指導/個別指導/集団指導
安全チェックリストと指導のポイント
母親・両親学級用/1か月児健診用/3~4か月児健診用/6か月児健診用/9か月児健診用/1歳児健診用/1歳6か月児健診用/3歳児健診用
 3 パンフレット郵送による事故防止
7~12か月用/13~17か月用
 4 保育園用事故防止プログラム
  A 保育園用事故防止プログラムとは
  B プログラム内容
  C 実施方法
  D プログラムの特徴
  E プログラムの効果
事故防止パンフレット
 5 家庭内の点検プログラム(Home Safety 100)
 6 幼児用安全教育プログラム
 7 応急手当プログラム
 8 事故プログラムの組合せ
 9 地域における事故防止活動
  A 県レベルでの事故防止活動
子どもの事故実態調査/事故防止事業/事業内容/健診の機会の利用/セーフティセンターの設置/情報発信/各諸機関における事故防止への役割
  B 中央での事故防止活動のサポート


第6章 諸外国における事故対策の現状
 1 アメリカ
  A 国立事故防止センター(NCIPC)
  B 事故防止センター(セーフティセンター)
  C SAFE KIDS
 2 イギリス
  A CAPTの活動
  B 政府の活動
 3 北欧諸国
  A スウェーデン
  B ノルウェー
  C デンマーク
 4 オーストラリア


第7章 応急処置
 1 事故対策としての応急処置
 2 応急処置の普及度
  A わが国における応急処置の普及度
  B 心肺蘇生法の普及度
 3 保護者への応急処置法および指導のポイント
  A 外傷
創傷の処置/打撲傷の処置
  B 止血法
一時的止血方法/永久的止血方法/出血時の処置
  C 溺水
事故現場での初期治療/医療機関での治療
  D 異物
異物処置の原則/気道異物/誤飲
  E 熱傷
受傷現場での処置/病院での治療
  F 心肺蘇生法
心肺蘇生法とは/気道確保/呼吸の有無の確認/人工呼吸/胸骨圧迫(心臓マッサージ)/胸骨圧迫(心臓マッサージ)と人工呼吸の関係/AED(自動体外式除細動器)を用いた蘇生
 4 事故と虐待の鑑別


第8章 事故防止指導プログラムの効果的活用法
 1 事故防止指導のプログラム
  A 「事故防止の必要性」のリーフレット
  B 「安全チェックリスト」と「事故防止のポイント」のリーフレット
  C 「家庭内の絵」を用いた事故防止指導
  D 家庭内安全点検(ホームセーフティ 100)
 2 母子保健事業などの機会を利用した事故防止指導
  A 母子保健事業を利用した事故防止の指導
  B 母子健康手帳交付
  C 母親教室・両親学級
  D 家庭訪問
  E 3~4か月児健診,9~10か月児健診,1歳6か月児健診,3歳児健診
  F 育児教室,子育てサロン

索引

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序文

新版改訂第4版 序文

 新子どもの事故防止マニュアル改訂第3版が出版されてから,4年を経過したことより疫学データを新しいものに変更し,厚生労働省研究班によりまとめられた母子保健事業のための事故防止指導マニュアルの中から指導プログラムと指導メニューを加え,心肺蘇生法のガイドラインの変更に伴ってこの部分を書き換えるなど改訂を行った.
 1995年に本書の前身である子どもの事故防止マニュアルが出版されてから,既に暦が一回りした.この間に,事故による死亡率は減少をみたが,入院,外来受診事故の発生率はそれほど減少しておらず,事故防止が進んだか聞かれるとイエスとはいえないのが残念である.しかし,京都市や北九州市に事故防止センターが設置され,少しずつ子どもを大切にすることに関心が集まりつつあるがまだ充分とはいえない.
 このような中で少子化が社会問題となり,また医療費削減が話題になっているが,本書の中で述べたように事故防止はこの二つの問題に対しても大いに貢献すると考えられる.
米国の国立事故防止センターで日本での事故防止が進まないのはどうしてであろうとの話が出たことがあった.この際,日本の企業は事故防止を応援しないのかと不思議そうに尋ねられた.確かにウィーンで開催された国際事故学会において,演題集を入れるバックはわが国の自動車トップメーカーが寄付したものが配られていた.米国において一流の企業の役割は,株主や従業員に対して責任を果たすことおよび社会に貢献すること,また人間としてなすべきことは,仕事を一生懸命する,家族を守る,人生を楽しむ,地域貢献をすることだと話され,このため企業も個人も事故防止活動などに積極的に参加するとの話を聞き,わが国はまだ成熟した国に達していないと感じ,この辺が変らないと,わが国の事故防止活動も大きく進まないのではと思われた.同時に少し余談になるが,グローバル化の中で,わが国においても市場競争原理を導入すべきだと力説する経済学者,一部の財界人が見られるが,企業は地域や社会に貢献することが必要だということをなぜ言わないのか不思議に感じられた.
 子どもや高齢者の事故防止に関心が集まり,社会を挙げて事故防止に取り組まれるようになってこそ,わが国が真の意味で先進国になったと言えるのではないだろうか.この秋にWHOはWorld Report on Child and Adolescent Injury Preventionを発表するとされ,子どもの事故防止は先進国のみならず全世界で取り組むべき課題になっている.
 わが国においても社会を上げて事故防止活動を行い,子ども達に安全をプレゼントしたいものである.
 事故研究にご協力頂いた全ての先生方に感謝の気持ちを表し,序文にします.

 平成19年8月
 田中 哲郎