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自己炎症性疾患・自然免疫不全症とその近縁疾患診断と治療社 | 書籍詳細:自己炎症性疾患・自然免疫不全症とその近縁疾患

岐阜大学大学院医学系研究科小児病態学教授

近藤 直実(こんどう なおみ) 編集

京都大学大学院医学研究科発達小児科学教授

平家 俊男(へいけ としお) 編集

初版 B5判 並製 296頁 2012年11月22日発行

ISBN9784787819918

定価:本体6,200円+税
  

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原発性免疫不全症のカテゴリーに分類される「自己炎症性疾患」「自然免疫不全症」とその近縁疾患について系統的にまとめあげた初のテキスト.総論では「自己炎症性疾患」「自然免疫不全症」の位置づけや分子機構などについて解説.また各論では,各疾患の病因・病態,診断のポイントや治療法から最新の知見まで詳細に紹介.さらに18疾患の症例報告も掲載し,臨床の現場でも役立つエッセンスを満載した決定版.専門医のみならず,小児科医,内科医,皮膚科医にも広く読んでいただきたい1冊.

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目次

口絵カラー
序文   /近藤直実,平家俊男
執筆者一覧

Ⅰ章 総 論
1 原発性免疫不全症の概念と分類,および自己炎症性疾患・自然免疫不全症・近縁疾患の位置づけ
/近藤直実,大西秀典,渡邉倫子
2 自己炎症性疾患・自然免疫不全症・近縁疾患の診断と治療  /平家俊男
3 自己炎症性疾患・自然免疫不全症の分子機構(パターン認識受容体とインフラマソーム)
/増本純也
4 発熱の診断における自己炎症性疾患・原発性免疫不全症の位置づけ  /原 寿郎
5 自己炎症性疾患・自然免疫不全症の病因・病態と診断フローチャート  /大西秀典

Ⅱ章 各 論
A 自己炎症性疾患
 1 自己炎症性疾患 総論  /加藤善一郎,大西秀典,近藤直実  
 2 家族性地中海熱(FMF)  /谷内江昭宏 
 3 高IgD症候群(メバロン酸キナーゼ欠乏症)  /酒井秀政,平家俊男
 4 クリオピリン関連周期熱症候群(CAPS)  /井澤和司,西小森隆太,平家俊男 
 5 TNF受容体関連周期熱症候群(TRAPS)  /楠原浩一 
 6 化膿性無菌性関節炎・壊疽性膿皮症・アクネ(PAPA)症候群  /松井永子
 7 Blau症候群/若年発症サルコイドーシス  /神戸直智  
 8 Majeed症候群(慢性反復性多発性骨髄炎と先天性赤血球生成不全性貧血)  /深尾敏幸 
 9 IL-1受容体アンタゴニスト欠損症(DIRA)   /西小森隆太
 10 尋常性乾癬・膿疱性乾癬  /清島真理子 
 11 中條-西村症候群  /金澤伸雄 
B 自然免疫不全症
 1 自然免疫不全症 総論  /大西秀典 
 2 免疫不全症を伴う無汗性外胚葉形成異常症(EDA-ID)-NEMOおよびIKBAの異常
/河合朋樹 
 3 Myddosome異常症(IRAK4およびMyD88欠損症)  /高田英俊  
 4 ヒトパピローマウイルス易感染症(WHIM症候群・疣贅状表皮発育異常症)
/加藤善一郎,大西秀典,近藤直実 
 5 (家族性)単純ヘルペス脳炎(UNC93B1,TLR3,TRAF3,TRIFおよびTBK1の異常)
/久保田一生,山本崇裕,大西秀典 
 6 慢性皮膚粘膜カンジダ症を伴う免疫不全症(CARD9,IL-17RA,IL-17F,STAT1異常)
/堀 友博,大西秀典 
C 食細胞機能異常症
 1 食細胞機能異常症総論  /溝口洋子,小林正夫 
 2 重症先天性好中球減少症(SCN)  /溝口洋子,小林正夫
 3 白血球接着不全症(LAD)  /和田泰三 
 4 慢性肉芽腫症(CGD)  /布井博幸  
 5 Mendel遺伝型マイコバクテリア易感染症(IL-12,IFN-γ系の異常)  /高田英俊  
 6 GATA2欠損症(Mono MAC症候群)  /本間健一,野々山恵章
D 免疫調節障害
 1 免疫調節障害 総論  /八角高裕
 2 色素脱失を伴う免疫不全症  /金子英雄 
 3 家族性血球貪食性リンパ組織球症(FHL)  /八角高裕
 4 X連鎖リンパ増殖症候群(XLP)  /金兼弘和
 5 自己免疫性リンパ増殖症候群(ALPS)およびALPS類縁疾患
/高木正稔,森尾友宏,水谷修紀
 6 カンジダ感染と外胚葉異形成を伴う自己免疫性多腺性内分泌不全症(APECED)
/堀 友博,大西秀典
 7 多腺性内分泌不全症,腸疾患を伴う免疫調節障害(X連鎖性)(IPEX)症候群
/小林一郎,有賀 正
E 近縁疾患,その他
 1 若年性特発性関節炎(JIA)  /今川智之
 2 Behçet病  /武井修治
 3 Castleman病  /寺本貴英,大西秀典,近藤直実
 4 周期性発熱・アフタ性口内炎・咽頭炎・頸部リンパ節炎(PFAPA)症候群
/山崎崇志,伯耆原祥,上松一永
 5 補体異常症  /舩戸道徳
 6 高IgE症候群  /峯岸克行

Ⅲ章 症 例
Case 1 家族性地中海熱(FMF)  /谷内江昭宏
Case 2 高IgD症候群(メバロン酸キナーゼ欠乏症)  /酒井秀政,平家俊男
Case 3 クリオピリン関連周期熱症候群(CAPS)  /井澤和司,西小森隆太,平家俊男
Case 4 TNF受容体関連周期熱症候群(TRAPS)   /楠原浩一 
Case 5 Blau症候群/若年発症サルコイドーシス  /神戸直智
Case 6 中條-西村症候群  /金澤伸雄
Case 7 NEMO異常による免疫不全症を伴う無汗性外胚葉形成異常症(EDA-ID)
  /河合朋樹,水上智之
Case 8 IL-1受容体関連キナーゼ4(IRAK4)欠損症  /高田英俊
Case 9 慢性皮膚粘膜カンジダ症(STAT1異常症)  /堀 友博,大西秀典 
Case 10 重症先天性好中球減少症(SCN)  /溝口洋子,小林正夫 
Case 11 白血球接着不全症(LAD)1型  /和田泰三 
Case 12 Mendel遺伝型マイコバクテリア易感染症(MSMD)  /高田英俊 
Case 13 GATA2欠損症(Mono MAC症候群)  /本間健一,今井耕輔,石田宏之,野々山恵章
Case 14 家族性血球貪食性リンパ組織球症3型(FHL3)  /八角高裕,太田秀明 
Case 15 X連鎖リンパ増殖症候群(XLP)  /原 拓麿,森 雅亮,金兼弘和 
Case 16 多腺性内分泌不全症,腸疾患を伴う免疫調節障害(X連鎖性)(IPEX)症候群
  /小林一郎,有賀 正 
Case 17 Behçet病   /武井修治 
Case 18 周期性発熱・アフタ性口内炎・咽頭炎・頸部リンパ節炎(PFAPA)症候群
  /伯耆原祥,山崎崇志,上松一永


Column
1 肺炎球菌易感染症大西秀典 
2 炎症性サイトカインと分子標的治療  /木村 豪 
3 DNA修復障害  /金子英雄
 3-1 毛細血管拡張性小脳失調症(ataxia-telangiectasia)  /金子英雄  
 3-2 Bloom症候群  /金子英雄 
 3-3 Li-Fraumeni症候群  /小関道夫 
4 先天性角化異常症とHoyeraal-Hreidarsson症候群  /坂口大俊,小島勢二
5 MEFV遺伝子と炎症性疾患  /久保田一生,大西秀典 

appendix  
本書で使用されるおもな略語一覧
同義語一覧

索 引 
 和文索引
 欧文索引
 数字・ギリシャ文字索引

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序文

 自己炎症性疾患や自然免疫不全症は原発性(先天性)免疫不全症のカテゴリーの一つに分類されている.しかし,これらの疾患でみられる主要な症状,所見は従来からの原発性免疫不全症の主要症状である易感染性(反復感染,重症感染)とは大きく異なることが多く,原因不明の発熱を中心に,さらに種々の症状,所見がみられる.最近まで,このような原因不明の発熱などを主訴とする疾患群の診断がきわめて不十分であった.それは,これらの疾患の存在が不明であり,したがって病因や病態もまったく明らかでなかったことによる.
 従来より研究され明らかにされている抗体やリンパ球などといった獲得免疫系に加え,近年,Toll様受容体をはじめとする自然免疫系の情報伝達系や獲得免疫との連結部分についての詳細が次々と明らかにされてきている.その結果,自然免疫系の先天的かつ遺伝的な異常が続々と解明されてきている.
 このようにして解明されてきた多くの疾患は,本書で扱う自己炎症性疾患や自然免疫不全症などとして確立されてきた.さらには,自己炎症性疾患の多くも自然免疫不全症の一つとして整理することが可能になってきた.まさに,原発性(先天性)免疫不全症もX連鎖無ガンマグロブリン血症(BTK欠損,ブルトン型)や重症複合免疫不全症など「獲得免疫不全症」解明の時代から,毛細血管拡張性小脳失調症(ataxia-telangiectasia,ATM欠損症)などの「免疫不全症を伴うよく定義された症候群」解明の時代を経て,いまや本書で取り上げる「自己炎症性疾患」「自然免疫不全症」の解明の時代に突入したといえる.
 本書ではこの領域を可能な限り系統的に整理して,日常の診療に役立つよう企画し,この領域のエキスパートの方々に疾患の病因,病態,症状,診断,治療法につき具体的な症例の紹介を含めてわかりやすくご解説いただいた.自己炎症性疾患,自然免疫不全症をまとめあげた書は国内外でも先駆的なものである.前述のように,本書で取り上げられた疾患群は今後も続々と新たな疾患が追加されることが予想される.そのため,内容に関しては以後,改訂を重ねていきたいと考えている.
 本書を通して,自己炎症性疾患や自然免疫不全症などの早期の適切な診断や治療管理,あるいは専門の医師への早期の紹介などが広く普及し,病める方々へ大きく貢献できれば,このうえない喜びである.本書発刊にあたり,著者の方々ならびに,ご協力いただいた診断と治療社編集部 堀江康弘氏と福島こず恵氏に深謝致します.

 平成24年11月吉日
近藤直実
平家俊男