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書籍詳細

症例で理解する
ベッドサイドの臨床薬理学診断と治療社 | 書籍詳細:ベッドサイドの臨床薬理学

自治医科大学医学部臨床薬理学教授

藤村 昭夫(ふじむら あきお) 編集

初版 B5判 並製 216頁 2011年07月10日発行

ISBN9784787818997

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定価:本体4,500円+税
  

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医薬品開発とともに医薬品の適正使用のためには,臨床薬理学を理解している必要があるが,医学教育において学ぶ機会が少ない.
 本書は,初期研修医が,薬物治療に際して根拠ある処方をするための治療計画と処方設計の考え方を臨床薬理学の面からアプローチできるよう,具体的な臨床例を用いて理解しやすいように解説.総論で臨床薬理学的事項9項目を解説し,各論では主要12疾患について病態・治療方針および臨床薬理学的特徴を総論の項目に順じて記載.

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目次

はじめに  藤村 昭夫

総 論

1  薬物動態学(吸収,分布,代謝,排泄)  越前 宏俊
1 古典的なコンパートメントモデルによる薬物動態の理解
2 生理的薬物動態モデル
2  薬理遺伝学  上田 幹人,林 有希,下田 和孝
1 遺伝子変異について
2 薬物動態学的な薬理遺伝学
3 薬力学的な薬理遺伝学
3  薬物相互作用  藤村 昭夫
1 薬物動態学的相互作用
2 薬力学的相互作用
4  薬物有害反応  原田 和博
1 薬物有害反応(adverse drug reaction;ADR)とは?
2 薬物有害反応の発生機序
3 薬物有害反応各論Ⅰ:薬理作用に関連する中毒性有害反応
4 薬物有害反応各論Ⅱ:免疫反応に基づくアレルギー性有害反応
5  TDM  坂本 公一
1 臨床におけるTDMの意義と位置づけ
2 TDMの対象
3 TDM実施時の注意点
4 投与設計
6  妊産婦に対する薬物投与  小西 久美,幸田 幸直
1 妊娠中の薬物投与
2 授乳中の薬物投与
3 参考となる書籍
7  新生児・小児に対する薬物投与  伊藤 真也
1 小児期の定義
2 小児期の薬物動態
3 小児期の薬力学的特性
4 小児薬物投与量の計算
8  高齢者に対する薬物投与  長谷川 純一
1 高齢者における薬物動態
2 高齢者の薬物感受性
3 高齢者における薬物有害反応
4 高齢者の薬物治療上の留意点
9  腎障害者に対する薬物投与  鶴岡 秀一
1 腎障害における薬物動態の変化
2 投与設計に向けて―腎機能評価の重要性
3 腎排泄型薬物の投与変更法
4 薬物の透析性

各 論

1  降圧薬  大蔵 隆文,檜垣 實男
1 高血圧の診断と治療
■治療薬の臨床薬理学的特徴
1 利尿薬(サイアザイドおよびサイアザイド類似)
2 β遮断薬
3 Ca拮抗薬
4 ACE阻害薬およびARB
5 治療薬の使い分け
2  抗不整脈薬  志賀 剛
1 不整脈治療の基本
2 抗不整脈薬の分類
3 不整脈の病態と診断
4 不整脈の治療方針
■治療薬の臨床薬理学的特徴
1 Ⅰ群抗不整脈薬
2 Ⅱ群抗不整脈薬(β遮断薬)
3 Ⅲ群抗不整脈薬
4 Ⅳ群抗不整脈薬(Ca拮抗薬)
5 治療薬の使い分け
3  抗狭心症薬  竹内 和彦,渡邉 裕司
1 虚血性心疾患の病態生理と診断
2 虚血性心疾患の治療方針
■治療薬の臨床薬理学的特徴
1 硝酸薬
2 Ca拮抗薬
3 β遮断薬
4 抗血小板薬
5 治療薬の使い分け
4  血栓症治療薬  坂田 飛鳥,苅尾 七臣
1 血栓症の病態生理
2 治療薬の選択方針
3 各疾患における治療
■治療薬の臨床薬理学的特徴
1 アセチルサリチル酸
2 チエノピリジン系薬
3 ワルファリンカリウム
4 未分画ヘパリン
5 蛋白分解酵素阻害薬
6 アルテプラーゼ
7 治療薬の使い分け
5  脂質異常症治療薬  石橋 俊
1 脂質異常症の病態生理と診断
2 脂質異常症の治療方針
■治療薬の臨床薬理学的特徴
1 スタチン
2 小腸コレステロールトランスポーター阻害薬(エゼチミブ)
3 陰イオン交換樹脂
4 フィブラート系薬物
5 イコサペント酸エチル(EPA)
6 ニコチン酸
7 プロブコール
6  糖尿病治療薬  竹下有美枝,篁 俊成
1 糖尿病の病態生理と診断
2 いかに血糖降下薬を使いこなすか
■治療薬の臨床薬理学的特徴
1 スルホニル尿素(SU)薬
2 ビグアナイド(BG)薬
3 チアゾリジン薬
4 速効型インスリン分泌促進薬
5 αグルコシダーゼ阻害薬
6 DPP-4阻害薬
7 GLP-1受容体作動薬
8 超速効型インスリン製剤
9 持効型インスリン製剤
7  消化性潰瘍治療薬  金子 周一,鷹取 元
1 消化性潰瘍治療薬が必要となる病態と診断
2 消化性潰瘍の治療方針
3 胃食道逆流症の治療指針
■治療薬の臨床薬理学的特徴
1 プロトンポンプ阻害薬(PPI)
8  気管支喘息・COPD治療薬  相良 博典
1 喘息の病態生理と診断
2 COPDの病態生理と診断
■治療薬の臨床薬理学的特徴
〈気管支喘息治療薬〉
1 吸入ステロイド
2 長時間作用型β2刺激薬
3 ロイコトリエン受容体拮抗薬
4 テオフィリン徐放薬
5 抗IgE抗体
6 Th2サイトカイン阻害薬
7 治療薬の使い分け
〈COPD治療薬〉
1 長時間作用型抗コリン薬
2 治療薬の使い分け
9  抗炎症薬・抗リウマチ薬  遠山 直志,古市 賢吾,和田 隆志
1 抗炎症薬が必要となる疾患と病態生理および診断・治療
2 関節リウマチの病態生理と診断・治療
■治療薬の臨床薬理学的特徴
1 抗炎症薬(NSAIDを中心に)
2 抗リウマチ薬
3 生物学的製剤
4 治療薬の使い分け
10  骨粗鬆症治療薬  竹内 靖博
1 骨粗鬆症の概念
2 骨粗鬆症の病態生理
3 骨粗鬆症の診断と鑑別診断
4 骨粗鬆症の治療方針
■治療薬の臨床薬理学的特徴
1 ビスホスホネート製剤
2 選択的エストロゲン受容体モジュレーター
3 副甲状腺ホルモン
4 治療薬の使い分け
11  抗不安薬・睡眠薬  小手川 勤
1 不安障害の診断
2 不安障害の治療方針
3 睡眠障害の診断
4 睡眠障害の治療方針
■治療薬の臨床薬理学的特徴
1 ベンゾジアゼピン系薬物(BDZ)
2 セロトニン1A受容体作動薬
3 ラメルテオン(メラトニン受容体アゴニスト)
4 治療薬の使い分け
12  頭痛薬  安藤 仁
1 頭痛の病態生理と診断
2 頭痛の治療方針
■治療薬の臨床薬理学的特徴
1 解熱・鎮痛・抗炎症薬
2 トリプタン系薬
3 エルゴタミン系薬(エルゴタミン・ジヒドロエルゴタミン)
4 筋弛緩薬

索引

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序文

はじめに

 近年,非常に多くの薬物が臨床の場で用いられるようになり,さらに高齢者の増加とともに多剤併用療法が一般化したために,処方の際に戸惑いを感じる医師も多い.特に,研修中の医師が薬物療法に関する医療ミスを起こし,その結果,重篤な有害反応をもたらす危険性が大きいことがこれまでの調査研究によって明らかにされている.したがって,卒前のみならず卒後の臨床研修中においても,医師に対して薬物の適正使用の実践に向けた,より充実した教育が求められている.
 最近の医学・医療の進歩により,薬物を適正に使用するためには,個々の患者の病態や遺伝子情報等に応じて薬物を使い分ける必要性のあることが明らかになり,臨床薬理学教育の重要性が認識されるようになった.
 このような社会のニーズに応じて,研修医が適切な薬物療法を実践するために必要な知識を習得することを目的として本書を企画した.本書は総論と各論からなり,総論では薬物療法の基礎を理解するために必要な薬物動態学等の9項目を,さらに各論では日常診療でしばしば遭遇する12疾患を取り上げた.いずれの項目・疾患においても,薬物療法の理解を深めるために可能な限り臨床例を提示した.
 薬物による有害反応がしばしば新聞等で報道され,ときには社会問題化することがある.今後,本書が臨床の場で活用され,薬物の適正使用の推進に役に立てば望外の喜びである.
 最後に,本書の出版にご協力頂いた診断と治療社の荻上文夫氏に厚く御礼申し上げます.

平成23年6月
藤村 昭夫