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小児神経学の進歩第42集診断と治療社 | 書籍詳細:小児神経学の進歩第42集

日本小児神経学会教育委員会(にほんしょうにしんけいがっかいきょういくいいんかい) 編集

初版 B5判 並製 140頁 2013年05月29日発行

ISBN9784787820006

定価:本体6,200円+税
  

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小児神経疾患と遺伝子をテーマに,「遺伝総論」,「遺伝カウンセリング」,「ペルオキシソーム代謝異常症」,「自閉症」,「頭蓋縫合早期癒合症」,「ゲノムインプリンティング」,「てんかん」,「ミトコンドリア異常症」,「時計遺伝子機能と生物時計」を,図表や写真とともにわかりやすく解説.症例検討では,「意識障害」と「発達遅延」の2症例を提示し,活発な討論も掲載.最新情報が満載で,日常の臨床にも役立つ一冊.

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目次

小児神経疾患と遺伝子
遺伝総論と検査 ―マイクロアレイ染色体検査など― 山本俊至
 I 遺伝学的検査総論
 II 遺伝学的検査各論

遺伝カウンセリング 斎藤加代子
 I 遺伝カウンセリングとは
 II 遺伝カウンセリングの実際
 III 遺伝子情報の取扱い
 IV 電子カルテにおける遺伝子情報の取扱い

Clinical Conference(C. C.)
発熱時に嘔吐・意識障害を発症し,基底核病変を呈した 1 歳男児
 【司 会】斎藤義朗  【症例担当】野々田 豊

小児神経疾患と遺伝子
ペルオキシソーム代謝異常症 下澤伸行
 I ペルオキシソーム代謝異常症
 II 副腎白質ジストロフィー克服の取組み
 III ペルオキシソーム病診断のためのフローチャート

自閉症 山形崇倫
 I 発達障害の遺伝的背景
 II 自閉症スペクトラム障害の遺伝的特性
 III 自閉症スペクトラム障害の病因遺伝子同定研究
 IV シナプスに関連する自閉症スペクトラム障害の病因遺伝子
 V 病因遺伝子や候補分子からみた病態と治療戦略
 VI 自閉性障害の遺伝性のまとめ

頭蓋縫合早期癒合症の遺伝子異常と診断・治療 伊藤 進
 I FGFR 遺伝子関連頭蓋縫合早期癒合症
 II FGFR 遺伝子関連以外の頭蓋縫合早期癒合症
 III 頭蓋縫合早期癒合症における遺伝子検索の臨床的意義と課題
 IV 頭蓋縫合早期癒合症の診断
 V 頭蓋縫合早期癒合症の手術

ゲノムインプリンティングと先天異常 齋藤伸治
 I ゲノムインプリンティングとは
 II ゲノムインプリンティングの分子メカニズム
 III ゲノムインプリンティングが関連する疾患 
 IV ゲノムインプリンティング疾患の治療

Clinical Pathological Conference(C. P. C.)
発達遅延,顔貌異常,難聴を呈した 6 歳男児
【司 会】岩崎信明  【症例担当】田中竜太  【病理担当】林 雅晴

小児神経疾患と遺伝子
てんかん 廣瀬伸一
 I 進行性ミオクローヌスてんかん
 II チャネル遺伝子異常によるてんかん(チャネレプシー)
 III 非チャネル遺伝子の異常によるてんかん

ミトコンドリア異常症:知っておくべき 7 つのポイント 大竹 明
 I ミトコンドリア異常症は,いかなる症状, いかなる臓器・組織, いかなる年齢・遺伝形式でも発症しうる
 II 神経・筋症状を中心とする症例はミトコンドリア異常症全体の 3 分の 1 にすぎない
 III 発生頻度は約 5,000 人に 1 人であり,従来考えられていたよりはるかに高い
 IV 新生児期・乳児早期発症例はミトコンドリア異常症全体の半数近くを占め,その病因の大多数は核遺伝子異常である
 V 組織特異性には注意が必要であり,正確な診断のためにはできるだけ多くの細胞・臓器の収集・解析が必要となる
 VI 核遺伝子異常の探索とその機能解明が現在の病態解明の中心であり,その結果新しい治療法も生まれつつある
 VII ミトコンドリア異常症の理解のためには,呼吸鎖を基本に考えることが重要である

時計遺伝子機能と生物時計の発達 本間さと
 I 生物時計の特徴
 II ほ乳類の中枢時計:視交叉上核
 III 細胞内リズム発振の分子メカニズム
 IV 中枢時計と末梢時計
 V 母子同調と生物時計の発達
 VI ヒト生物時計の特徴
 VII 時計遺伝子障害とその表現型
 VIII 小児神経疾患と睡眠覚醒リズム障害
 IX リズム障害の治療

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序文

 第 42 回小児神経学セミナーは 2012 年 10 月 6 日(土)~8 日(月)に神奈川県三浦郡葉山町の湘南国際村センターで開催されました.受講者数は 80 名で,そのうち初めて参加された方が 38 名でした.その一方で,10 回以上参加された受講者も 6 名おられました.
 初日は山本俊至先生(東京女子医科大学統合医科学研究所)が「遺伝総論と検査」についてマイクロアレイ染色体検査や次世代シーケンサーなど新しい検査法も含めて,斎藤加代子先生(東京女子医科大学附属遺伝子医療センター)が「遺伝カウンセリング」について遺伝情報の取り扱いも含めて,それぞれ講義をされました.
 2 日目は下澤伸行先生(岐阜大学生命科学総合研究支援センターゲノム研究分野)が「ペルオキシソーム代謝異常症」(形成異常症とβ酸化酵素欠損症,診断・治療)について,山形崇倫先生(自治医科大学小児科)が「自閉症」(遺伝子,病態,治療)について,伊藤 進先生(神奈川県立こども医療センター脳神経外科)が「頭蓋縫合早期癒合症」(遺伝子異常と治療)について,齋藤伸治先生^n(名古屋市立大学大学院医学研究科新生児・小児医学分野)が「ゲノムインプリンティングと先天異常」(正常と疾患)について講義なさいました.
 最終日は廣瀬伸一先生(福岡大学医学部小児科)が「てんかん」(チャネル遺伝子異常やそれ以外の遺伝性てんかん)について,大竹 明先生(埼玉医科大学小児科)が「ミトコンドリア異常症」(基礎と臨床,診断・治療)について,本間さと先生(北海道大学大学院医学系研究科時間医学講座)が「時計遺伝子と生物時計の発達」(生理学,分子メカニズム)について講演されました.
 いずれの講義も遺伝学・分子生物学の最新の知識がわかりやすくまとめられ,臨床への応用が具体的に示された素晴らしい講義でした.
 C.C. では意識障害,C.P.C. では発達遅延の症例が提示され,参加者・講師の活発な討論がなされました.
 本セミナーの講義,C.C.,C.P.C. はいずれも周到な企画と準備にもとづいており,受講者に裨益するところ大でした.本書はこれら 9 つの講義と C.C. および C.P.C. のそれぞれの内容を,担当の先生に執筆していただいたものです.それゆえ,日常の臨床に役立つ情報を多くふくんでいるものと確信しています.
 小児神経学セミナーの企画・運営および本書の編集は日本小児神経学会教育委員会の委員の先生方の力によるものです.また実務面では,学会事務局の内田久美氏ほかの皆様に多大のご尽力をいただきました.紙面を借りて御礼申し上げる次第です.


2013 年 4 月
日本小児神経学会教育委員会
委員長 水口 雅