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リハ・ポケット

包括的呼吸リハビリテーションポケットマニュアル診断と治療社 | 書籍詳細:包括的呼吸リハビリテーションポケットマニュアル

東北大学大学院医学系研究科機能医科学講座内部障害学分野教授

上月 正博 (こうづき まさひろ) 編集

東北大学大学院医学系研究科機能医科学講座内部障害学分野講師

海老原 覚 (えびはら さとる) 編集

初版 B6変型 並製 264頁 2013年10月11日発行

ISBN9784787820235

定価:本体2,800円+税
  

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呼吸器疾患患者の増加から,呼吸器疾患に対し非薬物療法の最初に行われるものとして,近年注目を集めている呼吸リハビリテーション.本書は,疾患の知識,検査,アセスメント,運動療法の実際から合併症の管理,器具の使い方まで,呼吸リハの日常臨床の現場ですぐに役立つ手引書として,簡潔な説明と充実した図版で解説した,呼吸リハ医,コメディカルスタッフ必携の書.

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目次

CONTENTS

編集の序 上月正博
略語一覧

I 包括的リハビリテーションの基礎知識
A 包括的呼吸リハビリテーションとは 上月正博
B 呼吸リハビリテーションの進め方
 1. 入院 須貝和幸,渡邉裕志
 2. 外来 髙橋純子,矢内 勝
 3. 看護師の役割 三塚由佳
C 呼吸リハビリテーションのための呼吸生理 海老原 覚
D 呼吸リハビリテーションの対象となる疾患
 1. 慢性閉塞性肺疾患(COPD) 海老原 覚
 2. 間質性肺炎 東本有司
 3. 肺癌 矢満田慎介
 4. 陳旧性肺結核 平井豊博
 5. 気管支拡張症 平井豊博
 6. じん肺症 戸田正夫
 7. 神経筋疾患 石川悠加
E 呼吸リハビリテーションのための検査
 1. 呼吸機能検査 須藤英一
 2. 血液ガス分析 飯島弘晃
 3. 採血検査 浅田成紀
 4. 画像検査 岡崎達馬
 5. 気管支内視鏡検査 中村 豊
F 呼吸リハビリテーションに必要なアセスメント
 1. 運動耐容能 柏崎尚大
 2. ADL 山縣俊之
 3. QOL 後藤葉子
 4. 住環境 後藤葉子

II 呼吸リハビリテーションの実際
II-1 運動療法の実際
A 運動療法のプロセス 海老原 覚
B 運動療法の適応・禁忌 上月正博
C 疾患別の運動療法
 1. 慢性閉塞性肺疾患(COPD) 海老原 覚
 2. 間質性肺炎 東本有司
 3. 肺癌 矢満田慎介
 4. 神経筋疾患C石川悠加
 5. 肺移植 高橋珠緒
 6. 人工呼吸器下 國枝顕二郎
D 急性期および急性期から回復期の運動療法の実際
 1. ベッド上安静時のリハビリテーション 有薗信一,長谷川隆一
 2. 体位ドレナージ・排痰法 國枝顕二郎
 3. 離床訓 有薗信一,長谷川隆一
E 安定期における運動療法の実際
 1. コンディショニング 金﨑雅史
 2. 運動療法 全身持久力トレーニング 柏崎尚大
 3. 運動療法 筋力トレーニング 柏崎尚大
 4. 運動療法 呼吸法トレーニング 桂 沛君
 5. 運動療法 ホームワーク 桂 沛君
 6. ADLトレーニング 山縣俊之
 7. 緊急時の対処・パニックコントロール 三浦美佐
 8. クールダウン 桑原正彦
F 目標設定・中止基準の実際 國枝顕二郎
G 包括的アプローチと自己管理教育の実際 山縣俊之
II-2 リスクと合併症の管理
A リスク管理
 1. 周術期 田久保康隆
 2. 誤嚥性肺炎防止 海老原 覚
 3. 感染管理 浅田成紀
 4. 認知症対策 髙橋秀徳
 5. 転倒予防 海老原 覚
B 重複障害(合併症)の管理
 1. 肝肺症候群合併例の管理 上月正博
 2. 心疾患合併例の管理 鈴木文歌
 3. 睡眠時無呼吸症候群合併例の管理 山縣優子
 4. 腎不全合併例の管理 伊藤 修
 5. 整形外科疾患合併例の管理 須貝和幸,渡邉裕志
 6. 脳血管障害合併例の管理 原田 卓
 7. 糖尿病合併例の管理 原田 卓
II-3 使用する器具と使い方
A Mechanical in-exsufflation(MI-E)の機器
  (カフアシストRなど) 石川悠加
B ピークフローメータ 海老原 覚
C 換気筋訓練器具 山内康宏
D アカペラ 飯島弘晃
E Biphasic cuirass ventilation(BCV) 篠塚典弘

III 呼吸リハビリテーション(運動療法)以外の治療法
A 酸素療法 神田暁郎
B NPPV 篠塚典弘
C 薬物療法 磯貝 進
D 栄養療法 伊藤久美子
E 補完療法(代替療法) 鈴木雅雄,室 繁郎

付録
 付録1 病態サマリ,リハ記録など書類の書き方 三浦美佐
 付録2 保険点数・診療報酬 戸田正夫
 付録3 呼吸の仕組みと働き

INDEX

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序文

 わが国の慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者数は推計530万人,肺癌による死亡者数は全がん死の第1位など,高い喫煙率や超高齢社会を背景に呼吸器疾患患者の罹患率や死亡率が増加しています.
 呼吸リハビリテーション(呼吸リハ)はこの10年で有効性の検証が進んだ結果,呼吸器疾患に対する非薬物療法の最初に行うべきものとして位置づけられています.2006年4月から保険適用となり,その普及にも拍車がかかっています.
 しかし,呼吸リハを行ってもあまり効果が得られないという声も多く耳にします.実は呼吸リハでは誤解されやすい点が多々あるのです.たとえば「臥床したままの在宅酸素療法患者はリハの適応がない」「COPD患者にはまず吸気筋訓練を行う」「リハを始める前に吸入ステロイド薬をきちんと処方する」「2週間行っても歩行距離が伸びなければ無効と判断して中止する」「少し動いただけで息苦しいのでリハを中止する」などです.本書をご一読いただければ,これらはすべて誤りであることがわかります.
 本書では,呼吸リハの基本知識とその実際を専門医が責任をもって吟味し,最新情報まで残らず取り込むように努めました.図を多用し,説明文は最小限度とし,明快さを心がけました.しかも「呼吸リハの重要ポイント」「コツ」「リハスタッフの視点」などの項目立てにより,要領よく,さらに誤解なく読めるように工夫を凝らしました.本書をご一読いただければ,呼吸リハの正しい方法が驚くほど短時間で身につき,明日からの呼吸リハに自信をもって取り組めます.
 本書はこれから呼吸リハを開始しようというリハ医およびコメディカルの日常臨床の現場での手引書として,また,すでに行っている方々の技術や考え方の再点検やブラッシュアップの役割も果たせるように構成されています.編集者の意図に快く賛同してくださった執筆者各位に深く感謝するとともに,企画・編集で何かと手を煩わせた診断と治療社の坂上昭子,土橋幸代の各氏にも感謝いたします.
 呼吸リハはいまや「呼吸障害者に対する極めて有効な治療」として位置づけられており,呼吸障害者に呼吸リハを行わないことは,「有効な治療」を行わないことに等しい時代になりました.本書が良質な呼吸リハの普及を促進し,1人でも多くの呼吸器疾患患者やご家族の福音になれば,編者としてこれに勝る喜びはありません.

2013年9月
編者を代表して
上月正博