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書籍詳細

診断と治療社 内分泌シリーズ

内分泌代謝疾患クリニカルクエスチョン100診断と治療社 | 書籍詳細:内分泌代謝疾患クリニカルクエスチョン100

国立病院機構京都医療センター臨床研究センター副センター長

成瀬 光栄(なるせ みつひで) 編集

神戸大学大学院医学研究科糖尿病・内分泌内科学

髙橋 裕(たかはし ゆたか) 編集協力

国立病院機構京都医療センター内分泌・代謝内科

田上 哲也(たがみ てつや) 編集協力

虎の門病院内分泌センター

竹内 靖博(たけうち やすひろ) 編集協力

東京女子医科大学高血圧・内分泌内科

田辺 晶代(たなべ あきよ) 編集協力

初版 B5判  200頁 2014年12月01日発行

ISBN9784787821447

定価:本体5,000円+税
  

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内分泌代謝専門医をめざす若手医師らにアンケートをとり,特にここが知りたい,わかりにくいという点を100選出し,視床下部,下垂体,副腎,甲状腺,消化管などの各セクションごとに,CQ形式でまとめ,それぞれについてエキスパートの執筆陣がわかりやすく簡潔に解説.内分泌疾患の診療にたずさわっている医師がつねに手元において,日常診療に活用できることを想定.また,詳細は『内分泌代謝専門医ガイドブック』を参照するようつながりを持たせている.

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目次

推薦のことば  
序 文  
執筆者一覧  
略語一覧表  

Chapter 1 下垂体
Q1 先端巨大症の診断基準のポイントは?  髙橋 裕 
Q2 先端巨大症の薬物療法を具体的に教えてください  髙橋 裕 
Q3 Cushing病,偽性Cushing症候群,異所性ACTH症候群の鑑別診断法は?  福岡秀規,髙橋 裕 
Q4 下錐体静脈洞サンプリングの実施適応・方法と判定法は?  山田正三 
Q5 Cushing病の薬物治療のコツは?  沖 隆 
Q6 原発巣不明の異所性ACTH症候群の病変検索と治療法は?  沖 隆 
Q7 高プロラクチン血症の鑑別診断と治療は?  福岡秀規,髙橋 裕 
Q8 下垂体前葉機能の評価方法は?  福田いずみ,市原淳弘 
Q9 汎下垂体機能低下症のホルモン補充療法のコツは?  高野幸路 
Q10 下垂体疾患のトランジション治療のポイントは?  安藏 慎,長谷川奉延 
Q11 成長ホルモン分泌不全性低身長症の診断基準と治療は?  上牧 務,長谷川奉延 
Q12 成人成長ホルモン分泌不全症の診断基準と治療は?  髙橋 裕 
Q13 リンパ球性下垂体炎の病型と診断,治療は?  井口元三,髙橋 裕 
Q14 中枢性尿崩症の診断と治療は?  有馬 寛 
Q15 低ナトリウム血症の鑑別診断における検査手順と治療は?  次田 誠,岩崎泰正 
Q16 SIADHの病態と,水制限が有効な理由は?  次田 誠,岩崎泰正 
Q17 下垂体MRIの読み方のポイントは?  藤澤一朗 
Q18 下垂体腫瘍の鑑別診断と手術適応は?  西岡 宏 
Q19 どんな時に下垂体癌を疑う必要がある?  廣畑倫生,松野 彰 

Chapter 2 甲状腺
Q20 どんなときに甲状腺疾患を疑うか?  浜田 昇 
Q21 甲状腺機能検査の選択方法と読み方のポイントは?  田上哲也 
Q22 妊娠に伴う甲状腺機能の変動は?  吉村 弘 
Q23 潜在性甲状腺機能亢進症は治療すべきか?  田上哲也 
Q24 甲状腺機能亢進症で抗TSH受容体抗体が陰性の場合はどうする?  田上哲也 
Q25 抗甲状腺薬で副作用が出た場合の次の治療法は?  中村浩淑 
Q26 PTUによるANCA関連血管炎の診断と治療のポイントは?  吉村 弘 
Q27 Basedow病における131I—内用療法の適応と治療量の決定法は?  中村浩淑 
Q28 甲状腺クリーゼの診断基準と治療は?  赤水尚史 
Q29 甲状腺眼症におけるステロイドパルス療法の具体的なプロトコールは?  廣松雄治 
Q30 アミオダロン誘発性甲状腺機能異常症の診断と治療は?  石原 隆 
Q31 亜急性甲状腺炎と橋本病の急性増悪の鑑別のポイントは?  田上哲也 
Q32 亜急性甲状腺炎の初期治療はNSAIDsでいい?  石原 隆 
Q33 どんなときにIgG4関連甲状腺炎を考えるか?  覚道健一 
Q34 SITSHの鑑別診断の進め方は?  村田善晴 
Q35 甲状腺機能正常の橋本病のフォローアップの方法は?  浜田 昇 
Q36 潜在性甲状腺機能低下症の治療方針は?  田上哲也 
Q37 粘液水腫性昏睡の診断基準と治療は?  大野洋介,田中祐司 
Q38 1 cm未満の甲状腺腫瘤は細胞診をすべき?  覚道健一 
Q39 甲状腺穿刺吸引細胞診で不適正となった場合の対処法は?  中村浩淑 
Q40 甲状腺の内視鏡手術の適応は?  鈴木眞一 
Q41 放射線被曝と甲状腺疾患の関連の説明方法は?  志村浩己 

Chapter 3 副甲状腺・骨代謝
Q42 原発性副甲状腺機能亢進症の内科的治療は?  矢野彰三,杉本利嗣 
Q43 画像で副甲状腺腫大を確認できない原発性副甲状腺機能亢進症の治療方針は?  遠藤逸朗 
Q44 腎機能低下を伴う高カルシウム血症の鑑別診断は?  鈴木敦詞 
Q45 血中intact PTH濃度は高値,血清Ca濃度は基準値内,診断の進め方は?  鈴木敦詞 
Q46 頸部エコーで発見された副甲状腺偶発腺腫の診断・治療方針は?  渡部玲子,岡崎 亮 
Q47 PTH非依存性の高カルシウム血症の鑑別診断の進め方は?  田井宣之,岡崎 亮 
Q48 悪性腫瘍に伴う高カルシウム血症の初期治療は?  田井宣之,井上大輔 
Q49 高カルシウム血症クリーゼの治療は?  渡部玲子,井上大輔 
Q50 低カルシウム血症の鑑別診断におけるポイントは?  福本誠二 
Q51 副甲状腺機能低下症では活性型ビタミンD3とカルシウム製剤を併用すべき?  福本誠二 
Q52 骨粗鬆症の薬物治療の開始時期は?  山内美香 
Q53 骨粗鬆症治療におけるビスホスホネート製剤やデノスマブの有害事象は?  山本昌弘 
Q54 骨粗鬆症においてビスホスホネート製剤はいつまで続けるべきか?  山口 徹 
Q55 骨粗鬆症におけるテリパラチドの適応は?  矢野彰三,杉本利嗣 
Q56 Cushing症候群における骨粗鬆症の術前・術後の治療方針は?  岡田洋右 
Q57 ステロイド治療中の骨粗鬆症の評価と治療は?  岡田洋右 
Q58 どんな時に骨軟化症を疑う必要がある?  竹内靖博 
Q59 骨軟化症の画像診断の進め方と特徴的所見は?  竹内靖博 

Chapter 4 副 腎
Q60 副腎偶発腫瘍の鑑別診断の進め方は?  方波見卓行,村山 桂 
Q61 原発性アルドステロン症の機能確認検査の種類と特徴は?  成瀬光栄,立木美香,難波多挙 
Q62 副腎静脈サンプリング(AVS)の判定基準は?  成瀬光栄,馬越洋宜 
Q63 デキサメタゾン抑制副腎シンチグラフィの実施方法と診断的有用性は?  田辺晶代 
Q64 Cushing症候群の周術期および術後のステロイド補充療法は?  方波見卓行,佐々木要輔 
Q65 サブクリ二カルCushing症候群の手術適応は?  立木美香,馬越洋宜,田辺晶代,成瀬光栄 
Q66 AIMAHにおける異所性受容体の検査はどこまで必要?  鈴木佐和子,田中知明 
Q67 AIMAHによるCushing症候群の治療方針は?  鈴木佐和子,田中知明 
Q68 どのような場合にCarney complexを考慮すべき?  大月道夫 
Q69 副腎皮質機能の評価におけるCRH試験と迅速ACTH試験の使い分けは?  大月道夫 
Q70 外因性ステロイドが血中ACTH,コルチゾール測定値に及ぼす影響は?  曽根正勝,稲垣暢也 
Q71 重症ストレス時の副腎クリーゼの評価・判定法は?  仲山倫子,野村政壽 
Q72 副腎クリーゼ急性期のステロイド投与量は?  柳瀬敏彦 
Q73 先天性副腎過形成の移行期・成人期の補充療法は?  柳瀬敏彦 
Q74 褐色細胞腫におけるカテコールアミン過剰の評価方法は?  一城貴正 
Q75 褐色細胞腫の診断における各種画像検査法の特徴と使い分けは?  田辺晶代 
Q76 褐色細胞腫で病変を複数認めた場合の多発性と悪性との鑑別法は?  武市幸奈,野村政壽 
Q77 遺伝性褐色細胞腫の遺伝子変異の種類と解析実施の臨床的ベネフィットは?  竹越一博 
Q78 褐色細胞腫クリーゼの診断と治療は?  立木美香,成瀬光栄 
Q79 Bartter症候群とGitelman症候群の違いは?  谷口義典,寺田典生 

Chapter 5 消化器
Q80 グルカゴンの生理的役割と糖尿病における意義は?  北村忠弘 
Q81 インクレチンの生理作用と治療応用は?  加藤俊祐,山田祐一郎 
Q82 グレリンの生理作用と治療応用は?  児島将康 
Q83 低血糖でインスリノーマを疑う際の診断プロセスは?  辻野元祥 
Q84 インスリノーマと反応性低血糖の鑑別診断のポイントは?  辻野元祥 
Q85 どういうときにIGF—II産生腫瘍を疑う?  福田いずみ,市原淳弘 
Q86 高ガストリン血症を示す病態や薬剤にはどのようなものがある?  土井隆一郎 
Q87 どういうときにグルカゴノーマを疑う必要がある?  辻野元祥 

Chapter 6 性 腺
Q88 中枢性性腺機能低下症の原因と鑑別のポイントは?  田島敏広 
Q89 女性におけるHRTの実施方法は?  岩下光利 
Q90 多囊胞性卵巣症候群(PCOS)の診断と治療は?  峯岸 敬 
Q91 無月経をみた場合に内科医がすべき検査は?  福田いずみ,市原淳弘 
Q92 男性の性腺機能低下の検査の進め方は?  北原聡史 
Q93 性染色体異常による代表的疾患とその診断法は?  福田いずみ,市原淳弘 
Q94 男性低ゴナドトロピン性性腺機能低下症の補充療法は?  石坂和博 
Q95 男性低ゴナドトロピン性性腺機能低下症における骨粗鬆症の治療法は?  石坂和博 

Chapter 7 多腺性・遺伝性内分泌疾患
Q96 多発性内分泌腫瘍症(MEN)の鑑別診断と治療は?  櫻井晃洋 
Q97 膵神経内分泌腫瘍(PNET)の診断と治療法のポイントは?  馬越洋宜,立木美香,成瀬光栄 
Q98 カルチノイド腫瘍と神経内分泌腫瘍(NET)はどう違うか?  覚道健一 
Q99 自己免疫性多内分泌線症候群の主要な疾患は?  伊藤光泰 
Q100 代表的な遺伝性内分泌疾患の遺伝子異常と病態は?  伊澤正一郎 

付録  
索引

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序文

推薦のことば

 内分泌代謝疾患はホルモンの異常によってもたらされる病気である.体内で産生・分泌されるホルモンは多岐にわたり,またその作用も多様であるために,内分泌代謝疾患の臨床症状は実に多彩である.そのため日常診療では見逃されてしまい,進行してから診断され,治療が遅れてしまうこともしばしばある.ホルモン異常には特徴的な症状や兆候を伴うことが多いため,これらの所見を見逃さずに的確にとらえる能力と経験が内分泌代謝科専門医には要求される.エキスパートは多くの医療情報から見逃してはならない重要な情報を的確にまた優先順位をもって拾い上げる能力を備えている.実臨床では彼らの一寸したヒントが的確な診断や適切な治療に結びつくことをしばしば経験する.長い臨床経験に基づく観察力と科学的エビデンスに裏打ちされた洞察力を備えたエキスパートによる適切なアドバイスは「クリニカル・パール(臨床的珠玉)」と呼ばれ,レジデントや若手医師に高く評価されている.
 高血圧や糖尿病といったcommon diseaseと違い,内分泌代謝疾患は比較的頻度が多くないため,その診断や治療には専門的な知識が必要とされる.最近では厚生労働省の研究班や関連学会で各種ガイドラインが策定され,診断と治療の手引きとして広く利用されている.しかし現行のガイドラインで提唱されている診断基準や治療のアルゴリズムは必ずしも全てが理解しやすく簡便にできていない場合もあり,日常診療のなかではより実践的で具体的なポイントを先に解説してもらいたいという要望をレジデントや若手医師からしばしば耳にする.確かに成書や教科書に記載されているように視床下部・下垂体から性腺まで多岐にわたる内分泌代謝疾患を個別にひも解いて理解するよりも,特に知りたいポイント・わかりにくいポイントを先に取り上げて,エキスパートがわかりやすく解説する方が理解する効率は良い.このように医師が臨床現場で直面する疑問は「クリニカルクエスチョン(CQ)」と呼ばれる.最近ではCQは診療ガイドライン作成に不可欠な要素となり,短時間で診療内容を把握できるようにまずCQを提示し,それに対する答えを用意して推奨文を記載する.これが読者に最も理解しやすい実践的なガイドライン作成法とされる.
 今回刊行される『内分泌代謝疾患クリニカルクエスチョン100』は「内分泌代謝専門医ガイドブック」の姉妹編として厳選された100のCQから構成されている.CQでポイントを理解した後は『内分泌代謝専門医ガイドブック 改訂第3版』や教科書に戻り,自身の知識として再整理して理解を深めてもらいたい.本書が多くのレジデントや若手医師に広く活用していただける良書であると確信し,推薦する次第である.
2014年11月

公益財団法人先端医療振興財団・先端医療センター病院長
東京医科歯科大学名誉教授
平田結喜緒



序  文

 内分泌疾患は患者数から見ればcommon diseaseでないことから,日常診療では見逃されやすいが,診断と治療の遅れは,長期にわたる対症的な治療の継続をもたらすのみならず,時として生体内ホメオスターシスの急激な変動により,生命の危機をもたらす可能性もある.内分泌疾患の診療に従事する医師のスキルアップに不可欠なのは,①経験と専門的知識のある指導医,②豊富な症例の経験,そして,③アップデートされた内容のテキストブック,であると考えている.このようなことから,内分泌代謝疾患の診療水準向上を目的として2007年4月に,『内分泌代謝専門医ガイドブック』の初版を刊行したが,多くの読者の先生方から評価のお言葉とともに,不十分な点についての改善の要望が寄せられたことから,2009年3月に改訂第2版を刊行した.さらにその後,カルシウム・骨代謝疾患,性腺疾患,糖・脂質代謝疾患の領域を中心に改訂し,2012年11月に改訂第3版を刊行した.
 その結果,極めて充実した内容の成書となったが,一方で,もう少し手軽に,日常診療での疑問を簡潔に解説した書籍の要望が寄せられた.そこで内分泌代謝専門医をめざす若手医師らにアンケートをとり,特にここが知りたい,わかりにくいという点を100選出し,視床下部・下垂体から消化管までの各セクションごとに,クリニカルクエスチョン形式でまとめ,各々についてエキスパートの執筆陣に平易に解説いただいた.可能な限り簡潔な内容とし,詳細は「内分泌代謝専門医ガイドブック」を参照することを想定している.内分泌の専門医を目指す医師のみならず,臨床の現場でつねに最良の診断・治療をめざすすべての医師が手元において,日常診療に活用していただければ幸いである.また,多忙にもかかわらず,ご執筆頂いた各先生方に改めて心より感謝申し上げる次第である.

2014年11月

国立病院機構京都医療センター臨床研究センター副センター長
内分泌代謝高血圧研究部部長
成瀬光栄