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書籍詳細

ファブリー病 UpDate診断と治療社 | 書籍詳細:ファブリー病 UpDate

東京慈恵会医科大学遺伝病研究講座 教授

衞藤 義勝(えとう よしかつ) 責任編集

東京慈恵会医科大学小児科学講座 教授

井田 博幸(いだ ひろゆき) 編集

熊本大学大学院生命科学研究部小児科学分野 教授

遠藤 文夫(えんどう ふみお) 編集

東京慈恵会医科大学総合医科学研究センターDNA医学研究所遺伝子治療研究部/小児科学講座 教授

大橋 十也(おおはし とうや) 編集

国立成育医療研究センターライソゾーム病センター長

奥山 虎之(おくやま とらゆき) 編集

明治薬科大学分析化学/臨床遺伝学 教授

櫻庭 均(さくらば ひとし) 編集

東京大学大学院医学系研究科脳神経病学専攻神経内科学 教授

辻 省次(つじ しょうじ) 編集

鹿児島大学大学院医歯学総合研究科心筋症病態制御講座/循環器・呼吸器・代謝内科学 教授

鄭 忠和(てい ちゅうわ) 編集

新潟大学大学院医歯学総合研究科腎・膠原病内科学 教授

成田 一衛(なりた いちえい) 編集

藤田保健衛生大学医学部腎内科学 教授

湯澤 由紀夫(ゆざわ ゆきお) 編集

初版 B5判 並製(2色・一部カラ―) 338頁 2013年01月04日発行

ISBN9784787819307

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定価:本体8,800円+税
  

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ファブリー病は障害臓器が多岐にわたるため,各科に関連した知識を深める必要がある.本書はそのようなニーズに合致させた目次構成に仕上げ,さらに最新の情報を網羅した強力な一冊.専門医のみならず一般診療に携わる医師に向けた教科書.

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目次

序  文  /衞藤義勝

A ファブリー病の歴史と概要
 1 ファブリー病の歴史と概要 /衞藤義勝

B 病因と病態
 1 ライソゾームと糖脂質  /衞藤義勝
 2 病態生理学  /櫻庭 均
 3 分子生物学的病態生理学  /櫻庭 均
 4 頻度,遺伝  /奥山虎之
 5 遺伝子異常の基礎  /石井 達/丸山弘樹

C 臨床症状
 1 総  論  /衞藤義勝
 2 疼痛および自律神経症状  /後藤 順
 3 皮膚症状  /神崎 保
 4 眼科的症状  /後藤 聡
 5 消化器症状  /小林博司
 6 循環器症状  /竹中俊宏/鄭 忠和
 7 腎症状  /後藤 眞/成田一衛
 8 ファブリー病における神経系の症候および脳血管系の障害,精神症状
     /辻 省次
 9 耳鼻咽喉科的症状  /小島博己
 10 内分泌異常  /宮田市郎
 11 ヘテロ患者  /小林正久

D 診  断
 1 臨床症状と臨床検査  /井田博幸
 2 画像診断
   a 単純X線像,MRI  /田中あけみ
   b 心電図,心エコー図  /藤原優子
 3 組織病理学的診断  /鈴木正章/原田 徹
 4 酵素診断・生化学的診断  /兎川忠靖
 5 遺伝子診断  /丸山弘樹/石井 達
 6 遺伝子多型,pseudodeficiency  /兎川忠靖
 7 鑑別診断  /酒井規夫
 8 診断ガイドライン,重症度スコア  /大橋十也

E 治  療
 1 対症療法
   a 食事療法  /花岡一成
   b 疼痛の治療  /酒井規夫
   c 循環器症状の治療  /駒村和雄
   d 腎症状の治療  /花岡一成
   e 脳血管障害の治療(脳梗塞など)  /後藤 順
   f 耳鼻咽喉科的症状の治療  /小島博己
   g 消化器症状の治療  /酒井規夫
   h 眼科的症状の治療  /後藤 聡
 2 酵素補充療法
    a 概要と現状  /井田博幸
    b 疼痛,QOLに対する効果  /坪井一哉
    c 皮膚,自律神経症状に対する効果  /坪井一哉
    d 循環器症状に対する効果  /竹中俊宏
    e 腎症状に対する効果  /湯澤由紀夫
    f 精神症状,神経症状,脳血管症状に対する効果  /後藤 順
    g 耳鼻咽喉科的症状に対する効果  /櫻井結華
    h 酵素補充療法の副作用とその治療  /小林博司
    i 抗体産生とその治療  /大橋十也
 3 ケミカルシャペロン療法  /難波栄二
 4 遺伝子治療  /小林博司
 5 新規治療の開発  /衞藤義勝

F 経過,予後
 1 経過,予後  /大橋十也

G 予防,スクリーニング
 1 スクリーニングの課題  /遠藤文夫
 2 スクリーニングの方法  /北川照男/鈴木 健/石毛信之
 3 マススクリーニング,ハイリスクスクリーニング  /中村公俊

H 遺伝カウンセリング
 1 遺伝カウンセリングの実際  /奥山虎之

I 症例提示
 1 古典型ファブリー病の3例  /藤原優子
 2 心亜型ファブリー病の2例  /竹中俊宏
 3 腎亜型ファブリー病の2例  /田中元子/吉田一浩/風間順一郎/成田一衛
 4 女性ヘテロ接合体の2例  /小林正久

J 診療施設,酵素・遺伝子診断施設
 1 診療施設  /横井貴之
 2 酵素・遺伝子診断施設  /横井貴之

K ライソゾーム病の医療費等助成認定基準
 1 医療費等助成認定基準――ファブリー病を中心に  /西山由梨佳

L 関連学会,患者団体の紹介
 1 関連学会,患者団体の活動  /坪井一哉
 2 “ファブリー病 患者と家族の会”発足の経緯,現状と課題
    /ファブリー病患者と家族の会

索   引
  和文索引
  欧文索引

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序文

序  文

ファブリー病はX連鎖の遺伝病であり,X染色体に局在する酸性ライソゾーム病酵素であるα-ガラクトシダーゼの酵素欠損によります.また,その他のX連鎖遺伝病とは異なり,男性ばかりでなく多くの女性保因者も症状を呈する特異な先天性脂質代謝異常症のひとつです.
ファブリー病で障害される臓器は多岐にわたり,皮膚,感覚器(眼,内耳),心,腎,脳血管,末梢神経組織,甲状腺等の内分泌臓器など,全身の臓器を障害することから,患者の受診する診療科は,小児科,腎臓内科,循環器内科,神経内科,皮膚科,眼科,耳鼻咽喉科,痛風科,リウマチ科,ペインクリニツクなどと多岐にわたるので,各科に関連して本症の理解を深め,啓発することは非常に重要なことと考えられます.
また最近では,ファブリー病に関し,酵素補充療法(ERT)が開発され,現在わが国で600名以上の本症患者がERTを受けております.したがって,正確な知識のもとにERTを行い,また治療効果の評価,副作用などへの理解を深めていくことも重要です.さらに,何にも増して早期診断,早期治療が重要なのですが,いつの時期から治療を開始するのが最善であるのかも理解し,患者の合併症を早期治療により予防し,腎不全,心不全,脳梗塞などによる患者の死亡を減らすこともまた極めて重要と考えられます.
小児期には,非常に強い四肢の痛みから不登校などに至る症例も知られ,精神的な異常児として取り扱われることもあります.また,腎不全,心不全,脳血管障害など,重篤な症状を呈する患者では,各診療科にわたる緊密な連携医療対応が大変重要となる疾患でもあります.治療法に関しても,ERTばかりでなく,将来的にはシャペロン治療,遺伝子治療などにも大きな期待が寄せられています.
以上のような事情を考慮し,本書を通じてファブリー病患者の診療に携わる各科の先生方に本症の知識をいっそう深めていただき,多方面にわたり多彩な症状を呈する本症の診療に連携して対応できるよう,本症の早期発見,早期治療につながるよう,さらには,本症に詳しい各科の専門家によって本症の包括的医療が可能になるよう,それらの一助になればと祈念して本書発刊を企画した次第です.本書が,このような点に関し,少しでも役に立てば,責任編集者として望外の喜びであります.
最後に,如上のような企画意図にご賛同賜り,本書の編集にご協力していただいた諸先生方,さらには各項目をご執筆していただいた担当の先生方に深甚の感謝を捧げると同時に,発刊ならびに編集制作にご尽力いただいた(株)診断と治療社のご担当の方々にも深謝申し上げます.

2012年11月
編集代表/東京慈恵会医科大学遺伝病研究講座教授 衞藤義勝