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必携脳卒中ハンドブック改訂第2版診断と治療社 | 書籍詳細:必携脳卒中ハンドブック改訂第2版

富山大学附属病院神経内科 教授

田中 耕太郎(たなか こうたろう) 編集

富山大学附属病院神経内科 准教授

高嶋 修太郎(たかしま しゅうたろう) 編集

改訂第2版 A4判 並製 422頁 2011年06月30日発行

ISBN9784787817969

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定価:本体13,000円+税
  

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08年3月刊行の初版を「脳卒中治療ガイドライン2009」に準拠して改訂.プライマリケア医が高頻度に遭遇する神経疾患=脳卒中診療の最新知見を詳述.主対象は,脳卒中診療を目指す若い医師(初期・後期研修医),日本脳卒中学会専門医を目指す医師.臨床現場で役立ち,常時,手元や病棟に置いて短時間で要点が把握でき,病態・診断・治療が論理的かつ明瞭に理解できるように配慮・構成された,優れたハンドブック(手引書).

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目次

改訂第2版の序文
初版の序文
執筆者一覧

第I部 総論:病型分類と各疾患の概略
 1 脳の解剖 高嶋修太郎
 2 主要脳動脈領域の症候 田中耕太郎
 3 脳卒中の病型分類 後藤 淳 / 高木 誠
 4 画像診断の基礎
  A 頭部CT 野口 京
  B 頭部MRI 百島祐貴
  C 頭部MRA 百島祐貴
  D 脳血流測定
   1 Xenon-CT,CT perfusion,MR perfusion 野川 茂
   2 SPECT,PET 中川原譲二
  E 超音波検査 矢坂正弘
 5 脳梗塞
  A アテローム血栓性脳梗塞 足立智英 / 高木 誠
  B 心原性脳塞栓症 高嶋修太郎
  C ラクナ梗塞 奥田 聡
  D その他の脳梗塞 高嶋修太郎 / 石川達也 / 北川泰久
  E 一過性脳虚血発作(TIA) 田中耕太郎 / 島津智一 / 荒木信夫
 6 脳出血
  A 高血圧性脳出血 小林紀方 / 安井信之
  B 脳血管奇形 桑山直也
 7 くも膜下出血 藤中俊之 / 吉峰俊樹
 8 その他の脳卒中関連疾患
  A 慢性硬膜下血腫 板倉 徹
  B 脳静脈・静脈洞血栓症 濱田潤一
  C 動脈解離 山脇健盛
  D もやもや病(Willis動脈輪閉塞症) 野川 茂
  E 脳アミロイド・アンギオパチー 石田千穂 / 山田正仁
  F MELAS 飯塚高浩
  G CADASIL,CARASIL 永田栄一郎
 9 若年者の脳卒中 高嶋修太郎
 第I部 文  献

第II部 臨床の実際
 1 脳卒中初期診療手順と救急処置・救急隊との連携 奥寺 敬
 2 脳卒中患者の診察の実際
  A 問診のポイント 竹川英宏 / 平田幸一 / 今井 明
  B 内科的診察法 竹川英宏 / 平田幸一 / 今井 明
  C 神経学的診察法 星野晴彦
  D 脳卒中関連スケール 寺山靖夫
 3 脳卒中救急:一般検査と意義 畑 隆志
 4 脳卒中のプライマリケア
  A 呼吸の管理 田口芳治
  B 血圧の管理 田口芳治
  C 合併症対策 道具伸浩
  D 脳卒中関連症状への対応 青木賢樹
  E 嚥下障害,栄養,輸液 一條眞琴
 5 病型別の急性期および慢性期の治療方針の概略
  A 脳梗塞
   1 アテローム血栓性脳梗塞 森 真由美 / 緒方利安 / 岡田 靖
   2 心原性脳塞栓症 杉山幸生 / 宮下光太郎
   3 ラクナ梗塞 大鳥達雄 / 片山泰朗
   4 脳静脈・静脈洞血栓症 島津智一 / 荒木信夫
  B 脳出血 石原秀行 / 鈴木倫保
  C くも膜下出血 詠田眞治 / 佐々木富男
 6 画像検査で病巣が確認できない場合の考え方と対応 髙木繁治
 7 治療開始後も症状が進行する場合の考え方と対応 山村 修
 第II部 文  献

第III部 脳卒中の治療
 1 内科的治療
  A 脳梗塞急性期治療
   1 血栓溶解療法 長尾毅彦
   2 脳保護療法 長尾毅彦
   3 抗血小板療法 前田哲也 / 長田 乾
   4 抗凝固療法 前田哲也 / 長田 乾
   5 脳浮腫管理 玄 富翰 / 成冨博章
   6 血液希釈療法 玄 富翰 / 成冨博章
   7 低体温療法 成冨博章
  B 脳梗塞慢性期治療
   1 危険因子の管理と再発予防 大槻俊輔 / 松本昌泰
   2 抗血小板療法 内山真一郎
   3 抗凝固療法 内山真一郎
   4 脳循環代謝改善薬 西山康裕 / 片山泰朗
   5 抗うつ薬 西山康裕 / 片山泰朗
  C 高血圧性脳出血の非手術的治療 棚橋紀夫
 2 外科的治療
  A 虚血性脳卒中の手術的治療 林 央周 / 遠藤俊郎
  B 虚血性脳卒中の血管内治療 桑山直也
  C 出血性脳卒中の外科的治療 寳金清博 / 中山若樹
 第III部 文  献

第IV部 リハビリテーション
 1 概念・評価方法 大塚友吉 / 里宇明元
 2 急性期のリハビリテーション 新藤恵一郎 / 里宇明元
 3 回復期・維持期のリハビリテーション 水野勝広 / 里宇明元
 第IV部 文  献

第V部 脳ドックと無症候性病変への対応
 1 未破裂脳動脈瘤 小林祥泰
 2 無症候性脳梗塞 小林祥泰
 3 無症候性脳出血 小林祥泰
 4 無症候性頸部および脳主幹動脈狭窄・閉塞 小林祥泰
 第V部 文  献

第VI部 脳卒中専門医に必要な基礎的トピックス
 1 脳循環代謝 髙橋愼一
 2 血液脳関門 棚橋紀夫
 3 血管内皮細胞機能 棚橋紀夫
 4 血小板 / 血液凝固系の病態 棚橋紀夫
 5 虚血性脳組織傷害の機序 田中耕太郎
 6 脳血管性認知症 髙尾昌樹
 第VI部 文  献

第VII部 脳血管障害の疫学・社会医学
 1 疫学:死亡率,発症率,わが国の特徴,年次推移 清水高弘 / 長谷川泰弘
 2 stroke care unitとstroke unit 橋本洋一郎 / 稲富雄一郎 / 平野照之
 3 脳卒中地域連携パスと脳卒中診療ネットワーク 橋本洋一郎 / 米原敏郎 / 寺崎修司
 4 患者支援体制,福祉介護 中山博文
 5 医療経済・医療保険・包括医療制度(DPC) 長谷川泰弘
 第VII部 文  献

第VIII部 脳卒中専門医制度
 日本脳卒中学会認定専門医の概要,試験制度 福内靖男

付  録
 経静脈的血栓溶解療法(rt-PA)の実際 吉村壮平 / 緒方利安 / 岡田 靖
 付録 文  献

索  引
 一般事項索引
 画像関連索引
 薬物関連索引

用語解説
top of the basilar syndrome(脳底動脈先端症候群) 田中耕太郎
中脳視床症候群(mesencephalothalamic syndrome)
 (中脳動脈症候群〈the syndrome of the mesencephalic artery[Segarra]〉) 田中耕太郎
MLF症候群(内側縦束症候群) 田中耕太郎
one-and-a-half症候群 田中耕太郎
leuko-araiosis(白質希薄化) 野口 京
T2 shine through現象 百島祐貴
intraarterial signal 百島祐貴
磁化率強調画像 百島祐貴
HITS(high intensity transient signal) 矢坂正弘
境界領域梗塞 足立智英 / 高木 誠
出血性梗塞 高嶋修太郎
striate-capsular infarction 高嶋修太郎
cryptogenic stroke(潜因性脳卒中) 高嶋修太郎 / 石川達也 / 北川泰久
spectacular shrinking deficit(SSD) 田中耕太郎 / 島津智一 / 荒木信夫
架橋静脈(bridging vein) 板倉 徹
notch3 永田栄一郎
GOM(顆粒状オスミウム好性物質) 永田栄一郎
片頭痛 永田栄一郎
偽性球麻痺(pseudobulbar palsy) 星野晴彦
Mingazzini試験 星野晴彦
視床性失語症(thalamic aphasia) 星野晴彦
脳血管性パーキンソニズム(vascular parkinsonism) 星野晴彦
閉じ込め症候群(locked-in syndrome) 星野晴彦
無動性無言(akinetic mutism) 星野晴彦
栄養サポートチーム(nutrition support team ; NST) 一條眞琴
脳血管攣縮(cerebrovascular spasm) 詠田眞治 / 佐々木富男
症候性正常圧水頭症(symptomatic normal pressure hydrocephalus)
詠田眞治 / 佐々木富男
一過性全健忘(transient global amnesia ; TGA) 髙木繁治
アスピリンレジスタンス(aspirin resistance) 前田哲也 / 長田 乾
international normalized ratio(INR) 前田哲也 / 長田 乾
SAPPHIRE研究 桑山直也
神経内視鏡(neuroendoscopy)と脳卒中 寳金清博 / 中山若樹
STICH(テント上脳内出血に対する外科治療のRCT) 寳金清博 / 中山若樹
Spetzler & Martinのgrade 寳金清博 / 中山若樹
normal perfusion pressure breakthrough(NPPB)とintracerebral steal phenomenon
寳金清博 / 中山若樹
くも膜下出血のgrade 寳金清博 / 中山若樹
balloon occlusion test(Matas test) 寳金清博 / 中山若樹
遅発性神経細胞死(delayed neuronal death) 田中耕太郎
虚血耐性現象(ischemic tolerance) 田中耕太郎
post-ischemic hyperperfusion 田中耕太郎
therapeutic time window 田中耕太郎

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序文

改訂第2版の序文

本書の初版が出版された2008年3月以降,最近の3年間において,脳卒中診療の現場では数多くの重要な進歩があった.一つは脳卒中関連5学会合同による『脳卒中治療ガイドライン2004』がようやく2009年に更新され,『脳卒中治療ガイドライン2009』として同年11月30日に公表されたことである.同様に,日本高血圧学会による『高血圧治療ガイドライン2009』が2009年1月に,日本脳ドック学会による『脳ドックのガイドライン2008』が2008年10月に発表されている.
さらに,脳卒中に関連する多くの臨床エビデンスが発表され,日常臨床に大きなインパクトを与えてきた.すなわち,2008年にECASS III,JELIS,MEGA とPRoFESS,2009年にRE-LYやSAMURAI ,2010年にはCSPS II,BAT,ICSS,CREST,ROCKET-AF,J-ACT IIやJ-MARS,2011年にはSCASTなど,脳卒中治療に関連する重要な大規模臨床試験ないし観察研究の結果が発表され,われわれの日常臨床に多大な影響を与えつつある.また,わが国における脳卒中急性期患者のデータベースとして構築されてきた脳卒中データバンク(Japan Standard Stroke Registry Study;JSSRS)の解析結果が『脳卒中データバンク2009』として2009年に出版されている.
2010年4月にはわが国でもMERCI Retrieval Systemが認可され,脳血管内治療の分野に大きな変革が今後予想されている.さらに2011年3月にはトロンビン阻害薬であるダビガトラン(プラザキサR)がわが国でも発売されるようになり,抗凝固療法にも今後大きな変化が予想される.また,脳卒中の地域連携パスが2008年に保険診療として認められ,2010年には診療所や200床未満の病院にも地域連携パスの診療報酬が付くようになった.
以上のように,わずか3年間ではあるが,脳卒中の分野で多くの進歩があり,この時期に本書の改訂版を出版することは,本書の編集者として喫緊の責務であると感じていた.また,初版における誤字,記載の不明瞭な部分について,今回読み返すことで新たに修正を加えることがで
きた.
医療は,社会一般の事象と同様に生き物であり,日々変化し進歩している.本書も,読者各位のご協力のもとで,今後も更新され成長していくことを願っている.

2011年5月
富山大学附属病院神経内科教授 田中耕太郎
富山大学附属病院神経内科准教授 高嶋修太郎



初版の序文

2004年3月にわが国で初めての脳卒中関連5学会合同による「脳卒中治療ガイドライン2004」が刊行され,2005年10月にはrt-PA(アルテプラーゼ)による経静脈的血栓溶解療法が認可され,さらに脳卒中診療地域連携パスの整備など,昨今の脳卒中診療は大きく変貌しつつあります.また,2003年から日本脳卒中学会専門医制度が発足し,毎年専門医試験によって多くの脳卒中専門医が全国に誕生するようになりました.一方,WHO(世界保健機構)による調査では,脳卒中はプライマリケア医が遭遇する頻度の高い神経疾患であり,どの地域においても上位3位以内に位置しています.脳卒中専門医のみならず一般医も,脳卒中患者に対する適切で最新の対応が求められています.
本書は,以上の状況から,これから脳卒中診療に携わろうとする若い医師(初期および後期研修医),さらには日本脳卒中学会専門医を目指す医師を対象に,実際の臨床現場で役立ち,いつも手元や病棟に置いて,短時間で各項目の要点が把握できる内容で,脳卒中の病態・診断・治療が論理的に明瞭に理解できるよう,最新情報を簡潔に示すハンドブックとして企画されました.
幸いにも,各項目を執筆された先生方は,本書の目的をよく理解され,日頃の臨床現場での豊富な経験に裏打ちされた最新情報をわかりやすく,かつ的確に示した玉稿を提出され,編集者として深甚の謝意を表したいと思います.編集者として,すべての原稿を拝読し,本書全体としての一貫性を維持するため,各執筆者にご協力いただいたことにも深く感謝いたします.今後も,脳卒中学の進歩や読者の方々からのご指摘,ご助言を受けて,本書を改訂していきたいと考えています.

2008年3月
富山大学附属病院神経内科教授 田中耕太郎
富山大学附属病院神経内科准教授 高嶋修太郎