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書籍詳細

画像とチャートでわかる
小児の整形外科診療エッセンス診断と治療社 | 書籍詳細:小児の整形外科診療エッセンス

京都府立医科大学大学院運動器機能再生外科学 教授

久保 俊一 (くぼ としかず) 責任編集

川崎医科大学骨・関節整形外科学 教授

三谷 茂 (みたに しげる) 編集

京都府立医科大学大学院運動器機能再生外科学 病院教授

金 郁喆 (きむ うっちょる) 編集

初版 B5判  240頁 2013年11月01日発行

ISBN9784787819024

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定価:本体6,800円+税
  

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発達・成長による変化を考慮しながら,どう診療を行っていくか?適切なタイミングでの専門医療施設との連携は?成長に伴う生活面や整容面の不安や保護者への対応は?・・・子どもの整形外科外来診療で必要なこれらの知識について,部位別,年代別,主訴別,疾患別にまとめた決定版!整形外科医だけでなく,小児科医や家庭医,研修医の先生にもお薦め!
部位別に画像の見方を解説したⅠ章,年代別に,主訴から診察の進め方を解説したⅡ章,子どもの運動器疾患を解説したⅢ章,発達に関連した資料のⅣ章より構成.

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目次

フローチャートについて

■■■■■■Ⅰ章 基本画像のポイント■■■■■■
【A 上肢(肩・肘・手)】
  1.肩
  2.肘
  3.手
【B 下肢(股・膝・足)】
  1.股
  2.膝
  3.足
【C 脊椎(頚椎・胸椎・腰椎)】
  1.頚椎
  2.胸椎
  3.腰椎

■■■■■■Ⅱ章 診察の進め方■■■■■■
【A 新生児~乳児期】
  1.診察のコツ
  2.手の変形
  3.肩の変形
  4.足部の変形
  5.関節弛緩性(関節が柔らかい・ポキポキ音がする)
  6.関節拘縮(関節が固い)
  7.股関節開排制限(股の開きが悪い)
  8.下肢長不等
  9.脊柱の変形
  10.首をかしげる(向き癖がある)
  11.特定の部位を痛がる(ケガ・骨折や関節炎など)
【B 幼児期】
  1.診察のコツ
    **Column 成長痛?**
  2.跛行(処女歩行が遅い,歩き方がおかしい)
  3.下肢の変形(X脚,O脚)
  4.下肢長不等
  5.首をかしげる(向き癖がある)
  6.転倒や転落によるケガなど
  7.特定の部位を痛がる(関節炎など)
  8.軟部腫瘍
【C 学童期】
  1.診察のコツ
   **Column  発達障害児を診察する場合の配慮**
  2.跛行(歩き方がおかしい)
  3.脊柱の変形
  4.転倒や転落によるケガなど
  5.慢性的なスポーツによる痛み(スポーツ損傷)
  6.特定の部位を痛がる(関節炎など)
  7.関節周囲の変形(骨が飛び出ている)
  8.骨腫瘍

■■■■■■Ⅲ章 運動器疾患■■■■■■
【A 上肢の疾患】
  1.手指の先天異常
  2.リトルリーガーズショルダー
  3.野球肘
  4.肘変形(内反肘)
  5.肘変形(外反肘)
  6.肘内障
  7.ばね指,強剛母指
【B 下肢の疾患】
  1.発育性股関節形成不全(いわゆる先天性股関節脱臼)
  2.Perthes病
  3.大腿骨頭すべり症
  4.単純性股関節炎
  5.下肢変形(X脚,O脚)
  6.円板状半月板断裂
  7.膝スポーツ障害(離断性骨軟骨炎,Osgood?Schlatter病)
  8.膝蓋骨障害(膝蓋骨亜脱臼・脱臼,分裂膝蓋骨)
  9.先天性内反足
  10.その他の足変形(外反扁平足,垂直距骨)
  11.足部スポーツ損傷(疲労骨折,Sever病,腱付着部炎)
【C 脊椎の疾患】
  1.先天性側弯症
  2.特発性側弯症
  3.斜頚(新生児~乳児期)
  4.斜頚(幼児~学童期)
  5.腰椎分離症
【D 外傷】
  1.長管骨骨折
  2.骨端線損傷
  3.肘周辺骨折(顆上骨折,外顆骨折,内顆骨折,Monteggia骨折など)
  4.骨盤,股関節(大腿骨頭,頚部)骨折
【E 腫瘍】
  1.代表的良性骨腫瘍(類骨骨腫,骨軟骨腫<外骨腫>)
  2.代表的悪性骨腫瘍(骨肉腫)
  3.代表的軟部腫瘍(横紋筋肉腫)
【F 炎症性疾患】
  1.若年性特発性関節炎(JIA)
  2.化膿性関節炎
  3.骨髄炎

■■■■■■Ⅳ章 付録■■■■■■
【A 成長曲線】
  1.0~2歳の身長・体重(男子)
  2.0~2歳の身長・体重(女子)
  3.2~17歳の身長・体重(男子)
  4.2~17歳の身長・体重(女子)
【B 骨端核の出現時期と癒合時期】
  1.上肢の骨端核出現時期
  2.上肢の骨端核癒合時期
  3.下肢の骨端核出現時期
  4.下肢の骨端核癒合時期
【C 正常検査値】
【D 粗大運動能力などの発達の指標】

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序文

 Orthopaedicsの用語は,近代整形外科の創始者といわれるNicolas Andryの“orthopedie”に由来します.これはギリシャ語の「まっすぐにする」を意味するorthoと小児を表すpedieから創作されました.この用語に集約されているように小児の運動器疾患は整形外科の象徴といえます.古くは紀元前に医学の始祖Hippocratesが先天性の脱臼を認め,以後近年に至るまで整形外科分野の先人たちの業績は,脊柱側弯,先天性内反足さらには筋性斜頚など小児疾患に関するものが多くを占めています.わが国においても近代整形外科は内反足や筋性斜頚に始まり,発育性股関節形成不全に関しては多くの医師が取り組み優れた業績によって対策が確立されてきました.大正10年に初めて設立された肢体不自由児施設での取り組みは,わが国におけるリハビリテーションの原点ともいえます.
 小児では疾患が特異的なだけでなく,治療法や予後は類似した疾患や外傷であっても,発達・成長段階によって大きく異なり,成人や高齢者とは異なった「常識」を求められます.乳児や年少児などでは病歴や疼痛などの所見を得ることも困難です.生活面やこころのケアを含めて,本人のみでなく家族など周囲の人たちへの配慮も,診療における重要な要素です.インターネット環境の一般化もあり保護者の知識の増加や期待の高まりがある一方,近年の少子高齢化の流れにあって,整形外科医が小児の運動器疾患に接する機会は少なくなってきています.このような状況を鑑み,整形外科医,小児科医さらには総合診療医など小児整形外科医療に携わる先生方に役立つ実践的でわかりやすい書籍を企画いたしました.執筆陣は第一線の臨床で活躍されている先生方ばかりです.

 本書の構成は,Ⅰ章に「基本画像のポイント」として上肢,下肢および脊椎と部位別に要点をまとめました.運動器疾患の診療ではX線像はとくに重視されますが,小児にあっては年齢により正常像も大きく異なります.ここでは部位ごとに共通する画像診断法について,単純X線像を中心にMRIについても解説しました.Ⅱ章は年代別に主訴からみた「診察の進め方」です.本書の企画において最も工夫した特徴的な部分で,実際の臨床でとくに有用と考えます.診断への入り口として利用し,鑑別診断をすすめる糸口として活用していただけます.Ⅲ章は疾患別の解説です.小児に一般的なスポーツ障害なども網羅しました.治療方針を決定する参考としていただけます.さらにⅣ章には発達に関連した資料をまとめて掲載いたしました.
 このように本書は即戦的に用いて使いやすい構成としておりますが,まず一度全体を通読し,知識を整理しておいていただくことをお奨めいたします.

 「銀(しろがね)も 金(くがね)も玉も 何せむに まされる宝 子にしかめやも」

 万葉の頃,山上憶良によって詠まれた子を思う心は,今日まで地域や時代をこえて不変です.すべての子どもたちが最大限に能力を発揮し幸福を享受できるために,本書が役立つことを心から願っています.

2013年10月

京都府立医科大学大学院運動器機能再生外科学 教授
久保俊一