HOME > 書籍詳細

書籍詳細

思春期の皮膚トラブルFAQ診断と治療社 | 書籍詳細:思春期の皮膚トラブルFAQ

京都大学大学院医学研究科皮膚科学 教授

宮地 良樹(みやち よしき) 編集

初版 A5判 並製 296頁 2012年10月30日発行

ISBN9784787819567

正誤表はPDFファイルです.PDFファイルをご覧になるためにはAdobe Reader® が必要です  
定価:本体5,800円+税
  

ご覧になるためにはAdobe Flash Player® が必要です  


思春期皮膚や思春期患者の特徴を総論においてまとめ,各論ではQOL,心身相関,ひきこもりなどの社会事象にも言及.皮膚疾患を愁訴に受診する思春期患者をトータルに診ることの重要性に配慮して構成している.また思春期特有の皮膚疾患もあるため,単に小児と成人の中間というだけでなく,思春期というライフステージの観点から詳述.思春期皮膚の病態を剔抉した類書のない極めて有益な書.

関連書籍

ページの先頭へ戻る

目次

序  文 /宮地良樹
執筆者一覧
第1章 総  論 
 1 思春期における皮膚の特徴は? /高橋健造
 2 性ホルモンからみた思春期の脂腺・毛包の特徴は? /板見 智
 3 思春期における発汗の生理学とは? /横関博雄
 4 思春期皮膚の免疫学的特徴は? /椛島健治
 5 思春期における皮膚心身相関とは? /羽白 誠
 6 思春期皮膚トラブルとスキンケアのポイントは? /菊地克子
 7 ティーンズ女子の皮膚の悩みの特徴は? /中村健一
 8 思春期皮膚外科患者に対する留意点は? /立花隆夫
第2章 思春期に多くみられる皮膚疾患
 1 思春期瘡への対処法は? /林 伸和
 2 思春期瘡治療のコツは? /谷岡未樹
 3 思春期瘡患者のQOLは? /窪田泰夫
 4 思春期アトピー性皮膚炎の特徴と診療のポイントは? /加藤則人
 5 思春期アトピー性皮膚炎とひきこもり・不登校への対処法は? /片岡葉子
 6 思春期に多くみられる接触皮膚炎の原因は? /関東裕美
 7 思春期に多い蕁麻疹のタイプは? /千貫祐子
 8 思春期の痒みの原因で多いものは? /江畑俊哉
 9 思春期に多い薬疹への対応は? /相原道子
 10 思春期のアナフィラクトイド紫斑をどう診療するか? /川名誠司
 11 思春期におけるリベドの注意点は? /川上民裕
 12 思春期にみられる膠原病への対処法は? /土田哲也
 13 思春期に見つかる光線過敏症への対処法は? /森脇真一
 14 思春期に顕在化しやすい角化異常症への対処法は? /米田耕造
 15 Gibertばら色粃糠疹への対処法は? /高橋健造
 16 思春期患者に水疱・膿疱をみたときの注意点は? /照井 正
 17 思春期に顕在化しやすい色素沈着症とは? /渡辺晋一
 18 思春期に顕在化しやすい母斑・母斑症とは? /堺 則康/三橋善比古
 19 思春期にみられる腫への対処法は? /藤澤章弘
 20 思春期にみられる皮膚良性腫瘍の特徴は? /田村敦志
 21 思春期にみられる皮膚悪性腫瘍の特徴は? /門野岳史
 22 思春期のウイルス感染症で重症化しやすいものは? /浅田秀夫
 23 思春期におけるHPV感染への対処法は? /石地尚興
 24  Trichophyton tonsurans感染症にどう対処したらよいか? /田邉 洋
 25 癜風,マラセチア毛包炎の特徴は? /清 佳浩
 26 思春期にみられる性感染症の特徴は? /松尾光馬
 27 思春期における疥癬の特徴は? /和田康夫
 28 思春期の心身症と皮膚疾患
  28-a 神経性食欲不振症にみられる皮膚症状の特徴は? /松村由美
  28-b トリコチロマニア,自傷性皮膚炎への対処法は? /上田英一郎
 29 ダイエットに伴う皮膚疾患への対処法は? /落合豊子
 30 思春期になって見つかる真皮結合組織疾患への対処法は? /宇谷厚志
 31 多汗症,臭汗症への対処法は? /嵯峨賢次
 32 思春期の毛髪疾患にはどんなものがある? /中村元信
 33 思春期に気づく毛髪異常の特徴は? /大山 学
 34 思春期内分泌疾患に伴う皮膚徴候の特徴は? /乾 重樹
 35 思春期に気にする陰部の皮疹にはどんなものがあるか? /伊豆邦夫
 36 思春期患者の皮膚科ERとは? /沢田泰之

 和文索引
 欧文索引

ページの先頭へ戻る

序文

序  文
 『小児の皮膚トラブルFAQ』,『高齢者の皮膚トラブルFAQ』,『女性の皮膚トラブルFAQ』に続いて第四弾として『思春期の皮膚トラブルFAQ』をお届けする.皮膚疾患は,今まで,病態別,部位別などでまとめられることが多かったが,本シリーズでは,年齢やジェンダーなどの切り口で皮膚疾患を横断的に鳥瞰してみようと心がけた.そのような視点で皮膚疾患を再訪してみると,それぞれの皮膚疾患の背景には,発達,成熟,加齢,性,社会などが複合的に介在していることに気づかされる.
 思春期ほど身体がドラスティックに変容し,また多感な精神状態にある時期もないのではないだろうか? 自らの青い思春期を思い返してみても,些細な皮膚変化に思い悩んだり,“他人とは違うのではないか”と人知れず落ち込んだりした記憶がある.中学生の頃,乳頭が腫れて痛みを覚えたことがあり,医師であった父に意を決して相談した.父は即座に,“そろそろ思春期なんだよ”と優しく諭してくれて,痛みも消散した経験がある.アトピー性皮膚炎の思春期女子の乳頭に滲出性の湿疹をみることはよく経験する.おそらくブラジャーを着装し始めたことと関係するのであろうが,“心配ないよ”と一言いうと,とても安心した表情をみせてくれる.その際,自分の中学生のときの経験と重ね合わせることがよくある.このように,思春期の皮膚トラブルは,臓器としての皮膚を横糸に,全身,心理,社会などのキーワードを縦糸に織り込まないと解決しないのではないかと思われる.
 そこで本書では,「総論」で思春期皮膚や思春期患者の特徴をまとめ,「各論」でもQOL,心身相関,引きこもりなどの社会事象にも言及し,皮膚疾患を愁訴に受診する思春期患者をトータルに診ることの重要性に配慮して構成した.また思春期特有の皮膚疾患もあるので,各項目の御執筆の先生方には,単に小児と成人の中間というだけでなく,思春期というライフステージの観点から書き下ろしていただいた.本書が,多彩な世代の患者を診察される先生方の日常診療のお役に立てればと思う次第である.
 人生を“青春,朱夏,白秋,玄冬”に分けると,思春期はまさに眩しい青春期でもあるのだが,白秋も迎えた編者が思春期に思いを馳せるのもまた一興ではないかと思う.
 最後に1997年の『皮膚科レジデント戦略ガイド』刊行以来,10冊以上の単行本を一緒に編集してきてくださった㈱診断と治療社編集部の小岡明裕氏が本書の編集を最後に定年退社されることになった.長年の御尽力を深謝するとともに,この『思春期の皮膚トラブルFAQ』が小岡氏編集書籍の金字塔となることを祈念したいと思う.

2012年初秋の京都にて
京都大学大学院医学研究科皮膚科学教授 宮地良樹