HOME > 書籍詳細

書籍詳細

50の典型例で学ぶ小児の腎泌尿器疾患診断と治療社 | 書籍詳細:50の典型例で学ぶ小児の腎泌尿器疾患

関西医科大学小児科

金子 一成(かねこ かずなり) 編集

初版 B5判 並製 320頁 2011年06月10日発行

ISBN9784787818591

正誤表はPDFファイルです.PDFファイルをご覧になるためにはAdobe Reader® が必要です  
定価:本体6,200円+税
  

ご覧になるためにはAdobe Flash Player® が必要です  


小児科,小児外科において,臨床現場でよくみられる疾患を50に絞って,本書各論にて解説.それぞれ症例を呈示しての実践的な説明にこだわり,研修医・若手医師でも手軽に読める内容となっている.総論では,症候別の解説や腎疾患に関する最新の話題を入れた.320ページの分量ながら,短時間で読み終える簡潔なつくりとなっている.

関連書籍

ページの先頭へ戻る

目次

執筆者一覧/凡例
序文

Chapter1  総論 Ⅰ 症候論

1 腎性浮腫と非腎性浮腫…■山田 浩
2 高血圧の鑑別…■菊池 透
3 蛋白尿の鑑別…■木全貴久
4 血尿の鑑別…■大友義之
5 膿尿の鑑別…■蓮井正史
6 尿沈渣の意義…■小宮山 豊
7 無尿・乏尿の鑑別…■小杉山清隆,伊丹儀友
8 多尿をきたす疾患の鑑別…■有阪 治
9 小児の排尿異常…■武田正之,吉良 聡,羽根田 破,座光寺秀典,小林英樹,中込宙史,荒木勇雄
10 非特異的症状や腎外症状をきたす腎・泌尿器疾患…■金子一成


Chapter2  総論 Ⅱ 腎疾患に関する話題

1 肥満関連腎症…■岡田 満
2 ネフローゼ症候群の原因遺伝子…■飯島一誠
3 Alport症候群と家族性良性血尿の異同…■中西浩一,吉川徳茂
4 遺伝子異常による尿細管機能異常…■貝藤裕史,野津寛大
5 ネフロン癆…■竹村 司


Chapter3  各論 疾患編

Ⅰ 糸球体性腎疾患
1 無症候性血尿・無症候性蛋白尿…■土屋正己,柳原 剛,安藝 薫
2 急性糸球体腎炎…■辻 章志
3 急速進行性糸球体腎炎…■石原正行,藤枝幹也
4 慢性腎炎症候群…■中島 充
5 IgA腎症(非IgA型メサンギウム増殖性糸球体腎炎を含む)…■川崎幸彦
6 慢性腎症…■藤永周一郎,金井宏明… 83
7 膜性増殖性糸球体腎炎…■斉藤 陽,生駒雅昭
Ⅱ ネフローゼ症候群
8 ネフローゼ症候群(ステロイド感受性)…■服部益治
9 ネフローゼ症候群(ステロイド抵抗性)…■波多江 健
10 フィンランド型先天性ネフローゼ症候群…■齋藤 宏
11 Drash症候群…■中西浩一,吉川徳茂
12 Nail-Patella症候群…■服部元史,芦田 明
13 Fabry病…■飯野則昭,河野恵美子,成田一衛
Ⅲ 遺伝性糸球体性腎疾患
14 Alport症候群…■仲里仁
15 良性家族性血尿…■田中幸代
Ⅳ 全身性疾患に伴う腎炎
16 溶血性尿毒症症候群…■川村尚久
17 紫斑病性腎炎…■金子一成
18 ループス腎炎…■田中 完
19 TINU(間質性腎炎ぶどう膜炎)症候群…■澤井俊宏
20 ANCA(anti-neutrophil cytoplasmic antibody)関連腎炎…■石原正行,藤枝幹也
Ⅴ 腎尿細管/間質性疾患
21 間質性腎炎(TINUを除く)…■塚原宏一,桑門克治,武田修明
22 家族性若年性ネフロン癆…■坂野 堯
23 腎性糖尿…■太田和秀
24 腎性低尿酸血症…■大田敏之
25 腎性尿崩症…■芦田 明,玉井 浩
26/27 Bartter症候群/Gitelman症候群…■野津寛大
28 Dent病…■松山 健
29 Lowe症候群…■水沢慵一
30 Fanconi症候群…■渡辺 徹
31 偽性低アルデストロン症…■森本哲司,根東義明
32 尿細管性アシドーシス…■ 高橋和浩
33 シスチン尿症…■古江健樹,大田敏之
Ⅵ 腎不全
34 急性腎不全…■染谷朋之介
35 慢性腎不全…■上村 治
Ⅶ 腎発生異常
36 低形成/異形成腎(MCDK)…■松永 明
37 片腎…■和田桃子,山高篤行
38 多発性嚢胞腎(PKD)…■近藤秀治,香美祥二
39 水腎症…■坂井清英
Ⅷ 腎血管性疾患
40 ナットクラッカー現象…■高橋泰生…254
41 腎血管性高血圧…■池住洋平…259
Ⅸ その他の腎・泌尿器疾患
42 尿路感染症…■郭 義胤
43 膀胱尿管逆流現象/逆流性腎症…■島田憲次,松本富美,松井 太,山内勝治
44 夜尿症…■河内明宏,内藤泰行,三木恒治
45 尿路結石症…■林 祐太郎,安井孝周
46 陰嚢水腫(精巣水瘤)/停留精巣/精巣捻転症…■濱田吉則
47 包茎/亀頭包皮炎/膣前庭炎…■世川 修
48 神経因性膀胱…■中井秀郎
49 性分化疾患…■柴田浩憲,長谷川奉延
50 Wilms腫瘍(腎芽腫)…■池田 均
索引

ページの先頭へ戻る

序文

序  文


 医師国家試験に合格して初期研修を始めた先生や,小児科での専門研修を始めた先生に「苦手な分野は?」と聞くと,「腎泌尿器疾患」という答えが 1,2 番目に多い回答です.
 その理由を考えてみますと,「腎泌尿器疾患の臨床所見,検査所見の多様性ゆえ」ではないかと思います.腎機能と呼ばれるものには,医学生でもよく知っている「濾過による血液浄化作用」のほかに「体液の恒常性維持(体液量のみならず,酸塩基平衡調節,体液電解質量の調節)」や「内分泌器官としての役割(ビタミン D の活性化,エリスロポエチン産生,レニン産生)」など複雑かつ多彩な機能があるため,その機能異常,すなわち疾患においては,さまざまな全身症状を呈し,「この症状ならこの疾患」という「臨床所見と疾患名の 1 対 1 対応」がまず成立しないことが「とっつきにくい疾患分野」というイメージになっているものと思います.加えて,機能異常の原因も先天性要因(遺伝子異常や先天奇形)もあれば後天性要因(感染症,薬剤性,膠原病,腫瘍)もあるといったことも初学者の先生方には難解な臨床分野の印象を与えるものと思います.このような背景から,わが国には,研修医向けの小児腎疾患に関するテキストや雑誌の特集号は見かけますが,腎疾患と泌尿器疾患を網羅し,臨床の現場ですぐに活用できる実践的テキストは少ないようです.
 そこで今回,“臨床ですぐに役立つ初学者向けの小児の腎泌尿器疾患のテキスト“を発刊したいと考えました.発刊にあたっては,「本書の読者が忙しい診療の中で,まず目の前にいる患者さんを的確に診断し,適切な治療をすぐに開始できるようになる」ことを第一の目的にしました.そのため,分量的には長時間かけずに通読できるもので,しかも通読すれば,日常診療で遭遇するほぼ全ての小児腎泌尿器疾患は把握できるもの,という趣旨で企画を練りました.その結果,「編者が小児腎泌尿器疾患専門医として 30 年弱の間に診療経験のある 50 の疾患を,実際の症例を呈示しながら,診断,治療のプロセスを紹介すれば,もっとも効率の良い学習材料になる」という結論に到りました.そして編者の経験した疾患,あるいは鑑別にあげたことのある疾患を 50 に絞り込み,それらの疾患を論文や学会で発表されておられる先生方を検索し,その方たちに,該当する疾患の執筆依頼をさせて頂きました.急でわがままな原稿執筆依頼であったにも関わらず,すべての執筆者に発刊の趣旨を理解頂き,ご快諾頂けました.
 すべての項目の原稿を通読してみますと,ほぼ 30 時間で読破できるコンパクトな分量ですが,内容は最新のトピックスや知見,話題を盛り込んだ大変充実した内容になったと自負しています.本書が小児の腎泌尿器病学を学ぼうとされている初期研修医の先生や,小児科専門研修中の先生や総合小児科医として活躍されている先生方の診療や疾患理解の一助になれば望外の喜びです.また本書を読まれてお気づきの点やご意見がございましたら,ご一報頂きたく存じます.
 最後にこの企画を受け入れて下さった(株)診断と治療社,取締役企画部長・堀江康弘様,迅速な発刊に向けて尽力下さった編集担当・寺町多恵子女史に心より御礼申し上げます.

平成二十三年五月
関西医科大学小児科学教室 金子一成