HOME > 書籍詳細

書籍詳細

ポンペ病(糖原病Ⅱ型)診断と治療社 | 書籍詳細:ポンペ病(糖原病Ⅱ型)
Pompe disease:Current Diagnosis and Treatment

東京慈恵会医科大学遺伝病研究講座教授

衞藤 義勝(えとう よしかつ) 編集

初版 B5判 並製 184頁 2009年05月20日発行

ISBN9784787817075

正誤表はPDFファイルです.PDFファイルをご覧になるためにはAdobe Reader® が必要です  
定価:本体5,000円+税
  

立ち読み機能は、ただ今準備中です  


2007年より酵素補充療法が開始されたポンペ病について,病因・病態,診断,さらに症例報告まで幅広く盛り込んだ初の成書.今後のポンペ病研究の第一歩となる一冊.

関連書籍

ページの先頭へ戻る

目次

ポンペ病(糖原病Ⅱ型)

contents

Pompe disease: Current Diagnosis and Treatment

口絵カラー  
執筆者一覧  
はじめに  


1 ポンペ病の概要と歴史

 1.ポンペ病の概要と歴史
 ………………………………………衞藤義勝  


2 病因と病態

 1.細胞病理
 ………………………………………門間一成,西野一三   
 2.酸性α-グルコシダーゼとポンペ病
 ………………………………………櫻庭 均,菅原佳奈子   
 3.遺伝子変異
 ………………………………………辻野精一,金澤直美   
 4.病態(動物モデルを含む)
 ………………………………………辻 省次   


3 臨床症状

 1.ポンペ病の分類と類似症状をもつ疾患
 ………………………………………埜中征哉   
 2.乳児型ポンペ病
 ………………………………………田中あけみ   
 3.小児型ポンペ病
 …………………………………大野耕策,井上岳彦,藤井裕士   
 4.成人型ポンペ病
 ………………………………………大矢 寧   


4 診 断

 1.臨床症状と臨床検査
 ………………………………………酒井規夫   
 2.画像診断(CT,MRI,X線,超音波)
 ………………………………………大澤真木子,石垣景子   
 3.心病変
 ………………………………………藤原優子   
 4.呼吸病変
 ………………………………………小林博司   
 5.筋電図
 ………………………………………鈴木幹也,川井 充   
 6.筋生検による病理診断
 ………………………………………三橋里美,西野一三   
 7.生化学的診断
 ………………………………………福田冬季子,杉江秀夫   
 8.遺伝子診断
 ………………………………………中島 孝,小澤哲夫   
 9.出生前診断
 ………………………………………小田絵里,奥山虎之   
 10.新生児マス・スクリーニング
 ………………………………………小田絵里,奥山虎之   


5 鑑別診断とガイドライン
 
 1.乳児型ポンペ病
 ……………………………………… 辻野精一   
 2.小児型・成人型ポンペ病
 ………………………………………川井 充   


6 治 療
 1.酵素補充療法
 ………………………………………井田博幸   
 2.対症療法
  1)呼吸障害
 ………………………………………川井 充   
  2)食事療法
 ………………………………………大野耕策   
  3)リハビリテーション
 ………………………………………川井 充   
 3.遺伝子・細胞治療
 ………………………………………大橋十也   


7 症例呈示

 1.乳児型
 ………………………………………古賀靖敏   
 2.小児型
 ………………………………………石垣景子,大澤真木子   
 3.成人型
 ………………………………………森まどか,村田美穂   


8 付 録

 1.代表的な診断依頼施設
 ………………………………………小林博司   
 2.患者支援組織
 ………………………………………野上邦子   


索 引

ページの先頭へ戻る

序文

はじめに 
 
 ポンペ病(Pompe disease)はライソゾーム病であり,また糖原病II型でグリコーゲンが蓄積する疾患である.1932年にPompeにより発見され,その後1963年にden Hersの研究によりはじめてライソゾーム病の概念が打ち立てられた.ポンペ病は乳児期に発症する乳児型,小児期,成人期に発症する小児型・成人型に分けられる.
 ポンペ病は1932年にPompeにより見出され,今日で78年が経つ.この間1963年にHersによってポンペ病の酵素欠損が発見されて45年が経過し,3年前にはアメリカでポンペ酵素が承認された(2006年4月).わが国では2007年4月に承認され,治療が可能となった.
 特に乳児型のポンペ病は早期の酵素治療によって極めて良好な結果が得られており,治療により生存可能になった.また,遅発型では60歳頃に発症する患者もおり,早期からの治療により筋力低下,呼吸障害を予防できる可能性がでてきた.
 早期診断のためのスクリーニング法の開発も重要である.台湾では乾燥濾紙血を用いた新生児マス・スクリーニング法が施行され,特に乳児型では早期治療に成功していることから,わが国でもポンペ病の早期スクリーニングの導入が望ましい.しかしながら,小児型・成人型の患者もスクリーニングによって発見される可能性があり,倫理的問題も含めて大きな問題も内在する.すなわち乳児期に小児型・成人型を診断することによって,いつ発症するかわからない疾患をスクリーニングするという倫理性が問われる問題が出てきたわけである.したがって,今後よりきめ細かい遺伝カウンセリング体制の整備と,学会内,国民間での合意が必要となる.
 3年前に治療法がやっと開発され,ポンペ病患者には大きな福音となった.しかし,ポンペ病の病態はまだまだ分からない部分が多く,またポンペ病を知る小児科医,神経内科医は少ない.
 本書は上述したような状況を踏まえ,医療従事者にポンペ病について啓蒙し早期の診断と治療ができるよう,ポンペ病に造詣の深い先生方にご執筆をお願いして,ポンペ病の臨床像,病態,診断法,治療法をまとめたものである.ポンペ病患者の診療に従事する医療従事者に広く本書を利用していただければ幸いである.
 
 2009年4月吉日
 衞藤義勝