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新生児・幼小児の難聴診断と治療社 | 書籍詳細:新生児・幼小児の難聴
遺伝子診断から人工内耳手術,療育・教育まで

東京大学名誉教授/東京医療センター・感覚器センター名誉センター長/国際医療福祉大学教授

加我 君孝(かが きみたか) 編集

初版 B5判 並製 172頁 2014年02月28日発行

ISBN9784787820822

定価:本体4,600円+税
  

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耳鼻咽喉科医,小児科医,言語聴覚士はもちろん,看護師,特別支援学校の教師などを対象に,新生児・幼小児の難聴をわかりやすく解説.難聴児の教育の歴史をはじめ,聴覚生理学,遺伝子診断,聴覚検査,難聴支援機器のしくみを詳しく紹介.さらに,聴覚障害児の療育と教育,就職など多岐にわたる最新のテーマを取り上げていることにも注目.難聴にかかわる支援者に必携の1冊.

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目次

A 難聴児の教育の歴史,聴覚の発達と病態
Ⅰ.歴史的展開(過去・現在・未来)   大沼直紀
Ⅱ.聴覚とその発達の基礎   加我君孝
Ⅲ.病態生理と診断・治療
1.先天性難聴
1) 難聴遺伝子変異   松永達雄
2) Auditory Neuropathy Spectrum Disorders   松永達雄
3) 染色体異常   坂田英明
4) 内耳奇形   坂田英明
2.周産期の難聴   坂田英明,富澤晃文
3.後天性難聴
1) 細菌性髄膜炎   南 修司郎,加我君孝
2) ウイルス性難聴(ムンプス難聴)   南 修司郎
3) 腸管出血性大腸菌ベロ毒素による難聴   南 修司郎,加我君孝
B 検査・難聴支援機器
Ⅳ.聴覚検査と言語発達検査
1.新生児聴覚スクリーニング法と精密聴力検査法   千原康裕,加我君孝
2.聴性行動反応聴力検査   進藤美津子
3.聴覚発達検査   進藤美津子
4.言語発達検査   内山 勉
Ⅴ.聴覚支援機器のしくみ
1.補聴器(気導・骨導)   竹腰英樹
2.人工内耳   岩崎 聡
3.FMシステム   杉内智子
C 療育・教育・就職
Ⅵ.高度難聴の療育と教育
1.就学前療育:乳幼児期の補聴器フィッティングと早期療育   廣田栄子
2.聴覚障害児に対する補聴器,人工内耳装用と音声言語発達   廣田栄子
3.普通学校(メインストリーム)における教育   菅谷明子,福島邦博
4.ろう学校における教育   原田公人
5.人工内耳装用児と音楽   城間将江
 人工内耳装用児に対する遠隔英語教育   増田喜治
Ⅶ.聴覚障害児と就職   原田公人
Ⅷ.海外の聴覚障害教育の現状   原田公人
D 難聴への対応,関連する課題
Ⅸ.軽~中等度難聴への対応   新正由紀子,加我君孝
Ⅹ.関連する課題
1.幼小児難聴の医療
-新生児聴覚スクリーニング,精密聴力検査,補聴と人工内耳-   加我君孝
2.聴覚障害児の平衡の発達   加我君孝
3.発達障害と難聴   加我牧子
4.難聴と盲の二重障害とリハビリテーション   新正由紀子,加我君孝


索 引

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序文

 聴覚障害をめぐる診断・治療・療育分野は,21世紀になって大きな変貌を遂げている.本書は,これらのテーマを網羅し,多くの読者にとって身近に置いて大いに役立つよう企画したものである.
 具体的には,耳鼻咽喉科・小児科の医師,言語聴覚士・オージオロジストはもちろん,看護師,保健師,特別支援学校および普通学校教諭を対象として,21世紀以降,現在に至る約15年間の新生児・乳幼児の難聴に関する聴覚生理学的および遺伝子診断,デジタル型補聴器や人工内耳による治療に加えて,乳幼児の療育,就学後の学校教育,そして就職などのテーマを取り上げている.
 これらの領域の気鋭の先生方に専門分野を担当していただき,新しい問題に出合ったときの座右のテキストとして活用していただけるよう,国内外の類書を参考に,現代的な内容を盛り込んでいる.
 診断では,新生児聴覚スクリーニングとABR(聴性脳幹反応)が重要である.2012年より新生児聴覚スクリーニングの実施への有無が母子手帳に印刷されるようになり,先天性難聴児の出生直後に見出すこの考え方は合理的であるがなかなか実現がむずかしい状況にある.ABRは精密聴力検査だけでなく,人工内耳術中の電気刺激聴性脳幹反応(EABR)として新たな活躍をしている.治療では,補聴器のデジタル化,残存聴力保存型の人工内耳の登場で,埋込型骨導システム,人工中耳などを含め次々と人工聴覚器がわが国にも導入されるようになっている.BluetoothやFMシステムを用いて補聴器や人工内耳装用者のためのコミュニケーションの向上が図られ,学校や社会での活動範囲に大きく貢献するようになった.しかし難聴児の教育については,補聴器あるいは人工内耳装用下の教育方法についての聴覚口話法,手話併用聴覚口話法,手話法,日本手話などがある.両親がいずれの教育法を選ぶかによって,その難聴児の将来像がほぼ決まることになる.幼児の教育はやり直しがきかない.元に戻って再出発することもできない.人工内耳の子どもたちの明瞭な発音,自然なイントネーション,歌や楽器の演奏は,人工内耳への期待を大きくしている.
 本書は,充実した1冊となった.執筆された各先生方ならびに“積極的な編集”をされる診断と治療社の柿澤美帆氏に感謝を申し上げたい.

2014年2月
東京大学名誉教授
東京医療センター・感覚器センター名誉センター長
国際医療福祉大学教授
加我君孝