HOME > 書籍詳細

書籍詳細

高血圧専門医ならびに専門医をめざす医師のための
高血圧専門医ガイドブック 改訂第3版診断と治療社 | 書籍詳細:高血圧専門医ガイドブック 改訂第3版

日本高血圧学会(にほんこうけつあつがっかい) 編集

改訂第3版 B5判  264頁 2014年07月10日発行

ISBN9784787821058

定価:本体5,500円+税
  

ご覧になるためにはAdobe Flash Player® が必要です  


『高血圧治療ガイドライン2014(JSH2014)』を基本に,高血圧専門医が知っておくべき,より詳しい知識を解説した.さらに,専門医が担う治療抵抗性高血圧の治療・対策についても解説.高血圧専門医試験の出題範囲を全て網羅しており,試験対策に必携の書.高血圧専門医の日常診療のブラッシュアップにも役立つ.

関連書籍

ページの先頭へ戻る

目次

I.総論

 A.高血圧の疫学
  1.国民の血圧の現状と推移
  2.高血圧と各種疾病との関連
  3.日本人の高血圧の特徴
  4.公衆衛生上の高血圧対策
  5.費用対効果を考慮した高血圧対策
 B.血圧調節機序
  1.概論
  2.遺伝的要因
  3.環境要因
  4.レニン・アンジオテンシン・アルドステロン(RAA)系
  5.交感神経系
  6.腎臓と食塩
  7.血管機序
  8.心臓


II.血圧測定

 A.血圧測定と臨床評価
  1.診察室(医療環境下)血圧測定
  2.血圧値の分類
  3.高血圧の病型分類
 B.24時間血圧測定・家庭血圧
  1.24時間自由行動下血圧測定(ABPM)
  2.家庭血圧測定法
  3.血圧測定の精度管理
 C.白衣高血圧,仮面高血圧,血圧変動性
  1.家庭血圧とABPMに基づく診療手順
  2.白衣高血圧
  3.仮面高血圧
  4.血圧変動性


III.高血圧の診察

 ◇高血圧の診察
  1.診断の組み立て
  2.病歴聴取
  3.身体所見


IV.臨床検査

 A.一般必須検査
  1.臨床検査はどこまで信頼できるか?
  2.尿,血液検査
  3.血液生化学検査
  4.心電図
  5.胸部X線
  6.眼底検査
 B.特殊検査(1)―エコー・CT・MRI(頸部,心,腎血流)
  1.頸部血管エコー
  2.心エコー
  3.腎エコー
  4.四肢動脈エコー
  5.腹部CT,MRI
  6.頭部CT,MRI
  7.尿中微量アルブミン
  8.高感度CRP
 C.特殊検査(2)―動脈硬化指標
  1.足関節上腕血圧比(ABI)
  2.脈波伝播速度(PWV)
  3.cardio?ankle vascular index(CAVI)
  4.増大係数(AI)
  5.中心血圧(CBP)
  6.flow?mediated vasodilatation(FMD)
 D.内分泌検査
  1.各種ホルモン検査
  2.副腎静脈サンプリング(AVS)
 E.核医学・造影・腎生検
  1.核医学検査
  2.造影検査
  3.腎生検


V.治療

 A.治療の基本方針
  1.治療の目的
  2.心血管病の危険因子,臓器障害の評価
  3.リスクの層別化
  4.初診時の高血圧管理計画
  5.まとめ
 B.治療対象と降圧目標,治療法の選択
  1.治療対象
  2.降圧目標
  3.生活習慣の修正
  4.降圧薬の開始時期
  5.降圧薬治療
 C.高血圧治療における留意事項
  1.初期治療
  2.長期治療(継続治療)
  3.抗血小板薬・抗凝固薬併用中の血圧管理
  4.QOLへの配慮
  5.アドヒアランス,コンコーダンス
  6.降圧療法の費用対効果
  7.降圧薬の中止
 D.生活習慣の修正
  1.食事・節酒
  2.運動・禁煙
  3.その他
 E.降圧薬治療の概論
  1.降圧薬の選択の基本
  2.併用療法
  3.相互作用と副作用
 F.降圧薬の特徴と薬理・副作用
  1.Ca拮抗薬
  2.レニン・アンジオテンシン系とARB/ACE阻害薬
  3.直接的レニン阻害薬(DRI)
  4.利尿薬
  5.β遮断薬(含αβ遮断薬),α遮断薬
  6.中枢性交感神経抑制薬,古典的な血管拡張薬,アルドステロン受容体拮抗薬


VI.高血圧性合併症の特徴と治療

 A.脳血管障害
  1.脳卒中超急性期・急性期
  2.亜急性期
  3.慢性期
  4.無症候期
 B.心疾患
  1.高血圧と心疾患
  2.心肥大
  3.冠動脈疾患
  4.心不全
  5.不整脈
 C.腎疾患
  1.慢性腎臓病
  2.糖尿病性腎症
  3.透析患者
  4.急性腎不全
  5.慢性糸球体腎炎
 D.血管疾患
  1.大動脈解離
  2.胸部・腹部大動脈瘤
  3.動脈硬化性末梢性動脈閉塞症


VII.他疾患を合併した高血圧の治療

 A.糖尿病,脂質異常症,肥満,メタボリックシンドローム
  1.糖尿病
  2.脂質異常症
  3.肥満
  4.メタボリックシンドローム
  5.特定健康診査・特定保健指導
 B.睡眠時無呼吸症候群(SAS)
  1.頻度
  2.OSASの診断と重症度
  3.循環器疾患のリスク
  4.高血圧の特徴と機序
  5.OSAS合併高血圧の治療
  6.まとめ
 C.痛風・高尿酸血症,慢性閉塞性肺疾患・気管支喘息,肝疾患
  1.痛風・高尿酸血症
  2.慢性閉塞性肺疾患・気管支喘息
  3.肝疾患


VIII.認知症を合併した高血圧への対応

 ◇認知症を合併した高血圧への対応
  1.血圧と認知機能・認知症
  2.認知障害および認知症合併高血圧


IX.高齢者高血圧

 ◇高齢者高血圧
  1.高齢者高血圧の特徴
  2.高齢者高血圧の基準と疫学研究
  3.高齢者高血圧の診断
  4.高齢者高血圧の治療


X.小児の高血圧

 ◇小児の高血圧
  1.小児高血圧の特徴
  2.血圧測定
  3.高血圧基準値
  4.小児高血圧の病態
  5.肥満と高血圧
  6.胎児期の栄養と高血圧
  7.小児本態性高血圧がなぜ問題になるか
  8.生活習慣の修正(高血圧の一次予防)
  9.高血圧の管理
  10.小児高血圧の診断・治療にかかわる課題


XI.女性の高血圧

 ◇女性の高血圧
  1.若年女性にみられる二次性高血圧
  2.妊娠高血圧症候群
  3.授乳に関する降圧薬
  4.更年期における高血圧


XII.特殊条件下の高血圧

 A.高血圧緊急症・切迫症
  1.高血圧緊急症・切迫症
  2.おもな高血圧緊急症および切迫症
 B.高血圧緊急症以外の一過性血圧上昇
  1.高齢者や自律神経障害を有する者
  2.パニック発作(パニック障害)
  3.偽性褐色細胞腫
 C.外科手術前後の血圧コントロール
  1.術前の高血圧および臓器障害の評価
  2.手術前後の血圧変化
  3.周術期の降圧薬の使用
  4.歯科手術と血圧管理


XIII.治療抵抗性高血圧

 ◇治療抵抗性高血圧
  1.治療抵抗性高血圧の定義と頻度,予後
  2.治療抵抗性高血圧の要因
  3.治療抵抗性高血圧への対策


XIV.二次性高血圧

 A.二次性高血圧の概論
  1.二次性高血圧とは
  2.二次性高血圧をきたす疾患
  3.二次性高血圧の頻度
  4.二次性高血圧のスクリーニング
 B.腎実質性高血圧
  1.定義と頻度
  2.診断
  3.原疾患と降圧療法
 C.腎血管性高血圧
  1.定義と頻度
  2.診断
  3.治療
 D.内分泌性高血圧
  1.概念
  2.原発性アルドステロン症(PA)
  3.その他のミネラルコルチコイド過剰症
  4.Cushing症候群
  5.褐色細胞腫・パラガングリオーマ
  6.その他の内分泌性高血圧
 E.血管性高血圧
  1.大動脈炎症候群
  2.その他の血管炎性高血圧
  3.大動脈縮窄症
 F.脳・中枢神経系疾患による高血圧
  1.脳・中枢神経疾患における高血圧
  2.中枢性昇圧機序
  3.神経血管圧迫症候群
 G.遺伝性高血圧
  1.Liddle症候群
  2.Gordon症候群
  3.ミネラルコルチコイド過剰症候群
  4.グルココルチコイド奏効性アルドステロン症
  5.家族性アルドステロン症3型
  6.11β水酸化酵素(11β?OHD)欠損症
  7.17α水酸化酵素(17α?OHD)欠損症
  8.妊娠時増悪早期発症高血圧
  9.代謝異常クラスター(a cluster of metabolic defects)
 H.薬剤誘発性高血圧
  1.非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
  2.カンゾウ(甘草),グリチルリチン
  3.グルココルチコイド
  4.免疫抑制薬
  5.エリスロポエチン
  6.エストロゲン
  7.交感神経刺激薬
  8.分子標的薬


XV.臨床研究
―利益相反(COI)を中心に―

 ◇日本高血圧学会としての利益相反(COI)マネージメント
  1.臨床研究のあり方に関する昨今の議論
  2.COIマネージメント指針等の改訂
  3.今後の臨床研究のあり方研修



 ◇利益相反(COI)の管理に関する提言
  1.利益相反(COI)とは
  2.利益相反(COI)の歴史
  3.日本高血圧学会の対応とそれに対する私見

ページの先頭へ戻る

序文

【改訂第3版の序文】

 本ガイドブックは「高血圧専門医ならびに専門医をめざす医師のため」の教科書の役割を担うべく作成されました.日本高血圧学会の新たな「高血圧治療ガイドライン(JSH2014)」を十分習得したうえで活用していただければと思います.
 日本高血圧学会は高血圧の標準的な治療方法を示す「高血圧治療ガイドライン(JSH)」を数年ごとに改訂しており,2014年4月1日にはJSH2014を公表しました.
 日本における4,300万人の高血圧患者の管理は基本的には実地医家によって実施されるべきです.そのようななか,高血圧専門医の役割は以下の「高血圧専門医像」(日本高血圧学会)に述べられています.
(1)一般医,総合医,および特定分野の専門医では難渋する治療抵抗性高血圧患者について,循環器・腎臓・内分泌代謝・脳卒中等の多領域方面の知識と経験から,その成因・病態を明らかにし,その治療にあたります.
(2)高血圧の約1割を占める二次性高血圧を適切に診断・治療します.
(3)本人が気付いていない高血圧の認知,高血圧の発症や予防に向けた教育・啓発活動,さらに,国民全体の血圧値を下げるため政策提言や情報発信などを通じて,心血管疾患の抑制,健康状態の向上を図り,もって国民の福祉に貢献します.
(4)上記の遂行に当たって,関連する診療領域についての総合的・横断的,かつ深い知識や技能を保持するために,高血圧専門医制度の研修カリキュラムを修了し,専門医取得後も自己研鑽を続けます.
 平成20年に日本高血圧学会が専門医制度の運用を開始後,日本高血圧学会認定専門医は600人を,基幹研修施設数も500施設を超えています.
 今までは,「日本専門医制評価・認定機構」の指導のもと,制度や運営の改善を図り,本ガイドブック作成もその一貫のものとして行われてきました.今後,新たな「日本専門医機構」のもとでも,日本における最多疾患である高血圧症を対象とする学会として,その専門医制度の重要性が増していくと思われます.
 本ガイドブックも,JSH2009の発表直後に初版が出版され,今回,JSH2014の発表にあわせ第3版として出版いたしました.新しいガイドラインを基本に,より一層,深く学べることを原則としているため,一部ガイドラインとの重複もみられると思いますが,専門医をめざす先生,および専門医を維持する先生方にも有効に活用していただければ幸いです.

平成26年5月

特定非営利活動法人 日本高血圧学会 理事長
堀内正嗣
特定非営利活動法人 日本高血圧学会 専門医制度委員長
梅村 敏


【改訂第2版の序文】

 高血圧は,わが国の患者数が約4,000万人とも推定されており,脳卒中や心筋梗塞,腎不全等循環器疾患の最も重要な危険因子の一つである.その予防,治療は,わが国の保健・医療にとっては極めて重要である.そのような観点から,日本高血圧学会は,高血圧の標準的な治療方法を示す「高血圧治療ガイドライン」を数年ごとに改訂・公表してきた.高血圧患者の管理は,基本的には実地医家によって実施されるべきである.高血圧専門医の主な役割は,①そのような一般実地医家に対して,最新の高血圧に関する情報を提供し,②実地医家が難渋する高血圧患者を適切に診断・治療し,さらには,③一般国民に対して高血圧の発症や予防に向けた教育・啓発活動を行うことである.
 日本高血圧学会では平成20年4月1日から専門医制度の運用を開始している.「厚生労働省告示第158号第26号 専門医の広告に関する基準・手続き等」によると「専門医告示の各号に掲げる基準を満たす団体が厚生労働省大臣に届出を行った場合は,当該団体が認定するいわゆる専門医資格を有する旨を広告しても差し支えないこと」となっている.日本高血圧学会は,高血圧専門医のインセンティブが得られるためにも,広告のできる専門医制度の確立を目指している.「専門医告示に定める基準の審査にあたっては,専門医資格の客観性を担保するため,医学医術に関する団体の意見を聴取することとしていること」という項目があり,この医学医術に関する団体が日本専門医制評価・認定機構である.日本高血圧学会は平成21年に日本専門医制評価・認定機構に入社し,宣伝が可能な専門医の認定を受けるべく機構からの指摘に対して制度や運用の改善を図ってきている.専門医資格を得るためには研修実績による受験資格認定と試験が必要であり,研修施設,指導医,カリキュラム,試験の充実を今後も進めていくため,資格認定小委員会,施設・指導医認定小委員会に加えて,平成22年12月に試験小委員会,カリキュラム小委員会が新しく設置され,専門医制度委員会の充実が図られた.
 日本高血圧学会は平成21年以降の専門医試験受験準備のために,平成21年4月に「高血圧専門医ガイドブック」を刊行したが,ガイドライン(JSH2009)との整合性や内容の修正が必要な部分があることから,学会ホームページに修正箇所を掲載した.今回,JSH2009発行から2年が経過し,「高血圧専門医ガイドブック」の改訂版を発行するにあたって,JSH2009との整合性の確認や国外の高血圧ガイドラインや国内他学会のガイドラインの点検,新しいエビデンスの掲載,内容の見直しを行ったことにより,受験準備に活用していただける内容にブラッシュアップされたと考えている.
 平成23年7月に予定されている第8回専門医試験をもって過渡的措置を終了するが,本ガイドブックを活用されて,多くの会員の方々が高血圧専門医試験を受験されることを期待したい.

平成23年1月

特定非営利活動法人 日本高血圧学会 理事長
島田和幸
高血圧専門医ガイドブック作成委員会 委員長
梅村 敏
特定非営利活動法人 日本高血圧学会 専門医制度委員長
松浦秀夫


【初版の序文】

 日本高血圧学会では,従来の専門医制協議会発足時には専門医を作ることができていなかったため,学会認定専門医に準ずるものとして,FJSH(特別正会員)制度で対応してきた.一方で,FJSHは専門医とは異なることから,その意義がはっきりしないとの意見も寄せられていた.日本専門医認定制機構がスタートし,その後の平成14年の厚生労働省の告示によって,各学会及びその認定の課程が一定の外形基準を満たせば専門医を作ることができ,広告もできる可能性が示された.そして,日本専門医認定制機構に加入していない学会も専門医の表示をはじめてきている.本学会としても,FJSHを最終目標とせずに,本来の目的である学会認定高血圧専門医制度を目指すことが平成17年4月の理事会においても確認された.
 日本高血圧学会としては,専門医制度の設定にあたっては,今後,日本専門医制評価・認定機構への加入と表示の許可という大きなハードルがあるとのことを十分に認識したうえで,将来の機構への加入と関連学会の了承による表示(広告)の2つを目指して厚生労働省の9項目を満たした内容の専門医制度を目指すこととなり,平成19年8月の理事会で,この目的のもと,専門医制度委員会の設置が決定された.
 専門医制度とFJSHは根本的に異なるもので,FJSHから専門医への直接的な移行は考えられない.但し,施設認定と指導医が必須となるため,まずFJSHの中から指導医に就任していただくことにした.そのうえで,施設認定を審議し,指定に至っている.専門医制度委員会において,指導医(FJSH,評議員より)と研修施設が決定され,依頼も行っている.カリキュラム,受験資格を得るための経験症例の内容と症例数,そして受験資格に関する過渡的な措置も決定され公表されている.平成20年4月より研修開始,平成20年中に第1回,第2回,第3回の専門医試験を役員,評議員,FJSHを対象に施行し,218人の専門医が平成21年4月付けで認定されることになっている.
 さて,平成21年度以降には,FJSHに加えて一般会員を対象とする専門医試験が開始される.そこで,通常の専門医試験開始に向けて,高血圧専門医ガイドブックを日本高血圧学会編として作成し,試験の準備に役立てていただくべく,刊行することになった.
 高血圧の基礎,疫学から臨床まで,専門医試験の準備にあたって優れたテキストブックができたものと考えている.本ガイドブックの活用のもと,多くの方々に高血圧専門医試験を受けていただくようお願いする.

平成21年3月

特定非営利活動法人 日本高血圧学会 理事長
島本和明
特定非営利活動法人 日本高血圧学会 専門医制度委員長
梅村 敏